情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[剣呑と覚悟を混じえて、ツェーザルは敵副将に向き直る。]
マーティン・くまおやじ!!
ここはぜってーー 通さねえ ッス よ!!!
[その宣が、開始の合図だった。
だんっ。 と、右の足を大きく踏み込み、
…駆ける。
大股で三歩の距離を詰め、
初手は、相手の左肩を狙ってそのまま右下へ、
大きくナナメに戦槌を振り下ろした。]
[大味の攻撃だ。
避けられることは想定済み――…
今の助走で得た先端の勢いを殺さぬまま、]
うぉりゃああぁぁぁあああ ッス!!!
[戦槌ごと、ツェーザルは上体を時計回りに捻転させた。]
[ ぶぅるおおおおおぉぉん…ッ ]
[重い旋回音とともに、戦槌が宙に獰猛な円の軌跡を描く。
少しでもこの円に触れれたならば激しく弾かれるだろう。//]
― 14年前/辺境伯の館 ―
[親父の死を心から悼んでくれる辺境伯の気持ち>>334が、嬉しかった。思わず胸が熱くなる。
そうして…子供である自分に対しても、しかりと対応してくれる様子に、伯の誠実さを感じた。
――親父が信を尽くすと、決めた相手だ。
傑物でなかろう筈がなかった。]
…、はい ッス!!!
おいら…――精一杯がんばるッス!!
[少年が満面の笑み>>335を浮かべると、
ふわっと春の日差しが差し込んできたような心地がした。]
(なんてあったかいんだろう…)
[主君の御子息――失礼なことがあっちゃいけないと緊張しながら、
身を屈めて高さを低くしてから、おずおずと握手に応じる。
すべやかでぬくもりのある手のひらは、
彼の笑顔と同じように柔らかだった。]
お、 …おはなし、 ッスか…?!
[主君とは敬うものだと、親父から叩き込まれていたツェーザルだったから、親しみを滲ませているオクタヴィアスの態度には大分戸惑った。]
あー、……ええっと
あんま、タメになることとかは
しゃべれないと 思うッスけど
…、おいらで良ければ――…
[距離感に迷いながらも、結局そんな返事をした。
相手の笑顔にほだされたのかもしれない。]
どうぞ、よろしくッス。
オクタヴィアスさ――――…、
[ツェーザルは其処で、ふるりと小さく首を左右に振った。
緊張しっぱなしで乾いた唇を舌で湿らせ、]
オクタ さま
[畏まらないを求めている様子の相手への、
ツェーザルなりの、精一杯の愛称呼びだった*]
/*
サクソー川が錯綜川に脳内変換される…
あと2.5時間!
がんばれおいら。がんばれ。
そしてダンさまからも反応きてるね。うれしい。
― サクソー川/橋の北側 ―
[弾いた手応え>>340が確かにあった。
足元で橋がきしきしと揺れる。
――が、相手は其処で終わらなかった。
諦める気配がゼロだった。
回転しているツェーザルには仔細を把握できなかったが、
盾を掴んだマーティンは
そのまま巨躯を生かして体当たり>>341を図る!]
[がががががががっ。と鉄と鉄が擦りぶつかりあう音が
鼓膜を引っ掻いた。
ツェーザルの腕に重い衝撃が走る。]
んっ、 のぉ…!!!
[気力を振り絞って、戦槌を掴む腕を振り切らんとする。
と、――――…]
…ッ、ス!??
[粗悪品だった盾に亀裂が走り、中央から真っ二つに割れた。
その片方が大きく宙を飛び、ツェーザルの左肩を強かに撃った。]
…、痛つぅ……
[鉄の円はついに動きを止めた。]
― サクソー川/橋の北側 ―
[戦友>>361の声に強く頷く。]
クレス、おまえはおまえの役目をしてこい!
ここはおいらにまかせて行けッス!
[そうして。
この橋を己が守り抜かんと――改めて敵将に対峙する*]
[ぜいぜいと、苦しそうに息を継ぎながらも
ツェーザルの眼光はまだ闘志を失っていない。
しかし連続した激戦と、負傷を負ったままの無茶は
流石に少しずつ着実に彼の体力を蝕んでいた。
今だって、別に止まりたくて動きを止めた訳ではないが
身体が…段々と言うことを聞かなくなってきていた。]
――――… ふぐッ!!!?
[マーティンの蹴り>>400は、容赦なく腹に入った。
身体が一瞬ふらつく。
柄を縛っていた布は、荒い扱いに耐えかねて緩みが生じていたようだ。
身体がくの字に折れた今の反動で、戦槌が――あたかも役目を終えたとでもいうかのように――橋の上に、落ちる。]
…ハッ、
[肩を掴まれる。
頭に衝撃が走る。]
お かえ …し ッス… !!!
[今度はこちらから、頭突きを返した。
自らへの反動も省みず、全力で相手にぶつける。//]
― 14年前/辺境伯の館 ―
[人となりを知りたいのだと、理由>>381を明かされれば、
相手の表情につられたように…ツェーザルの笑みも自然と柔らかいものになる。]
なら、…あの。
おはなししたら、
……おいらも、オクタさまのことを
もっと知れるようになりますッスね。
[それはなんだか、とても素敵なことのように思えた。
それ以来、他に誰かがいるところでは――ツェーザルは臣下の立場を崩さず、呼称もオクタヴィアスさまの侭だったが。
“おはなし”する時には、親しみを篭めて、未来の主君の愛称を口にしたという*]
― サクソー川/橋の北側 ―
いし、あたま… ッスな……
[2度の頭突きの応酬>>438で、頭の中がぐらぐらする。
今にも倒れそうな上体を支えているのは、皮肉なことに、がしりと己の両肩を掴んでいるマーティンの両手だった。
強い、――――相手だった。
どうしようもなく、強い。
これだけ足掻いても、届かない。
悔しいのに。
でも、きっと、悔しさだけでは… なくて。]
!!!!!
〜〜〜〜〜〜ぐ、ぅッ …
[背負い投げ>>441に抵抗する気力も体力も、もう無かった。]
あがッ !!!
[橋に勢いよく叩きつけられ、全身に打撲の衝撃が響く。]
[マーティンが戦斧を取りに走る姿を、
視界の端に映しながら、
無理やり身体を引き剥がして、
橋の中央に仁王立ちするように、立ち上がる。
両手を、大きく横に開き、
通せんぼをするような格好で――――…]
いかせ ない …ッス ……
だって、……
ま だ あんたの…盟主と、
オクタヴィアスさまは、
会って…す ら いな、い……!
[先程ちらりと見えた、彼の盟主の姿>>365。
かつては、…いずれ主君と仰ぐのだと、思っていたひと。
…親父が夢想した未来のことは、
死の間際に、少しだけ聞いた。
その時は正直……よく、分からなかった。
こうして再び乱が起きて。
大勢の人間が死んで。
この先、どうなるのか、
親父は正しかったのか、
本当のところは、よく、分からないけれど。]
それ でも… おい ら…は、
信じたい。
オクタヴィア スさま …と、
( 親父が信じた )
…………も う ひとり…を、
[カッと目を見開き、絶叫を残して、
ツェーザルは自らの命を奪う戦斧>>442を受けた。
一文字に裂かれた腹から、盛大な血飛沫が溢れ出る。
心臓が、その鼓動を止めても。
彼は、通さぬという意志を貫かんとするように、
死して尚、―――― 其の場に仁王立ちして*いた*]
― ・・・ ―
[昔、州都で会った物売りに、
王国の美味しい菓子を今度買ってきてほしいとねだったことがある。
自分は、軍隊に属していて、あまり外を知らないから、
いろいろなところを巡っているのだという物売りの話は珍しく楽しかった。
だからまた今度会えたら――…
何か、外のものを味わってみたいと、依頼したのだ。
そういえば、あれは、どうなったのだっけ。
……確か、食べ損ねたんだっけかな。そうッスかな。
もったいない*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新