情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新
― 移動中→メインサロン ―
[配達屋とは実に難儀な職業だ。
ひとところに留まることが無いので、友好関係が深まりにくい。
元々人付き合いが不得手なのもあって、これまで出向いた街でさえ顔見知りと呼べる間柄は少ない。
むしろ、親しい間柄と呼べる人数は減っていく一方である。
ここ数年、彼の周囲では不審死が相次いでいる。
例えば、街で知り合った老婦人。
例えば、夜中に職質してきた警察官。
例えば、駅前のアンケート調査員。
いずれにしても、彼に興味を持ち、
【彼の事を知ろうとした者は、皆尽く謎の死を遂げてきた】
――そんなことが続いたのもあって、最近は知り合ったとしても極力親しくならないよう、人付き合いも極力避けてきたのだった。
]
配達屋《メッセンジャー》 オズワルドが「時間を進める」を選択しました
― メインサロン:展望ラウンジ ―
おわぁ…
[ラウンジに足を踏み入れた瞬間、思わず声が漏れた。
天井に大きく取られた窓の外では、漆黒の暗闇の中で数多の銀河がグリッターの如く煌めいている。手を伸ばせばそれらの煌めきに手が届きそうである。]
こりゃすげぇ…こんな絶景初めて見た。
[宇宙を見上げてしばらく立ち尽くしていた。視界を下におろしていくと、メインサロンには既に何人か人が居るようだった。
ラウンジの隅にお目当てのバーカウンターを見つけた。
千鳥足で歩いていく。
果たして先客は居ただろうか。
もし話しかけられたとしても、酒の席の与太話位なら、相手の命に関わる事は無いだろう。乾杯位はしても良いと思った*]
お気楽ウサギのオズワルド。
何も知らないオズワルド。
馬鹿みたいに口開けて、お空を見上げる木偶の坊。
[囁きは確かに響いた>>0:#11]
…あぁーん?
なんでぇ、何抜け駆けしてんだい。
船ん中じゃあ足が着くと思って、ずっと我慢してたのによお。
[知らせを聞いて不貞腐れている様はまるで子供のよう。]
そんじゃあもう、獲って食っていいってことだよなぁ?
[大義だの何だのはどうでも良くて。
ただ、いつもの様に食事にありつきたい、それだけだ。]
>>*8
殺しは俺の本分さぁ。
食わねぇうちにトンズラこくなんて、勿体なくって涙が出ちまう。
俺ぁ金品剥いだら残りの肉も残さず食わなきゃ嫌なのよ。
[そう、配達屋なんてぇのは、俺がオズワルドに吹き込んだ真っ赤な嘘。本当の稼ぎは、行く先々で行う強盗殺人。
俺が『ボス』として奴に『行き先』を指示する。
奴が指定した場所に『荷物』を持っていけば、晴れて『俺』が表に出る番だ。
金持ちと俺を嗅ぎ回るやつは真っ先に殺してやる。]
…最も、俺ならこんな逃げ場もねぇ密室空間で殺しなんてならねぇけどなぁ?
[仲間たちと意見が一致して>>*9下品な笑い声を上げた]
[正直なところ、別にオズワルドを動かすためなら、行商でもドライバーでも何でも良かったし、運ぶ荷物もキューブでなくテディベアなんかでも全然問題無かった。
ただ、配達屋という職業が一番都合が良さそうだったのと、丁度当時流行っていた配達キューブに似せた物を持たせれば、自他共に仕事内容を疑いにくくなるだろうと考えての事だった。]
要は『マクガフィン』なのさ。
目的がハッキリしてれば、巨細なんて案外どうでも良いもんでね。
オズワルドは未だに俺の事に気付いてないから、思い通りに動かすにゃこんな面倒くさい事しなきゃなんねーの。
おかしなもんだろ?
― メインサロン:バーカウンター ―
[もし隣の席に人が来たなら、他愛無い身の上話で盛り上がった事だろう。
2軒目の酒はまた格別なもので、たちまち彼を夢の中へ誘った。
無論、緊急警報>>#4や避難指示>>#5には気づく由も無く…
急激な亜空間ジャンプ>>#6の衝撃で叩き起こされるまで、暫しの眠りにつく**]
― メインサロン:バーカウンター 亜空間ジャンプ ―
[夢現に自分の体が浮いていると感じた。
直後、押し潰されるような圧迫感と共に、顔面に走る激痛で目が覚めた。]
って―… なんだ、鼻血が…
[どうやら亜空間ジャンプの衝撃で鼻を打ったらしい。カウンターにぽたり、赤い雫が落ちる。]
一体何が起こったんだ…?
[すっかり酔いも醒めてしまったが、同時に場の空気が只事ならない事になっているのを感じていた。
そこに突然響く猫の悲鳴と羊の断末魔>>#10。
いつの間にか白い猫がカウンターの上に座し、事のあらましを教えてくれた>>122]
人狼?死神?恋天使??
どういう事だ…船はちゃんと向こうに到着するんだよな?
[一応配達屋として、必ず荷物を目的地まで届ける義務がある。
問いかけには、猫は答えてくれなかったろう。]
まずいな…ボスに連絡しないと…
スノウ、少し確認だが、亜空間に飛んでしまった以上、船外への電話連絡等の通信は不可能だと思っていていいんだよな?
(要は船内のみ連絡可)
― メインサロン外:第二エリアへの通路 ―
[第二エリアへの通路は、数刻前の賑やかさは失せ、すっかり静まり返っていた。
人気の少なそうな隅の方へ行き、『ボス』との連絡を取る。]
とぅーるるる、とぅーるるる…
…ボス、俺だ。マズイことになった。
『やぁオズワルド。どうした?』
船が、…なんかおかしくなって。
人狼とか死神とか、なんかヤバイやつらがいて、危険だから毎日一人冷凍装置に突っ込んでいくんだって。
『ああ、そのことか。知っているよ』
…どういう事だ?
『心配するこたぁない、何もかも織り込み済みだ。
大丈夫だオズワルド。俺がついてる。
俺の言うとおりにすりゃあ、何もかも上手くいく。
今までもそうだったし、これからだってそうだ。
そうだろう、オズワルド?』
…そうだったな。わかったよボス。また何かあったら連絡する。
[――ここで、もし彼の様子>>203を見かけたものが居たならば、その異様さに驚いたかもしれない。
彼は、手にした”黒い箱”に向かって、腹話術のように声色を使い分けながら、延々と独りで掛け合いを続けていたのである。
(もちろん「とぅーるるる、」も口で言っている)
しかしもし、その様が誰かに見られていた事に気付いたなら。
『彼』は、執念深く目撃者を探し出し、その者を『無かったことにする』だろう。
それは、今までもそしてこれからも変わらない、『彼』のやり方。
そして今までもこれからも、『オズワルド』はまだ何も知らないままだ。*]
/*
オズワルドさん
ご質問ありがとうございますにゃ〜
はい、亜空間にいるので、船外への連絡はできません。
窓の外には星空はなく、暗闇だけです。
このあたりは、説明不足ですみません。
他にも疑問に思う方もいらっしゃるかもなので、
スノウのメモでもお伝えしますね。
あーそういや俺鼻血出てたんだった。
べっつに自分の血なんか美味かねえし。
そっちぁどうだい?
ご馳走のニオイに頭やられそうなってるらしいじゃん?
ちったあ臭いだけでも分けておくれよぉ。
てかアレだ、あんたらの名前、まだ聞いてねえな。
言いたくなきゃあ構わんが、俺ぁまだあんたらの顔も見た事がないんだ。
― メインサロン ―
[ボスへの連絡も終えてサロンに戻ると、眼鏡を掛けた長髪の男>>202が辺りを見回している。]
なんだ、アンタも逃げ遅れたのか?
[自分以外に逃げ遅れた乗客が居たのかと、なんとなく声を掛け。]
なんか物騒なのが出たらしいけどさ、俺ら一乗客に何が出来るってんですかねぇ…
[立ち話もなんだから、とさっきまで呑んでいたバーカウンターを指差す。相手が嫌で無ければ、そのままカウンターまで一緒に行こう*]
[逃げ遅れた男>>214は手を掲げて応じてくれた]
ああ、耳栓か…なるほど。
一緒だな、俺も酔いつぶれてて全く気付かなかった。
[俺なんてあの衝撃で鼻ぶつけたんだぜ、と鼻の下を触る]
自衛しろっつったって、太刀打ち出来るのかって思うし。
それに、これから毎日危険そうな人物を教えろって言われても、なんかイマイチピンと来ないっていうか。
それじゃ飲みますか。
こう言う時は飲んでたほうが心が落ち着く。
[連れ立ってバーカウンターへ。
背中に視線を感じた気がした>>218が、まあ多分気の所為だろう。
カウンターに座ったら、とりあえず乾杯して、自己紹介辺りから始めようか*]
[医務室に行った男の囁き>>*27が聞こえた]
おう、そんなにやべぇのか…
ま、臭いってぇのは一番残りやすくて厄介なもんだ。
…んー、それ聞いたらやっぱ遠慮するわ。
臭いだけ嗅がされてメインディッシュはおあずけってのは流石に辛すぎる。
[他の二人は知らないが、恒常的に人間を獲って喰う生活を続けている身としては、肉に有りつけない事そのものが耐え難きものなのだ]
ソマリか。それは人間としての名か?
俺か。俺は、そうさなぁ…
[『オズワルド』とは器の名前でしか無い。
仮に『ボス』と呼ばせて入るが、そう言えばちゃんとした名前をまだ持って居なかった]
…じゃあ『ミゲル』で。よろしくな。
[今度声を頼りにあんたを探してみよう、と溜息に答えて]
― メインサロン:バーカウンター ―
まあ、ここで会ったもなにかの縁って事で。
二人の出会いに乾杯、なんてね。
[芋焼酎の入ったグラスを掲げて一杯。
まずは相手の話に耳を傾ける]
おおいりー… んなんだって??
[聞きなれぬ発音に思わず聞き返した。]
…はあ、ノルドール人…学者ねぇ…
[聞きなれぬ種族、聞きなれぬ発音、何かと多い情報量を頭の中で咀嚼して、]
んじゃあ、あんたの事は大井先生、って呼べばいいのか?
[たいそう乱暴にまとめられた呼び方に、相手の反応は如何程だったか。意に介さぬとのことならば単に「先生」とても呼ぶことにしよう]
俺の名前はオズワルド。オズワルド・ヒースヒェン。
民間の配達屋ってやつさ。言っての社員は俺とボス二人だけ。ボスが指示して俺が運ぶ。言われりゃ銀河も股にかけて荷物を運ぶぜ?
今回はチグリスの会議に出席する先生にコイツを届けるのさ。
えーっと確か、アラン・スミシー、だったっけ?そんな名前の人。
[学者先生に促されて自己紹介。カバンから黒い箱を取り出して見せてみる。
その一連の言葉は抑揚豊かに流暢で、聞く人によってはまるで演劇の台詞の様に感じられたかもしれない。
或いは、チグリス会議の出席者であれば、アラン・スミシーと言う名の出席者は存在しないという事に気付いたかも知れない。
もし気付いたとして、名前を覚え間違えているのだと聞き流すか、違和として心に留めておくのか、口に出してしまうのかは相手次第ではあるが]
ふうん…人狼に殺されかけた人間、かあ…
[学者の話に耳を傾ける。確かに、人狼は人間を喰う、と言うのなら、食われる奴は皆人間なんだろう。
頭の中で反芻して、ゆっくり理解していった。]
へえ?鼻が…人狼?
[急に専門的な用語が増えてきたぞ?
相手がグラスに鼻を近づけて香りを楽しんでいるうちに、辛うじて理解が追いついた]
人狼の、特徴…?
[ゴクリと息を呑む。]
え、マジで?
[思わず鼻を押さえる。
酒のおかげでさっき打った鼻からまた血が垂れてきたのだ。]
…なんだぁデタラメかよぉ!
先生も冗談が好きだなぁ。
[鼻を拭きながら、声を上げてひとしきり笑った。]
[学者先生が乗務員と話をしている>>330。
乗務員は小柄で華奢で、それでいて
…いい匂いがするな。
二人のやり取りを横目に、血を拭いた鼻をスンと鳴らした。
ふと、君は良いのか>>350と尋ねられれば、やや考えて]
俺は…別にいいよ。武器とか言われても、使ったこと無いし。
なんとかなるんじゃないかな。多分。大丈夫だろ。
[根拠のよく分からない楽観視は、彼の無意識下からくるものか、それとも]
[世話にやるやも>>374という返事に]
ああ、是非ともご贔屓にお願いするよ。
[営業スマイルでお返しし]
ああ、別に大丈夫だろ。
それに、こんな小さな箱に入るもんなんて限られてる。
きっとプレゼント用のジュエリーとか、そんなもんでしょうよ。
[倫理について問われれば、至ってルーズな返事を返したのだった*]
[この辺で引き上げる>>357と聞き]
ああ、付き合ってくれてありがとう。
楽しい酒だったよ。
出来るだけの事、か…そうだな。お互い頑張ろうか。
[グラスを置いた先生がそのまま席を立ったなら、その背中を見送る。自分はあともう一杯位呑んで、それからはどうしよう?
いい感じに酔いが回ってきたし、出来れば第二エリアの客室に戻って一寝入りしたいものだ、などと脳天気な事を考えていた。]
[能天気であらねばならないと。楽観的であらねばならないと。無意識に刷り込まれていることさえも気づかぬまま*]
[目を閉じて、もう一度鼻をスンと鳴らす]
あの乗務員>>307… 女だな。
[確かカレル>>324とか名乗っていたか。]
女の肉は美味いんだよなあ…
初めて喰った人間、アレも中々美味かった。
[思い出すのは白い光に照らされた夕刻。
母娘の白い衣服が鮮血に染まる様に、得も言われぬ興奮を覚えたものだ。]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 エピローグ 終了 / 最新