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― 上空 ―
[追ってくるかどうか、それ自体が賭けだった。
もし、この機動に向こうが乗らないなら──本来の戦場へと翼翻すなら、こちらの遠慮なく撃つ心算でいた。
けれど]
……追ってくる、でも、撃たない。
……なんで?
[三度待つ、という彼の約は知らない。
だから、撃たない理由だけがわからない。
でも、今はそこまで気にしていられない、から。
上昇の頂点で機体を横方向へと傾け、下方へと向きをかえて、相手と擦れ違う機動を描き]
……君、は!
俺を、知ってるの!?
[擦れ違いざま、声を張り上げ問いを叩きつける]
俺が見えない頃……髪、切る前の、俺の事!
[問いをぶつけた後、機体の平衡を立て直して低い位置を水平に飛ぶ。
同時、見やるのは距離を開けた海面。
今はごめん、もう少しだけ時間をください。
海へと落ちる味方機の影にそんな事を思う空白は、十分すぎる隙になるもの。//]
― 上空 ―
……っ!
[擦れ違いざま、返された声。>>178
風が運んだそれに、若葉色を見開く]
再会……約束。
……おさな……なじみ?
[幾度目かの、シュテ、という呼びかけ方。
ずき、と頭と胸が痛む]
……く。
[間違ってなかった。
当たってた。
彼は、自分を知ってる。
あかい色の向こう側の自分の事を。
だから、撃たないんだろうか。
そんな考えが過った矢先、機体の傍を掠めるように銃弾が飛んだ]
…………。
[ぐ、と唇を噛んで、そのまま噛み破る。
血の味が広がって、それが意識を揺さぶって]
……あああああああ、もうっ!
[苛立ちを込めた叫びを上げつつ、機体を加速させた。
水平飛行からの上方ループを経て、向こうと速度を合わせ、並走する形を取る]
忘れてるよ、覚えてないよ!
……思い出したくても思い出せない……10年前よりも前の事は、どうしても見えないんだよ!
忘れちゃいけない約束がある事だけわかってて、それがなんだかわかんないんだよ!
[多分、さっき言われた事が。
『再会』が、それなんだろう、というのはおぼろげに見えているけれど]
君と戦いたくない、って、どっかで違う自分が叫んでるけど、でも。
[は、と一つ息を吐く。
操縦桿を握る手に力を入れ直して、それから]
俺は、この海と空を。
護るって、そう、決めたから!
[だから、どうするか。
その先は、行動で示した。
機体を減速させて距離を開けた後、機体を傾けながら向こうの背後を取り。
手が一瞬震えたのは抑え込んで、引鉄を引いた。**]
ウルケル海軍少尉 シュテルンは、帝国軍 中尉 セルウィン を投票先に選びました。
― 上空 ―
[後ろを取っての一撃はまたもかわされる。
正確な狙いがつけられていないのだから、避けられても無理はないのだが]
……忘れたくて、忘れたんじゃないっ……!
[零れて落ちるのは、掠れた呟き。
少なくとも、彼に関してはそうなのだと思う。
でなかったら、思い出せないのがこんなに苦しい理由がつかない]
……でも、俺は。
『迷わない』覚悟決めるって。
そう言い切って、ここに来たんだよ……!
[戦いが始まる前に交わした言葉を思い出す。
このまま逃げるだけじゃ悔いるだけだから。
それよりは、どんなに痛くても苦しくても向き合うんだと決めた。
決めて、飛んできたんだから、と自分に言い聞かせて。
相変わらず反撃が来ない理由はわからない、けれど。
旋回して避ける動きを追う。
放つ二撃目は、やはり、狙いは甘い。
飛ぶ力だけを奪って、それですませられないか、と。
そんな思いが少なからず、滲んで。//]
― 上空 ―
[放った二撃目が向こうの翼を掠め、火花が散る。
それでも動きを完全に抑えるには至らない。
そして相変わらず──向こうから仕掛けてくる意思は見えなくて]
なん、で。
なんで、そう、なんだよ…………いつ、も!
[無自覚口走った言葉に、自分が息を飲んだ]
……いつも、って、なに……?
(だって先に突っかかるのって、大抵ぼくだったし)
[口を突いた疑問に、どこかにいる違う自分が呟く]
俺が……先、に?
(そうじゃないと、こわかったんだ)
(ぼくからぶつからないと、ちゃんと、言いたいこと、言ってくれないんじゃないか、って)
(だから……いつも、そうやって)
言ってくれない……こわい?
……それって……まともに、今の状況、だろ……。
[笑い話になってない。
状況が悠長に言葉を交わす事を赦していない、というのもあるけれど。
向こうの思う所が見えないのが怖いのは、間違いなくて。
ただ、このまま飛び続けているだけではどうにもならないのは、わかっている。
こちらに引けない理由があるように、向こうにも引けない理由が──軍人として、空を飛ぶ理由があるはずなのだから]
……俺……は。
[どうすればいい。そんな悩みは──多分、短いもの]
[ふる、と首を横に振る。
迷うな、迷わない覚悟は決めてきたんだろ、と頭の中で数回、唱えて。
高度と速度を合わせ、再度、機体を横に並走させた]
……君が、なんで撃たないのかは、わからない、けど。
俺が、自分の覚悟を覆せないのと同じで。
君にも、下がれない理由があるん、だろっ!?
なら、それ、ちゃんとぶつけてこいよ!
このまま……中途半端なままじゃ、思い出せても思い出せなくても、苦しくなるだろっ!
[投げかけるのはそんな言葉]
俺、は。
どんな結果になっても、中途半端を後悔するのだけは、嫌だ!
[宣の後、加速から上昇する。
ぐるり、ループから後ろを取る動きは、明らかにやる気を出した時のそれ。
そこから背後を取り、三度目の引鉄を──期限と定められたそれを、知らずに引いた。//]
/*
か、海戦組はふぁいとなんだぜ……!
[※位置関係は超ふりーだむな空戦組は、応援するしかできない]
― 上空 ―
[孤児院にいた頃、一番大事なのは、幼馴染だった。
一緒にいて、ケンカして笑って、同じものを追いかけて。
記憶を無くしても、それは変わっていない。
ただ、同じくらい大切で、同じように護りたいものがある。
向けてくれたものに報いたい、とそう思えるひとたちがいる。
それらは、本当なら比べる事もできないもので、でも。
どうしても、一方を選ばなければならない──と。
そう、言うのなら]
……は。
ようやく、やる気になったか……!
[三度目の銃撃が齎した火花をものともせず、対する翼は飛ぶ。
動きが変わったのは、はっきりと見て取れた。
戦いたくない、撃ちたくない。
どこかにいる違う自分がか細く泣いている。
でも、押さえた。押さえつけた。
向こうが意志をぶつけてきているのに、自分が逃げる訳にはいかない]
……俺は、過去なんか振り返ってやらないって決めた。
だから。
……想い出に呑まれて、墜ちる道は選ばないっ!
[真っ向うから突っ込んでの掃射。
避ける余裕はないし、避ける心算もない。
やるのは全力で撃ち返す──それだけ。
加速のついた銃弾が翼の上で跳ねる、けれど。
/*
上空で真剣に熱血してりゃあ、メモの流れはなんなん……www
いやしかし、うん。
開始前に予想していた以上に、現在のBGMがはまる事態になんとも複雑な俺がいます……w
― 上空 ―
[真っ向から撃ち合いながら向き合う。
生存前提の戦い方、という観点からは落第点も良い所だろう。
それでも、他の方法は見つけられなかった。
機体を、翼を、掠める銃弾が火花を散らす。
操縦席とて無傷とはいかない。
身を掠める衝撃、風圧に散る紅。
同じ色が、対する機体から散るのも、微かに見えた]
……っ!
[息を飲んだのは、刹那。
その僅かな空白に、相対していた機体は上へと抜ける]
[こちらがとった動きは僅かな下降。
そこから旋回し、後を追う。
撃墜するなら──このまま撃てばいい。
恐らく、向こうに回避するだけの余裕はない。
……ないって、わかってる、のに]
……セルっ!
[自分がやったのは、どこかで泣いていた違う自分と同じ──昔、当たり前に呼んでいた名を叫ぶ事。
戦う事、墜とす事は割り切れてる、けれど。
……殺す事まで、完璧に割り切れている訳じゃない、から。
引鉄を引く事ができなかった。//]
/*
ここで撃てる子じゃないんだよなぁ……うん。
シュテはライン越えできてないタイプだから。
[ラインってなんですか]
[身内切りができるかどうかのラインです]
― 上空 ―
[口をついた呼び名、その先の記憶はまだ解けきらない。
ただ、ごく自然に出てきたそれが大事なんだ、という想いは痛みと共に刻まれた]
……っ!
[旋回から回り込んでくる動きにとっさ、こちらも旋回しようとするが、駆動系の反応が鈍い]
ん、のっ!
[ただ落ちる道は選べない。
だから、掃射に掃射で返しつつ、再度の特攻を真っ向う受ける。
落ちるなら諸共落ちる、の覚悟はこちらも変わらない。
違いがあるとすれば、それは]
……俺は、帰る。
まだまだ、やり残した事があるんだ……!
[どれだけ被弾しても、機体が傷ついても。
帰る、という意思が失われていない、というその一点か。//]
― 上空 ―
[ぶつかり合った翼と翼が軋みを上げる。
やがてそれは破砕音へと繋がった]
……っ!
[機体が大きく揺れる。
こちらの翼はまだ、折れきっていない。
傷ついてはいるけれど、まだ、残っている。
交差する銃弾が身を掠めて、また、紅が散る。
操縦桿を握る手が、ぬるりと滑った]
……俺、は。
死なないっ!
[まだ、虹の先を見ていないから、死ねない──その想い託して撃ち出した銃弾は、翼折れた機体を貫いて。
対していたそれが、海へと傾いてゆく]
……っ!
[落ちる、墜ちて行く。
落としたのは、自分。
その認識が一瞬だけ飛んだのは──違う自分が泣き叫んだせいか]
……セル……。
[ぽつり、零れた、呟き。
一瞬だけ晴れた、あかい色の向こう側に見えたのは]
─ ……絶対、また、会おうな! ─
─ ……うん、絶対だからな。 ─
─ また、会うんだから忘れんなよ! ─
─ 離れても、ぼくはぼくだし、セルはセルにかわりないんだから。 ─
─ シュテはシュテ、俺は俺。 ─
─ うん…うん、分かってる。 ─
─ だから、また、ね! ─
─ また、またなシュテルン。 ─
…………っ!
[がん、と鈍い音が響く。
何をどう言えばいいのか、わからなくなって、ヒビの入った風防を殴りつけた]
……ばか、かよ、俺。
遅い……よ。
[思い出すのが、と。
続く言葉は、声にならない。
思い出したって、結果は同じだったかも知れない、けれど、でも。
それは、言わずにおれなくて。
ぎ、と唇を噛みしめる。
機体の高度がどんどん下がっているのが感じられて。
ああ、飛ばなきゃ、と思うけれど、どうしても。
どうしても、すぐには動けなかった。**]
/*
ところで、中央では何が起きてるんだ、一体。
[自分のとこ追うので精一杯で、大筋しか読めてないんですってば]
[ぶっちゃけ、自分とセルの抽出しか見てなかったぞ、今まで……!]
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