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[湯の中を、真っ赤な薔薇の花弁が流れて来た。
指先でつまんで口に含む。
薔薇の精気はさほど残っていなくて実に物足りなかったが、それでもほんの気持ちだけ癒しにはなった]
[行こう、と思う。
抗うこともなく脱落したと血親に知れたら、何をされるか分からない。
それを思うと、湯の中にいても芯から冷えて行くようだった]
─脱衣場─
[風呂からあがると、すでに替えの服が用意されていた。
あの蔦はよく仕事が出来るようだ]
[……しかし、それを広げて微妙な顔になる。
色は良い。要求通りの黒だ。それも光沢を持った濡羽色。最高だ。
だが、前面にも背面にも、袖や足首にまでも、大小様々なベルトがたくさんついたこのデザインは]
……まさか。
いや、まさか、ね。
居るはずない……偶然だよね。
[何度か着せられたことがあるから分かる。
……拘束服だった。
罪人用ではない。彼らにこんな上等の布地は使わない。
だから、高貴な人の、哀れな玩具用の物]
[とはいえ、最初の服はほぼ燃えるごみ状態だから、
他に選択の余地はない]
[本来の用途は右手のベルトを左手で閉め、左手のは右手で閉め……と両手足を縛って身動きできなくするものだが、
右手は右手だけで閉め……とすれば、ちゃんと両手足が別々に動く。
ちょっとベルトが多いパンクなだけのデザインだなーって感じに見える……はず]
[喉元はベルトをしっかり閉めて防御を固め、
逆に裾は外してコートのように流した。
これで完成。
ある意味、これはこれで自分の戦闘服だからいい……のかもしれない、と無理やり納得させた]
C.Cみたいな拘束服がいいなーと思いつつ、「拘束服」で画像検索してみたら、ほぼ画面がC.Cだった件。
みんなギアス好きね。
俺も好き。
それにしても、1d2dと会えなかっただけなのに、パパに会いたくて寂しいです。
PLとしてはプロでちょっと話して設定結んだのに、好きすぎだろwww
でも好きwww
これが血の絆という奴か。なんと恐ろしい!!
─廊下─
[まだ湿り気の残る髪を縛り、歩き出す。
こちらは前のままの革靴を、危険があると知った今はあまり鳴らさないようにして]
[目指すのは入って来た城門の方向だ。
結局まだ確認できていない。
城門が開くなんて、そんなうまい話はなかろうとは思うが、燈台元暗しとも言う]
─玄関ホール─
[最初に入って来た入口へ到着する。
荘厳で立派な扉は、しかし、押しても引いても開かなかった。
アルビンに知識は乏しいが、物理的にだけではなく魔力的にも封じられているように思う]
……まあ、そうだよね。
[周囲も調べる。
ぴかぴかに磨かれた窓の向こうは、淡い霧に閉ざされ、今が昼か夜かもはっきりしなかった]
[辺りにはヒントらしきものもないようだった。
そう甘くはないらしい]
[だが、どこかにはきっと何かの手がかりがあるはずだ。
「門の外に自力で出られたら……」
と言うからには、何か自力で出る手段があるべきだ。
絶対に勝てないゲームなんて「ゲーム」として破綻している。
そんな鬼畜な所業は普通は誰も……、、、
……するのは、アルビンの血親くらいだろう]
[かるく手を払い、拘束服の上着を靡かせて、背後を向く。
屋上か、バルコニーか、とにかく外が見える場所を探そうと思った]
[また何か案内して貰える使い魔は居ないかと、道中探してみたけれど、
そううまく見つからなかった。
サッと影のようなものが過ったり、ごく素早く飛び回る蝙蝠を見たりはしたけれど、
どちらも呼びかけても返事しなかった]
[……それもそうか。
人間らしさが濃く残って中途半端なアルビンと違って、あのエレオノーレのような立派な吸血鬼も居るのだ。
そう簡単に捕まる使い魔は配置していまい。
あの蔦は本当に運が良かったか……そもそも、吸わなくても別に言う事くらい聞いてくれたのか]
[危うい所で開いた落とし穴にヒヤリとしたり、飛んでくる礫や矢を辛くも避けたりして、なんとか三階分ほど階段を上った。
細かい模様が美しいレースのカーテンが揺れるのが見えたので、破らないようにそっと引いてみる]
……えっ?!
[体感では三階程度登った感覚だったが、もっとはるかに高い塔のような場所に出ていた。
地上へ続いていく壁が霧に溶け込んで、先が見えない。
空は高く、森の木々はずっと向こうにぼんやりと墨絵のように見えるだけ]
……飛んでいくのも、恐ろしいな……。
[最も、アルビンの場合、人間としての意識がある間は飛べないけれど]
えんじゅたま、業務お疲れ様です。
ブラッドゲージ、今の所問題点見つかりません。
これ面白いね。
なおかつ、
飢餓状態→喋れないもふもふで凶暴化っていうのが、吸いに行く理由になってとてもいいと思う。
黒アルビン化するためだけに、イベントなしで減らすって手もあるんだけど、
出来ればイベントか、吸血で黒化したい男心……!!
どうしてもツェーザルさんとジャンさんを戦わせたがるラ神がwww
おにちくwwww
ラ神まで調教する我が主に、どんな顔をしたらいいのか分かりませんww
─廊下─
[それから、
窓を確認しながら階段を探して登り続けた。
はるか高い場所が見える事もあれば、驚くほど地面が近く見える時もあった。
探し方が悪いのか、そもそも存在しないのか、結局屋上へ出る事は出来なくて。
仕方なく階段を降りたら、今度は体感1階分下りただけで、見覚えのある玄関ホールに着いた]
……訪問客に優しくない城だ……。
[幻覚に惑わされ登ったつもりになっていただけなのか。
それとも本当に城の構造が動いているのか。
アルビンに判断する方法はなかった]
[城の構造を把握することに意味がないのならば、誰かと協力し合う方がいいかもしれない。
今度は人の気配や音を探して歩く。
出来れば友好関係を結べたジェフロイがいい。おそらく、簡単に死ぬタマではないだろう。
そんな時に]
……!!
[ふいに鼻先をごく嗅ぎ慣れた匂いがかすめた気がして、全身を硬直させた。
鼓動がごく弱くなった心臓がドクリと脈打ち、じわりと汗が噴き出す]
違う……だって、来ない、って……。
[血の親の香り]
[緊張と恐怖が一気に解消されて、
普段より警戒心が薄れていたのは間違いない。
近づく男性へこちらも一歩寄り]
急にすみません。
貴方も参加者でしょうか?
良かったら、一緒に出口を探しませんか?
俺はアルビンです。
アルビン・ローレンツ……、バルシュミーデ。
[……でも、苦しんでいる人を目の前に、無視する事はどうしても出来なくて。
飢える苦しみはアルビンも分かる。よく分かる。
迷う時間はそれほど長くなかった]
どうしても、と言うなら。
……ひとつだけ守っていただけるなら。
[アルビンは拘束具の喉の部分を解き、肩口までを露わにする。
斬られたり咬まれたりで、塞がった傷の残る喉]
……飲んだ後、すぐに逃げて下さい。
俺はたぶん、貴方を襲う。
[目を細め、ゆるりとクロイツの背を撫でる。
熱に浮かされたような声で。
恐らくクロイツには意味の分からないことを告解する]
あの方は古くて偉大な存在。
信望者も近習も星の数ほど居る。
あの方は「私」を愛してはいない。
でも、何かがお気に召してるのは確かです。
恐らくそれは「私」の身の上でしょう。
[血が啜られる悦楽と、そして増して行く渇きに、はぁ……と苦しいため息をつく。
牙が離れた。傷口を這う舌の感触。
ああ、クロイツは優しい人だ。
ゆっくりと目を開き、離れたクロイツを感情のない目で見る]
……だから、「私」はあの方から逃げなければいけない。
あの方を拒み、自由を望み、死を希う、清らかな「元・神父」でいなきゃいけないんです。
「現・吸血鬼」になった途端、あの方はきっと「私」はあの方にとって、
星の数ほどいる詰らない信望者の一人になり果てる。
あの方はきっと興味を失う。
だから。
今日も、清らかなふりをして、
「これ以上罪を犯さなくてすみますように」
「世界中の人々が幸せになりますように」
そんなクソみたいな祈りをし続けるんです。
「私」はそんな浅ましい存在なんですよ。
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