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ここは…!?
[突然変化した風景に戸惑いを隠せないようで、目を見開く。]
私の事はお気になさらず。多少の瘴気ならば、なんともありませんので。
魔力は有限です。今は非常事態。出来る限り無駄にしたくはありません。
[魔物である自分には毒の影響は薄いようだ。主人の体に負担を掛けることを避けようと、加護の光を受けることを拒否した。]
[様子を窺っていると、ふいに霧の中から蛙の魔物が現れて、飛び掛かってきた。]
(忌々しい…!)
[それを思い切り足で蹴り付け、力を込めて踏みつける。魔物は破裂して、生暖かい緑色の液体が飛び散った。こんなにも苛つくのは何故だろうか。緊急事態に気が立っているだけなのかもしれない。]
ここでは視界が悪く、いつ奇襲を仕掛けられるかもわかりません。
ひとまずこの霧から逃れましょう。背中にお乗り下さい。すぐに飛び立ちます。
[即座に大鷲のへと姿を変える。主人が跨れば、すぐにでも飛び立つだろう。]
わかっていますっ…!
ですが、この方角で合っているのかどうかも…!
[空は暗い。太陽は勿論、星座の輝きすら見えず、正しい方角を知るすべなどない。
歩んできたと思わしき道を全速力で飛び抜けていくが、このままで村へ帰れるのか、不安が霧のように身を覆っていく。]
<i>「 繋がりは毀たれよ。欲望を解き放て。闇に染まり、絶望に咽び、略奪を楽しみ、
強者となれ。 」</i>
…っ!
[頭の中に声が響く。空を舞う自分を地に叩きつけようとする、重い重い声音。
その瞬間体が縛られたように動かなくなって、ぐらついた。
落ちる、と分かった。それでもあの湿地に落ちる事だけは避けたい。羽根が濡れては再び飛び立つまでに時間がかかる上、この高さから地面に叩きつけられれば自ら主人を潰す可能性もある。動かない身体でなんとか風を受けて落ちる方角を操る。
腹から無様な格好で不時着したのは、崖壁のおよそ中腹辺り。風雨で欠け、なんとか足場になっている場所。崖の上には奇妙な植物の生い茂る森がそびえている。毒虫や蔦が崖の端の辺りでうろついているが、こちらには来られないらしい。敵から逃げ切れたわけではないが、先ほどの場所よりは安全なようだ。]
…っ!
[唐突に頭の中に声>>2が響く。空を舞う自分を地に叩きつけようとする、重い重い声音。
その瞬間体が縛られたように動かなくなって、ぐらついた。
落ちる、と分かった。それでもあの湿地に落ちる事だけは避けたい。羽根が濡れては再び飛び立つまでに時間がかかる上、この高さから地面に叩きつけられれば自ら主人を潰す可能性もある。動かない身体でなんとか風を受けて落ちる方角を操る。
腹から無様な格好で不時着したのは、崖壁のおよそ中腹辺り。風雨で欠け、なんとか足場になっている場所。崖の上には奇妙な植物の生い茂る森がそびえている。毒虫や蔦が崖の端の辺りでうろついているが、こちらには来られないらしい。敵から逃げ切れたわけではないが、先ほどの場所よりは安全なようだ。]
申し訳ありません、姫様…。
敵が何らかの手段で攻撃をしてきたようですが…、翼は痛めておりません。
飛ぶことはできますが、また墜落するようなことがあっては危険です。有効な策を考えるか応援を待ったほうがよろしいかと。
姫様は、御怪我はありませんか?
[大きな体を裏返せば腹に掠り傷があることに気が付くだろう。血が多少滲んでいる程度の傷。傷があると言われて初めて気が付くような軽い怪我だった。]
一体何が起きているのでしょうか。
この場所にはエリオット達、他の降魔士もいるようです。其方から応援が来ればいいのですけれど。
姫様。次からは、ちゃぁんとした対価、頂きますからね。もう!
[頬を膨らませながら羽をばたばた動かして、文句を言う。]
すみません、姫様。仰っている意味がよく分かりません。
私の性能の悪い耳には、他に男が出来たなーんて聞こえてしまったわけですが。非常に不愉快な聞き間違いですねぇ。お恥ずかしい。姫様、本当はなんと仰られました?
[大鷲の姿のまま、起き上がって見下しながら顔を近付ける。苛々苛々。溶岩の煮える、この怒りは何の故だろう?]
…ふふふ、悪魔と契約してタダで済むとでもお思いですか?
…姫様言いましたよね?
何処かの降魔士と隷魔の仲が良くて羨ましいって。
酷いですよぉ、姫様。
私達だってこんなに仲良しなのに。
[そのまま鋭い嘴で、フレデリカの口に触れた。
そしてフレデリカの頭を持っていこうと、嘴を大きく開けて噛みつこうとする。]
ピイィィィィィィ!
[視界の端で動いた影に反射的に顔を上げると、その瞬間痛みに襲われ絶叫した。
視界は未だはっきりとしておらず、霞んでいる。しかし、自分を貫いた光の矢の、その向こうに見えた気がした。
いつも後ろから眺めていた神々しく気高いあの姿ー]
[まさか敵として向かい合うことになろうとは思いも寄らなかった。
何で?と疑問が溢れてきて、頭の中か混乱する。冷静になろうとしても、謎の力が邪魔をする。
やがて考えることが出来なくなって、翼を叩きつけるようにして飛び立った。
一直線に主人の元へ、飛んでいく。それはいつものように主人を迎えるものではなくて、破壊のための攻撃だ。]
グ…
[自分と主人とを別つようにバリアが現れる。この勢いのまま、ぶつかればウェルシュだってタダでは済まない筈。だがそれで攻撃をやめようと思える程の理性は残っていなかった。
ガラスの割れる音がして、バリアが消える。
全体重を乗せた突撃はバリアによって弾かれたが、薄い障壁から少女の元へいくらか衝撃は伝わっただろう。]
[崩れた体制を空中で立て直して、再び主人に向き直る。
翼を大きく羽ばたかせると、砂埃や羽が飛び散って渦を作った。
渦の大きくなるにつれて、巻き上げられる物質が硬化していくのが分かる。
ある程度まで渦が大きくなると、硬化させた自身の羽と共に打ち出す。
巻き上げられた物体がぶつかり合ってバチバチと電気の音を響かせながら、暴風が少女を襲う。]
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