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14人目、配達屋《メッセンジャー》 オズワルド が参加しました。
配達屋《メッセンジャー》 オズワルドは、呪狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 第二エリア:シアタールーム ―
[――銀幕に映るのは、古いドキュメンタリー映像。ザラザラとしたノイズ音に混じり、初老の男性がインタビューを受けている。
『…それは謂わば、░劇上の仕掛けみた▓▒▓のです』
『ス░▓▒画なら、そ░は敵▓の機密書類になるだろう』
『なんだって良いんだ。機░▓類が爆弾▒▓█ッチに変わろうと』
『主人公がそれのために敵のアジトに潜▓░るのは変わらない』
『私░▓はそれを░▓▒▓█▓と呼ぶんだ――』
]
[今の時代、デジタル処理で映像も音声も限りなくクリアに修正出来るものを、敢えて殆ど修正せずに、アナログフィルムの味わいそのままを楽しむ、という趣旨の上映会らしい。
らしい、と言うのは、上映内容を確認せずに入ってしまったからだ。
しかし、]
なんだって良いさ…。
[そう、なんだって良かった。
暗くて人気の少なくて、それでいて僅かばかりのざわめきのある映画館は、昼寝をするにはちょうど良かった。
上映中の2時間弱の暗闇さえあれば、内容がロマンスだろうがサスペンスだろうがなんでも良かった。
ただし、派手なアクション映画や子供向け映画は、シアターが騒がしくなるので寝るには適さなかった。]
ん… あーあ、くそつまらん映画だった。
[上映が終わって、まばらに座っていた客が全員出払った頃。
一番最後に目を覚まし、シートに座ったままうんと背伸びをしてこう云うのが彼のお約束だった。]
― 第二エリア:フードコート ―
腹、減ったな…
[重い足取りでフードコートを歩く。
左手には、硬球程度の大きさの黒いキューブを手持ち無沙汰に片手で転がす。
重いまぶたをこすりもせず、ぼんやり辺りを見回している。]
[このだらしない風体の男は、金を貰って荷物を運ぶ、民間の配達屋《メッセンジャー》を生業としている。
と言っても、この男が自分で仕事を稼いでるわけでなく、『ボス』と呼ばれる人物の指示で所定の場所で荷物を貰って、所定の場所に届けるだけの仕事だ。
こんな天涯孤独のろくでなしを面倒見てくれるなんて、『ボス』はなんて物好きなんだろう。頭の片隅でそんなことを思いながらも、こんな自分に仕事をくれるボスには常々頭が下がる思いだった。
仕事の性質上、一処に留まらず、年中渡り鳥の生活だ。場合によっては、一つの仕事で海を越え空を渡り、数多の星々を股にかけることもある。
今回がまさにその最たる例だった。]
[今、左手に転がしてる黒いキューブ。
これが今回配達する『荷物』だ。
目的地はチグリス。そこで開かれる会議に出席する、なんとかという御仁に届けると聞いている。]
…こんな小さい箱、ほんとに要るのか?
[手に収まるサイズの、せいぜい彼女へ送るアクセサリー収納くらいにしか使い道がなさそうな箱だ。
しかし、箱の中を勝手に開ける事は職務違反である。]
あれか?「おれ、この会議終わったらプロポーズするんだ…」的なやつか?
[なので、こんな風に詮索をするのが常である。]
…良いご身分だなぁおい
[ゴミ箱にでも捨ててやろうかとも思ったが、これも一応仕事だと思いとどまった]
[キューブをカバンにしまい込んで顔を上げると、]
…宇宙おでん、だと…?
[あまりのパワーフレーズっぷりに思わず声に出して読んでしまった。
屋台のドロイド曰く、銀河各地から集めた極上の食材で作ったおでんとのこと。壁にはおでんの具の名前がびっしりと飾られている]
へぇ、よくこれだけ具沢山に出来たもんだ…どれ。
[カウンターの真ん中に座り、具材を物色してみる。地球原産野菜などに混じって、明らかに異形の具種が鍋のあちこちに浮かんでいる。]
お、これはベテルギウス産の青ビーツだな。大根の代わりか?
こっちはタイタンでしか作ってないっていうマシュマロポテトか。
この煮玉子でかいな。アーケオンの食用バジリスク?なるほどな。
おっと、この独創的なゲソ、ひょっとして養殖クトルタコか?一度食べて見たかったんだ!
[仕事もロクにやろうとしないろくでなしも、こと美食に関しては熱心だった。
珍しい具はことごとく皿に取り、焼酎も頼んだのでこれからじっくり味わい尽くす予定だ。*]
[数年前に見かけた配達員の運ぶ黒いキューブ。]
なるほど、これは良い事を聞いた。
[そこらで拾ってきた木箱を黒く塗り潰して磨きあげれば、それらしい物が出来上がった。]
何も知らないお気楽ウサギ…
きっとお前は何一つ疑わないだろう…
― 回想・或いは夢の中: ―
――母さん、ベネット、元気ですか?
長かった学院生活も終わって、やっと故郷に帰ることが出来ます。
ここから母さんのところまでは何万光年も離れてるけど…
このシルバー・メリー号なら亜空間ジャンプでひとっ飛びさ!
[旅の土産で膨れ上がったカバンを抱え、息を弾ませ船の中をかけていく。]
[何かにぶつかる音がして、思わず尻もちをついた。顔を上げると、正面に同じように尻もちをついた男がいた]
す、すみません!大丈夫でしたか?
[駆け寄って謝ると、男は大丈夫だからといって、床に落ちた”黒い箱”>>214を拾った。
そのまま男はその場を立ち去り、僕もさほど気にも留めずに部屋へと急いだ。]
[やがて、何処かから金切り声が響き、ざわめきと怒号が船内を覆った。]
『なんだ喧嘩か?』『ちょっとやばいんじゃないか?』
『誰か止めて!』
『おい!危ないぞ!』
[不安と恐怖のざわめきの中に、か細い獣の咆哮が聴こえ]
[やがて視界が 紅く 歪む――]
ザザ…
『なんでも良いんです』
ザッザザ…
『単なる理由付け以上の理由はありません』
ザッ… ザー…
『私たちはそれを――』
『お兄ちゃん、おかえり!』
『おかえりなさい、░▓▒▓█』
[故郷の我が家を、出迎えた家族を、夕刻の白い光が眩い程に照らし]
――ああ、ただいま。みんな。
そしてさよなら。
[やがて咲いた鮮やかな紅に、俺は醜く口元を歪めた*]
「オズワルド。お気楽うさぎのオズワルド。」
「お前の親など居ない。兄妹など居た事もない。」
「学も無いお前に出来る仕事など何もない」
「俺の言うとおりにするんだ。そうすれば、何もかも、全て上手く行く――」
……わかったよ、ボス。俺にはあんたがついてる。
― フードコート:宇宙おでん ―
うーん… うう?
[カウンターに張り付いた頬を持ち上げて、辺りを見回す。
首が変な方向に痛む。カウンターに突っ伏して眠っていたらしい。]
いってー…飲みすぎたかな。
まあ、それだけ美味かったって事か。
ごちそうさん、良いもん食わせて貰ったよ。
[ドロイドに代金を払い、ふらふらと屋台を経った。]
[さて、腹ごなしも済んだことだし、何をしよう?
チグリス到着まで、時間は有り余るほどある。]
そう言えば、あっちの方にラウンジがあるんだっけか。
[星なんか見ても全然おセンチになる年ではないが、メインサロンから見る景色は格別だ、と乗船時のパンプレットに書いてあったのを思い出した。隣にバーも併設されているという情報も。]
よし、食後のもう一杯と行きますか。
[酔いの抜け切らぬ千鳥足で、メインサロンに向かった。*]
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