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[声にならない音が、獣の耳に届く。
わずかに開かれた口から、息をするのが漏れ聞こえ、密かに安堵する。
右の親指で頭を軽く撫でながら、左の親指は羽に触れ、緩く流す。
何度も何度も、愛おしげに触れば、手の内にある金糸雀は眠りについたのか、反応が返らぬ程おとなしくなった。
小刻みに収縮する胸を一度だけ撫で、両手で包みなおすと、先ほどいたドレッサーの元へ]
本当はとっておきたかったのだけど……
花の代わりに―――幸運の一役に代えれるなら、安いものかしら。
[再び引き出しを開ければ、その中にはひとつの小瓶。
同じ様に薄紅色の液体で満たされたそれは、懐に仕舞ったものと同じもの。
再び元老に奪われるような事があればと、二本とも持ち去る事は避けたのだが、そんなことは言っていられない。
渇きを癒やす魔法の雫は、獣化した彼女に必要なものだろう。
けれど、今使って良いのか、すこしばかり考えてしまう。
最良のタイミングがあるのではないか。
彼女にとって、本当にこれが必要となる時が]
………彼女が目を覚ましてから考えましょう。
話もできないような状態なら、使ってもいいのかもしれない。
[口紅がしまわれていた袋の中に、エッセンスの瓶を代わりに入れる。
その袋を小鳥の側に置いた後は、目を覚ますまでずっと、小さな身体を撫で続けていた*]
[小鳥は目を覚ますと、逃げるように離れてゆく。
夢が怖かったのか、それとも女が怖いのか――まあ、あの小さな身体を容赦なく叩いたのだから、警戒されてもおかしくはないが――大きく羽ばたき、距離を取る。
此方を伺う様子は、奇しくも初めて顔を合わせた時>>0:251に似ている気がした]
……怖がらせたならごめんなさい?
でも、おイタは駄目よ。
貴女のお腹が空いていたとしても、ね。
[穏やかに微笑み、小さく釘を刺す。
消耗する小鳥に止めを差さなかったのは、出会った時に友人の影を掠めたからか。
約束通り花を携えてやってきた事に報いるつもりでか。
どちらにせよ、女には目の前の金糸雀に危害を加えるつもりなど毛頭なかった*]
[涼やかな歌声は、空に奏でて拡がるばかり。
けれど獣の耳なれば、音にこめられる差異くらいは分かる。
たとえそれが、種族の違う者でさえ。
やがて袋を突く仕草に、どうして欲しいのかを理解すれば袋に手が伸びる。
そんな折だっただろうか。
獣の鼻が血の香りを嗅ぎ取る。
朧気だった気配は、知る味と共に鮮明になった。
匂いが濃くなるに連れ、耳でもその存在を感じ取る]
[警鐘を鳴らした本能に従い、存在を知られぬよう、袋を咄嗟に懐へと仕舞う。
紳士的な態度は、初めに会った時と変わらぬ印象を抱かせたが、その口より紡がれる名には違和感を覚えた。
だが、その正体を問う前に、男は穏やかな笑みと共に、此方へと敵意を向けた]
――――お断りするわ。
[返事の裏で、後ろ足を強く踏みしめる。
力を込め、すぐにでも飛び出そうと構える前に、その牙は現れた]
[先手を取られたのは不覚。
初撃を往なす事は叶わず、手をのばす前に暴力は振るわれる。
哀れな小鳥は黒鞭に弾かれ、己が負わせた傷よりも更に酷い有様で、部屋の外へと弾かれた。
けれど追うことは出来ない。
今は目の前の脅威を排除しなければ、あの小鳥を探しに行く事は不可能。
手首を返し、此方へと振るわれる新たな暴力を止めるべく掴もうとする――――]
/*
ロルで返そうと思ったんだけれど、鞭で打つってしかかいてないから、打って、それからどうするの?っていう感じなので、相手任せ。
別に痛がる描写だけで1つロルをまとめるのが辛いとかそんな。
……2行か3行で済んじゃうんだよなあ。
/*
バトル村を前にバトル村の練習も出来るかと思ったけど、私の描写はバトル向きではあまりないかもなあ。
自分ではわかってるけれど、相手にそれが伝わっているかがやっぱり悩ましい。
/*
あ、でも拷問用……
……………まあ、腕が見える程度の半透明ということは、薄い生地だから大丈夫か。うんうん。ちゃんと後残るね。
ミミズ腫れの後が結構痛々しいんだよねえwww
[伸ばした手は目的のものを掴む事が出来なかった。
いや、正しくは掴むことを放棄し、別の行動へと変化させただけだが。
鞭の先端から裂け、形状の変わる鞭。
分かたれた組紐は扇状に広がりを見せる。
伸ばした手で取れる選択は一つ―――ただ「受ける」のみ]
―――――ッ、
まったく、別人のようね……!
[身を庇う為に腕一つで受け止めれば、痛みに表情を歪める。
距離を取ろうと足を引くが、それは悪手だった]
[座っている状態から立ち上がった為、一歩足を引けば、椅子の足にぶつかるのも当然。
間抜けにも体勢を崩せば、隙をつかれ、床に縫い止められる。
衝撃を和らげようと、背面を強化し耐え忍ぶ。
腹に掛かる男の体重は、人の女としての軟さを残しているせいで、圧迫されて気持ちが悪い]
………ふふ、とてもいい趣味ね。
親の――――乱鴉の大公、その人の影響かしら。
[《バルシュミーデ》
その姓を聞いてから、ずっと気にかかっていた。
けれど、今まで思い出せなかったのは、元老に関しての記憶を、無意識の内に封じていたから。
白絽侯に会い、己の矛盾を知れば、封は意識的に解かれ、記憶は蘇る。
そして、かつて父が言っていた言葉も―――――]
悪いけれど、されるのはあまり好みではないの。
するならさっさと終わらせなさい。
私は今、………とても気分が悪いわ。
[捕らわれる腕と男を見つめながら、最後の方は溜息交じりに告げる。
牙を飲み込んでゆく皮膚。与えた時とは違う、奪われる感覚。
元老より奪われるとも異なるそれは、随分と生易しいものだと思った。 何処か楽しげな所作に、僅かに不快を滲ませ]
ふふ、お世辞をありがとう。
[出る言葉といえば悪態にも誓い言葉。
身体を這う指に殊更不快を覚え、辿り着く先を知れば溜息がでた。
全くもって憎たらしい。
ひとつはあの子にあげると決めていたのに]
次は手荒でない事を願うばかりだわ。
さようなら、アルビン。
もう一人の貴方にもよろしく言っておいて。
[窓の外へと去ってゆく背を追うことは出来ない。
屈辱が侵食する女の思考は、入り込む魔性に気付くのを遅らせた。
対処が遅れれば、相応の結果が待つのは必然。
痛みも、快楽も感じるような不完全な現状は、女にとって一番好ましくない状態だった]
………ああ、無事でいてね。すぐに、行くから……
[ミミズのように腫れる痕がもたらすのは、しびれるような痛みと快楽。
修復に気をやれば、すぐに色は引いて、形はなくなる。
だが、男が残した悪戯は、暫くは女の体を蝕むのだろう*]
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