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[怒鳴り声の主が廊下を走っていく。>>125
楠からは明るい世界だというのに。
まだ表舞台は薄闇が広がっているというのか。]
……
[床に落ちた小ジェムを拾い上げ、放る。
パシリとキャッチした後、真白い背を――今は見送る。]
おーい、タイガ。
お前は、何を 選んだ?
[きっと聴こえないだろうから。
きっと答えは返ってこないだろうから。
わざと大声で 訊ねた。*]
/*
2人ともお疲れ様…(がしっと肩に腕を回して髪の毛ぐわしゃっ)
誰も人狼に逢いに行かないという…。
まぁ、逢いに行ったら死亡フラグだというのもある?
能力施行という面では、ジルなのだけどね。
洗礼者。
ゾフィアは、狂人 か。
/*
おれ、自分の空色を見せておけば良かったよね……。
結局見せていない。タイガに見せれば良かったかね。眼帯取れるにはどうしたら良いのかわからなかったとも。
あ、氷槍!
ジェフロイのは、歌詞とか花言葉とか、そーいうのに隠されてる気がしてるのだけど、ねぇ。
―5年前―
[まだ、楠が大学生だった頃の話だ。
ある日のこと。バイト先のコンビニで、雑誌の立ち読み客を撃退しようとはたきを手に持ちレジから離れた。
週刊紙の表紙に『変死体』の字が大きく印刷されていた。
楠はじっと文字を見詰めてから目を逸らす。]
「……最近、居眠り運転が多くない?」
「多い多い! 今朝も地下鉄の運転手がオーバーランしてさぁ。原因は居眠りだって。急な眠気って、それ病気でしょ」
[ひとり客は静かなものだが、連れが増えればかしましくなる。
コンビニの前は見晴らしの良い交差点だ。事故が起こるとしたら、それこそ居眠り運転かと視点を外に転じた。]
あれ、あのトラック…
[スピードが落ちてないのではないか。嫌な予感は、こういう時ほど的中する。>>0:37]
!!!
[昔を振り返ってみても、当時の自分はよく動けたなと楠は思う。
出入り口に近かったからとはいえ、咄嗟に店外に飛び出して叫んだ。]
逃げろ!!
[――と。
やけに時の流れがゆっくりだと感じてしまう。
トラックは確かにひとりの女子高生目掛けていた。正面から。
なのに、不意に車体が傾いて進路が変わった。信号機にぶつかりようやくトラックは止まった。]
[不思議だと感じはしても考える余裕はなかった。
アスファルトに倒れた女子高生の左足が、真っ赤に染まっていたから。]
……しっかり! いま救急車を呼んだから! 大丈夫、君は助かる!
[近くのサラリーマンに携帯電話を返し、脱いだ上着を腰から腿の辺りに掛け、血を止めようと腿の付け根を圧す。
背中に誰かの鋭い視線を感じ、振り返る。ひとりの高校生男子が、野次馬の後ろに立っていた。ひとりだけ、表情が違っていたのが気になったが、少女の呻き声に、それは紛れていった。*]
[それから間もなくして。
楠は居眠り運転を注意勧告するポスターを店内に張っていた。
事故は減らないようで、コンビニ周辺でも大事には至らないものが複数件起こっていた。]
おつかれさまっした!
『おう、気を付けて帰れ。
自転車だっけ。居眠り運転すんなよ』
自転車なんで、そんな心配なんてありませんよ。
[店員と笑いあってから店を出る。
労働の疲労はあっても眠気はない。
なのに。]
あ、れ……
[瞼が、重い。
車体が左右にゆらゆらと揺れる。
気を確かにしなければと頭を振ってみても効果は無さそうだった。
走行する車のライトが周囲を照らしては夜闇に戻していく。]
あ、ぶな……ぃ
[前方、どこか見覚えのある男子高校生が
居た。*]
―2階廊下―
[松明持つ影>>141は廊下をさ迷う。
楠の姿を見付けて、錆び付いた刃を振りかざす。
ディアボロスは此方に気付かないものかと思っていたがそうではないらしい。]
くっ
[避けた一振りが顔の横を通り、肩に食い込む。痛みは鈍い。
はらり、落ちた眼帯が炎に飲まれて焼け焦げる。]
『何故、その目を使わなかった?』
……1対1で使うものじゃないだろ。
それに、あいつに使うのは何か違う気がして。
『そうか。』
[楠は苦く笑い、小ジェムを拾い上げた。廊下を覆っていた炎が消える。
魔力切れかと、苦笑いを重ねた。*]
―2階東側廊下―
[船酔いしそうな揺れの中、歌声が耳に届く。>>202
その方面に、楠は近寄っていく。
口の中に小ジェムを頬張りながら。]
ジェフロイ!
[炎の蝶が、幾百の蝶が、舞っていた。]
ジェフロイ!
[名を呼んでも、届かない。
5年前に聴いた、あの歌声を思い起こす声で、歌っているのに。うたって、いるのに。
だから、歌う少年の名の方を呼ぶのだ。]
[魔法を紡ぐ声>>+73は、楠の後方からか。
知らない声だった。
だから、もしかして10人目かと。]
……そっちに誰か、居るんですか?
[問いかける。]
/*
輝音に言った「俺を信じろ」が使われて、る?
響いているなら嬉しいよね!
他の人達には、響いているのか……自信がまったくない。
空振りしてる気しか、ない!
[前方からの声は聞き覚えのある声だった。>>+78
はっきりと名を呼ばれ、まさかと乾いた声で応えた。]
……あぁ。確かにツヴィンガーだ。
そういう君は、コンスタンツェ?
もしかして、脱落 したのか。
[誰にと問う口を閉ざす。
レストランに居なかったのは、だれだ?
試練が終わらないのは、なぜだ?]
[コンスタンツェの謝罪が、彼女の脱落を裏付ける。>>+80]
いや、果たせなかったものは仕方ない。
こちらこそ、すまなかったな。
……それと、お疲れ様。
[煙と火の蝶のせいで、視界は悪い。
声の方に手を伸ばしてみたが、届かなかった。]
あぁ、そっちは…ディアボロスか。
任せ、たよ。
[げほと咳き込む。>>+79>>+84
場を離れれば済む話だ。けれど、離れられない。
離れてはいけない、気がした。]
[右目と右目は、視線交じわらず。
魔女になることで赤へと変じた色も、また。
自分には話してくれる従弟だった。そのことに甘んじている点は否めないが、心の内を明かしてくれているのだと、信頼されているのだと自惚れては居たのかも知れない。
声が聴こえる。言葉が聴こえる。>>266]
変わらないものは、あるさ。
輝音。……もしかして、俺は そうであって欲しいと 願っていただけ かい?
[歳の離れた従弟へ向ける想いも、信んじていることさえ、変わると――]
それじゃあ、何も変わらない じゃないか。
[諦めてしまったようにも見えて。
叱曹オようとする喉に、喉奥に、白煙が入り込む。]
[右目と右目は、視線交じわらず。>>+88
魔女になることで赤へと変じた色も、また。
自分には話してくれる従弟だった。そのことに甘んじている点は否めないが、心の内を明かしてくれているのだと、信頼されているのだと自惚れては居たのかも知れない。
声が聴こえる。言葉が聴こえる。>>266]
変わらないものは、あるさ。
輝音。……もしかして、俺は そうであって欲しいと 願っていただけ かい?
[歳の離れた従弟へ向ける想いも、信んじていることさえ、変わると――]
それじゃあ、何も変わらない じゃないか。
[諦めてしまったようにも見えて。
叱曹オようとする喉に、喉奥に、白煙が入り込む。]
……
[白煙から身を護るように、低く蹲るかのような体勢を取っていたのは避難訓練の賜物か。
彼女は10人目の魔女見習いではなかったようだ。>>+86]
どうも。サポート? え、先輩…魔女?
リミテッド、さんか。
其方もお疲れ様です。
[頭を下げ、また咳き込んだ。
そうして、床に手を着き、汗が 垂れる。
ぽたり。
その拍子に、変身が解けた。]
[「精神体」>>+87になっても、それは「にんげん」と呼べるのだろうか。
ジェムのない、ディアボロスのようなものではないかと自嘲浮かべる。
ぼんやりと指先に灯る青白に視線を落とす。
感じるのは、怨念。
燃えて、消えてしまえが良いという憎悪。]
……そうか。
[楠は 眼を瞑った。
試してみろと言った。その結果、どう受け止められたのかは分からない。]
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