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[ ベリアンの進言は利にかなっている。
もともと、降伏宣言の時期や内容からしても、
「考える時間があるほど利く」ことを狙って出されたものだった。
敵勢力の殲滅だけが勝利ではない。それは指揮官や師団長が考える戦略上の勝利である。
魔王が考えるのは、もっと視野の高い、戦略的・政治的なものだ。
ホートン砦南部までが精々だった魔軍の領土は伸び、
もはやカレン南部まで征服・支配したと言える。
また、敵指揮官ソマリアードを敗北・殺害せしめた。
臨時に就任した敵盟主ヤコブも……時間の問題だろう。 ]
[ しかし、引くべきでない理由もあった。
すぐそこに"鍵"があるのだ。
前回の機会から、3年も待った。
先の限られたテオドールにとっては、炙られるような貴重な時間である。
今も……咳き込むのを耐えては居るが、胸にざらりとした不快感がある。 ]
……、
[ 思考がそこに至って、ベリアンと交した約束が浮かんだ。
先が限られていないかもしれない、のだ。 ]
ここでは出来ぬ事をしたい、と申すのか?
[ 攻撃の手を休めるということは、敵に時間を与えることになるが、
味方も時間を得るということになる。
ベリアンが求めるのならば……、それは一考に値する。 ]
どうしようかな。
最後の最後まで隠したい気もするけど、
だいたいにおいて、RP村ではFOの方がきれいに話がまとまるんだよね。
[ テオドールは片手を上げ、雑談を打ちきる仕草をする。
魔物達が静まって指示を待つ中、決定を告げた。 ]
……一時退却だ。
夜明け前に、野営地に戻る。
そのまま、軍の半数は野営地の周りに防壁を建設して、カレンを睨む駐屯基地とせよ!
残り半数は俺と共に帰還。
モーリス・ホートンの守備と、今後のペンホールド完全攻略の準備にあたる!
[ 伝令達が、命令を復唱し、そして各部隊に知らせる為に走り、あるいは飛んだ。 ]
ベリアン可愛いかわいい。
一瞬、撤兵だと思ってその方向で書き始めてたけどw
実は箱にたどり着いて、力尽きて死んでたんだが、
それで良かった。
― 回想:"門"使い ―
[ テオドールも、生まれた時から魔王だった訳ではない。
人間離れしてはいても、あくまで人間だ。木の股から生まれるはずもなく、
当然、人間の両親が居た。
父は偉大な騎士で、母は門を研究する一族の娘だった。
テオドールがある程度の年齢になり、秘密を守れるほどになると、
母は里帰りも兼ねて、テオドールを"門"に連れて行った。 ]
『 いつかあの向こうに行ってみたいわ。 』
[ 母の為に門を開けてあげよう、と少年テオドールは思った。 ]
というのを、後付けで思いついたんだが、
使いどころが難しいな。
門を開けたかった母と、門を閉じようとして死んだ父。
母がめっちゃ父に迫って、半ば強引に結婚したことは決めてたんだけど、こういう背景があった方が話が通り易いかもしれない。
だけど、「おかんの為に門開ける」とか、
今まで積み上げてきた悪い魔王のイメージどうよ、どうなのよ……。
― 魔軍大本営 ―
[ 動き始めた本営から立ち上がり、
テオドールは興味が未だ戻らない視線で、戦場を見た。
ど、ど、ど、ど、……と短く軽い太鼓の音は、引きを命じる合図だ。
騎士団には、追撃の気力はないだろうとテオドールは考えていた。
昨夜はソマリアードが死んだ。
今夜はヤコブが死ぬ。
指導者がころころと入れ替わるこの呪われた騎士団のトップに立ちたがる者は、
もう居ないだろう。 ]
[ テオドールの後ろにはイングリッドが控えている。
「 俺は、これからもお前を女として扱うつもりはない。
駒として使い、必要ならば切り捨てる。 」
そう伝えた通り、テオドールは彼女に特別な視線を向ける事もなければ、
その身に触れることもない。 ]
[ イングリッドには全てを伝えた。
時間遡行によって、テオドールがこの時間を何周しているか、
別の時間軸で、テオドールとイングリッドがどういう関係だったか。
門に、世界を終わらせる程の力がある事、
そして、
他の誰にも明かして居ない、テオドールの真の目的さえ。 ]
ロゼがびっくりしてくれてる、嬉しいな。
「父親似」&「時間遡行」で、
即バレだろうと思ってたwwww
ロゼかわいい。
ふむ。
[ ベリアンの頼み>>271に、テオドールはヒゲを撫でる。
胸を貫かれて倒れ、騎士たちに守られるようにして退却していったヤコブ。
その遺骸を手に入れる方法に思考をめぐらせた。
生きているヤコブは、騎士団にとって鍵の使い手として有用だが、
死んだヤコブは、家柄も何もないただの田舎騎士だ。
ソマリアードほどの有力な家柄ならともかく、
ヤコブ程度ならば、他の戦死者とまとめて埋められるのではないかと考えた。 ]
意識に留めておこう。
[ むしろ、戦死者の中から見つけ出す方が手間かもしれないなと思った。
カレンに忍ばせた斥候の誰かに命じよう。
……ファミルあたりが適切だろうが、ずいぶん前からケット・シーの報告が絶えて居る。すでに処理済みやもしれぬ。 ]
[ そして、視線をふと遠くにやる。 ]
……ウェルシュはどうしている?
リエヴルをまだ討ち獲っておらぬのか?
[ 狂犬が、撤退命令に素直に従う事など滅多にない。
彼を倒せる者はそうそうは居まいが、
昨日、傷を受けていたこともある。 ]
リエヴルを、俺が倒しに行くっていう方法もあるが……。
これはどうしようかな。
せっかくの演劇村なのだから、自分の死ぬ日はなんとか……。
せっかくのバトルが駆け足になるのも勿体ないし、
二人がどうなったかだけ決めて貰ったら、
後は墓下でゆっくりやるというのも手な気はする。
[ 引きつつある戦場の中、いまだにウェルシュとリエヴルが戦い続けていると聞けば、
やれやれと呆れ顔になる。 ]
好きにさせろ。
今、手を出しても無駄死にが出るだけだ。
それほど接戦ならば、リエヴルとの決着さえつけば、
満足してまた寝るだろう。
そこを回収せよ。
[ ウェルシュにはまだ働いて貰わねばならない。
彼はなんというか、「まっすぐに狂っている」。
その行動は読みやすく、また実力も確かだ。
扱いやすい駒である。 ]
[ 馬を呼び、慣れた動作で跨った。
退却する魔物の軍を見、その負傷状況を見て、
残す隊と、連れて帰る隊を組み合わせる。 ]
騎士団は世界を護れない。
人間を救えない。
[ "予言"じみたつぶやきを漏らし、
カレンに背を向けた。 ]
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