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二人で話すのが疑わしいなら、誰か加えて三人でもいい。
時間が厳しければ、紙に書いて渡します。
幸い、書き物をするのには困らないだけの筆記具を持っていますので。
[ただ、あまり大っぴらに話したいものでもなく。
決断した彼にだからこそ、伝えたかった。]
……聞いてもらえないなら、それもそれです。
[そっと、目を伏せる。]
――宿・空き部屋――
[村長に連れられたのは、奥の小部屋だった。
少し埃っぽい空気に咳払いしてから、ふたつの椅子の片方にかける。]
その。処刑と、投票に反対するわけではないんです。
それだけは、前提としてお話するとして。
[一呼吸起き、苦く唇を噛んで。
呼んでおきながらにして、口を開くのを迷う。
それは、出来れば思い出したくはない過去だからだ。]
……俺の故郷の、隣町は。
人狼に襲われて、壊滅しました。
[その言葉は、現状において村長の耳にどう聞こえるか。]
そして、俺の故郷も、やられました。
獣に喰われた死体、減っていく村人に、誰もが躍起になって狼を探して。
投票どころではなかった。処刑されるだけでなく、路地裏で、どころか広場で、殴り合いの、殺し合いすらあったと聞いています。
[伝聞調になるのは、実際にそのやり合いに出くわしたわけではないからだ。]
狼を探すと立ち上がった星読み師が、あまりの見つからなさに役立たずだと罵られ、吊り縄をかけて放られました。
そうして、生きることすら出来ないような人数だけが残って、はたと気づいたんです。
この村には、人狼なんていなかったのだということに。
[がらんとした街並みを、覚えている。
血に濡れた石畳、呆然と地を空を見る生き残った数人。]
犯人は羊飼いでした。男は妻を殺し、飼い羊を殺し、その血の匂いで狼をおびき寄せて、その肉を食い散らかさせた。
あとは好き放題だったのだと思います。誰かを殺しては狼に食わせ。狼が満腹になれば殺した。
殺し合いが始まれば、それでおしまいでした。
……俺は出稼ぎに出ていて、事がはじまって数日後に村に帰ってきたために、かろうじて容疑を免れていました。
代わりに、ひとところに集められて、閉じ込められ。
酷いものを見せつけられて、過ごしていた。
[ゆるく首を振る。この村に同じ運命は辿ってほしくない。
人狼の話がこの村にもあると知った時、食いつかずにはいられなかった。
羊の鳴き声に、どこか敏感になってしまった。
狼などいないと、言っていたかった。]
――人狼はいます。それは間違いない。隣村はまごうことなき人狼の仕業でした。
この村の伝承は少し特殊です。それをなぞった模倣犯は、かなり難しい。
なので投票にも、処刑にも反対はしません。
けれど人殺しは、狼だけとは限らない。
それを忘れないでほしくて、話しました。
[崩壊した街から、出て行った。
悲劇を繰り返したくはなくて、他の地方の伝承を、生活を、地理を調べて回った。
残ったのは売れない本と、趣味のスケッチばかりだったが。]
迷わせたいのでは、なくて。ええと……間違わないで、ほしいと。
ごめんなさい、蛇足だったかも、しれないです。
[最後はこの話の必要性に疑問を覚えてしまって、一方的に話したことも相まって、俯いて終えた。]
そうですね、人を殺したのは、同じ。
だけれど俺の村の場合は、こんなことになる必要なんて、本当はなかったはずなんです。
[きっと、気が立っていた。隣村は人狼にやられて、自分の街で獣に食われた死体が見つかった。
いつまでも人狼が死んだという言葉は聞かれない。焦りと苛立ちが、殺し合いを生んだ。]
例えばただ殺人犯を見つけるだけなら、殺し合いはいらなかった。俺はそう思います。
結果、狼がいなくても土地は滅びる。そんなことは避けたいんです。
繰り返してほしくないのもありますし――この村の人たちは皆、いい人だから。
……人は間違える生き物です。それでも間違えてほしくないと、俺も間違えたくないと、思っています。
出来ればあなただけでも、冷静でいてほしい。
[処刑を取り決めた長の意思は重いと、そう考えてのこと。
無論自分自身、冷静さを失いたくないとは、思っているが。]
俺はニコラスです。……姓は捨てました。
先ほど姪御さんに、余所者だから疑いを受けやすいだろうと言われてしまいましたが。
あなたもそう思って、俺を疑っても構いません。
ただ、俺は間違わないでほしいと、そう願っています。
……すみません、俺の話はこれで終わりです。
あなたが短慮浅慮で処刑を取り決めるような長ではなさそうで、安心しました。
[戻りましょうかと、提案する。
不在を変に勘ぐられるのも好ましくなかった。]
――どうして他の方法が、ないんでしょうかね。
[ぽつりと、溜息に溶けてしまうくらいの音量で、呟いた。]
/*
俺食いは展開的にもよいと思いますねー
fortuneに従うと不自然にも死なないし
結果論ながらPC自体占い師の信用を得ようと動いてしまっているし。
俺たぶんオットーが占い騙っても信じないのでアレ
クララに部屋位置教えたのもポイントだったかな?
しかしジムゾンとクララかー……ジムゾンとクララかー……(デジャビュ)
しかも俺がニコラスなのかー……(過去にクララとニコラスとジムゾンが赤の村にいたことがある)
――談話室へ――
[開けて、閉められた扉。
何を、と思ったが、続いた村長の言葉に深く息をついた。]
……避けられない展開だとは、思いたくないのですが。
[改めて開いた扉の向こう、銀に光るナイフの刀身を見とめて、きっと睨みつけ。]
やめなさい!
殺し合いで、何を得る気ですか!
[生きる為には殺すしかない。
ただ、それはこんなやり合いでは、ないはずなのだと。]
[ヨアヒム>>342に、厳しい目線を向ける。]
俺は、短慮はやめろと、それだけしか言わない。
そのナイフで誰を殺す? 何故殺す?
誰の言葉を聞いた? どうして他の奴じゃない?
ただ殺せば助かると、そんな理由のナイフなら許さない。
[何が正しいのかは、わからない。
わからないから考えても無駄だろうか。……否]
……投票やそれによる処刑に、俺は反対していない。
それで俺が殺されても、構わないと思っている。
考えるつもりだよ。どれほど俺の票が重いのか知らないけれど。
それでも今のままなら、危険因子という理由で、君の名を書くことを辞さない。
[投票箱を見る。望むなら、自分の名を書いてもいいのだと。
――そう言ったこの時には、まだ自分に降りかかる運命を、予期していなかった。]
――どうぞ。
[部屋の鍵を開け、ゆっくりと扉を開く。
これでは短慮も、浅慮も、語れはしまい。
こんなことになるなら、あの談話室でもう少し、ましな言葉を言ってやるんだった――]
――深夜――
いえ、普通は逆ではないかと、そう思っただけですよ。
こういう時、余所者のほうが怪しくはないですか?
……だから、それを信じると言ってくれるのは、勇気がいるだろうと。
そしてそれを実行に移したあなたが、嬉しい。
[そう、だからすっかりと、認識を緩めてしまった。
あれだけ警戒していたくせに。このクララが狼だという疑念が、さらさらと溶けていく。]
[クララには眠れと、そう促しておきながら。
あの、投票箱を思う。
書いた名前。明日はどうなるだろう。
クララが誰に書いたかは問わずに、そっと目を伏せた。]
――談話室――
ヨアヒム――
[男に取り押さえられ、オットーがロープと毛布を持ってきて、ヴァルターが拘束を命じた。
ナイフは誰を刺すでもなく、取り上げられた。]
殺さなければ、殺される―…そう、かもしれませんけど。
ヨアヒム、あなたはその振り上げた手のせいで、人に殺されようと、しているんですよ――
[叶うなら誰も疑いたくはなく。しかしそれがただ甘いものだと知っている自分は。
錯乱するヨアヒムを前に、ただ哀しみのままそう零し。
しかし結局、投票用紙には彼の名を書いて、向かうことになった**]
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