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辺境貴族 ドロシー が見物人として参加しました。
辺境貴族 ドロシーは、見物人 を希望しました(他の人には見えません)。
― ジラルダン帝国・首都ディルクレム ―
……騒がしいな。
[腹心数騎と共に、はるばると帝国首都に足を踏み入れてみれば、活気とはまた違った都を覆う空気に、微かに顔を顰めた]
リーン。
「はっ」
行け。
[その一言で全てを察したらしい腹心の一人が馬を駆けさせ、一行から離れていった]
(キャスティールであらば、昔からの付き合いのある中央貴族を通し、今権益を握る重臣貴族に渡りをつけてもらう……であるがな)
[帝国への伝は2人しかおらず、本来ならばそれを頼って動くべきだったが、一人は先の大戦で戦死し、残った一人が前皇帝の後を継いだ今の皇帝である将軍自身であるから事態は厄介であった]
しかも、
それに互いに、特にあちらはあの時とは立場が違い過ぎる。
[身一つで過ごした士官学校のドロシーであれば、どうにかなったかも知れないが、今はフォレスト家当主として一族郎党を抱える身である。領主という貴族然とした態度では、通る話も通らぬ事になりかねないと頭を抱える。
彼女の家が代々収めてきた辺境での内乱(彼女自身に言わせれば余所者に奪われたものを取り返しただけのことだが)は、王国の法に照らせば叛乱の誹りを受ける。
帝国との大戦で疲弊している今の時期にこそ、積極的に動かねば何れは周囲の王国領から討伐を受ける。先手を打って逆に周辺を荒らし、暴れまわったのは仕方の無い自衛であり、今こうして帝国側に属することで後ろ盾を欲するのは当然の決断といえた。
とは言え、こちらの都合を押し付けるだけが通るはずも無い。帝国が辺境の王国領の降伏を受け入れて貰えるだけのものを用意しなければならない]
くっ、誰か考えることのできる者が欲しい。
どいつもこいつも、
[何度目かわからない愚痴を吐きながら、腹心一行と共に宿を求めて街中を馬で闊歩する。物見代わりに先見させた家臣が戻るまで、適当な場所で休息を求めようと決めながら]
― ディルクレム内宿屋 ―
ふぅ……。
[一階の食堂のカウンター席の隅で一息ついていると、目の前に木の椀が差し出された]
ん?
「お嬢ちゃん。帝国は初めてかい?」
[ドロシーが顔を上げると、コップを差し出した当の相手が笑いかけていた]
― ディルクレム内宿屋 ―
あの者…ちっ。
虫が好かぬ。
[大分前にエレオノーレの去った後、こちらは異変に気付く事無く、杯をあおっていた**]
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