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12人目、便利屋 ユーリエ が参加しました。
便利屋 ユーリエは、呪狼 を希望しました(他の人には見えません)。
― 村への道中 ―
――確か、村に続く道はこっちで会ってるはずよ。
[地図を確かめながら、波羅下村へと向かう。
便利屋の仕事は多岐にわたる。
例を挙げるなら、炊事や掃除などの家事代行、スズメバチ等の駆除、壁の塗装などの簡単な工事。
もちろんこの他にも、便利屋が請け負う仕事は存在する。
主に街の人々からの依頼に応じることが多いが、地方から依頼人が来るケースも少なくない。
とある村から依頼人が来たのは、ある秋の日の事。
依頼内容は、村祭りの裏方作業の手伝い。
その時の打ち合わせの結果、自分が担当することに決まった。
というのも――]
― 回想:街の便利屋にて ―
「実は波羅下村で行われる村祭りの裏方作業の手伝いのお願いに参りまして」
波羅下村?――Yah,存じてます。
私の父方の曾祖母が波羅下むらの生まれだと父から聞いていますので。
[それを聞いて驚く依頼主。
だがその後は話も弾み、事務所側も村に縁のある者を派遣したほうがいいだろうという結論で落ち着いた。
このため、私――戸張樹理亜が村に出向することになった]
祭りが開催されるのは夜、ということは依頼の日程は1泊2日ですね。
「村には宿泊施設もありますのでね、そこを利用していただければ」
Okay,わかりました。では――
[そうして打ち合わせは進み、祭りの日当日に村に向かうことになった]
― 回想その2:終業後 ―
[打ち合わせを終え、依頼主が事務所を出たところで終業時刻になった。
この日は夜間の仕事が入っていたが、別の者が担当になっているため、私は定時で帰ることにした]
「お疲れ、ああそうか、今日は戸張さん、定時上がりだっけ。
俺はスズメバチの駆除の仕事が入ってるから、行ってくるわ」
分かりました。夜間の仕事も頑張って。明日もよろしくお願いします。
[事務所を後にし、自宅アパートに帰る最中のこと、ある男性からメールが来た]
「今度いつ休み取れそう?また二人で遊べるといいね」
[送り主は、自分が付き合っている相手。真面目で誠実な男性だ。彼には自分がアメリカ人とのハーフであることを明かしており、彼も理解を示している。
ある一件で知り合って以来、親睦を深めている。
彼からのメールを確認し、すぐに返信する]
「今度の土日、仕事が入りました。
今週は休みを取れそうにないけど、来週は休みが取れるかもしれないわ。
でもいつ仕事が入るか分からないから追手連絡するわ」
[あとは彼からの返信を待つのみ。――ただそれだけのはずだった。]
『あらあら、路上でそういうことするのは危ないんじゃない?』
――What!?
[聞き覚えのない声が耳に入った気がして、立ち止まる]
いったい、誰が――
[声がした方を振り返る。そこにいたのは、一人の謎めいた女性。
彼女はなぜか宙に浮いた状態でこちらを見ていた。
よく見ると、妖精とも違うような……]
『悪いわねえ、驚かしちゃったみたいで。
でも振り向いたということは、私が見えてるってことよね?』
[そう言うや否や、彼女は魔女と呼ばれる存在について説明し始めた。]
『私のような「契約者」が見えるということは、魔女を目指す資格があるってことよ。
――質問だけど、あなたには叶えたい願いや目標があるかしら?』
[願いや目標。それにまつわる彼女の質問。
彼女がそれをたずねる理由は、もうすでに感づいている]
(私が掲げる目標は、「愛する人々を守れる女性になること」
愛する人々を守るためなら、彼らを脅かす全てのものに立ち向かう意思は、ある。
己を鍛えることも厭わないけれど、より鍛えたいのはMind――精神の方よ。
今の私に、将来家族になる人間や、その他の大切な人たち――彼らを守れるほどの精神の力があるとは思えないの……
だから、より立派な女性になるためにも、私はその試練に挑むわ。)
『ふふふ……なかなか決断が早いわねえ』
(もちろんよ。そう言うあなたも、私が魔女になるまで諦めるつもりはない――)
(そうでしょう、エレクトラ。
ああ、エレクトラというのはあなたの名前ね。
あなたの名前は、エレクトラで決定よ。)
[エレクトラと呼ばれた契約者は、弱い雷を纏ったような姿をした摩訶不思議な存在だった。
樹理亜が「あなたは何者?妖精でもなさそうだし」と問うたところ]
『私は、いわゆる精霊みたいなものね。契約者と一口に言っても、様々なタイプがいるからねえ』
(Okay, I know.
――そうだわ、エレクトラ。いつ試練が始まるか分からないから、今のうちに契りを交わしておきたいわ)
『分かったわ、それじゃあ――』
[エレクトラは、仮の契りの呪文を唱え始めた。
すると深い藍色の光と弱い雷光が全身を包み込んだ。
さらに魔力が体内に流れ入ってくる。
光が収まったとき、彼女の目に映ったのは、左手の薬指にある指輪だった]
『それが契りの証よ。詳しいことは、試練の日に説明するわ』
(分かったわ、エレクトラ)
[その後はエレクトラとともに帰路についた。
付き合っている相手からのメールが来ていたので確認する。
「双方の都合がいいときにまた会いたいので、連絡を待ち、その上で日程を調整したい」という内容だった。]
『あら、あなた――』
(メールは勝手に覗き込むものじゃないわよ、エレクトラ)
[それから数日にわたり、エレクトラとの共同生活を送ることになった。
無論、彼女の存在を誰にも知られることなく――
そして、村への出向の日を迎えた]
― 現在:村の入り口、商店街エリア近辺 ―
Okay,道は合っていたようだわ。
依頼主様は宿泊施設を利用するといいと言っていたわね。
[事前に渡された村内地図と睨めっこしつつ、宿泊施設の場所を確認する。
無論、今回の出向にエレクトラが同行していたのは言うまでもない……が、そんなことを知る人物はいないだろう。]
Harashita Village――
私のご先祖様の故郷、か……
[村にまつわることは、もちろん事前に知っていた。
小さな農村だが薔薇が特産品になっていたり、地域おこしの祭りもあったりと、様々な特色がある。
父方の先祖がここから嫁いできたと思うと感慨深いものがあった。]
― 商店街エリア・中央通り近辺 ―
Inn(宿屋)らしきものがどこかにあるのかしら。
[依頼主からは先にチェックインを済ませておくとよいと言われていた。
事前に渡された村内地図にも、宿泊施設の位置が示されていた]
(旅館は確かにあるみたいね)
『裏通りもあるみたいだけど、大きな通りを行った方が間違いないんじゃない?』
[エレクトラの言う通りだ。幸い、旅館は南通りに面した場所にあった。]
それなら、すぐにチェックインを済ませられそうだわ。
でも祭りが行われるのは今夜だから、宿に戻るのは遅くなるかしら?
ふむ、どうしたものかしら。
[旅館へは、南通り経由で向かうことにした。
もし道行く人に会った場合は、祭り関連の仕事で来ていると正直に言うつもりである**]
仕事の前に、宿泊施設でチェックインを済ませようと思いまして、そこに向かっているのですが。
どの通りを行くのがベターかしら。
[村内地図を広げ、どの通りを行くのがベターか尋ねてみた。
地図上で確認できる宿泊施設は1軒のみ。
南通り経由ルートで合っているかどうかも確かめるために、敢えて]
『あんまりのんびりしている暇はないんじゃないの?』
(どういう意味よ、エレクトラ)
『魔女の試練が始まるのは今日の日没の時。
それまでチェックインを済ませて、できる仕事をしてきた方がいいんじゃない?』
(そうしたいけれど、私はまだあることについて説明を受けてないわよ?
魔女の試練がどんな内容か……)
『それについては、今はまだ答えられないわ。
試練が始まるまで我慢したらどうなのよ』
[試練の内容については、試練が始まるまで言及しない。
それが契約者たちの掟、というものなのだろう。]
(Okay,分かったわよ、エレクトラ)
[宿泊施設への道順を問うてみたが、よりベターな道順が示されれば、その道順で宿に向かうつもりでいた。]
そう言えば、お二人はこの村の関係者かしら?それとも――
[事情があってこの村を訪れたのか?
ふと浮かんだ疑問が口を突いて出た。]
『見慣れない場所に来た以上、分からないこともあるでしょう。
でも、あなたの先祖の故郷の風景をしっかり目に焼き付けておくのも、悪くないと思うわよ。
長期滞在するわけでもない――だからこそ、ね』
『ねえ、樹理亜。試練が始まる前に、覚悟を決めておいた方がいいわ。
今回の試練は、厳しいものになるかもしれないから。
もちろん私も、できる限りのサポートはするわ。』
(そうね、今日はいろんな意味で特別な日。
だからこそ、楽しみましょう。
そして、一緒に試練を突破しましょう、エレクトラ)
[宿に向かうのは、二人ともう少し話してからでも遅くないか。
そう考え、少し雑談を交わす。
話を切り上げ、宿泊施設へと向かうのは、日も少し傾いてきた頃のこと**]
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