情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
― 交渉中・霧がまだ晴れぬ中 ―
交渉が成立して、捕まってた人の交換は終わっても。
それで戦いが終わるわけじゃないんだよね。
[小競り合いしか起きていないから、少し気を抜いていた。
そういう側面もあったのは否定が出来ない]
……難しいね、国のことって。
師匠も何かあったらこんな風に戦ったりするのかな。
レトと同じで。
[ルゥィ、と鳴くトルメンタの首筋を撫でて霧の中を飛ぶ。
森に差し掛かった辺りで、その氷竜の体が緊張した]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
えっ、竜の気配、近い!?
[恐らく、白竜が気づくのよりは遅れて。>>63
低い警戒の声をトルメンタが上げた]
今度は逃げる、わけにはいかないよね。
[この前は逃げたから。二度目はあってはならないと。
敢えてその気配の方に近づくことを選んだ]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
[サァと風が吹きぬけ、互いの姿が晒される。>>64]
風刃の騎竜師。
ば、馬鹿にしないで下さい!
この間は、その。ちょっと。
……都合が悪かっただけです!
[手に汗をかいているだなんて、分かるはずが無い。
見えるのはその唇を歪ませた笑顔だけ。挑発的な物言いにカッとなって返す。
回答内容は何ともお粗末なものにしかならなかったけれど]
子供のお使いじゃありません。
勝負を挑まれたのなら、細氷の騎竜師キアラ=メモリア。
受けて立ちます!
[リィラ、とトルメンタが嗜めるのは一瞬遅く。その声と被るようにして、宣言してしまった。
シャラリと鎖の音を微かに鳴らして曲刀の先を白竜に向ける]
― 哨戒接触前 ―
ジークムントさんっ!
[それは、問題の哨戒任務につく少し前のこと。
通信機が一言だけ発した声に、喜色を顕にした声を上げた。>>=3]
良かった。ジークムントさんも無事なんですね…!
[シュテルンは声が聞けたら無事に戻ってきた。
だからきっとジークムントも戻ってくる。その短い言葉に篭められた意味を深く理解するにはあまりにも経験不足で。
気合十分で、自分の役目と思うことに当たっていった。
もしかしたら、十分すぎるところがあった、かもしれない]
細氷の騎竜師 キアラが「時間を進める」を選択しました
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
う……。
[言い訳なのは自分でも分かっている。
しかも軽く何か言われたりしてしまえば、威勢も微妙に鈍る。>>77]
そうですよ。失礼です。
それにここが平和になればいいんです。
私が来たばかりの頃は、戦争なんかしてなかったもの。
そのために役立つ力が少しでもあるから、私はここにいるんです!
[それでも何とか気を取り直して。笑顔で軽口を叩く……単純に見れば余裕綽々という風情のコンラートに言い返した。>>78
ざわり、と風が木々を揺らす音を聞いて]
言われるまでもなくっ!
トルメンタ、潜って!
[槍に風を宿らせての攻撃は、レトの話で聞けていただろうか。
その下を掻い潜るように氷竜へと指示を出し、自分も一度頭を下げた。風の勢いは早い。紅い髪が何本か、宙を舞う]
行くよっ!
[風をやり過ごすと、氷竜は大きく羽ばたき前へと進む。
槍に比べれば曲刀の間合いは短い。振り切っている間に少しでも肉薄しようと空を翔け]
やぁっ!
[とはいえ、流石にいきなり懐までは潜り込めない。
槍を握る手を狙い、下から掬い上げるような曲線を描いて刃を振り上げ、斬りつけた]
― 捕虜回収の後 ―
お呼びですか。
[無事に連れて戻れた後、ファミルの天幕にお邪魔した。>>88
そして切り出された話を聞くと、目を丸くした]
ファミル様、女性だったんですか?
……うわぁ、ごめんなさい!
[素直に感想を口にしてから、失礼なことをしていたと慌てて謝った。事実誤認だけを驚いていて、騙されたとかそういうことは全く感じていないのが分かる、おろついた声で謝った]
ええと、ええと。
これからは、ファミーユ様って呼んだ方がいいですか?
それとも、隠してたなら、そのままの方が?
[論点が違う、という突っ込みはあっただろうか。
それとも違わない空気だっただろうか]
別に、裏切られてたとかは。
だって、そうしないといけない事情があったんですよね?
良く分からないけど、ファミーユ様、嘘をつくような人じゃないと思ってますし。
[貴族の柵なども知らないから、アッサリと言えてしまう。
そしてこの時は、表向きにはどちらで呼ぶことになっていても、ファミーユと呼びかけるのが正しいと思った。
申し訳なさそうなファミーユに、小首を傾げる。>>90]
私が知ってるのは、ファミーユ様だけです。
ファミーユ様なら信じていいなって思ってここまで来ました。
私は元々は旅をしてコリルスまで来た者ですし、命令されるのが嫌だなと思ったら参戦しても気合が入らなかったと思います。
だから、私はファミーユ様がそう選ばれたなら、これからもご一緒させていただきたいです。
[ただ思うことを素直に口にして、ファミルに笑いかけた。>>91]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
くっ。
[カン!と高い音を立てて刃は受け止められた。>>104
すぐには曲刀を返すことが出来なくて、僅かな間、至近距離で見詰め合う]
― 回想・コインを受け取った日 ―
[紐を通されたコインを見て、少女は目を輝かせた。
コインが綺麗だったから、だけではない。
それよりも嬉しかったのは]
たからもの!コン兄と、キアラだけの!
[そんな特別をもらえたことが嬉しくて、紐を首にかけるとクルクルその場で回っていたが]
コン兄。おてて、どうしたの?
[傷だらけになっている少年の指を見て、ピタリと止まった。
とてて、と傍に戻り、そっと自分の手で挟みこむと]
いたいのいたいの、とんでけー!
[自分がよく母にやってもらうように、おまじないを口にして。
だいじょぶ?と、自分より背の高い少年の瞳を見上げた*]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
[この瞳と同じ色を知っていた気がする。切り上げのために低く取った位置から見上げて思う。
幼馴染だというのだから、当然なのかもしれない。
ただ、それを明確に思い出せないことはなんとも歯痒くて、軽く下唇を噛んだ]
うわっ。
[均衡が破れ、呼び起こされた風に大きく押し戻される。>>108
それでも視線は逸らさない。再び槍が構えられるのが見えて]
トルメンタ、扇いで!
[氷竜の羽ばたきでも槍が纏う風の幾らかは相殺できるはずだが、風竜の風を全て防ぐことなど到底できない。そして槍の勢い自体も止められない。
今度はこちらが曲刀の腹を正面に向けた構えを取る。押し切られないように左掌の付根で刃の上部を裏から支えて、その一撃を受けた]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
っつぅ。
[キィン、と先程より甲高い金属音が鳴り響いた。
キアラの体重移動を感じ取ったトルメンタは心得たもので、斜めに体を傾けて槍の勢いを軽減する。でなければ曲刀も明後日の方へ弾き飛ばされてしまったかもしれない。それでも軽く手が痺れる。
相殺しきれなかった風は対処のしようがなかった。ザックリと襟元を切り裂かれる。
裂けた服の間からは、二枚のコインが顔を覘かせた]
距離、払って!
[距離を取りたい。だから風竜の動きを鈍らせるために振り払って。
短い言葉で意思を通じ合わせると、氷竜は斜めになったことで前に出た腕を、白竜の横腹へ向けて横薙ぎに払った**]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
[相手の抱える葛藤は知らず。今はただ戦うことに集中して。
風竜を殴りつけた反動も利用しながら、氷竜は風を掴んで大きく旋回した。距離を離してから反転して体勢を立て直す隙を作る]
っは、ぁ。
[その間に呼吸を整え、右手の動きを確認した。若干の痺れが残っているが柄を握っていられないほどではなかった。
ギュッと握り直して、霧の中、竜の気配を感じる方に顔を向けた]
……風が?
[風竜の登場で薄らいでいた霧がまた立ち込めてきている。
さっきまで流れていた風を感じられなくなっていることに気がついた時には、もう白竜は動き出していた。>>162]
フェイントッ!?
[レトからも風竜の動きは早いと聞いていた。
だから動いたと見えたと同時に、今度は受け止めるのではなく弾いて懐に潜り込むことを決めて、構えを作り。
斜めに体を捌いて刺突の勢いを殺すのを意図し、出された槍先に合わせて刀を跳ね上げようとしたら、いきなり目の前でクルリと回された。
予想を外されて、上体が泳ぐ]
[再び近くに確認できたコンラートの表情は、冷たい。
違う。こんな顔は知らない。知っているのは、もっと温かい……]
旋回、下…っ!
[下降とまで伝えきれず、襲い掛かってきた槍の柄で左肩を後ろから強く殴りつけられた。ズキンとした痛みが走り、勢いにも押されるような形でトルメンタの上に伏せる]
……テイルッ。
[ルゥゥゥ!とトルメンタの心配そうな鳴き声が響く。
大丈夫、と伝える代わりに尾での反撃を指示した。とっさにそのくらいしか思いつける手段がなかった。
先に出してあった旋回の動きが再開され、太い尾が撓って白竜と乗り手に横合いから迫った]
[交戦前に通信するのを完全に忘れていた。
それだけ平静心でなかったということなのかもしれないけれど。
戦闘中、操作してではなく伏せた時の動きで通信機の受信音量が一時的に上がった。
いつもよりトーンの高い氷竜の鳴き声が通信に乗って流れる。>>187]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
[ドン、と衝撃が伝わる。
とても固いものに当たった時の感触だった。尾を振りぬききれず、動きが鈍る]
ずるい、なあっ。
[本当はずるいもずるくないもない。ただ、そう言うことで挫けそうな自分を引き止める。
槍が空を切る音に、ほとんど鞍から落ちかけながら体を横へと滑らせた。背中の上を通り過ぎてゆく刃の感覚。熱さを感じるのは端が掠めていったからだろうか。
氷竜も首筋近く羽を何枚も散らしながら、大きく翼を上下させた。風圧は風竜をゆるがせることはできまいが、槍を振り抜いた直後の乗り手のバランスくらいは崩せただろうか]
痛いよね。ごめん、トルメンタ。
でも、殺したくないの。だから。
[心通わせた友を傷つけてもと願ってしまう。
それに対してルゥラと鳴く声は、分かってるからと答えるかのよう。翼を畳んで急降下の姿勢に入った。
もう一度距離を離すためだ。殺さないようにと、少女と氷竜が加減しても相手を無力化できるとしたら、氷の吐息くらいだから]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
私だって、負けるわけには。
いかない理由があるんだもん!
[通信の声は聞こえた。けれど答えている余裕はなかった。
至近距離での風に手間取ってくれているうちに体を戻して。
曲刀を握っていない左手をトルメンタに添えて、共に息を吸い込んだ。
白竜が大きく翼を広げた姿勢に、ゾクリとするものを感じはしたけれど、振り払うように声を上げた。
それはなぜか親しい人に向けるような口調になっていて]
――冷舞!
[避けろとも言われたけれど。>>232
そんなに小回りの効く竜ではない。覚悟を決めて、相殺し、あわよくば打ち破れることを願って、合図を送る。
大きく顎を開いた氷竜の喉から生み出された冷気の渦は、無数の風の刃に向かって放たれた]
― 霧がまだ晴れぬ中・上空 ―
[ゴォォ、と渦巻く冷気は空気中の水分を凍らせながら突き進む。
けれど、やはり威力が足りない。鬩ぎ合いは一瞬、押し負けた冷気は勢いを失なった氷の結晶をキラキラと巻き散らして吹き消されてゆく。
そして風の刃が水色の竜と乗り手に殺到した]
……きゃぁぁぁっ!
[目を庇った腕から、肩から、胸元から、宙に朱が幾つも散る。
鞍と体を固定していた帯も切れ、空中に放り出された。
ルゥゥゥゥ!と氷竜が悲鳴のような声を上げながら、自身も水色の羽と雫を散らして、その後を追う]
細氷の騎竜師 キアラが「時間を進める」を取り消しました
― 落下中 ―
[そういえば、前にもこんな風に落ちたことがあった。
あれはまだトルメンタどころか、師匠にも会う前のこと。
そうだ、母と一緒で。母が赤く染まって。
逃げようとしたら、足下の感覚が消えて。
右手の曲刀から手を離して。
あの時のように両手でコインを握り締める]
― 回想 ―
[母親のことを思い出したら、家族についてシュテルンと話したことも思い出した。>>240]
うーん。私、家族のこと覚えてないんだ。
師匠に拾われる前のことは、名前以外なーんにも。
師匠やアレクが家族みたいなものだったけどね。
あ、アレクは私の兄弟子ね!
[何でもないことのように明るく笑ってはいたけれど]
旅してる間に何か思い出せるか、誰かに会えるかしたらいいなとは思ってるんだ。
[この日着ていた服は胸元が少し大きく開いていて。
外からも見えるようになっていた鎖とコインに視線を落とした]
ただ、名前とこのコインしか手がかりがないからね。
無理に探そうって気分ではないかなあ。
でしょう?
あっ、でもダメっ!
[宝物みたいだといわれて、嬉しそうに頷いたけど。
手が伸びてきたときは、パッと身を引いて隠してしまった]
ご、ごめんね?
これは、お守りみたいなものだから。
[これは自分だけのもの。
その思いが強くてシュテルンすら拒絶してしまった。それがとても申し訳なくて、何度も何度も頭を下げながら。
それでも、誰かに渡すようなことは出来なかった]
― 霧がまだ晴れぬ中 ―
[ぐん、と体の回りを力強い風が取り巻く。>>248
これは前と違うなと、ショックのせいでぼんやりする頭で考えた。
ゆっくりと地面に降ろしてもらっても、体中が痛くて起き上がれない。その横に座り込んだ氷竜は、心配そうにルゥルゥと鳴きながら少女の顔に鼻先を寄せていた]
だい、じょぶ。
ごめん、ね。
[瞼は閉じたまま、なんとかそう呟いて手を伸ばした。
曲刀は風刃を受けた時に落としてしまったのか、手元にない]
― 霧がまだ晴れぬ中 ―
[曲刀を手にコンラートが近づけば、当然のように氷竜は威嚇した。>>267
自分も傷ついた状態だが、翼を広げて近づくなというように。
けれど殺気は感じられず、悩むように白竜の方を見て、それから低く唸りながら翼を畳んでコンラートの挙動を見つめた]
……うん。
[殺されないだけでも御の字だろう。あの風は彼が助けてくれたものだと思う。全てを思い出したわけではないけれど]
ありがとう。
[まだその呼び名は出てこない。自分の中に戻ってきていない。
だから、次があるならその時にはと思いながら、空に舞い上がってゆく音を聞いていた。>>268]
ごめんなさい。
風刃と、遭ってしまって。
ちょっと、動けない、です。
[コンラートが飛び去った後、通信にようよう言葉を流して]
細氷の騎竜師 キアラが「時間を進める」を選択しました
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新