情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
国の在り方に置いて、私達の望みは大きく違う。
友和が望めないのであれば、行きつく先は相手の屍の向こうにしか存在しない。
但し、そこに貴君らの屍が混ざっているかもしれぬ事も覚えておけ。
貴君らにその覚悟があるのならば、見事私の首級を上げてみせろ!
[紡ぐ言葉の終わりは一斉攻撃の合図。
左手を横に真っ直ぐに伸ばし、弓兵らに武器を長剣に持ち変えさせる。]
かかれ!
[250の騎兵・歩兵の混合部隊は本隊に向かって突き進む。
騎兵らは馬上から民兵を蹴散らし、長剣や槍を振るわんと。
歩兵らはそれぞれ槍と剣を握り締めて騎兵らに続く。]
―対遊撃隊―
「あっちも始まったようだ。
こっちも負けんじゃねぇぞ!」
[レオンハルトの言葉に応じる声が響く。
レオンハルト率いる150の騎兵は三日月のような軌道を描き、>>381>>382弓兵と歩兵の円陣を築く遊軍に迫らんと駆けていく。
全体の軍勢としては此方側は半分以下。
敢えて見える事を選択した機械弓を向けられても怯む事はない。]
「思う存分駆け回れ!」
[何頭かが穿たれ、落馬する者が出た。
それで骨を折った者も数名。
上手く受け身を取った者は起き上がり、己の武器を握り締めて騎馬隊に続く。
残る騎馬はその機動力をもって二隊に分けられた弓兵の装填の間隙を縫い、負傷をしてでも弓兵を削らんと馬上より長剣や槍を振るった。]
―対本隊―
[>>394掲げられていた盾が開き、民兵らの、彼らの掲げるジェフロイの姿が現れる。
己の言葉に応じるものなのだろう。
そうして率いる者に対して呼びかける声でもある。
屍を越えてゆく覚悟はあるのだと、そう示す為の。]
――貴君らが兵を率いて掲げる意志もまた、それを望まぬ者に強いるものだ。
貴君らが誰かに押し付けられたというものと何が違う?
我々はそれを望まない。
[三人の学生が此方に向かって何かを構える。
剣や槍の類でもない、機械弓でもない未知のもの。]
――ッ!
[>>395響く轟音に暫し聴覚が失われる。
僅か後に、進軍しかけていた三人の騎士が腹部を撃たれて落馬した。
心臓には至らなかったので即死は免れたものの、甲冑には弓矢ではない穴が開いている。
女は瞠目した後に、何が起こったのかを思考する。
あのような武器は知らない。
であれば――]
あれは、外つ国の武器か?
…ッ、あんなもので…。
[女は解放軍を睨み付ける。]
怯むな。
大多数がもっている武器は我々のものと変わらない。
[騎士団を鼓舞して前進する。
騎馬で乗り込み、槍で突き通せば更に槍の追撃がやって来る。
女も栗毛の馬を操って民兵に迫って長剣を振るい、民兵を斬り払っていった。]
クロード・ジェフロイ…!
[紡ぐのは、首魁の名前。]
―回想: →シュビト郊外・天幕―
[>>352巫女姫から呼び出しを受けたと聞けば、女は目を瞬かせる。
勿論、否やはないのだが――少しばかり驚いた。]
「フィオン、お前何かしでかした?」
していない!
私を何だと思っているんだ!
[そんなからかう言葉に女は眉を吊り上げ、レオンハルトの右足の脛を蹴る。]
「っつぁー…。あいつ…手加減しねぇのな。」
「いや、あれはレオンも悪いだろ。」
[盾仲間のぼやく声を背に受けて、女は巫女姫の天幕へと向かう。]
――失礼致します。
フィオン・ヴァイサネン、参りました。
[>>353入る事を許されたなら天幕に入り、巫女姫に出迎えられる。
人払いをしてあると聞けば、驚いたように目を瞬かせ。
続く言葉には少し考えた後]
…であるならば、兜は無粋ですね。
[巫女姫の顔に浮かぶのはかつて共に学んだ少女に似た表情。
出立の為に前進を甲冑に包んでいた女は白銀の兜を外し、朽葉色の髪を曝け出した。]
…え?
いや、しかし…
[>>354菓子を、と聞けば女は目を丸くした。
しかし強く断る事も出来ないまま、彼女が荷物から取り出した木箱を見る事となったか。
その蓋が開かれれば、聞き慣れない音色が響き]
…っ…。
[枯色は瞬いた後、何処から音が流れているのか探すように食い入るように木箱を見つめる。
内側に描かれた模様は、やはりこの国では見られぬもの。
異国の文化と接する機会は学館以来なかった。]
…はい、驚きました。
[>>355軽く左胸を手で抑えて素直に頷いてみせる。
そう答える女の瞳は好奇心に少し輝いて見えただろう。
騎士団の隊長とはまた違う、素の女の顔。]
異国のものですか?
初めて見ました…。
[模様に気を取られていたが、その中には花の形を模した菓子が入っていた。
父が騎士団長になった時に幾らかの所領を与えられたとはいえ、女が高級な菓子を口にする機会などはなかった。
白魚のような手で取り出された包み紙に包まれたそれが、彼女がお裾分けしたいという菓子なのだろう。]
[>>361小箱は閉じられれば、柔らかい旋律もまた止んで。
天幕には沈黙が満ちる。
躊躇うような巫女姫の纏う雰囲気に女は口を噤む。
やがて彼女が口を開くのに耳を傾けた。]
――はい。
それが私の望みですから。
[手を取られるのに拒む事はせず、淡く微笑んで頷いてみせた。
菓子の入った包みが掌に乗る。
たおやかな手が己の武骨な手を包み込む。]
――…ありがとうございます。
[>>362無事を祈る言葉に笑みを深めた。
そっと己の手を巫女姫の手に重ねる。
己とは質の違う手だ。]
貴女を奉ずるこの国が私は好きです。
もしかしたら、あの者が言うように変えねばならないところもあるかもしれない。
けれど私はこの国のそのままを、貴女を護りたいと思います。
[そろそろ出立の時だ。
女は巫女姫に笑い掛け、手を離してから頭を下げる。]
貴重なものを頂いて、どうもありがとうございました。
今日この日の事は一生…いいえ、死んだとて忘れません。
それでは、これで失礼致します。
貴女もどうかお気をつけて。
[そう口にすると、数歩下がり再度頭を下げて天幕を辞する。
只のフィオンとして会話をする事は出来なかったけれど、心はあの頃のように添えたと――そう思う。
その後は迷う事無く騎士団の元へと向かっていた。*]
[>>427乱戦で、誰が何処にいるかも分からない状態。
>>428けれど此方に向かってくる男の姿ははっきりと目に収める事が出来た。]
来い…!
異国の武器など使わずにな!
[異国の武器の仕組みは初見の女には知らない。
けれど本能的に嫌っていた。
あれは遠くにいる者を殺す事が出来る武器だ。
近付く事なく、息遣いを感じる事もなく。
使う者は安全かもしれない。
弓よりも‘優れている’のだろう。
けれどそれで相手の命を奪う事は、何処か遠くの出来事のように感じるだろう。
それは女には許しがたい事だった。]
[ジェフロイが間近に迫り、彼の振るう長剣が迫りくる。
女はそれを避ける事なく、馬上から長剣を振り下ろした。]
はあああああッ!
[渾身の力を込めた剣はジェフロイに迫る。]
[ごふり。
強かに地面に身体を打ちつけた女の口から鮮血が零れる。
立ち上がらねばならない。
此処で倒れるわけには――]
[兜は外れ、顔は露わになっていた。
女はそれに構わずに手に力を込めて身を起こそうとする。
斬られた胸が焼かれたように熱く、手は僅かに震えている。
身体が思うように動かない。
――動いてくれない。
ジェフロイの姿が見えれば、女はそれを睨み付け、]
――クロード・ジェフロイ。
さぁ、首級は此処だ。
[はっきりとそう口にした。]
―対遊撃隊―
「お前らの力はこんなもんじゃねぇだろう。
騎士団の誇りを見せろ!」
[>>423陣の一部が崩れそうになれば、それに迫ろうとする。
兵の練度もさるところながら、指揮官もまた優秀なようだ。
赤髪の男が崩れそうな場所へ飛び込もうとした騎士に下方から切り付け、その片腕を落とす。
そのまま円陣に戻らず前線の騎兵を削らんとするその男をレオンハルトは目に収める。]
「シュビトと王都で会ったかもなぁ?」
[>>424質問には半分しか答えない。
油断すれば斬られる。
そんな空気を膚で感じながらも口の端を上げながら
レオンハルトは黒毛の馬を操り、猟犬の如く己に迫る男に向かって長剣を振り被った。]
[>>459振るった長剣は防がれる。
けれど勢いを殺しきれずに何処かを斬ったらしい事は感触で分かった。
そう思った時には女は落馬し、身体を強かに打ち付けていた。
何処かを折ったかもしれないが、胸の痛みが強くて分からない。
殺せ、と告げた後>>460瞬きにも足りぬほんの僅かな間だけ相手から迷いのようなものを感じた。
けれどそれを振り切るようにして、ジェフロイは剣を振り上げる。
>>462絞り出すような叫び声と共に己に向かって突き下ろされるそれを、女はじっと見据えていた。]
[剣が女の心臓を貫く。]
――…。
[ややあって、ごぼりと女の口から血が吐き出され、口の端を伝う。
顎から甲冑に流れるのをぼんやりと感じていた。
両目を温かなものが伝う。]
[それは涙だ。
愛しい人を喪って以来、殆ど流れなかったもの。
あぁ、これで死ぬのか。
もう守れないのか。
巫女姫の姿が脳裏に浮かぶ。
最後に交わした言葉を思い出す。
彼女から貰った菓子は勿体なくて食べられずに馬から提げた女の少ない荷物の中に大切に仕舞ったまま。
彼女は女の護りたかった国の象徴であり――護りたいと強く願った人。]
……巫女姫、殿下。
キール。
どうか ごぶ じ で。
[剣を引き抜かれれば女の身体は地面に倒れ込む。
絞り出すように殆ど息で紡がれた言葉は伝えたい相手には届かず。
涙を滲ませた女の枯色の瞳は、 もう 何も映さない。*]
「隊長ー!!ぐ、ぁ…ッ。」
[フィオンの死に気付いた副官の注意が逸れ、民兵の槍で突かれ落馬する。
長剣で抵抗を試みたが、多勢に無勢だった。
フィオンの隊は指揮官を失って総崩れとなり、全員が討ち死にした。150の手勢を率いたレオンハルトも抵抗したが、そのまま。
南島の南に船が到着したらしい、との斥候の連絡を受け、異変に気付いたメレディス隊が到着するのは、フィオン隊が崩れ去った後の事だった。*]
/*
さ、流石に無理ですな…。
貫徹する事になる。
中途半端で申し訳ないです。
後はやり取りしづらかったらすみません。
―メレディス隊―
[メレディス隊が異変を察知したのは、
南島の南方に船が到着したらしい、との斥候の連絡を受けた事が切っ掛けだった。]
「急げ…!
間に合ってくれ…っ。」
[祈るように馬を急がせる。]
/*
こんなのを書きかけてました。
挟撃とか無理でしたね?
表672ptですと…。
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新