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―出撃命令の数刻前 起床時 ―
>>579
…いつも、このような睡眠時間なのですか?
妙な時間に急激な眠気に襲われたりはしませんか?
ダーフィ…知り合いの中尉で、そのような障害を持つ者がいて…学生時代に少し調べたことがありましたから。
…部屋を出られないのなら、起床後の作戦行動に備えて少し…だけ…お言葉に甘えさせていただこうかとも思いますが。
[時計で確認してみると、昼寝をしたとしかいえないような僅かな時間しか経過していなかった。
今後を考えると、許されるのならあと数時間は眠らせてもらった方が良さそうだと判断する。]
シェットラントに関しては、手紙で…はっきりと軍人になったと書かれていましたから。
戦場で逢って、「斬りたくないから後退してくれ」はきっと…通じないのでしょうね。
…公国に行った…いや、帝国も含めて…シュヴァルベで学んだ同窓生が全員そうなら、戦い自体が成立することもないのでしょうけど。
[指輪について指摘され、表情が揺れたのが見て取れたのが、その時の会話の中でも特に印象に残った。]
― 士官学校跡地への道中 ―
[士官学校への道すがら、同じ隊の工兵達が新しく配属される中隊についてを語っている。
特に干渉もしないまま無言で馬を進めていたが、ある一言に顔を上げた。]
…ラムスドルフ大佐が怖い?
何がですか。兵を殺す事?
敵兵を一撃にて屠っている事?
[一人は氷の橋で防衛陣を敷いていた中にいた技官。
目の前で繰り広げられた屍山血河な光景を、青い顔で隊の者に語っている。
他にも様々な鬼神のごとき噂を聞いた兵士が、不安がりながら会話に混ざっていた。]
――彼が殺さなかった兵は、君達や部下、内地へ入りこまれれば、家族までをも殺しに来る兵かもしれませんが、それは構わないのですか。
彼が首を落とさなかった兵が、命が尽きるまで敵地でもがき苦しむ事になるのは…それは良いのですか。
[ざわついていた馬上の声がぴたりと止まる。]
彼は…ノトカー・ラムスドルフは英雄です。
公国人であるのなら、彼の事を帝国の白い悪魔だなんだと言うのは当然でしょう。
でも、帝国人にとっては英雄です。
本来、私たちが負わなければならない命まで、流れる血を厭わず背負い、刈り取ってくれているのです。
白い軍服に赤い血は目立つかもしれませんが…氷の橋の戦いに参加した者で、あの時の軍服をそのままの状態で着ている者はいますか?
本来技官寄りの私でも…斑に茶色い髪になれましたよ。
[語った後はそのまま静かに馬の歩みを続ける。
背後の兵たちの様子は明らかに変化していて、神妙な面持ちで馬を進めている。]
………
[本当の事を言うのなら、白い服に血まみれの将兵は確かに恐ろしく映るであろうことも理解していた。
理性ではわかっていても、感情がついてこない類の恐怖であろうことも。
ただ、自分自身がノトカー個人が返り血を浴びた姿も、敵の首を刎ね駆け抜ける姿も、恐怖の対象として認識していないだけなのだ。]
[今でも記憶に残されている。
崩壊した家の下で崩れ落ちていた小さな体。
命と共に流れていく赤い色。]
[ノトカーが敵兵を同じ赤に彩るたびに…
「彼の中で妹の存在が忘れられていない。」
「自分が果たすことができなかった復讐を代わりにしてくれている。」
そんな昏い、感謝の悦びにも似た感情が生まれるのを、*止める事ができなかった。*]
― シュヴァルベ移動前・拠点 ―
[氷橋での戦いの後、ノトカー経由で調査命令を下していた技術局の者から連絡があったのは、シュヴァルベに出立する少し前の事だった。]
「情報だけいただきました。
内容は解析中ですが、先に本体はお返しします。」
[目の前に渡されたのは、小さなボタン型の通信機のようなもの。
いや、今は記録媒体付きの通信機、と確定されていた。]
「これ…ぼかしていますが、ラムスドルフ少佐の私物なのですよね?
あ、言わなくても結構です。
記録媒体の再生不良はよくある話ですから。
プライベートは守りますよ。」
私物?プライベート??
[敵の潜伏兵から入手した外国製の通信機らしきものが、どうしてノトカーと繋がっているのか。
怪訝そうに目の前の技官をじっと見る。]
「隠さなくても、この回路独特の素材からわかります。
内容は…特級機密事項に抵触する為、お伝えはできませんが…とにかく、通常通信機には使われない素材が入っております。
ナイジェル・ラムスドルフ博士のオリジナル型を踏襲した通信機なんて、アレンジレプリカでも稀少過ぎて我々ですら現物を見る機会なんてめったにありませんから…
壊すなんてとんでもない。
大事に扱わせて頂きましたよ。」
[特急機密事項の材料が、いわゆる「二本脚の獣」>>1:756>>2:241であることは、勿論知らない。
シュヴァルベにつけば、斥候班とは必ず折衝があるだろうと思い、大事に包んで軍服の中に*しまい込んだ。*]
― 士官学校跡地 一角 ―
[士官学校跡地に到着すると、技官隊と戦闘工兵隊・土木兵隊の二手に隊を分ける。
戦闘工兵隊や土木兵隊が投石器の設置と陣地の設営。
技官隊は学校内に魔石、武器の類が残されていないかの探索。
部下に簡易地図を持たせ、指定ポイントを探索してから再集合するように命令を出していた。]
――ん…元魔石には違いないのだろうけど…すっかり、魔力は飛んでしまっているな。
[かつて馴染のあった教室に入り、周囲を見回す。
そこはかつて、カサンドラ・レイヴンウッド教官による私的な魔石破砕実験講義が行われていた場所。]
…放課後破壊クラブなんて物騒な命名は、誰のセンスだったんだ。教官だとしたら…女性の考える命名だということを加味しても…
[呟きながら掌に取ったのは色あせた緑の石。元は魔石として怪しい輝きを湛えていたと思われるそれは、今は唯の不透明な色のついた石でしかなかった。]
>>176
ん…誰かそこに………
………ウェルシュ?
[気配に振り返ると、そこにいたのは、嘗てこの教室で共に実験を見守った友人。
銀茶に色を変えた髪が、表情が、驚いたように微かに揺れた。]
先に、ついてたのですね。
……どうか、しました?
[口調は変わっても、呼びかける名前だけは昔のまま。
微妙な表情の変化に、覗き込むように目を合わせる。]
>>*5
「魔石については、個人的に興味があるのでな。」
[ウェルシュの言葉に答えながら、兄は非常に珍しいであろう笑顔で実験を見守っている。]
此処、もう少し石を足したらどうなるんだろう。
ウェルシュ、そっちの石少し入れて見ていいかな?
[更に火花が散り、小さな稲妻がひゅんと光った。
>>2:*84 ある意味とてもマッドな実験。
しかし、残念なことにその場に揃ったのは、それを是とするマッド学生達だけであった。]
………
[その後、実験に使った石の推定総額がさすがに不安になった兄弟はこっそりと実家に手紙を送った。
「仕事熱心な士官学校魔器教官様」宛てに、鉱山でとれたて新鮮魔石原石の詰め合わせ箱が教材として届いたのは、それから一週間後のことだった。]
>>117
……そうですね。懐かしいな………。
[手に持っていた石の先を地面に向け、埃の積もった床の上に魔方陣を丸く描く。
中心に緑の石を置くと、ぱちりと小さな火花が一つ。
後は冷たい石の沈黙。]
……わずかには残っているみたいですが、実用には堪えない量でした。
[顔を上げ、そう呟くと立ち上がる。]
我々はこうして兵役に就き、レイヴンウッド教官は今は公国に捕らわれの身。
…同じ地に立っていながら、あの頃がとても遠く感じます。
[工兵隊にはウェルシュの任務は知らされていない。
ただ昔を懐かしむ様に、カサンドラの姓を口にした。**]
…裏切っていても、裏切っていなくても…
レイヴンウッド技官を生きたまま、こちらの陣営に保護することは重要かと思いますが。
裏切っていないなら、大事な技官殿の救出に成功したことになる。
裏切っていたのなら…帝国の事情を知る捕虜として情報が得られる。
……どちらにしても、悪くないと思います。
― 作戦前・橋付近 ―
[作業兵と合流した後、防衛拠点となるであろう橋の周辺の工事は突貫作業で進められていた。]
隙間…ですか?
ん……この位置だと……
[厳しいかもしれない、と言い掛けた所で追加の説明>>213]
射線…か。わかりました。
そこの右端!悪いがもう半人分だけ、壁の位置をずらしてくれないか?
狙撃用の射線を確保したい!!!
……遮蔽物の配置について、意見があれば聞かせて頂けませんか?
なければこのままで進行しますが…
[さすがに、実戦を想定している狙撃兵なだけあり、地味で効果的な注文がいくつも上がってきた。面倒くさいといえないこともない内容ばかりだが、「ほんのすこし」「些細な事」を怠ったために崩壊した隊は多数ある。
妥協せず、辛抱強く作業兵に指示を出していった。]
…ダーフィト中尉がその銃を使うように、私の専門はこの手の作業なだけですから。
[涼しげな顔でさらりと答え、更に抜けている箇所がないか確認していて、ダーフィトが移動を始める気配に気づいた。]
……あ、待ってください。任務に戻る前に…
これを。
[手渡したのは、先日預かったばかりの通信機。
技官から聞いた進行状況…解析中との旨>>219も合わせて伝える。]
そう、ですね。おそらく…通信機能は失われていないかと。
現在は安全の都合上回線を閉ざしておりますが、そこを外せば………
色々思い悩むこともあるかもしれませんが
決して、不用意には使わないで下さい。
その通信の先にいるのは、貴方が知っている……大事な相手ではない可能性もあります。
そのように>>215、お守りとして所持することをお勧めしますよ。
[礼をいう様子に、少しだけ表情を和らげる。]
…私が持つ、これと似たようなものかな。こちらは友人から。あちらは元伴侶からのものだが。
[呟きながら、先ほどまでコインを包んでいた、燕の刺繍の入ったハンカチを丁寧に折りたたんだ。]
― 作戦前・橋付近 ―
[作業も進み、周囲は投石器や陣地の防御壁などで雑然となってきていた。
そんな中、目の前に現れたのは翠の髪に白い服。
ひときわ目立つ姿が声をかけてくる。]
ノト……ラムスドルフ少佐、今から出撃ですか?
……奪還作戦。いよいよ始まるのですね。
編成について、承知いたしました。
…行く先は、シュヴァルベといえども敵地ともいえる場所。
ノトカーが腕が立つのは知っていますが、充分に気を付けてください。
[つい、案じる様な表情が表にでてしまったのか、逆に気を遣う様な言葉をかけられてしまう。>>269]
工兵に護衛の必要性はあまり感じませんが…いや、この前の氷乙女のようなことがあったら大変ですね。お心使い、有り難く頂いておきます。
[もう少しで義理の弟になる予定だった青年は、それでもまだ心配が残るような顔でこちらを見ていた。
こういう所は昔からかわらない…そんなことも思いながら、遠ざかる馬に向かって手を*振り返した*]
帝国軍少尉 ヴィンセントは、帝国軍准将 リエヴル を投票先に選びました。
― 士官学校跡地 公国側橋前 ―
火矢に油を混ぜてきたか…あちらも準備万端だな。
[川沿いに設置したバリケードが燃えている。
炎が徐々に下草を伝う様子を見ると>>353>>385、舌打ちをして指示を出し直す。]
工兵隊3・2・8班は作業中止。延焼した建物側壁の消火作業に当たれ!
手が付けられない様なら、魔器の使用も許可する!
燃えているバリケードは、もういい。
裏に石でも岩でも投げて当面、上陸されないようにだけ注意だ。
そこ!頭は出すな!
火器の的になったら一発で終わるぞ!!
[部下に声をかけながら、公国側沿いの被害状況を確認する。時折投げ込まれる火矢を避け、地に落ちたそれの残骸を靴底で踏みにじる。]
――親衛隊?准将がでたのか。
戦場で、何かあった?
[突如、橋の先に居た騎兵隊が後退。>>373 入れ替わるように親衛隊の鎧姿が橋の上を通過していく。状況を確認する為、騎兵隊の近くまで走る。]
その紋章はブラオクヴェレ隊ですね。前線で何が……――――
[見慣れた金髪が、見慣れない姿で運ばれていく>>378 頭部は赤く染まり、呼吸で胸が上下することもなく、ただ静かに横たわっている。]
……………
[ジェフロイと彼の隊に命を救われたのは、つい先日の事なのに。
明るく快活な青年の変わり果てた姿に黙って両手を*握りしめた。*]
[駆け寄り、治療を始めようとした軍医が、すぐに首を振り両手を胸の上で組んだ体勢で横たわらせる。]
――先生、ブラオクヴェレ大尉は……
[奇跡も何も起こらず、変わらぬ事実だけを*伝えられた。*]
……こちら、士官学校本部。
拠点防衛任務に当たっています
ラムスドルフ中隊のアイゼンシュタイン少尉です。
――――カレル・ブラオクヴェレ中佐が、帝国軍人としての職務を全うし、帰還されました。
[中佐、という階級を用いて、カレルが死亡したという事実を通信のできる仲間に告げる。
周囲からは止まぬ戦いの音が*響いていた*]
― 回想・数年前 ―
[家業を継ぎ、魔器商人の見習いとして貴族の屋敷への出入りを始めた時、一番最初に驚いたのは士官学校の同窓生の多さだった。
特に戦闘のないこの時代、魔器を必要としているのは、大半が軍人か護衛官。
わかっていはいても、取引先で見知った顔に出会ったり、呼びかけられると時間が当時に戻ったような錯覚に陥りそうになる。]
フェルゼンベルク魔器ギルドの、ヴィンセント・アイゼンシュタインです。
御注文のありました、魔器6点をお持ちいたしました。
一度、手に持ちご使用いただいて、魔器自体の癖やサイズの変更がございましたらこちらで微調整をさせて頂き……
―――ウェルシュ・ツヴァイク。
……え、オーベルニュ伯って…君???
髪の毛が何だか茶色くなっているんだけど、何でだ。
染めたの?
[重要な取引先且つ高位貴族相手なので、充分に気を付ける様に。
父からそう、口がすっぱくなるほど注意をされていたのに、一瞬で色々台無しになっていた。]
そうだ…伯爵さまだから…失礼、致しました!
[一応真面目に謝罪もしたが、どうも芝居的になるのは否めない。
互いの態度もすぐに崩れて、学生時代と同じような笑顔で近況を交換することになった。]
[その後、実家の店では教職を辞したレイヴンウッド教官が買い付けに来るようになり、怪しげな手土産を置いて行くようになる>>*23
それを更に、注文の品と一緒に運搬しては、簡単な報告をしたり実演したり。
そんな些細な交流が、フェルゼンベルク陥落の前まで続いていたのだった。]
― 回想/学校跡地・一角 ―
[驚いたような表情は、すぐに見慣れた「ドーベルニュ少佐」の顔へと戻る>>271
笑顔のようでいて、感情を傍から伺わすことのない軍人の姿。]
――我々は、あの学校には戻れない。
その事を、改めて実感させられました。
[>>272 円の中心で力を喪った元魔石を摘み上げる。
少し力を入れると、指先でさらりと崩れて粉になった。]
― 学校跡地・公国側橋付近 ―
[カレルの死亡と騎兵隊の再編、最高指揮権を持つリエヴルの出陣…続く戦の音。
士官学校跡地は、行き来する伝令や兵士の移動が重なり騒然となっていた。]
…先ほど、裏手を守護していた斥候隊からの伝令が入った。
味方からの信号弾を確認>>563>>543
騎馬と思われる一団が、帝国側より侵入を試みていると。
――向こうの守備状況はどうなっている。
敵をおびき寄せたとしても、叩くことができなかったらどうにもならないぞ。
准将の本隊…は、今外に出ているな。
できるなら、騎兵隊が再編出来次第再び交代。お戻り頂いて指示を…
――――ッ…
[目の前に矢が飛び込み、慌てて振り払う。
眉を寄せて橋の向こうの戦場を睨み付けた]
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