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― TIPS:2 強迫観念 ―
[…本当に大丈夫なの? もうこいつらも子供でも無いさ
でも貴方、私たち二人だけで。 せめてやっぱりペーターは…]
大丈夫だっつってんだろ?二人とも。
あにぃは俺がちゃんと世話するから、安心していってこいよ!
向こうでも新しくパン屋開くんだろ?
[それは雪解けの春夏の季節だ。セルピエンテの夫妻が風花の村を出る日。
十数年、二十年の決して短くない時間の中、大人に成長し、パン屋の看板を本当継ぐあにぃ。
それの傍らで、両親を見送る俺は、まだ小さなガキのままだった。
親共はあにぃを心配してる。でも俺の事も出立の間際まで、ちらちらと見てたんだ]
[――――でもさ。今更俺の事気にしたフリなんていらないよ。
身体の成長しない、化物と遜色ない異常な身体になった俺。
両親がその事に衝撃を受け、困惑を覚えていたのも全部知ってる。
まだ子供の見た目でしかない俺をひとり残す事を気にして。
何度も何度も俺に、父さんと母さんについて新しい町について来いと誘っていた。
私達が、両親二人がいれば、きっと心配する事なんてないよと。
…でも、なあ、父さん、母さん。俺知ってるよ?
俺がゼルチュルナーの先生んとこ行った日には必ず。
二人が俺の事で、夜中にぼそぼそとリビングで何か話しているの]
[先生もお手上げらしい… なんで原因がわからないの…
あいつに何があった… あの子、どうしちゃったの…]
[頭を抱えて悩む両親の姿を、昔夜にこっそり窺った事がある。
心配そうに悩み続ける姿。だけど。
…ふたりとも、その後にきっと思ってるんだ。
『 気 味 が 悪 い 』と。
背も伸びない、声も変わらない、成長が全く出来ない子供。
何の変化も無く、まるで不老不死の化物みたいにひとり違和感を放つ俺。
毎日顔を突き合わす家族が、そう思わずにいられるか?俺なら無理だ。
例え俺自身が、そういう決定的な言葉を聞いた事が一度も無くとも。
表向きは本当に心配していて、俺の事を案じた様に振舞ってみせてくれても。
きっと両親はそんな事を思ってるに違いないんだから]
[両親だけじゃない――皆。 皆きっとそう思ってるんだ…。
表向き、皆誰も、成長しない俺の身体を気にした事はない。
でも、皆が皆だなんて、出来すぎてないか?
もしかして、俺に気を使って、皆で示し合わせてるんじゃないか?
いや、そもそも。
俺が育たないだけで、皆はすくすくと成長して、皆大人の思慮を持ってるんだ。
なら、唯本心は隠して表面的に接しているだけなんじゃないのか?
俺なんて、『気味が悪い』 『化物みたいだ』 なんて本当は想ってても。
それを俺の前では表に出していないだけなんじゃないか…?
10代の後半、この身体の違和感に気付いてから数年は、本気でそう思い続けていた。
だから俺は、必然的に、風邪を理由に家に引きこもる頻度も増えていた]
[…俺が20を越える頃。漸くそんな"被害妄想"も少しは鳴りを潜めた気がする。
だけど偶に顔色を窺い見る。
カタリナの、ヨアヒムの、ゲルトの、そんな皆の表情の奥底に。
『こいつ、不気味な奴だな』なんて色をしたヒカリは無いだろうか? だなんて。
……あぁ。でも過保護で兄馬鹿のあにぃには。
何故かそういう事を感じた事は無かったな。
過保護すぎて兄馬鹿すぎたからか?
…あにぃが、過保護でも兄馬鹿でも無い普通の兄弟なら…俺はきっとあにぃも…
そしてリーザにも、同じ事を感じた事は無かった。
あいつはまだまだガキで、俺の"聖霊様"に騙されてくれるから。
そんな嫌な事を考えられる年でもない。
……でも、そろそろ俺の嘘、バレてもおかしくないな……どうしよう……]
[――――嗚呼 本当に嫌になる。
こんな不愉快な事ばかり無意識に妄想してしまう俺の考えが。
こんな事考えなければならない、成長しない俺自身の身体が。
こんな最低な被害妄想ばかり抱いて日々を重ねる俺の存在が。
こんな俺 速く消えてしまえばいいのに
こんな俺 いなければ皆に迷惑かけない
どうせ育ちもしない、こんな化物みたいな俺なら。
いっそ 大人になるまでに死んでしまえばいいのに……*]
[ふ、と気が緩んだ話の合間に、唇から独白が漏れていた]
…………償うだなんて……
これからの冬、銀嵐でも減らせば良いのか……?
[銀嵐の音の為に、ヨアヒムとヤコブには余り届く事はなかろう。
雪の聖霊の洗礼を執り行い、御伽噺の様に、そう。
この魂はもう、春に解け、冬に凍て付く雪の聖霊である事…余り云う必要もなかろうと]
[さて、どう聴こうかな――…そう考えた時に、ふと視点が推移したのは…]
…………人狼としての本能に従ったのなら。
ヨアヒム。お前、ヤコブの事も喰おうと考えたのか?
[まぁ――無かろう。
ヤコブは狂人と呼ばれる者であろうが、事実人間だが。
余り残酷過ぎる問でも無く、尚且つ本題であるヨアヒムの、出来れば感情面を聴くには、まあ、何より大切な奴だろう相手を引き出すのが効果的かなと考えての事で**]
[ヨアヒムの反応を窺い待ちする間も、雪は空から注ぎ、体を巻く。
ああ、俺も珈琲のみたいな。何て考えながら、しかしふとひとつ別の考え事が脳裏を過ぎっていた]
(――――しかし……
クララも、可哀想にな……)
[同い年の幼馴染、とても面倒見がよく優しい。
あの通り活発悪ガキ小僧な自分とは対極である為、ある面綿密では無いが、しかしそれでも幼馴染を名乗る程度の縁絆は存在すると断言は出来る。
そんな彼女の不憫を思いやる意識。
もしヨアヒムが聴けば、初めは殺されたその身を哀れんでの事と勘違いするだろう が…]
[ペーターとしての何処か哀れぽい瞳は、そう。ヤコブへ対し向けられていた]
(――…あんなに、面倒見もよくて可愛い。
ヨアヒムのお嫁さんになるとすれば、知る限り誰より最適だろう奴だろうに……。
…………ヤコブに負けちゃうんだもんなぁ…………)
[事実や真実の相関図等、青年は完全に知らない。
知りたければ、この"トライアングル"の当事者達に聴くしかなかろう。 が。
兄貴分、幼馴染として、思春期を育ち、大人へ成長するまでの彼らを、肉体は成長しない己なりにも眺めてきたペーターは。
――彼らの"関係性"を実は、そういう風に解釈していた事など、恐らく兄すら知るまい**]
[ヨアヒムの反応を窺い待ちする間も、雪は空から注ぎ、体を巻く。
ああ、俺も珈琲のみたいな。何て考えながら、しかしふとひとつ別の考え事が脳裏を過ぎっていた]
(――――しかし……
クララも、可哀想にな……)
[同い年の幼馴染、とても面倒見がよく優しい。
あの通り活発悪ガキ小僧な自分とは対極である為、ある面綿密では無いが、しかしそれでも幼馴染を名乗る程度の縁絆は存在すると断言は出来る。
そんな彼女の不憫を思いやる意識。
もしヨアヒムが聴けば、初めは殺されたその身を哀れんでの事と勘違いするだろう が…]
/* うわああん、ごめんなさい健康します。
正直にいいます。今の灰に落とそうとして ま た 誤爆しちゃったんです…!
いや、TIPSみたいに、昨日書いた軽いまとめ的なのいれようとしたらね
また誤爆しちゃったから
発言順ミスったことにして表に・・・
昨日から僕なにやってんだ…
― 銀嵐の中 前日 ―
[表情を曇らせるか、或いは怒らせるかなと考えていた。
然しヨアヒムの見せた表情は虚を突かれた…と云うより、少し呆けた様な、完全に頭の片隅にもそんな事を描いていなかった事実がよく知れた>>+22]
あぁ、そうかい。
……ごちそうさまでした。お粗末サマ。
[例え人狼としても心は全く人と変わらないだろう辺りを再確認した以上に。
"仲間"との言葉を使いはしたが、例えヤコブが、件の赤い声と云う物を使えずとも。
こいつはヤコブの為の場合ならば、本能のふたつみっつは捻じ伏せそうだ、合掌をひとつ。
冷たい言い方をすれば、ヤコブ以外の全員に対し、己の本能を捻じ伏せられる情まで抱くには到らずに仕舞ったと言う事なのだろうが…]
[それ以上の追求には、随分と面倒な場所にまで踏み込む必要があるだろう。
土足厳禁な領域にズカズカと――…その手の面倒は御免蒙りたい]
俺は、銀嵐の中呼べば、どこでも出てくるさ。
宿屋の中なら、みにぺた君を探してくれ。
……あぁ、あと……
次に会う時は、是非ともブラックを持参してくれ な。
[話に区切りが見えると、二人も宿へと踵を返しだす様子で。
吹雪渦巻く銀嵐の中、そうして彼らを見送っていただろう]
― 翌日の宿屋 みにぺた君 ―
[性急な病魔に侵され、レジーナが亡くなった経緯を認識したのは、既に彼女が魂の存在と為した後の事だった。
これでもう、残された者は6人…夜中に聴こえてはいた、正真正銘の"人ならざる者"達同士が合い争う暗陰に隠された戦いの音色。
…どうなるのだろう。
残された人達は。
大切な兄は。暖かい場所であれと還した少女は。
…そしてそれは、生きる者のみに限ることでもあるまい。
ふよふよと宿の中をゆるやかに泳ぐ人形は、人の姿を捜し求めて]
― 翌日の305号室前 ―
…… ……
[ふと誰かの魂がいる気配を、3Fの部屋から感じた気がした。
この部屋に最期いたのは。思い浮かべた姿は幼馴染の娘ひとり]
【 くら ら いる の? 】
[生前の衝撃的な最期、あの前後彼女とも話す機会は薄かった。
今、何をしているのだろうか。
彼女は、これからどうするつもりだろうか。
そんな事を考えながら、みにぺた君の布製の腕は、その翌日にもクララは在室しているかを確認するため、とんとん、と扉を叩いた**]
【くらら うらないし ちがったんだっけ】
【いまさら おもいだした】
[階下へと向かい歩き出すクララを追跡する様に、みにぺた君もふよふよと地上100cmの高度を泳ぎ出しただろう。
生憎、クララの様に直線距離ではなく。厨房の珈琲を感知したら、寄り道の如く、みにぺた君が柔らかい布製ぼでぃで何とか掠め取り、宿屋すぐ外で待機してる本体の手に!と試みたが、その結果がどうなったかは黙秘しておこう]
― 談話室 ―
[...黙秘しておくとは明言したが、談話室に到着するまでに何があったのか、みにぺた君を黒く濡らす何かの液体染み、微かに漂う珈琲臭に、本体が絶叫したのは誰も知らない秘密である。そりゃ人形に珈琲配達は無理だった]
【わるいけど くらら】
【しんじつの ほうは わんこどもを とっちめるのだ】
【おさななじみとして おまえ きになっただけだ】
[談話室には人がまだ集まってはいないが…
残された生者の中に潜む最後の人狼の正体―即ちこの惨劇の終焉は程無く理解するだろう。元々、既にペーターの思考ではほぼ2択であるし。だが今は余り関係ないね、と。
机の上にあるスケッチブック――所持者はあ奴しかいまい――をクララが随分気にしているのを認めると、みにぺた君の珈琲味なボディは、まさにスケッチブックの前でお座りしたのだ]
[ぺりぺりとみにぺた君が、抱えたメモ用紙を捲れば、そこから新たな文字が浮かび上がる]
【こころのこりとか ない?】
【よあひむ とか いいのこしてる ことは?】
【りかいと なっとく べつもの ってかお してる】
【いちおーおれ きょうは くららより だぞ?】
[ぺり、ぺりり、ぺりぺり――
真実はより当事者の愛犬共に聞けばいいし(実はディーターも人狼と名乗り上げてた事実を思い出し漸くクララもと思い至れた)、既に根掘り葉掘り聞きたいとも思わず。
徒それよりもこういう時のクララの心情は、自閉気味自罰気味になりそうだなぁ。あいつ大人しい奴だし。そういう幼馴染として完全に的外れでは無かろう心情予測に基づいて、試しに相談乗せさせてみるか。そんな心境によりメモの言葉はぺりぺりと捲られていった**]
[嘆息が聴こえたのが、みにぺた君のお人形表情は変わらない。
然しぺりり、と捲られたメモの言葉からは、盛大にどや、とでも云ってそうな感情が微妙に]
【 これでも にじゅーさんなんだぞ 】
【 くうきもかれいによめる りっぱなおとななんだぞ 】
[空気、と云うより正確には相手の顔色や視線かも知れない。
然し閑話休題する様、口を開いたクララの言葉に、みにぺた君はぺたん、とテーブルに脚を伸ばす]
[己に無い力を、力を持つ人間を羨んだ事――…]
【 そんなのまったくない 】
【 にんげんなんて なんのちからもないのが あたりまえ 】
【 すてれるちからなら すてたいかぎりだった 】
[霊能者で無い事は、まだヨアヒム達にしか伝えていないが、然し。
例え兄の様な霊能者であるにしても疎んだろう。
兄も、始めから能力など無ければよかったのに]
【 となりのにわって きれいにみえね? 】
【 くらら おぼえてる? 】
【 ゆきのせいれいの ものがたり 】
[のろのろとした足取りで、然し終焉の時間はすぐ其処に届いている。
沢山の血と涙が流れて、そして雪の中に覆い隠せない程に降り積った]
【 いまのおれたちなら どんなかいしゃくに なるかな 】
【 あのほんを よんだら 】
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