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疾風の守護者 ウェルシュは、大地の守護者 アイリ を投票先に選びました。
― 世界樹の枝の上 ―
グラフヴィトニル...かあ、どんな奴なんだろうねえ?
[ 太い蔦や幹の窪みを掴み、身軽に上へと身を運びながら、ウェルシュは、ミリアムに声をかけた。
どうやら、あまり木登りが得意とは言えなさそうなミリアムだったが、体力が有る分、難しそうな所は、上から少し引っ張りあげるだけで、ちゃんと着いて来る事が出来ている ]
ミリアムは、魔法も剣も上手いものね、ボクが足手纏いにならないようにしないとなあ。
[ 恐らくウェルシュが、彼女に勝てるのは、身軽さと素早さだけだ。それもほぼ物理特化とあっては、魔法で後衛を引き受けていたステファンには、とても及ばないだろう。
多少のプラス材料があるとすれば ]
疾風の魔法は、火炎の魔法と相性がいいから、ボクがちゃんと使えれば、魔法の効果があげられるかもだけど。
[ 言いながら、ふと、精霊の腕輪に触れるのは、まだ多少魔法に関しては自信が無いからだった ]
― 世界樹の枝の上 ―
うーん、どこからだろうね?
[ どこからくるのだろう、というミリアムの疑問>>63には、首を傾げて ]
名前の意味は「洞窟を訪れるもの」だっけ?でも、世界樹に洞窟なんて...
― 世界樹の枝の上 ―
[ 一際太い枝の上に、よじ登った時、目前にぽっかりと大きな暗い穴が出現する。それは、ウェルシュ達が立った枝から別れたもう一本の大きな枝に開いたウロ...まるで... ]
洞窟なん、て...あるわけ...
[ シュウウ、と籠もった威嚇音が洞窟のような暗いウロから響いてくる ]
げ...!?
ミリアム!
[ 声をかけると同時に、サーベルを抜き、数歩分を一気に飛び下がる。
突発事態にも、パニックに陥る率が減ったのは幾分か成長した印だろうか ]
〜It est notum ventus clipeo〜
[ 風の盾を左腕に呼び出しながら、暗い穴の中からずるりと這い出る、ぬめぬめした黒い表皮の大蛇の姿を見据えた* ]
[ 抜いたサーベルの刃に、ミリアムの魔法>>73の輝きが宿る ]
ありがとう、そいつ剣が通りにくそうだ、気をつけて!
[ 枝を蹴るミリアムに、感謝と忠告を同時に投げる。ぬめりに覆われた蛇の表皮が、刃を鈍らせそうだと見ての言葉だ。
同時に、自らも枝の上を駆け出し、少しでも蛇を撹乱するためミリアムとは反対に、大蛇の顎の下を狙って斬り払おうとする ]
ヤアァッ!
[ 止まらない、怯まない、そして ]
(負けない、よ、星司!)
[ 今は届かぬコエを、胸の内に落としサーベルを揮った* ]
/*
ミリアムのゆるさとのこの落差よw
まあ、このこ熱血成分の方が、ドジっこ成分よりちょっと多目なんですww
星司と似た者コンビ狙ったせいでwww
/*
お、玲緒は初めて、10越え...てか高い!
ふーむ、見事に二人ずつに別れるってことかこれ。しかも枝に残ったの全員、主に物理wwww
[ いやそれ、じぶんが魔法選ばなかったせいだから ]
[ .........そうでした ]
[ 揮ったサーベルは、蛇の顎を捉えるが、ぬるりとした表皮の表面を浅く斬っただけで、奥までは届かない。
恐らくミリアムの魔法がなければ、刃はもっと鈍ったろう ]
やっぱり...剣だけじゃ無理、かっ!
[ ずるり、大蛇はウェルシュを押しつぶそうとするかのように、胴をうねらせ、頭を狙うミリアムに向かっては>>87ガチリと牙を鳴らし、喰いつこうとする ]
うわっ...!
[ 避けようと、身体を右に投げ出すと、ぬるぬるした表皮が足を掠めた ]
うええ...
[ 足についたぬるぬるは、相当に気持ち悪い。拭う暇など無かったが、思わず手で少しでも落とそうとして ]
これって...油?
[ 体液の中に油分が含まれているらしいのが臭いで判る。蝦蟇の油ならぬ、蛇の油といったところか ]
ミリアム!炎の魔法なら効くかも!!
[ 油なら、熱に弱い。炎属性の剣が通りやすくなっていた理由も、それならば判る。そう気付いてウェルシュは声をあげた ]
[ 大技が使える、とミリアムが言ったのを、ウェルシュは覚えていた。だが、ステファンと違って、自分はそれに炎を重ねることは出来ない ]
ボクは、こいつの視界を塞ぐ!
〜Tantus Auster
et auferas me in caelum〜
[ ミリアムが、どう行動するかは判らない、だが、止まるわけにはいかない、から。
ウェルシュは、これまで何度も失敗した、風を纏って飛翔するための魔法を口にした* ]
[ 風が起こり、ウェルシュの身体を浮き上がらせる ]
『それって、精霊の腕輪のおかげ?』
[ すい、と横に飛んで来た風の妖精が、どこか嬉しそうに言った ]
そうかも。セイン、あまり近付くと危ないよ。
『判ってるわよーだ』
[ ふわりと飛んでいく妖精に、小さく笑って、ウェルシュは、蛇の頭の真上まで身を運ぶ、この位置まで上がれば、ミリアムの炎が燃え移る事も無い筈だ ]
〜Torn gladium erit in mille segmentis!〜
[ そして、ミリアムが火の玉を放つ直前に、風の盾を千の刃に変えると、その全てを蛇の二つの目を狙って降り注がせる。
たとえ、当たらずとも、大蛇は火球を避ける暇を*失った筈だ* ]
/*
帰ってきたら、メル兄さんの愛が見えた件(*ノノ)キャ
倍返ししてやるーっ!
...の、前に、蛇退治しなきゃね...
― 世界樹の枝の上 ―
[風の刃の目つぶしに翻弄されていた大蛇に、まともにぶつかった火炎の珠は、忽ちのうちに紅蓮の炎となって燃え上がる]
うわ、すっごい…
[上空に居ても炎が届きそうな勢いに、ウェルシュは感嘆の声を漏らす。
火炎を放ったミリアム本人も、己の魔法に驚いているらしいのが表情から知れて>>100思わず笑みが浮かんだ]
(同じだね、ボクら)
[星司と力をぶつけ合うという試練を通じて、絆を深め、同時に己の限界を…限界と思っていた場所を乗り越えた。その先に見えた新しい景色を、ミリアムも…そしておそらくはステファンも、同じように見つけているのだろうと思う]
[ひゅう、と世界樹を巡る風が鳴る。
遠く、雄々しく激しくぶつかる大地の響きと、美しく、そしてしなやかに強く交差する流水の流れを、五感のどこかで感じた気がした]
『ウェル、ぼーっとしないでっ!火事になっちゃうわよ!』
え?
[風妖精の声に気付けば、ミリアムが落ちていく大蛇を目にして顔色を変えていた>>174]
あー、えっと…多分、あいつは途中で崩れると思う、けど、途中に火の粉が散っちゃうとまずい、よね。
[ちらりと妖精を見ると、ぷい、とそっぽを向かれてしまう]
『やーよ!あんな蛇に結界かけるのなんて、私の美意識が許さないわっ!』
セインーそんなこと言わずに!妖精の集落だって被害受けるかもしれないんだよ?!
『嫌ったら、嫌!』
[そんなやりとりの間にも炎の塊と化した大蛇はどんどんと落ちていく]
…あー、もう、判ったよ!
[ウェルシュは、やけくそのようにそう叫ぶと、蛇の後を追って、急降下する]
ミリアム!先にメル兄さんのとこに帰ってて!
[ミリアムの横を擦り抜けながら、そう声を投げ、更に下へ、燃える蛇の傍に追いつくと、炎が肌を舐めるのも構わず、サーベルを構えて、その大きな頭に向かっていく。
近付く風の気配を感じてか、大蛇は大きく口を開けて、毒牙を剥いた]
〜Read validum ventum per ignem〜
[風の力を炎に加え、その威力を増すよう唱えた魔法に反応して、ミリアムの属性魔法を受けていたサーベルの刀身が白い炎を纏う]
消えろっ!!
[迫る蛇の頭を一刀両断にする勢いで上段に振りかぶったサーベルを振り下ろすと、白い炎が蛇を包む火炎とぶつかり合って、激しく爆発した]
にゃあああああっ!!
[火炎と火炎のぶつかり合いで炎と蛇は同時に消えたものの、当然と言えば当然の結果として、自分も吹っ飛ばされるわけで]
『もおおおお!ほんっとに馬鹿っ!!』
[後を追って飛んできた風の妖精の結界が掴まえてくれなかったら、疾風の守護者はきっと、お空の星になってしまったことだろう]
セイン…ありがと。
『知らないわよ、馬鹿っ!』
[風の妖精の結界に運ばれて世界樹の枝に降ろされると、炎に近付きすぎて煤まみれの顔でウェルシュは笑った]
きっと来てくれると思ったんだ…
『甘えてるんじゃないわよ、ばかばかっ!』
あはは…うん、馬鹿だけど…
[ふう、と意識が遠くなるのを感じる]
…きっと、星司、も…
『ウェル?...やだ、ちょっとウェル?!』
『こんなとこで寝ないでよーーっっ!馬鹿ああああっ!』
[風の妖精の絶叫は、もしかしたら休憩所あたりまで響き渡ったかもしれない*]
― 数年前 ―
メル兄さん…
[風駆ける丘の中腹、膝を抱えて、うずくまっていた少年は、かけられた声に、ぱっと顔を上げる>>145
そして懐かしい笑顔を見ると、一瞬泣きそうに顔を歪め、その表情を隠すように、膝に顔を伏せた。
幼い頃から笑顔でいる事の多い、ウェルシュだったが、この頃はそれも少し湿りがちで、特に兄と慕っているメレディスの前では、取り繕うことも出来なかったのだ。
魔法の扱いに行き詰まっている、という話を振られれば、顔を伏せたまま小さく頷いて]
うん…こないだも、失敗して納屋をひとつ吹っ飛ばしちゃって…農家の人に迷惑かけちゃったんだ。
[暴走という形での失敗は、他者にかける迷惑の度合いが大きい。そうでなければ、自分の問題、で済むはずの所、段々と追いつめられた気分になっていくのは、その点に負う所が大きい、とは、両親からメレディスにも伝わっていただろう]
魔術の修行?
[暫しの沈黙の後、告げられた言葉>>147に、今度は驚きの表情で顔を上げる]
そ、か…メル兄さんは、魔法の才能あるものね。
[武術の才能が無い、ではなく、魔法の才が秀でている。そう捉えるだけの前向きさをウェルシュは失っていない。だからこそ、疾風の守護者の血筋として、魔法が進歩せずとも武術だけは、と剣の修行を怠らずに来てもいたのだ。
メレディスが彼なりに悩み、先達の助言や幾多の経験を経て、迷いながらもその道を進もうとしているとは知る由も無かったが、耳にする声音に、諦めや後悔の色は感じ取れなかったが故に、彼の配慮にもまた気付くことは出来ずに、ただその言葉の先を聞く>>149]
茨の道、かあ…
[必ず努力は実る、と、そう言われたことよりも、そこへ至までの茨の道の遠さに、心が沈んでしまうのは、少年の心の幼さの現れだろう。それでも、未来への道は閉ざされていない、と、メレディスがそう伝えようとしてくれていることは良く解ったから]
才能が寝ぼすけってなにさー。
[メレディス流の例えに>>150ぷうとふくれるのは、いつもの顔で。それから、にこりと笑顔を見せる]
ありがとう、メル兄さん。
[どうすればいいのか、先に何かが本当に変わるのか、そんな自信は無かったけれど、自分を「大魔法使いの末裔」ウェルシュではなく、「かでぃ」という愛称で呼んで、弟のような存在として気にかけ、励ましてくれるメレディスの存在が、すでに一つの出逢いであると、心の奥底で感じ取っていた]
[その後、手合わせを申し出られれば、「うん、喜んで!」と、元気に応じ…]
メル兄さんが、神官になるなら、ボクが神殿騎士を目指すのもアリかなあ。そしたら、護ってあげられるよ?
[手合わせの後に、にこぱと笑って、そんなことを悪気無く告げるのは、子供らしさと言って良かったものかどうか]
― 世界樹の枝の上 ―
(メル兄さんの言ったとおり、だったね…)
[揺蕩う意識の中で、ウェルシュは過去の自分とメレディスに微笑みかける]
(星司と出逢って、みんなを知って…寝ぼすけだったボクも、目が覚めた。だから今度は、ボクがみんなを…メル兄さん達を護るよ…)
[あの日告げた言葉は、ただの子供の戯れ言に聞こえたかもしれないけれど、少年の心の内の大事な願いのひとつ。
大好きで大切な人を護りたい…そんな、単純だけれど、一番強い、心の要となっている]
『ウ、ェ、ル!いいかげんに起きてよ、寝ぼすけっ!!』
わぷっっ!!
[びゅう、と顔に吹き付けた突風に、意識が一気に覚醒する]
セイン〜、もうちょっと優しく…
『優しく起こしてたら、一生寝たままでしょ、ウェルなんて。とっとと皆と合流しないと…』
[そこで、妖精はどこか不安げに辺りを見渡す]
『なんだか、変な感じがするわ…』
変な感じ、て?
[それが、妖精特有の直感による「次」の敵の存在を感じ取る予知に近いものだったと知ったのは、彼女の忠告に従って、皆の集まる休憩所まで辿り着き、響いた神官長の声>>234>>235を耳にした時のことだった*]
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