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あーあ。
それにしても派手に壊してくれちゃって…。
掃除するのは僕なんだよ?
手伝ってくれるなら話は別だけどさ。
[頬杖をついたまま、穴の開いた天井を見上げて頬を膨らませる。
だが、カーク>>44が口を開けばその表情も消え。
みるみるうちに顔が歪んでいく。]
……っく。
ぶはっ、あははははっ!
何処にって、…此処に居るじゃん。
ああそうか、自己紹介がまだだったね?
…やれやれ。
そうやって人の話をちゃんと聞かないところ。
君の悪い癖だよね。
[飛んでくるナイフ>>53に向けて、すっと手をかざす。
すると、ナイフはエレオノーレを避けるように軌道を変え、明後日の方向へと突き刺さった。]
…あ。
もしかして、僕がイェンスのように君の弟を乗っ取ったとでも思ってる?
もしそうだとしたらそれは大きな間違いだよ。
僕は生まれた時からずっとこの身体で生きてきた。
僕はずぅっと、兄さんと一緒に居たんだよ。
目覚めたか、目覚めていないか。
ただ、それだけの話。
あと、僕がこの姿に化けていて。
別の何処かの場所に本物のエレオノーレが居ると思っているならそれも間違い。
エレオノーレは、僕一人。
疑うなら殺してみる?
そう簡単に殺されてはあげないけど。
親友殺しの次は弟殺しなんて、勇者の肩書きとしては傑作すぎておかしいったら…あっははは!
ふぅん。
今更兄貴面する訳。
君がもっと早くそうしていれば、僕も目覚めずに、ただのエレオノーレとしていられたかもしれないのにね。
君に認めて貰いたくて、こんな戦いにさえ参加しなければ。
あ、そうそう。
君は僕がフィオンにばかり懐いていると思っていたんじゃない?
違うよ、僕を拒んだのは君で、見ようともしなかったのも君だ。
でも仕方ないよね。
自分より優秀な年下の勇者サマを、君はずっと妬んでいたんだから。
[ナイフを構える姿を見て笑うと、座していたエレオノーレの姿はゆらりと消え。
カークの後方に現れると耳元に口を寄せ、囁く。]
……ハァ?
僕が聞きたいのはそんな言葉じゃないよ。
それに、僕の答えはひとつ。
僕が望むのは魔王様の復活。
その為には君たちの命を捧げなくちゃいけない。
傷つけたとか傷つけてないとか、今の僕には関係ないのさ。
[瘴気の風がカークを襲い、脇腹を薙ぐ。
通り抜けた風は少し距離を置いてエレオノーレを模った。]
何それ、ふざけてんの?
全ッ然面白くないんだけど!!
[ナイフを落とす仕草に思わず声を荒げる。
そして投げかけられる言葉に、エレオノーレの周りに立ち込める瘴気はどんどん強くなっていった。]
…クソが…、僕の事、馬鹿にしたな。
僕は馬鹿にされるのが、大ッ嫌いなんだ…!!!
お望み通り、殺してやるよ!!
苦しみもがいて、死ねぇええええええ!!!
[右腕に密度を上げたドス黒い瘴気を纏い、広げられた腕の中心より少しそれたところ。
心臓を一突きにせんと、勢いよく地を蹴った!]
/*
やはし24hはつれえなあ…処理おっつかなくて予定の半分ぐらいしか出せていないという…すなお頭のスペック上げろ はい
―――っ、うぁッ?!
[放たれる眩い光>>107に怯み、視界を奪われると繰り出した攻撃は辛うじて相手の左肩を捕らえるのが精一杯。
それどころか。]
ぁぁッあああああああああああ!!
[背中への深い一撃に、悲鳴を上げる。
カークの左肩から右腕を引き抜くと、無様にその場へと転がった。
背中からはどくどくと血が流れ続ける。]
イタ、い、痛い いたい アァアアアッ!!
この、クソ野郎が…許さない…絶対に、許さない!!
[声に呼応するように辺りの瘴気濃度が急上昇し、瘴気の渦がエレオノーレの身体へとまとわりついていく。
幾重もの瘴気に飲み込まれたエレオノーレはぼたぼたと黒紫色のどろどろを零しながら、その体積を増してゆく。
そしてゆっくりと首をもたげたその姿は四つ目の大きな鳥の姿。
口からは常に瘴気を吐き、瞳は紫色にぎらついている。]
よくも…僕に醜態を晒させたな…
死刑じゃ済まない、未来永劫、呪われろ!!!!
[呪いの言葉を吐き、怪鳥は羽ばたく。
数多の瘴気の塊がカークへ、襲い掛かった!]
殺してやる…殺してやる…
[ふしゅるるる…と大きな嘴から瘴気が立ち上る。
カークが放ったナイフは巨体へと刺さり、刺さったところからはどす黒い液体が漏れ出るが、怪鳥が気に留める事はない。
血を流したまま、四つの瞳が捉え続けるのは、ただ一点のみ。
己よりも遥かに小さなその身体>>128へ首をもたげて、喰らうべく嘴を大きく開いて振るった。]
ァアアァアァアアアア!!!!!
[しかし、あがったのは怪鳥の絶叫。
飛び移るカークを阻む事が出来ず、攻撃>>134を受けたのだ。
痛みにもがき、抗うように暴れる。
身体に乗っていたカークを大きな翼で薙いで振り払い地面へ叩きつけると、巨体も大きな音と共に床へと倒れた。
短剣が突きたてられた場所から勢いよく瘴気が噴き出す。
横たわった怪鳥は苦しそうな声をあげながら痙攣し、四つの目と、嘴から黒紫色のどろどろを零していた。]
う、ウウ…ァアアア……
[ヒュー、ヒュー、と吐く瘴気も弱々しい。]
[勇者の血が塗られた短剣。
刺されたところから浄化が始まり、激痛と共に瘴気が剥がれていく。]
ど、して…こんな…、……がはっ…
[怪鳥は徐々に小さくなり行き、やがてエレオノーレは人の姿へと。
咳き込む度にごぼごぼと黒紫色のどろどろを吐き出す。
しかし、カークが此方へ向かってくる様子に気付くと、紫色の瞳はギラついたまま彼を睨み上げた]
…ころ、し… …る、ッ
… ア゛ぁッアアアアアああ!!!
[刺さった短剣が少し動くだけでも耐え難い激痛がはしり、声を上げる。
抵抗する力はとうに残っておらず、じっとしていたが。]
…ば、ぁか……、情けなんぞかけられて、たまるか
お前、は… みち ず れ
[短剣を突きたてられる前に、辺りに撒き散らされた黒紫色のどろどろが集まって蛇のように地面を這い、カークの身体へと絡みついた。
瘴気の塊であるそれは、カークの命を徐々に掠め取ってゆく。]
ふ、はは…勇者、ふたりを…始末……でき、ゴホッ、ゴフッ
っは…僕が、死ぬのは…想定外だったけ、ど…
[呼吸が大分荒くなり、目の光も鋭さが失われ始めている。]
……これ、で…いい これ、でッ!!?
[こぷん、と口から黒紫色の飛沫があがった。
胸に刺さった短剣。
もう悲鳴も上がらなくて、息が狭い喉を通る音だけが漏れた。]
[身体に覆いかぶさる重さも、もうあまり感じられない。
でも、偶然にも重なった手から伝わる温もりは確かに伝わって。
耳が辛うじて拾った声に、紫色の瞳から雫が零れ落ちた。]
ばか、じゃ…ない の
[エレオノーレは、自分のした事に後悔などしていない。
全ては自分の意思で行い、自分の思うようにしてきた。
魔王復活の為、共に戦ってきた仲間の皆を殺す事に躊躇いなんてなかった。
しかし、これまでを生きてきたのもエレオノーレで。
その記憶は決して無くなった訳ではない。
楽しかった事も、辛かった事も、嬉しかった事も、悲しかった事も。
フィオンと、兄と、三人で遊んでいた遠い日の事も。
全部、間違いなく想い出として残っている。
ただ、それを選ばなかっただけ。
選べなかった、だけ。]
…は、……ぼくは、あやまら、ない
[雫が落ち続ける紫の瞳は、もうほとんど見えない。
それでもエレオノーレは、兄を、見詰め続けた。]
…で も
も、し…もし、次が あるな、ら
[言葉は声になりきらず、掠れた音だけがそこに残った。
そして、眠りにつくように瞳を伏せたその顔は、嘗ての気弱な少年が微笑んでいるようだった。**]
[セルウィンとバルタザールの元に、風が甘い香りを届ける。
それはまるで挨拶をしにきたように。
風が通り過ぎると香りは立ち消え、いつもの埃っぽさがあるだけだった。**]
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