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― ??? ―
[夢を見ていた。
私が落ちた魔女となった、雷雨の日の夜。
廃墟にて友人を殺害し、その魂を食らった後、私はエレクトラと共に街をさまよっていた。
そして街に現れたディアボロスを狩っていた。
雷の影響で、私の魔力の消耗は抑えられていたが、天候が天候だけに落雷の発生もあり、状況は危険だった。
ディアボロスを狩り終えた後、私の前方に本物の、強烈な雷が落ちた。
もし私に雷が直撃したらかなり危険ということで、この日は帰還した。
しかし、雷雨は一向に止むことなく、複数の雷が近くに落ちてくる。
その強烈な閃光が私の視界を塗りつぶしたところで、夢は途切れた]
― 回想:旅館にて ―
……?
[ゆっくりと目を開け、体を起こす。
近くには、心配そうな様子のエレクトラが佇んでいた]
『ユーリエ!――本当に心配したんだから。
永遠に目を覚まさないままだったらどうしようかと思ってたわよ』
エレクトラ……私が至らないばかりに……
『それは言わないで。むしろ、謝らなければならないのは私。ごめんなさい』
謝らなくても――
いや、詫びたい理由があるなら、後で聞くわ。
まだ目が覚めたばかりで、頭もぼやけてるし……
リフレッシュも兼ねて、場所を移しましょう。
『そうね……行動可能区域は住宅街になっていたはずだから、そっちに向かいましょう』
― 現在:住宅街・中央通りにて ―
『私が最後までサポートできていれば……
いや、こればかりは、悔やんでも仕方ないわ』
[私は自分が脱落したことを悟っていた。
つまり、それはもう戦い続けることができないことを意味していた]
ねえ、エレクトラ。
話したいことがあるなら、正直に言って。
『何から話そうかしら……
ねえ、ユーリエ。あなたが人狼となった夜のこと、覚えてる?』
ああ、あの時のことね。
『私はあの時、あなたが友人を殺すのを止めなかった。でもこれには理由があるの。
心の奥底に潜む負の感情に、気づいてもらうためよ。
あなたの場合は「恐れ」ね。
負の感情と向き合わなければ、人は成長できない。あなただってそうでしょう?
だから――気づきのチャンスを与えたの』
気づきのチャンス……
確かに、人狼化しないままだったら、私は心の中にある恐れに気づかないままだったかもしれないわ。
でも……
私はこの事件がきっかけで、私は苦しみを味わうことになった。
魔力の消耗に加え、能力の発動による精神的なダメージ……
私はそれに耐え続けてきた。
『そう、結果的に、私はあなたを苦しめることになってしまった。
こればかりは申し訳ないを通り越して、詫びても詫びきれないわ』
エレクトラ……
[願いの本質や感情を反映し、具現化したもの。それが魔法や能力だというのなら、私の能力はつまり、罪を知られることへの恐れが「呪い」として具現化したもの。
かつてその能力が発動した時、私はかなりの精神的ダメージを負った。
ならば、もし別のタイプの人狼になっていた場合は、このような苦しみを抱かずに済んだのか――?]
『それと、もう一つ詫びなければならないことがあるの。
私は、今まであなたに明かしていなかった。
契約相手となる魔女候補が見つからなかったら、私は消滅する運命だったということを』
え……?
それなら、私が試練の前の契りを拒否し続けていたら、あなたは消えていたってこと?
『そう。魔女候補との契りを交わせるかどうか、そしていかに魔女ないし魔女候補をサポートできるかが、契約者にとっては死活問題だからね。
でも、私が契約者として活動する際に、実はもう一つの制約が課されているの。』
もう一つ?
『もう一つの制約は、私自身の体内に蓄えられた魔力が尽きた場合、あるいは私が持っているジェムを失った場合――
私は活動不能になり、いずれ消滅する』
そんな……
あ、でも、ちょっと待って。
[確か1度目の試練の時に、「必ずでなくてもいいから、魔力を少し分け与えてほしい、タイミングは問わない」と言っていなかったかと問うた]
『よく覚えていたわね、ユーリエ』
今回の試練に挑み始めてから、徐々に記憶が戻ってきているからね。
あの時は、あなたの頼みに応じたわね、私。
でも、魔力が尽きたら活動できないって……
もしかして、魔力がエネルギー源みたいなものなのかしら。
『その通り。人間が、食事をしなければ餓死してしまうように、私はエネルギー源となる魔力が尽きたら消滅してしまう、ということ。
だから、魔力を蓄え続ける必要がある。』
そこで魔女候補との契りを交わすことに成功した場合は、その契約相手から魔力を分け与えてもらうことで生きながらえていた、と。
『そういうこと。かつてあなた以外の魔女候補とも契りを交わしたけれど、彼らもあなたと同じように、私の頼みに応じていた――』
あなたと契りを交わした相手が皆、そうした……
そりゃあそうでしょう。
あなたに、生き長らえてほしいからね。
仮に魔女を辞めるとき、あるいは今回の私のように試練に脱落した場合は、あなたとの別れが待っている。
そしてあなたと別れた後、あなたが消滅してしまえば、もう未来の魔女候補と巡り合うことはできない。
あなたを待っている魔女候補もいるはずなのに……
かつての契約相手の皆も、同じ気持ちだったんじゃないかしら?
『ユーリエ……
そうよね、私――まだまだ生き長らえなくちゃ。
未来の魔女候補に巡り合うためにもね』
[エレクトラは、まだまだ生き長らえるという決意を固めていた。]
ああ、でも私との契りは今回が2回目でしょう?
だったら、別れの儀式のときに――
[私は今後、魔法を使うことはないだろうから。
せめて私の力を役立ててほしいと申し出た]
『ありがとう、ユーリエ。
それと、いろいろ迷惑をかけてごめんなさい』
気にしなくていいわ。
別れの儀式まではまだ時間がありそうだから、しばらくこの空間を歩きましょうか。
[エレクトラもこれに応じる。
こうして、今しばしの間、私たちはこの空間をさまようことにした。
決着まではまだ時間がある]**
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