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[>>161魔軍最後尾に見える巨大な影は、人の3倍はある巨大なもの。
引いている物は攻城塔だろう、塔のようなそれ。]
…あれは普通の人間には、荷が重いかね。
というよりは…
[ありゃあたし用だろうと竜は鼻先に皺を寄せた。]
どのみち他には近づけさせられないねぇ。
[呟き、竜は地を蹴った。
敵の策に乗る不本意はあるも、周囲を気にせず力振るえるのは竜にとっても利ではある*]
/*
そろそろ動かないとまずいな と 思うのでとりあえずここかと思う所に動いたけどいいかなどうかな(ソワァ…
ああ……。
[聞かれていたのか、と眉尻下げた。]
……彼……ベネディクト殿なりに必死、なのかも、ですね。
本来は戦いになど縁のない御仁が、今やこのような立場。
ましてや、2年も行方知れずの王子を待たれてたのですから。
[男自身も忘れていた。
最初に会った時から、手際の良さを見せつけられていたが、それでも彼は本来は商人。
幾ら元から頭の回転が速いといえども、それだけではここまでの事はやれなかっただろう。
友人である王子の為、だからこそ。]
承知しました。
いえ、こちらこそご助力ありがとうございました。
お美しいご勇姿、さぞ兵たちも心強かったでしょう。
[あの姿は、絶対を確信出来るもの。
そして、士気というのは大事なものだと、男は身を以て知っている*。]
/*
なんかいいもんに変わってた!ローランドありがとう。
レトもお返しありがとう。ベネディクトと話せなかったのが心残りだが…
ところで時間がががが だいじょぶかな…。
[先ず目印にもなる巨人目指し竜は飛んだ。
眼下に敵の恐慌が見えたなら、そこを狙い
>>176丁度橋にもさしかかった頃、橋の上のゴブリンたちを弾いて前へと走る戦車の姿が見え竜はそちらに意識をやった。]
…赤毛!
[魔王の姿に竜は進路をそちらへと変えようとするも、>>187巨人の咆哮と何かが近づく気配を察知し、竜は体を傾け巨人の方から飛んできたゴブリンを避けた。]
くっ…やっぱり邪魔だねあいつは。
[魔王を気にかけながらも、竜は巨人へと向かう。]
[竜は巨人の元へ近づくとその顔を足の爪で踏みつけるようにして掻いた。
踏み台の用にして一時離れる。攻城塔の殺気を感じながらも、竜は巨人の周囲を旋回する。]
木偶が邪魔をおしでないよ…!
[巨人の咆哮にも負けぬほどの声で、竜が唸り上げる。
同時に周囲の大気が震え、巨人を中心に燃え盛る岩の雨が降りそそいだ。]
/*
敵の駒かい配置がわからないのでとりあえず目印という名の巨人にがつがつする。
遠くからなんかしてくれればいいなと思いつつ…。
ギィには会いたい が
とかやってたらカレルが行ったかー。
ああフォアレ。
今が千載一遇ともいえる機会だ。
少しお待ち。すぐに…
[竜の声が届いたかはわからない。
だが王子の声は確かに竜に届いていた。]
[巨人と竜との争いに、その他の生き物がついてこれるはずもなく。
周囲は竜が放つ炎と、巨人が暴れまわるお陰でいつかの時のような様相を作り上げていた。
>>195再び放たれるゴブリンたちを、空高く飛ぶことで避ける。
そうして巨人へと近づいた。]
[>>196コボルトが放つ矢は鱗を傷つける事はない。
ただ鬱陶しいと思った竜は尾を振り回し小枝のように叩き落とした。
>>197竜の意識があちらそちらと向けられる中、巨人が塔を掴み大きく振り回してくる。
それもゴブリン共と同じように避けようとしたが。]
っ く!
[老いた竜もまた動きの鋭い生き物ではもはやない。
掠めよろめいた所に追撃され、固い竜の背に当たり、攻城塔は音を立てて崩れてゆく。
巨体が傾く。だが今一歩の所で竜は空へと踏みとどまる。]
はっ… おおおお!!
[再度の咆哮。再び周囲の大気を使い、今度は氷の刃を作り出しそれを降らせた。
炎よりは鋭く、だが隙間の多いそれが逃した敵もまた多い。まして今は魔王の位置取りやらは完全に失念していた。
大気の一部を削り取るようにして術へと変え、空白となった空へ補う様に風が周囲の大気を運ぶ。同時に雲をよび、大戦の周囲の天候は目まぐるしく変わってゆく。]
[>>211紙一重の所で巨人を退けた竜ではあったが、使った力は多大で空に在るのがやっとの状態でもあった。
>>212近づくなとばかりに放った氷刃の雨は、それでも魔王の接近を押し留める事は出来ずに。]
かっ ハッ…
[咳き込むように息吐く所にかかる声に、竜は顔を上げた。]
ギィ……!
[友の宿敵、ひいては因縁の相手へと竜は吼える。]
[老いさらばえとの声には思わず口の端が上がりそうになった。
男が見ていただろう
それでも、美しいと形容する変わり者がいることを竜は知らない。]
久しいな赤毛、
お前は随分と健在なようで腹立たしいくらいだよ。
[数千前と変わらぬ姿に言いながら、竜は青銀の目でひたと睨んだ。
だが力を振るい、背をしたたかに撃たれた竜の力は著しく衰え、あと一撃、二撃が限界だと竜自身が感じていた。]
[>>215睨み会う最中、ギィの視線がこちらから一度外れる。
それを追うように見た先に見えた者は―――]
っ、まさか…!
[魔王が何を考えているか、悟った竜はその視線の先、遮るように空を駆けようと。]
[>>215睨み会う最中、ギィの視線がこちらから一度外れる。
それを追うように見た先に見えた者は―――]
っ、まさか…!
[魔王が何を考えているか、悟った竜はその視線の先、遮るように空を駆けようと。]
― 回想・大森林の2年 ―
獲れなかったのかい?
[上手く獲物を狩れないカレルに老婆は呆れたように言う。
森に来た当初は薪も割れず、水も汲めず。燦燦たる結果だっただろう。]
仕方がないね。今日はもうお休み。
少しでも体を休めておいで。
空腹なのは我慢するしかないね。
[そう言いカレルを小屋へと送る。
老婆の方は外で休む。閉じられた場所より、開けた場所の方が好きなのだとカレルには言った。]
[虫の音がりんと静かに響き、星の光は慰めのように空に輝く夜。
老婆は静かに小屋を訪れた。
シーツがわりの布は何とか間に合ったようで、それに包まり簡素な寝台で眠る王子と、小屋の様子を眺める。
人間が最低限使って暮らせるだけの者はあるようで、その他小物などを後でいくつか作らせようかとみやった後、眠るカレルの枕元に、魚と果実を置いておいた。]
暫くだけだよ。
[あまり甘やかしても修行にならないが、かといって弱るのも困る。
夢落ちた王子に言いながら、ずれた布をかけ直す。
未だ幼さ残る顔を、少しだけ懐かしそうに見て頭を撫でた後、竜はそっと小屋を去った。
翌日獲物の事を問われても、妖精らだろうとうそぶき真実は明かさなかったろう*]
止めろおおおお!!!!
[>>226竜がギィとカレルの間に立ちふさがり、炎の槍を受ける。
魔王から放たれたそれは竜には小さな棘だが老いた身体を縫い留めるには十分で。
>>227同時に下方から放たれた石槍に、竜はその身を貫かれた。
しまったと思う間もなく。一度喰らえば全ての槍が突き刺さった。]
― 刹那の夢 ―
ロル ロル
[王宮をふらふらと、王の名を呼びながら歩く娘が一人いた。
悲しげな、悲壮な顔で歩く王宮外の人間を追い出そうと兵が集まる、娘はそれらを一切と寄せず跳ねのけて、とうとう王の寝所の扉の前までたどり着くと、そこに立った。
青銀の目にはいっぱいの涙を浮かべたまま。
今すぐにでも飛び込んでしまいたいのを我慢しながら。
中から、お入りの声が聞こえるまで娘はそこで待っていた。]
[やがて扉は開かれる。
王の寝室には王の縁者や医師が居たが、王はそれらに退席を促した。
反論もあっただろうが、王はそれらを制し、娘の来訪を歓迎した。
娘は王が横たわる寝台の傍らに膝をつく。]
ロル…
[竜には一時、人には長い時を経て。
死期を間近にした変わり果ててしまった友の顔に、竜は涙するしかなかった。]
どうして人間の命はこんなに短いんだろう。
まだ、まだたったの数十年しか経ってないのに
ロル、いやだ
死なないで、あたしの友達
[すっかり細くなってしまった手を、しわがれた指を、竜は握りしめたた泣いた。]
[死にゆく友は先に行く事を謝罪した。
同時にまだずっと長い生を得られた自分の事が羨ましいとも言った。
残してゆく国は平和だが、まだまだやる事があったとも。
そして、聖剣の事も。
それらひとつひとつの心残りに、ひとつひとつ竜は頷いてから。]
約束する
あたしはこの国にいるよ、ずっと
ロルが作った国にいるよ
あたしの命が続くまで、
ロルの子を、ロルの子孫を、
ずっとずっと見守ってるよ
やくそく…
だから私が死ぬ時になったら、
今度はロルが迎えに来て…
[それが始祖の王と青銀竜の交わした盟約。]
ロル、あたし…
[そして最後の時を、竜は友と共に過ごした。
もっと言う言葉もあったはずなのに、言葉は何も出てこなかった。
言葉交わさずとも幸せだった空気は、この場においては悲しみしか纏わない。]
ロル…!!
[そして握った手の先から、友の力は抜けてゆく。]
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