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ちなみに、トーマスは名字ないのだよね。
ヤコブが騎士叙勲されて名字がついたので。
だから、「テオドール・バルド」がヤコブの血縁ならば、それは息子とか孫になる。
― 首都モーリス ―
[ かつての廃都は、今や魔軍の中心都市へと変貌を遂げている。
魔物と人間の比率は、7:3と行った所か。
どこにも行き場のない犯罪者や、追放者が、日々増えていた。
価値観の違う魔物同士や、魔物と人間の間で、いざこざは絶えない物の、
そこは確かにある種の活気に満ちていた。
これから発展していく、チャンスにあふれた場所であった。 ]
[ テオドールは、大陸の間に飛竜の定期便を交わしていた。
機を見るに敏い、いくつかの大陸の国は、カレンでの騎士団長代理敗北を見て、
魔軍へ下ったり、魔軍との協力関係を提案してきていた。
別の時間軸の通り行った国もあれば、正反対の対応をする国もある。
その理由を探りあて、ソマリアランの影を見つけると、
テオドールは苦い思いを抱えた。 ]
お前はいつも、俺の前に居るのだな。
……ソマリアラン・クロイス。
[ アランはテオドールがいつか大きな敵になる予感を得て、
大陸のいくつかへ、半島への助力の約束を取り付けていたらしい。
全く持って、3年前の魔境でアランを逃したのは大きな失敗であった。 ]
[ 魔軍との友好を望んだ国からは、
いくつかの物が贈られてきた。
見事な武具は魔境では得られない物だ。テオドールは自らの物にしたり、勲功のあった臣下に下賜してやった。
形のある物だけではなく、名誉貴族や、騎士の称号もあった。こちらは鼻で笑って破り捨てた。
テオドールが名乗るのは「王」もしくは「大将軍」その称号だけだ。 ]
[ ただ、「紋章」という贈り物は気に入った。
センスのない魔物に任せていては出てこないようなデザインだ。
炎を噴く火竜というのは少々苦笑せざるをえなかったが、
大陸に飛ばせた火竜は、彼らの心に相当大きなインパクトを残したのだろう。 ]
この紋章を掲げた国や町は、「人類半数の殺害」の例外とする。
この紋章は、俺だと思え。
俺の臣下を自認する者は、この紋章には手を出してはならぬ。
もしも出した者はその場で処刑して構わぬ。
しかし、そうでない者は、お前達の好きにしていい。
[ 魔軍には、その命令を徹底させた。
……魔王の紋章の元に居た方が安全であることを、人々もやがて学ぶだろうと見込んで。 ]
― 回想:三周目 ―
[ 23歳。ヤコブのひとつ年上になったテオドールは、
その時は前回の失敗を生かして、ヤコブの従兄弟を名乗っていた。 ]
リッド、今日は早く帰れそうだ。
今夜は、魚が食べたいな。
ほら、リッドの故郷の料理。ティレルじゃ食べれないからさ。
[ 年上の妻にそう伝えて、いってきますのキス。 ]
味付け間違えても俺は全部食べるけど、
焦げすぎだけは勘弁だぜ?
[ 笑顔で拳が振って来るのを、テオドールは軽々と避けた。 ]
[ そんな時間もあった。 ]*
[ 生前のような笑顔はないウェルシュ顔を覗き、
ほんの一瞬だけ困ったような顔をした。 ]
お前が戦うべき相手が居なくなったら、俺が殺してやると言ったのに、
……お前は、俺の知らぬところで勝手に死におって。
罰として、簡単には眠らせてやらぬ。
恨むならば恨め。
[ そして、いつもの冷淡な魔王の顔に戻って言う。 ]
お前が覚える命令は2つだけだ。
ウェルシュ、来い。
ウェルシュ、殺せ。
……良く覚えておけ。
俺がお前の飼い主だ。*
はて。
しかし、このテオドール案は、「絶対の悪」がコンセプトだったのに、なんでこんないい奴になってるの?
おかしい……オッサンおかしい……。
― モーリス ―
[ 若い騎士が己を磨くのと比例するかのように、、
悪の勢力も日に日に勢いを増していた。
魔軍には新しい部族が加わった。
獰猛で邪悪なバシリスクども。そして、闇の眷族ナイトメア。
魔王に従属するにあたって、バシリスクは週に1人の赤子を求め、テオドールはこれを許可した。
そしてナイトメアは、 ]
『 お前の安眠を。この先永遠に。 』
[ この夢魔は、それでテオドールが怯むとでも思ったのだろうか。
鼻を鳴らし、テオドールはこれも許した。 ]
構わん。
好きなだけ奪え。
……ただし、睡眠時間が短いと後から文句を言っても知らぬぞ。
[ そして、
鮮血色の目以外は、タテガミも蹄も漆黒の獣が、テオドールの乗馬となった。 ]
[ 昼の間も、モーリスの上には黒く重い雲が立ち込め、
これから地上に顕現しようという地獄を予告するようだった。
悪の軍勢は大陸にも侵略を開始し、
カレンやペンホールズにも現れては家畜を浚ったり、子供を怯えさせたりした。
……決戦の時は近い……。 ]
[ 昼の間も、モーリスの上には黒く重い雲が立ち込め、
これから地上に顕現しようという地獄を予告するようだった。
悪の軍勢は大陸にも侵略を開始し、
ペンホールズの近辺にもちらりと現れては、家畜を浚ったり、子供を怯えさせたりした。
……均衡が破れようとしている……。 ]
― 首都モーリス ―
……カレン南の駐屯地が、攻められている?
[ 翼を痛めつけて飛んできたハーピーからの報告に、
テオドールは読んでいた文書を床へ叩きつけた。 ]
何故、実際に攻められるまで気付かなかったッ!
飯炊きの煙、人の出入り、馬の飼葉の入荷具合、
そんなものから察する事は出来ただろうがッ!
[ 激昂したが、ここからカレンまでは遠い。
今から援軍を差し向けても遅すぎる。
唯一の方法は。 ]
イングリッド!
そんな報告は受けておらぬぞ!
[ カレンに派遣してあるはずの情報屋へ、「あかいこえ」で叫んだ。 ]
[ まさか、と思ってから、
あり得ない、と否定する。
どの時間軸であっても、彼女は自分の味方だった。
最後まで傍に居てくれた。 ]
[ だが、だが……。
ここは、「類稀な未来」だ。
だから……。 ]
[ テオドールがイングリッドに求婚せず、別な娘と政略結婚した4周目のように。
あるいは、
テオドールとイングリッドが出会わず、彼女が騎士団についていた6周目のように。
だから、そんなことも、
もしかしたら。 ]
あの頭数が居て……無能揃いめ!
……ホートンの防衛を増強せよ!
斥候をいつもの倍出せ!
カレン南部駐屯基地へ、周囲の駐屯地から兵を出せ!
騎士団が南下するならば、食い止めねばならない。
……いや、むしろ、こちらから討って出るか。
決戦の準備だ!
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