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貴方という方は……ッ。
[迷惑を掛けたつもりはないと当人に答えられれば>>4:+16、今まさに下敷きにされている身としては異論を挟まずにいられない。
小刻みに肩を震わせて、こめかみに青筋を浮かべた。
彼がこの調子だから、他の悪魔達に笑えない野次を飛ばされる事になるのである。
私は貴方のような子を育てた覚えはありません! というか性別は男です!!
――そんな事に気を取られていたからか、近寄る気配に気付くのが随分と遅れた。
奇妙な視線を察知して振り返れば、先ほど感じていた神聖な気配の主達が、それぞれ微妙な面持ちでこちらを眺めているわけで>>4:+14>>4:+20]
ごっ、誤解です!
[思わず第一声でそんな訂正を投げた。
何を考えていらっしゃるのかわかりませんが、私とフェリクスの間には何事もありませんからね……!
未だかつてないくらい狼狽えたのは、それだけ二人の視線が突き刺さったからである!]
[ともあれ、フェリクスと彼らのやりとりを口を挟まずに見守る。
金髪の天使は、おそらく天界でそれなりの地位にある者だろう。
私の部下>>4:+22、という言葉と立ち振る舞いが、それを証明している。
シェイ、と呼ばれたもう一人は、些か雰囲気が違う気もするが、こちらも天使、なのだろうか。
言葉を発さず、身振りで意思を示す様は、あどけなく無垢な存在のように見受けられる。
シェイの方はどうかわからないが、金髪の天使の方は、どうやらシメオンを天使だと判じているように思えた。
……それならば、天使のフリでも続けようかと、緩く双眸を伏せた]
[再び瞳を開いた時には、天使のような容貌に相応しい、柔らかい微笑を浮かべている]
彼の紹介のとおりです。
私はシメオン、地上の見回りの任を与えられた天使に御座います。
お二方は不慮の事故で地上へと落されたとの事。
大変なご苦労をなさいましたね。……お疲れ様です。
[もう散々喚き散らしている場面を見られたので遅い気もするけれど、穏やかにそう自己紹介を足した。
二人を気遣うかのように、痛ましげな視線を送る。
……人を欺き、弄ぶ事を得意とする魔性ゆえ、演技としては満点だろう。
ただし、中身の伴わない上辺だけの『気遣い』は、勘の良い者には察知されるやもしれないが]
……えぇと、そ、そういう事です。
[咄嗟に口裏を合わせてくれたフェリクスの演技>>+13は、非の打ち所のないそれだった。
……演技力に非の打ち所はなかったが、それはそれで間抜けな気がしてちょっと項垂れた魔性である。
その本気の凹み方があまりに深刻だったので、お説教云々にまつわる説得力はいや増した、かもしれない]
[……と、視線を持ち上げると、シェイが片腕で天を指し示す>>+16
飛べるのかと問うような仕草に、束の間迷ってから、ゆるく左右に首を振った]
長いこと地上におりましたので、少々こちらの空気に毒されました。
時間を費やせばなんとかなるかもしれませんが、今すぐにというわけにはいかないでしょう。
[天界に比べて、地上の空気は俗に塗れ、穢れている。
こちらへと訪れた事で、弱体化してしまう天使もいるとは聞いた。
そうと知った上で、そう嘯いた]
貴方達を天界にお返しするのに、私にもなにか力添えできれば良いのですが――
[そんな風に言葉をつなげた所で。
シェイが連れて行って欲しいとせがむように天を仰いだので、僅かに目を瞠ってみせた>>+20]
先程も申し上げたように、今すぐには無理です。
この大人数を一度に、というのもなかなかに難しいお話ですし……。
[困惑げにそう応じて、口元へと手を当てる。
どうしたものかと、迷うよう]
[それでも、それはやはり迷う『ポーズ』でしかないのだ。
数秒、葛藤するような間を置いてから、意を決したように首を振った]
……そう、ですね。
それでも、おそらくこの中では私が一番マシな方と言えるかもしれません。
このような場所で頭を悩ませていても仕方ない。
まずは、成せる事を成しましょう。
[そう告げると、シェイへと手を差し伸べる]
もしよろしければ、力を貸していただけませんか?
先ほど申し上げたよう、私は地上に毒され、自力で天界へ飛ぶだけの力を失いました。
だからこそ、術を使って欠乏したものを補わなければならない。
天使としての格は、貴方がたの方が上だろうとお見受けしました。
私一人の力では難しくとも、協力して頂ければ天へ戻る道筋を見つけられるかもしれません。
[並べ立てるは、嘘偽りの言葉ばかり。
彼らを天界に返すのは、魔性のシメオンの望む所ではないのだ。
このまま地上に縛り付けてしまった方が、天界の力は削げる。
親切そうな言葉と笑顔の影に、隠された悪意が密やかに踊る。
地上に落ちた、二人の天使。
切り崩すのであれば、警戒心の薄いシェイからにするべきだろう]
[なお、そんな悪巧みをしている間にフェリクスに何を思われているのか>>+21なんて、知る由はないのであった。
察していたら、また何か小言を連ねて色々台無しにしていただろうから、気づかなかったことは幸せだと言えなくもない。
……多分。] **
―シェイは守りの力を持ってる、ちょっとした衝撃程度だから受け取る時に隙を見せないで。
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