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[庭木の上に立った黒い翼の向こう、千々に刻まれた黄色と赤の蝶が落ちていく。
奇妙に美しい光景の中、アルビンは機嫌が悪い]
普遍の慈愛など要らない。
[無論、空腹でない時は、悪徳など感じない前提になっているから、空腹時はいつも怒っていると言えばそうなのだが]
私だけを愛して。
[喉を上げ、翼を広げて啼く]
苦しめ<愛し>て、甚振っ<愛し>て、執着し<愛し>て
[周囲の美しく整えられた庭木が、悶え震えて、色を失っていく。
醜く枯れ落ち、白く萎びていく]
でないと、貴方の心臓をこの嘴で貫いてしまうから。
[罪もない草花に八つ当たりをして、少し鬱憤をはらしたアルビンは、庭木の上から地面に降り立った]
[自分の羽を抜き、唇を押し当てると、それは黒革の短鞭になった。
自分の喉に軽く当て、そのまま滑らせて胸、腰をゆるりと撫でる。
感触を確かめた後、ヒュピッと空気を裂いて音を鳴らしてから、腰後ろのベルトに挟んだ]
[一振りして、翼を仕舞った。
そして、数多いベルトの金具をチリリと鳴らして、歩き出す。
その視線は冷たい飢えに満ちている。
花を踏みつけながら中庭を抜け、建物へ入った]
ところで、パワーバランス的に、
色々があれこれで、だいぢぶ、かしら。
一応、参考にした基準。
ツェーザルさんが兎状態で魔法使ってたから、空腹=不能ではない。
とはいえ、ツェーザルさんはン千年物の悪名高い吸血鬼。
100年も経ってない若輩の俺がそのレベルは無理ぽ。
ただ、元老の直系=そんなに弱いはずはないだろう。
よって、潜在能力はあるけど経験不足で、八つ当たりは出来ても、戦闘は下手って感じで。
壁を優雅に歩いたり、パパみたいに瞬間移動は出来なくて、
翼でバッサバッサ飛んだり、ちょっと頑張って早く動ける程度かな。
ヘイストとかカッコいい名前ついてない、スキルでもないレベルでござる。
植物を枯らしたのは精気吸収。でもちゃんと吸えていなくて、体力回復してない。植物さんたち、吸われ損ですね。
特殊能力……血を飲んだ相手の居場所が分かるのは皆デフォで出来てるみたいだから、俺も出来るのかなあ。
でも飲んだのは、エルお姉さまだけである……。
お互いにセンサーつけるために、ジャンさんとちゅっちゅとか、楽しかったかもだね。
[ふと、首を巡らせて風を嗅ぐ。
恋しい憎らしい主の残り香]
[流れるような足取りで、それを辿る。
まるで夢の中から漂うように曖昧で不十分。でも、彼が本気で存在を隠そうとしたら、アルビンごときに感知できるはずがない。
クロイツに残してあった口づけと同じように、
……たぶん、試されているのだ。本当に憎い方。
濡羽色の拘束服を靡かせて目指すのは、黄色い小鳥の場所]
[まだわずか、火傷痕の残る指先で自分の喉をなぞる。
嗜虐の悦も、被虐の快も知る身だからこそ思う。
逃げも抵抗もしない獲物ほど、詰まらない狩りはない。
だから……恐れ、怯え、震えるがいい。
あの方もそれを喜ぶだろう]
[やがて、見えてくるのは、味を知っている女性と、黄色い小鳥。
血親に可愛がられる栄誉を得たのはどちらだろうと思い、
どちらも食ってしまえばいいかと思う]
先ほど振りです、エレオノーレさん。
そして、そちらの小鳥は、もしやシルキーさんというお名前じゃありませんか?
初めまして、私はアルビン・バルシュミーデ。
[甘く微笑んで、紳士的に挨拶をする。
堅苦しくある必要はないが、礼節は大事だ]
エレオノーレさんには恩がありますので、非常に心苦しいのですが。
[穏やかに笑う]
妬ましいので脱落して下さい。
[言い様、最大速度で踏みこんで、距離を詰める。
指先は黒革の短鞭を抜き、空気を裂く音を引いて、小鳥に迫る]
[当たっても当たらなくても、手首を返してエレオノーレへ]
刃のない鞭は、殺傷力が低い。
だから、まずは手足を打って行動を封じた上で、次へ行こうと]
[エレオノーレの体勢が崩れたのを見逃さず、その体を押し倒し上に跨る。
いつかの逆]
打って、何度も打って、みみず腫れが皮膚を覆い尽くして、
痛みと失血で気を失ってからが本番なんですよ。
とても、……気持ちよくなりますから。
[彼女の手首を強く掴み、鞭で打った痕に舌を這わせた]
……でもすみません。
今は、先に頂くものを頂きましょう。
お姉様さえ希望すれば、俺ももう一回振って……と思ってたけど、お姉様の出目からして、俺がうっかり勝てそうな気がしてならない。
なので、提案するのはやめておきました。
1:2は、2側は大きい数で勝負できるから優位だけど、相手が□□■でアイテムもなかったりするとローリターン。
1側が勝った場合は一回の勝負で2吸血出来るからハイリスクハイリターンって感じかな。
[エレオノーレの手首に、牙を立てる。
出来れば美しい彼女を支配し、自分の物にしたかったけれど。
恋ではなく、憧れでもない、そんな美しい言葉ではない、執着のような気持ちを抱いていたけれど]
[……年齢と経験の壁は如何ともし難く、下手をするとこちらが支配されかねない。
だから、正攻法ではなく、ただ、魔性だけを注いだ。
彼女がこの先、「痛みを快楽として感じるように」と。
成功したかどうかは分からない]
……ああ、
癖があって芳醇な味。
私は好きですよ。
[吸い出した血は前回よりも少ない。命の危険はけしてない。
……そして、指先を彼女の体に這わせる。服の間に滑り込ませて。
やがて、探る指が抜き出したのは]
頂いていきますね。
[薔薇の小瓶。
唇を伝う血を舌で掬い、彼女の上から起き上がった]
[そして、彼女をその場に残し、服の裾を払う。
軽い動きで割れた窓を、更に広げて]
では、またお会いしましょう。
エレオノーレさん。
次はもう少しゆっくり楽しみましょうね。
[ひらりと中庭へ身を躍らせた。
黄色い小鳥を追って]
― 中庭 ―
シルキーさん、どこに居るんですか?
そう遠くへは行けないでしょう?
……ああ、隠れ鬼ですか?
私も昔、良くやりましたよ。
[花を踏み草を薙ぎながら、小鳥を探す]
ジャンさんは、お元気ですよ。
でも、
他に「大事な人」が出来たようですね。
だから、シルキーさんのことは私にくれるってことみたいです。
ジャンさんは今、他の女性と一緒にいますよ。
「ローレルちゃん」って呼んでおられました。
やりたいと思った時がやる時だと思いました。
……悪役大好き。うふふ。
しかしもうこれ、綺麗なアルビンには戻れませんね、俺。
元・神父 アルビンは、声無しの タクマ を投票先に選びました。
[自分がさっき枯らした場所に近づいてくる。
吸血鬼の居城だ。壊した物がいつの間にか元通りになっていても、おかしくないだろうと、
異常繁茂する草には特に注意を払わなかった]
貴女が黄色い小鳥になっているだろう、ということも、ジャンさんに教えて貰ったんですよ。
[楽しげに言葉を紡ぐ。
9割の真実の中に、1割の悪意を混ぜて]
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