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[ずっとそうしていたかったけれど、
血の潮が、まだ終わっていないことを告げていた。]
部屋、出よう。
せっかく血親が望んでるんだ…
自分を殺さずに、師父の前に立ち続けられるか──やってみせてやんよ。
[バランとの血の共鳴を辿って、彼の隠れ家まで案内できる、と持ちかけた。]
[注ぎ込んだ血がレトの中を巡り始める。
手の指、足の先までも、己と同じ血が流れていく。
新たに芽吹いていく意思。
土を割り石畳を持ち上げるような、強くしなやかな命。
束縛を凌駕する強さで若木が枝葉を広げるのを、
目を細めて見守った。]
ティファレト・セリグ=ツィガン。
おまえは俺の血に繋がるもの。
血の絆で結ばれたものだ。
今この時より、おまえを血族に迎え入れる。
[もはや預かり子ではない。
血を分けた一族だと高らかに宣言する。]
おまえは俺のもので、俺はおまえのものだ。
[腕を回し、抱きしめながら口にしたのは、古い名前だった。
生まれたときに与えられた真名。
囁くように交わす、魂の契り。]
[絆を確かめ合うに許された時間は短く、
追うべき獲物の気配が、遠く響く。]
ああ。
[部屋を出ようという提案に頷く。
立ち上がる動作のままに手を伸ばし、レトを引き起こした。]
狩りの前にもう少し飲んでおけ。
まだ足りないだろう。
[死の瀬戸際まで追い詰めたのだからと、未だ血が滴っている自分の腕を差し出した。]
[肉体と意識を蹂躙された自分をロー・シェンの強い腕は受け止めてくれて、それどころか抱き締めて迎え入れてくれる。
絶対の安心感は、強い絆をもたらした。
なおも与えられるのは、ロー・シェンの魂に刻まれた名にかけた誓い。]
ずっとずっと前から、この身体にはあなたの血が流れてるんだと思う。
[ベッドから引き起こされて、差し出されたのは血の糧。
自分のためにロー・シェンが負った傷だ。]
手当しないと。
[ロー・シェンの手を抱え込むようにして訴えたけど、結局、口で、した。]
[牙を使わずに舐めとる紅の恵みの濃い味。
量は多くないものの、深い充足が行き渡る。]
…大丈夫? 師父がフラついたら、オレがカバーするよ。
[感謝に眦を染めながら、口にするのは背伸びした自負。]
あ…
[血を取り入れたことで、ロー・シェンの存在が血の波動に感知できるのを知る。
まごうかたなく、いつでも傍に、だ。]
こっちの余録の方が、 嬉しかったりして。
あなたのいるところが、オレのホームだ。
[その後、ロー・シェンとの「戦い」に備えて、武器を借りる。
美しいカーブをもつ刃の山刀。]
手加減とかしないから。
[ふたりで「戦い」ながら、バランの潜伏場所に接近してゆく作戦を提案する。
バランの前に立っても、自分はもう揺らがない。
ロー・シェンとふたりでいれば、怖いものはない。]
行くよ。
− 外へ −
[扉に体当たりして廊下に飛び出す。]
場所くらい、選ばせてくれてもいいだろ?
[挑発めいた声を投げながら、さらに大きく飛び退って、距離をとった。
このまま屋外へ、可能なら森まで走り込む所存。
その間、隙あらばロー・シェンに攻撃を試みるのだから、楽な作戦ではない。]
自由のために── やらいでか!
[山刀を背後に構える。
どこから攻撃がくるか相手に読ませないためだ。
死にたくない。
だから、致命傷はもらえない。
けれども、ロー・シェンに当てたい。
運じゃなく、実力で。]
これまでの稽古の成果を、身体で味わってもらう!
[ずっと昔から、同じ血が流れているのだろうとレトは言う。
時のなかを流れ受け継がれてきた血。
血族とはまた別の、氏族の繋がり。]
ああ。
[きっとそうなのだろう。
全ては、今へ向けて繋がっているのだ。]
[舌で行われるのは獣の癒し。
目を細め、レトがするのを眺める。
この子はなにかに姿を変えることがあるのだろうか。
そういえばなにかの折に、蝙蝠になりたいと希望を聞いた気がする。
追い詰めれば自然と変身するだろうか。
物騒な考えがちらと頭をよぎった。]
[レトの頭を撫で、「戦い」への準備をする。
相手を欺きながら近づく作戦。
うまくいけば、逃がす可能性が減るだろう。]
当たり前だ。
[手加減など考えていないと笑った。
きっと楽しい道中になる。]
[ロー・シェンが半壊した扉を蹴り開ける。
そのタイミングにあわせて、足の裏で扉を捉え、後方へ大きく跳んだ。
連続バク転を決める合間に、地面の礫を弾いてセルフ掩護射撃でロー・シェンの追撃を遅らせんとする。]
馬鹿正直に至近に持ち込まれてたまるか。
[こちらから距離は詰めない。
向かってくる相手の勢いを利用して攻撃する。
刃は陽動だ。自分の利はしなやかな動きから繰り出される体術にある。
水平に振り抜かれる刃を身を沈めて躱し──亜麻色の髪が一筋切り飛ばされて舞う中──カマイタチのごとくローキックと斬撃のコンボを狙った。]
まだ、っ
[追撃から逃れるべく、横に転がって狙点をズラし立ち上がる。
チラと森を見て斜めに走りながら、山刀を左手に持ち替えた。
右手は肩から力なく下げたままの姿を晒す。]
っつ、 痛ってー
[森へ紛れ込んで木を遮蔽にとるや、気配を殺した。
追わせて、回り込んで、駆け抜けざまの一撃をくらわす算段。]
[回り道を強いられたロー・シェンがこちらに背を向けた。
それを視界の端に納め、手元の蔦を切る。
束縛を緩めた梢が揺れ、鳥が驚き飛び立った。
その音にロー・シェンが上に気をとられれば上々、そうでなくとも一瞬の隙くらい、抉じ開ける意志をもって木の根方から飛び出す。
左手、無言で振り抜く刃に映る──朗らかなまでの挑戦。]
オレの
[怪我したように見せかけていた右手は欺きだ。
握り拳の指の隙間、守り石の黒曜石の鋭いエッジが覗いている。
届かせるには抱擁するほどのゼロ距離が必要。]
たまらなく好きだ。 本気だからな!
[どうあっても叩き込んでみせると、気合いをこめた正拳突き!]
…なん 、
[目の前に空がある不思議。
そこには痛みも軋みもなく、投げられたことすら知覚が追いつかない。
と、低い唸りがひとつ届いて、黒い風が吹いたかと思うと、たくましい獣がのしかかっていた。]
あだっ
[この戦を制したのは金のたてがみの狼。森の王。
見覚えのある牙と──黄金の瞳。]
ロー…?
ホントに──
[呼びかければ、強靭な前脚に力が加わり、苦しい。]
参った── もう逃げらっ
て、 痛ててて…っ やめっ
[踏み砕かれるっ──と必死に足掻く中、不意にバサアッと落ち葉が舞い飛び、その一部となっている己に気づいた。
否、落ち葉に紛れた──コウモリだ。
小さな吸血コウモリはハタハタとぎこちなく皮翼を羽搏かせて、頭上の枝にぶら下がる。]
キッ キィ〜〜
わあ! わあ! なんかなんかなったー
教えて、どうなってるのオレ!
あと、ロー狼なのも、恰好いいね。
ああ、なんだ。
間違っていなかったか。
[追い込めば、という予想への独り言。]
立派にコウモリだな。
飛ぶには訓練が必要そうだが。
[かっこいい、との賛辞には、ただ笑った。]
へへ、飛べるの楽しいな。
このまま追跡続ける?
[勇んで枝を離れたが、ほどなく木にぶつかってヘロヘロと落ちてきた。]
うん、練習いるみたい。
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