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[作戦開始の合図が聞こえる。
プレイボールのサイレンが鳴り響く。
これまでずっと、逃げて、逃げて、逃げて。
初めて攻め入る。
それが、今やるべき事だから。
そうしなきゃ、自分に未来は無いから。]
はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・
い、いや。何でもないっすよ。ちょっと緊張しただけさね。
[彼を案ずる仲間にそう返す。
もたもたしていると、作戦がおじゃんだぞと。
無理矢理にでも引かせる。]
はい、ドッカーン。
金馬ちゃんもやる気っすよ。
[そう、早くしないと。一刻も早く。
やつらがやって来る。
地獄の果てから、自分を追い掛けて。]
喰らわれる前に、喰らえ。
[ミーネからおおよその位置関係は聞いている。
厄介な連中も居そうなものだが、ゴールが分かっていればそれだけ有利だ。
金馬から小舟を伝って銀羊へと乗り込めば、まずは金馬の連絡手段を断つ。
助けを求められれば厄介だ。
文字通りここには虚空の孤島となってもらう。]
羨ましい程にそろってる。けども
最新器機ってのは、アナログの攻撃に弱いのが難点っすね。
[ぶっ壊すだけならコンピューターウイルスだなんて必要無い。
物理的に断線させちまえばいい。]
[耳障りな音が脳裏に流れる。
まただ。
やめろ、止めてくれ。
しきりに頭を抑える彼に困惑する仲間を一喝する。]
だから問題ないって。
作戦通り、自分はこっちの道から切りにいくっすから。
[そう、全ては作戦通りなのだから。
仲間には一瞥もくれずに走り出す。]
[昔、その昔。
自分はずっと仄暗いところにいて、何も無いから安心だった。
何がきっかけだろう、望んでもいない光の下に曝されて。
自分は人目から逃れるために、姿を変え、場所を変え、気が付けば宇宙の果てまできてしまった。
裏をかいて敵地のど真ん中、アースガルドに構えた事もあった。
しばらく続いたが、それも危険とあらば今度は海賊の一員になって。
定住しないのは自分にとっても好都合ではあったけれども。]
死にたくねえ。
自分はまだ、死にたくねえっす。
[彼は吠える。
深く関わり過ぎてしまった。
遅かったんだ、何もかも。
ハーランは船から船へと移れるが、自分はもう船から乗り移る事はできない。
戦え、戦わなきゃ。
あいつらを消さなきゃ、どこまで逃げてもお先真っ暗だ。
どこまでも暗い、この宇宙のように。]
だ・・・・・・誰だ!
どこにいる!
[怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
また自分を、探しているのか?
なんで、どうして。]
船長? 隊長? 違う。
銀羊の乗員? 見つかったすか?
お前達は、誰なんだ!
[やめてくれ。
これ以上敵は増えないでくれ。
一匹のガルーは恐怖に震える。]
何に怯えて?
[どうして、どうして平気でいられるだろう。どうして当たり前のようでいられるだろう。
声が聞こえてくるのは初めてじゃない。
それでも、これまで聞こえてくるのは。他のガルーの声は「ハラヘッタ」「ネムイ」その程度のものだったのだから。
自分だけだと、思っていたから。]
敵じゃない? 敵じゃない? 敵じゃない?
[いつだって、ろくでもないから。]**
同胞?
そうっすよ・・・・・・ね。
それじゃあ、これまで通りよろしくっす。
[それでも、本気で警戒を解く事はないだろう。
とうに学んでいたからだ。
生き残るために最も重要な事とは、臆病である事なのだから。]
へへへ。
[彼は上手く笑えただろうか?]
避難艇付近
どういう事っすか。
[中央部へ向かえば向かうほどに状況は酷く。
信号がが無茶苦茶にねじ曲げられているように感じられる。
普通、暴走といっても一定の秩序が残るものなのだけれど。
壊すまでもない、とうに壊れていたのだから。]
まるで、袋小路の罠に迷い込んだみたいっすよ。
[この場所の存在は当然元より織り込み済みだ。
ここにある小船を支配下に置けば、時間稼ぎにもなるだろう。そして何より目的の物を手に入れた後にトンズラってのもありだ。]
そして次の新天地へも、ね。
[だが今目に映るのは想定外の光景で。
事は上手くは運ばないものだ。]
ダメっす。
メインがダウンしてるんじゃ、どうしようもないすよ。
[これはあくまで保険。
抑えられなくとも、次の作戦はいくらでもある。
けれども。]
退路を塞いでいかれているような。
[そんな、不気味さ。]
なんで、誰もいないっすか。
[非常事態で真っ先に向かうは避難経路だろうに。
今はこの船の騒ぎが嘘のように不気味に静まりかえっている。]
構わない。金馬の中に同族がいた。奴らもきっと、何かの助けになる。そうさ、急ぐ必要はない。そうであるはずさ。
[そうと決まればここに用は無い。
粗方の仕事は達した。自分もラグナロクを探しに行かなくては。
その時、遠くから足音>>253が聞こえた。
一歩後ずさりをすると、敵意がある可能性に備えて懐に忍ばせたものをぎゅっと握る。]
[深刻なエラー、本当に?
浮かんだ疑惑が言葉となる事はなかった。
それを口にしてしまえば、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまうような気がして。]
て、手助けしてくれるってなら。
頼むっす。
[それに、あの2人には踏み行ってはいけない。]
気付いてはいないようっすね。
[ほっと胸をなで下ろして懐から手を離した。
相手は1人、こちらも1人。
人質が欲しい訳でもなし、正体を明かす義理もないだろう。]
ああ、そうっすよ。あんたは警備の人っすか?
避難艇はなんだか調子悪いみたいっすけど。
[自分が金馬に乗り込んでから暫くは経つけれども、それほど昔でもない話。
多少話には聞かされて、写真の片隅にでも見た事があるかも知れないけれど。
すぐには思い出せるものではなく、当時とは容姿も変わってはいるだろう。]
足りているかどうかは、自分よく分からないっすけど。
[ああ、失言したかな。
避難艇の状況を聞かれて、一瞬しまったといった表情を浮かべた。
適当に流してしまいたいところだがはてさて。]
おや?
それはここの船員のあんたのほうが良く知っているんじゃねえっすか?
[とはいえ、それでも聞かれれば見てきたままの状況を伝えるだろう。
どちらにしろ、原因は自分には分からないが。]
足りているかどうかは、自分よく分からないっすけど。
[ああ、失言したかな。
避難艇の状況を聞かれて、一瞬しまったといった表情を浮かべた。
適当に流してしまいたいところだがはてさて。]
おや?
それはここの船員のあんたのほうが良く知っているんじゃねえっすか?
[とはいえ、それでも聞かれれば見てきたままの状況を伝えるだろう。
どちらにしろ、原因は自分には分からないが。
唇が小さく動いた。]
美味くなんてねえっすよ。
食事を楽しめる余裕がない限りね。
[自分にとっては喰えそうなものがそこにあったから、喰える時に喰っておかなきゃ程度のもの。
その点冷めてるのだ。
ガルーが人を求める理由なんて自身でも分からないし、興味もない。
大切なのは、食いつなげるか否か。ただそれだけ。]
好きにすればいいさ。
そうか、それは残念っす。
こっちには誰も来ていなかったように思うっすけどね。
[どうやら乗り切れたようだ。
こちとら、細工はしていないのだから。ここで気が付かれても困るのだが。]
そう、ならそうするっす。
ええと・・・・・・
[そしてまた余計な一言を。]
メイン・サロンってここを真っ直ぐっすか?
[ミーネからの情報は銀羊に攻め入るためのもの。
はっきりと記憶している場所と、うろ覚えの場所。
娯楽施設か、関係者用の区域か。
その認識の差こそが旅客との大きな隔たりなのだから。]
え? 自分の部屋っすか?
ええと、ブロンズゴートっす。
[一瞬の間の後、答える。
一応船に存在している幾つかのホテルの名前くらいは把握している。もちろん、その中から適当に言っただけだが。
果たして自分の返答は、齟齬が存在するようなものだろうか。
背中を冷たい汗が流れ落ちる。
落ち着け、落ち着くっす。
その気になれば、いくらでもやりようはあるのだから。]
それが、どうかしたっすか?
[こちらはあえて隙だらけの体勢を。
なんでもない、と示すように。]
そう・・・・・・すか。
[ごくんと生唾を飲み込む。
ここは話を変えるに限る。それが一番だ。]
なんか、ふらついているみたいだけれど、大丈夫っすか?
こんな時っすから、お互い気をつけましょうよ。
そうだ、せっかくっすから。
[一歩警備員に歩み寄り、腰に巻き付けられた物入れをがさごそと漁る。
果たしてその姿は、警戒をしている警備員にはどのように映っただろうか。]
[取り出したのは、片手で持てる程の小さな機械。
黒塗りで、ガラスの隙間からスイッチや配線が見え隠れしている。
何処にでもあるようで、一度も見た事がない。そんな形状。]
自分、こんなカラクリには結構詳しいっす。だからみんなに配って回ってるんで。
持ち主の体温や発汗に感応して、危険が迫っていると判断したら簡易の転送装置が作動して持ち主の安全を確保してくれるっす。この程度のパワーじゃこの船からは脱出できないってのが、残念すけどね。
一度しか使えねえから、気をつけてくだせえ。いざという時にはきっと役に立つと思うっすから、持っていてくださいよ。
[半ば強引に手渡すと、そのまま踵を返して通路の奥へと歩を進める。]
それじゃあ、自分はこれで。
トロイの金馬、な〜んてね。
[真の狙いは教えず仕舞い。
だがそんな彼も気が付いてはいなかった。
この船には誘導があまりにも整いすぎていたのだ。
避難艇が動かないのは、動かないものだけが残されたから。
人が居ないのは、とうにこの船にいないから。
ここに居る者は孤立したのだ、国の者も、海賊も、暗闇で牙を研ぐ者も。]
[泣いている。
誰かが、自分の側で。自分を、見下ろして。
あれ? 違ったか。
見下ろしているのは、自分のほうじゃないか。
情けない話さ。自分で決めた事だってのに、すぐ忘れちまうのだから。
けれども、決めた事って、何だったっけか。]
[別に馬鹿正直にあの警備員の言う通りにする必要もあるまい。]
ちぇっ。自分捜し物はあんまり得意じゃないってか、目の前に置いてあるものを見つけられないタイプなんすけど。
[それでも適度に当たり目を付けながらラグナロクを探す。
それも全部スカだ。]
それとも、やっぱあそこっすか?
だとすると、厄介っすね。
[ミーネからの情報によれば、一カ所だけ入れない区域があったはず。
優先順位としては後回しだったけれども、可能性としては高いだろう。]
何とかして、見つけないと。
誰よりもね。
なんか、予定調和っぽくて気に入らないっす。
[まだあたっていない区域で探せそうな場所は限られている。
ロイド達から逃れるだけならば造作もないけれど、ラグナロクを探すとなれば話は別。
漏れが無いよう、小康時に探したいものだ。
金馬の仲間はどうしているだろうか。
すでにおおよそは制圧できたか。
気が付けば、結局当初の目的地だったメインサロンへとやって来ていた。]
[慎重と、慎重。
それはかえって事態をややこしくさせる事に繋がる。
こちらもまた壁に張り付きながらそろりと歩いていたものだから。
死角になって、すぐ側まで接近していた人物>>522に気が付かなかった。
相手は果たして気が付いたか。]
ゴクリ・・・・・・
[三大欲求は如何ともし難い。そう言うだろう?
ガルーであっても、ハイエナしかり。
けれども、遠いな。]
へっ?
[目が点になる。
相手があまりにも気配を消していたから。全く予想外の方向から人がぬっと現れ出たようにすら感じられた。
一瞬の静寂、そして]
ひ、ひいいいぃぃぃ!!!
[思わず人ならざる速度で飛び退く。
ああ、また自分って奴は。海賊だから身体能力が高いと思われたかな。それとも、まさか。
笑えばいいさ。]
ななな、何するっすか!?
[この男、理性は無いのだろうか。
済んでの所で銃弾の脅威からは逃れる事ができたが、普通の人間ならまず死んでいただろう。
しかし今ので、ますます怪しまれるじゃないか!]
はっ・・・・・・! まさかはったりっすか!?
[とんだ深読みである。
しかし次の言葉で、表情は一気に引き締まったものへと変わる。
ガルー]
[バレた、見られた、探られた。
絶対に、それだけは、知られちゃいけない
やめてくれ、もうあんな事は。
呼吸が一気に荒ぶる。]
ギラリと瞳に緋色が浮かび上がる。
こんなところで、あんたみたいな訳分かんないのにやられる訳にはいかないっす!
[爪はまだ出さない。能あるガルーは爪を隠すから。
あくまで自分は海賊。だからこの船を襲っている。ただそれだけ。
懐に忍ばせておいた>>293スタンガンを持って間合いを詰めるが、消化器が邪魔だ
目を凝らせばふつふつと湧き上がる。獣としての本能が。これ以上、これ以上続けてしまえば。]
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