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声無しの タクマ の能力(守る)の対象が 黒猫 クロイツ に自動決定されました。
声無しの タクマ は 薔薇の香り ローズマリー に投票した(ランダム投票)
声無しの タクマ は、黒猫 クロイツ を護衛している。
― 露天風呂 ―
[呆然としていたのは1(6x1)秒ほどだろう。
わざわざ元老吸血鬼が用意したこのゲームが、
そうそう簡単にいかないのを思い知らされる。
別の道を探すか、と顔を上げた時、友の顔が見えないことに気が付いた。]
[険しい顔で周囲を見回し、異変の残滓を見出そうとする。
だが、周囲に変わった様子はなく、
セルウィンがいたという痕跡も残っていなかった。
考えられるとすれば、彼だけ転移の力を受けたか。
この近くに、転移を誘発する仕掛けがあるのか。
だとすれば、ここに留まり続けるのは危険だ。
ローレルへ顔を向けて短く首を横に振り、
背に手を添えて、今度は廊下へ続く扉を指す。
ついて来るかどうかは見ず、温泉から出ようと歩き出した。]
声無しの タクマは、ランダム を投票先に選びました。
声無しの タクマは、ランダム を能力(守る)の対象に選びました。
― 脱衣所 ―
[脱衣所に戻ったところで、目に痛い極彩色が飛び込んできた。
さきほどせっせと雑用していた蔦たちに話しかけているものがいる。
後ろを振り返り、ローレルが安全な位置にいるのを確認してから、
いかにも不審な相手にゆっくり近寄っていった。]
…、……。
[あ、 うん。
そんな間を置いて頷き、それでもまだ警戒しながら近づいて、
持ってきたという荷物を見る。
確かに服があるのを見て取ってそれを指さし、
自分を指さしてから、首を少し傾げた。]
[これは、相当に危険な相手ではなかろうか。
とは思えども、満面の笑みで荷物を差し出されれば
頷いて、それを受け取った。
褒めろと言いたげなので、頭にそっと手を伸ばしてみる。
…が、腹ぺこ、と涎を垂らしたところで止まった。]
[どうやら相手は飢えているらしい。
近づいてはいけない、とローレルに警告しようとしたところで、
ぞくりと背筋に悪寒が走った。
めまいがして足元が不意に揺らぐ。
セルウィンが掛かったのは、もしかしてこれだろうか。
そうは思えど抵抗する術もなく、身体と心とが闇に呑まれた。
その場にいた他のものたちの眼からは、
不意に消え去ったように映ったことだろう。]
― 闇の奥 ―
[失神していたのはそれほど長い時間ではなかったのだろう。
目を覚ましたそこは、真なる闇に包まれた場所だった。
光は無く風の流れも無い。
一応床はあれど、踏み鳴らした音が跳ねかえってくる気配もない。
まるで様子のわからない場所に一人で投げ出され、
暫く途方に暮れた。]
[幸いというべきか、渡された荷物はまだ手に持っていたので、
手探りで服を引っ張り出し広げてみる。
ボンテージ や 眼鏡+三つ揃えのスーツ らしきものもあったが、
無難にシャツとズボンを選んで着替えることにした。
ようやく窮屈かつむやみに涼しい衣服から解放され、
人心地ついたところで探索を再開しようとする。
だがその足を踏み出すことはできなかった。**]
― 闇の奥 ―
[先ほどまで、ほんの一瞬前まで何もなかった背後に
圧倒的な気配が生まれていた。
振り向こうとするより早く言葉が耳を通り抜け、
胸の中心で熱が弾ける。
罪の刻印から茨が噴き出すように姿を現した。
手足を絡めとりながら茨は太く長く蔓を伸ばし、
床に根を下ろして、捕えた身体を持ち上げる。]
[刻印の茨によって体は宙に浮かされた。
磔のように固定され、振り返ることも難しい。
身じろげば、鋭い棘が容赦なく肌を突き破った。
背後から声が掛けられ、背に手が触れる。
牙が食い込んできた瞬間には、呻きが零れた。
上げそうになる声を、必死に噛み殺す。
『あなたが望んだことよ?』
『だってあなた、そう言ったでしょう?』
血に濡れた顔が脳裏で囁く。
自分の罪が。
言葉を捨てると誓った相手が。]
[吸われていく陶酔。強いものに圧し拉がれる被虐。
反発と拒絶と同じくらい惹かれゆく自分を感じ、
その自分にまた嫌悪する。
力が欲しかった。
血の親の暴虐を跳ね返す力が。
友を守れるほどの力が。
でも、あなたを殺して得る力など、欲しくなかった。
失血と共に意識は混濁し、もがく手足から力が抜けていく。
牙が離れるころには、ぐったりと項垂れていた。*]
― 書斎 ―
[目を覚ましたのは、乾いた紙の匂いのする場所だった。
ここが何処かを認識するより先に、視界が赤く染まる。
赤いのは周囲ではない。
心が、思考が、赤に塗りつぶされていく。]
グ ル ルゥ …
[喉の奥から漏れたのは、獣の唸りだった。]
[体を持ち上げた腕が太さを増していく。
肩や背中が盛り上がり、黒い剛毛で覆われていく。
短く伸びた鼻づらの下、唸り声を上げる口からは
異常に伸びた円錐形の牙が突き出していた。
本来の体躯の二倍ほどに膨れ上がった黒い羆は、
周囲の壁がびりびりと震えるほどの咆哮を上げ、
血を求めて、廊下へ飛び出した。
羆を導くのは、<<夜盲 ジャン>>が残した匂い。]
[体を持ち上げた腕が太さを増していく。
肩や背中が盛り上がり、黒い剛毛で覆われていく。
短く伸びた鼻づらの下、唸り声を上げる口からは
異常に伸びた円錐形の牙が突き出していた。
本来の体躯の二倍ほどに膨れ上がった黒い羆は、
周囲の壁がびりびりと震えるほどの咆哮を上げ、
血を求めて、廊下へ飛び出した。
羆を導くのは、<<流浪人 ジェフロイ>>が残した匂い。]
― 客間に続く廊下 ―
[嗅いだことのない匂いではあったが、迷わなかった。
階段を駆け上がり廊下を駆け抜け、
重い足音を立てながら疾駆する。
目指す場所に近づけば、血の匂いが風に混ざり、
狂乱の獣をますます駆り立てた。]
グァア!
[吼え猛りながら、扉へと突進する。**]
― 城の一室(客室) ―
[振り下ろした一撃は空を切り、
肉の代わりに床板が深々と抉られる。
獲物を逃した苛立ちに短く吼え、
飛びかかろうと身体のバネを溜めた。
その視界が不意に霧に包まれる。]
グルルゥゥ……
[警戒の声を上げて周囲を見渡せば、
無残に引き裂かれた女の姿が目に入った。]
[幻術に掛けられた。
そう判断するだけの理性は、無い。
狙った相手がすぐ側を通り抜けていくのにも気づかず、
記憶の中にある光景に囚われる。
あれは、血の親の暴虐から救ってくれた養い親。
深く心寄せたひと。
『あなたがいつも言っていたから。』
『あげるわ。私の力を、全部。』
笑顔で言う彼女を引き裂いて貪り食っているのは、
───今と同じ、獣となった自分だ。]
[飢えの狂乱に塗り込められた心が軋んだ。
やめてくれ、と魂が哭く。
自分の罪を見せつけられるのは、もう嫌だと。]
クオォォォ …… ォ …
[哀切の声が喉から迸った。]
声無しの タクマは、曜変天目 リエヴル を投票先に選びました。
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