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ー医務室ー
[鈍った身体に鞭を打ち、医務室へと駆け込む。そこに、エレとシメオンが居ると信じて。]
エレ!シメオン!!
[しかし、そこはがらんどう。
カップや通信機が、二人が居たことを証明しているのに、……姿が見えない。
嫌な予感がヒシヒシと募り、不安感に、妙に口が乾いた。
ゴクリと唾を飲み込んで、必死に声を上げる。]
エレ!シメオン!!何処ですか!!
[医務室を出て、近くを探す。
視線を忙しなく動かして、見落とさないように。
寝ているのに頼みたくはなかったが、ダーフィトにもカークにもヘッドセットで連絡を。
……そして。]
っ!!え、エレ!!ハダリー!?
[ヘッドセットを支えていた手がダラリと落ちて、ガクリと腰が抜けたように崩れ落ちる。
第二エリアの、とある薄暗い通路。
濃い鉄錆の匂いと、大出血を認めるや否や、駆け寄った。
出血元はエレの首元。
慌ててシャツを脱ぎ、止血を試みようとするが、……その鮮血はすでに勢いはなく、命が消えた後の残り火でしかなかった。]
エレ!!
ハダリー、何やってるんですか!
なんで、何を……、…退けっ!
ー第二エリア通路ー
[もう…助けられない……と、告げられた声に、ユルユルと頭を左右に振る。>>5
そんなことない…だって、ついさっきまで……。
まだ温かい体温が、諦める選択肢を選ばせてくれない。
しかし、なおも心臓マッサージを続けようとする手に、カークの手が重なって……。
カークを見上げると、痛みを堪えるような悲しい顔が目に入る。
その顔を見た途端、……悟った。
一気に目頭が熱くなり、涙が止まらない。]
……助け、ら、れない……って。
[血の気を失って青白くなっているであろうエレの顔を、震える手で撫でる。
フラリと座り込んでしまった自分の横で、カークがライトでその身を照らした。>>10]
っ!!
あの、銃声は……カークが撃たれたもの…
じゃ、じゃああのエレの悲鳴は>>6:263は……『人狼』によるもの……
ノトカーは……
[カークに焦った表情を向けつつ、そこまで思考が至った途端、悪い顔色が、更に悪くなる。
いくら銃を乱射していたとはいえ、エレを襲った『人狼』とは異なる人物を指名してしまったことに、ようやく気付く。
ノトカーを疑った状況>>6:267、そして聞いた音を伝えつつ、カークに問われることに>>12、震える声ながら答えただろう。]
ハダリーは……僕が着たときは、エレを抱き抱えるように…倒れてました。
2(10x1)回叩いても起きないので、仕方なく引き剥がして……。
……何で、こんな。
[奇妙な状況に眉をよせるも、カークからエレをNルームに運ぶと言われれば>>17、一つ返事で頷き手伝う。
ハダリーをひとまず医務室に運ぶことも依存はなかった。
…如何せん、この状況は怪しすぎるたから。*]
[その後、肩を撃たれたことを話した際には、怒られているような気分になったが。]
……大丈夫、手も指も動きます。
カークこそ、…大丈夫なんですか?
知らずに呼びつけてしまったから…、…止血はすんでますか?
[グーパーしてみせると、手早く止血されたので>>28、再び礼を。
話がハダリーの段になると、流石のカークも困惑を隠しきれないようだったが、無事ダーフィトと通信が繋がり、話しているうちに霧散した。
彼の口から、探していた人物の名が飛びでれば、>>31 ホッと安堵の息を吐き。]
シメオン……無事だったんだ…よかった。
[良くない事が続くの中の、良いニュースに、目の淵を赤くしたまま、破顔したのだった。]
[その後、ダーフィトとカークがなにやら小声で話していたことは、知っていたが、内容を知るにはいたらず、エレをNルームへと運ぶ。
装置に入ったエレを見て、また涙が零れそうになったが、グッと堪え、無理にでも笑う。]
エレ、聞きたいって言ってましたよね、ハーモニカ。
遅くなって、すみませんが……。
[いつだったか、自分がハーモニカを演奏することを知ったエレが言った言葉。>>4:95
ポケットからハーモニカを取り出して、軽く数音調整する。
そして、吹き始めたのは、子守唄。
ダーフィトにはリクエストを断られたことを思って、少し苦笑いしつつ、努めて柔らかい音色を出す。
心地よい眠りを。
ふわふわとユラユラと、眠りに誘うゆったりとした響きを。
吹き終わり、パタリとフタを閉めたのはどちらだったか。]
……おやすみ、エレ。
そして、…ノトカー。*
[その後、医務室へ向かうらしいカークに手を振る。
今、無性にピアノが弾きたかった。
気を抜けば、思考が嫌な方と流れてゆくのを、断ち切るために、一時でも没頭したかったのだ。]
……後で、ちゃんと医務室行きます。
[肩を見て窘められるようであれば、そう弁解をする。
ハダリー、シメオン、ダーフィトが医務室にいて、カークが医務室に向かうというのであれば、襲われる危険はないし、とも。]
もし何かあれば、これで呼んで下さい。
[とても便利になったベッドセットをコツコツと叩いて、ニッコリと笑ったのだった。]
ー自室ー
[カークと別れ、自室へと戻ると、見慣れたピアノの上に、見慣れないものがあるのに首をかしげる。
譜面台に置かれたチップと紙。>>4:212
紙を開いてみると、どうやら便箋のようで、それには、ありがとうございますと一言書かれてあった。
訝しんだのも一瞬、ハダリーに渡したチップと同様のものだと気付き、慌てて机の引き出しから手持ちのタブレットを取り出した。
起動してそれに、チップを差し込む。
暫くして流れてきたのはピアノの音。
曲を聴き、すぐに、ハダリーが弾いているのだと分かった。
タブレットから音が流れ、部屋全体に響く。
流石、巨匠ポールに教わっただけはある。
初見にも関わらず音を取りこぼすこともせず、譜面に忠実な演奏に舌を巻きつつも、思わず笑みをこぼし、目を閉じてうっとりと聞き入った。]
……上手い、なぁ。
[スタッカートでキレよく始まり、華やかなメロディーを弾きあげる。
不安定になりやすい高音も抜群の安定を見せ、ときおり強弱を煽りながら、胸が締め付けられるような切なげな音色を響かせる。
フォルテに転調し、指回しが要求される場面でも難なく熟し、力強さを蓄えた山場を迎えた後……終盤へ向けて、ゆったりと、……アダージョ。
最後の和音が鳴り響き、部屋へ反響し、溶けて消えた。]
……ありがとうと言いたいのは、こちらですね。
本当に。
[パチパチと惜しみない拍手を送りながら、ピアノの蓋をあけて座る。
まるでポールの再来。
いや、それよりは少し明るい音楽だったか。
沈んでいた気持ちが、少し浮上する。
それに、魅力的な音楽に、へらりと表情筋は緩みっぱなしで、ポーンポーンと鍵盤を弄ぶ。
人の演奏を聴くのはとても楽しい。
自分にはない新たな表現が、いつも新鮮でわくわくして堪らないのだ。
目を閉じて、先ほどのハダリーの演奏を反芻しながら。
一時、ピアノに没頭したのだった。**]
ー自室ー
[名残惜しく、ピアノから手を離す。
ふーっと、大きく息を吐き出した。
集中して弾いていた為か、分からないが、立ち上がると、くらりと一瞬立ち眩み、頭を振って散らす。]
皆は、まだ医務室にいるんでしょうかね。
[ベッドセットで連絡を入れようかと思ったものの、もしかすると仮眠をとっているかもしれない……と、思う。
いや、それは奇跡を期待するのと同等か。
寝不足トリオ+1を思いながら、ないな…と頷きつつも、まぁいいだろうと自己完結。
なぜなら。]
……、痛いしなぁ。
[止血を施された肩を見ながら、ため息。
痛みもそうだが、……止血された布に滲む血に。
医務室に行こうかな、と、ピアノのフタを閉めた。……ピアノを弾いた所為では、ないよ、うん。
カークに問われれば全力で誤魔化す気満々だ。
(うっかり、重いものを持ったことにしようかな…。)*]
え、どういう……
[急速な展開に、目を白黒していると、ダーフィトの口から衝撃的な言葉が。>>142
「お前が、人狼だからだ!」
人狼だと分かった以上"殺す"と明言するダーフィト。
そしてその銃口がハダリーを向いていることから、人狼と判明したのがハダリーだと分かる。
しかし何故そこまで、断定しているのか分からず、しかし確実に存在する殺気に、混乱と困惑を隠しきれず、固まった。]
は?え、なんで…。
[この問いに返答はあっただろうか。
ハダリーのピアノの音に随分と癒された心が、氷水をぶっ掛けられたように一気に冷め、荒れる。
ピリピリとした殺気の中、自然と眉を寄せ、状況把握に努めようとした途端、ハダリーがシメオンへと体当たり。>>146
あ、と手を伸ばすが遅く、グラリと体勢を崩し倒れるシメオン。>>147
駆け寄ろうとするが、自分がドア正面にいることに気付き、立ちふさがった。]
[ハダリーがこちらへと向かってくる。
止めなければと思う気持ちと、止めれば彼は殺されてしまうという気持ちがせめぎ合う。
彼のピアノの音を聞いたのが、その決心を鈍らせる。]
……っ、
[その油断は…どうなった?]
[止め切れず、駆け出して行ったハダリーを追うようダーフィトが医務室を飛び出す。>>163
それを追う気力は無くて、ズルリとその場にしゃがみ込んだ。
止められなかった。
……いや、止めようと、しなかったのか。
自分でも分からないが、足が動かなかった。
彼のピアノは……優しい音だった。
マリエッタが、ああなった後なのに、乱れなく。
だからあれは、本当に事故なのではないかと…思う程。
それがサイボーグだからと言われたら、それまでなのかもしれないが、……音はとても正直なのだ。
自覚なき人狼?
そもそも、全く自覚無く、誰かを傷付けられるのか?
呆然と外を見ていたが、ふと我に返り、シメオンとカークに駆け寄る。]
大丈夫ですか!?
[カークがシメオンの様子を確認するのを見ながら>>167、咳き込むシメオンの背をさすったのだった。>>162]
[背後から、俺も行く、というカークの声が掛かったが>>180、振り返らずに走る。
ダーフィトが…ハダリーが行きそうな場所……。
Nルーム?メイン・サロン?…どこだ。
しかしその時、スノウの鈴の音が聞こえ。
無情にも時間を告げる。]
…っ、まだ分からないんですよ!!
[スノウにあたっても仕方がないが、時間ばかりを告げる様子に、苛立った声をあげてしまう。
まだ、…まだ何も確かめられていないのだ。
……あの優しい音楽の理由も、なにも。
カークを信じていないのではない。
ハダリーは人狼かもしれない。 ……でも。]
スノウ、僕は……
[名を告げる。
時間稼ぎのための、名を。]
音楽家 トールは、音楽家 トール を投票先に選びました。
[スノウに尋ねた答えを聞いて、ありがとうと走りだす。
ひとまずダーフィトは大丈夫だろう。
日頃の運動不足を呪いたい。
ぜぇはぁと切れる息もそのままに、教えられた場所へ。
「ハダリー」と、スノウが決定を告げた言葉は、聞こえていないふりをして。]
ハダリー!!
[脱出ポッドに乗り込み、逃げる準備をするハダリーに、声を張り上げる。
何故、逃げるんだと、視線で問う。
どこか覚悟を決めた顔に、嫌だと首をふる。
……あの音楽は、優しい音色は…、誰を想って弾いたのだと。]
待ってよ、ハダリー……。
貴方は人狼じゃないんでしょう?
[そうではないと、きっぱり否定して欲しいと懇願の響きをこめて。
しかしその声は届かない。
ポッドは亜空間へと……。]
[もう、何もかも、訳が分からなかった。
翻弄されて、踏みとどまって、また翻弄される。
邪推、深読み、探り合い。]
…もう、疲れました。
[どちらかを信じれば、どちらかが嘘で。
釣り合いを取らせてみても、最後には選ばなくてはならなくて。]
…もしかして、貴方は、死ぬ、つもりだったんですか?
……なら、貴方は人狼じゃ、ないん、でしょう?
[やはり懇願を秘めた問いを、亜空間へと続く闇に、再度ポツリとつぶやく。
勿論、返答はなかったが。]
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