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― 温泉 ―
[シェットラントは、剣を構えながら少しだけ笑みを零した。
あたたかく落ちてきたものが、胸にある。
ずっと心に重く沈んでいたもの。
叶えられなかったもの…届かなかったもの。
それが今、漸く別の形で果たされようとしている>>344]
…───ありがとう。
[密やかな声は、どこまで届いただろう。
後ろの魔女に聞こえたかも分からない。けど、良かった。
静かな感謝を言葉に落とし、剣に示して魔物に向かう]
「…――――我は
[支援に不安はない、けれど。
背後から響く、常とは違う呪に氷蒼色の瞳は微かに見開いた。
あまり耳にしたことのない術式だ。
論理をいわば、裏返しにして編み上げていく術。
生半可には扱えない、───魔女ならではの術だろう]
……。どちらが守られているのか分からないな。
[呟いた口元は、隠しようもなく笑っている。
感嘆の念が胸を満たしていた。
これで負けようはずもない]
[魔女の祝福>>351を、僅かに目を伏せて額に受ける。
聖なる印を受けるかの如く粛として、
愛しい口付けを受けるかの如く幸せな顔で。
光が宿る。
シェットラントの視界には、すべてが見えた。
淡い輝きが魔物の一挙手一投足を細かに照らし出し暴き出す。
───シェットラントの剣が、魔物を捉える。
その時確かに、光が一瞬魔物の身体を駆け巡り、そして消えた]
───、は …。
[紅蓮が全身を包み込む。
その前に、淡い輝きが──愛しい少女に似た面影がふわりと掠め消え去る。
炎は魔女の紡ぎだす生命の波動の前に、より暖かで明るいものの前にその力を失った。
あとに、ころりと赤い透明な結晶が地面に転がる]
ありがとうございます。
[炎が消えると、まず魔女を振り返った。
最後の攻撃に、シェットラントは何の防御もしていない。
魔力が尽き出来なかった…というより、必要ないと感じていたことが大きい。
つまり、魔女に本当に任せきりにしていたわけだ]
……、…。これは、
[礼を言って視線を戻し、地面に転がる結晶を拾い上げる。
先に得た結晶を取り出して見比べてみた。
若干形状は違うといえども、似たようなものと感じられる]
今のが、神の創り出した幻影か。
[直感的にそうだと思った。
そういえばと、ふと思って魔女を見やる。
視線が合えば少しだけ首を傾げた]
貴女は──…何か感じませんか。
俺の目には、もう貴女は偽りの神の支配を断ち切ったように見える。
ですから、その…。何か感じませんか?
俺は先にこれを、
[言って赤いもうひとつの欠片を示す。
視線を結晶に落としたまま、少し微笑んで]
…───
この世界は、どこかおかしい。
俺たちはまるで都合のいい操り人形のようです。
先の男…、…ギィも。
この、”神の欠片”に操られていると見て間違いがない。
抜け出すためにも、もう少し知識と…仲間が必要です。
俺にひとつ心当たりがある。
共に、来てくれませんか?
[誘うよう、手を差し出す。
手に手が重なれば、シェットラントは柔らかに笑った。
久しく見せていなかった笑顔だ。
かつて……キアラに見せていた笑顔に、少し似ている]
行きましょう。
俺たちを操り、いいようにした神に抗うために。
ああ、その……着替えもあると思いますから。
[最後、少しだけ困ったように自らの上着を羽織る魔女に微笑んで。
扉を開く仕草で足を踏み出した*]
─→黄砂の村─
落ち着いたか?
こちらは、魔女…ガートルード・サークリッドと合流した。
彼女はおそらく、もう大丈夫だ。
これから一緒にそちらへと向かう。
…。俺たちを操っていた偽りの神の欠片を手に入れたように思う。
そちらで併せて見せる。確認してくれ。
[なにやら慌しい声が響いていた。
だからと一応の確認を投げ、やはり簡素な報告を付け加える。
そして、思いついたというように付け足した]
ギィという召喚師がいるが、これは未だに偽りの神の元にいる。
相当に強力な魔術師だ。気をつけてくれ。
― 黄砂の村 ―
[向かった先は、初めて訪れる場所なのに迷うこともなかった。
誰かを探すより先に、物を探す。
魔女には着替えが必要だったし、両者には休息も必要だった。
既に天使との戦いは終息していたのが幸いだ]
大丈夫ですか?
[シェットラントの姿は、魔女を気遣うように共にある。
仲間に会えば連絡を、それより何より休息を。
未だ戦いは続く*はずなのだから*]
[報告を声に投げれば、すぐに返る声がある。
戦いの中にあってもどこか明るく個性豊かなその声たちは、遠く───かつての騎士団のようで、もう会えない”彼ら”のようで少しだけ懐かしい。
シェットラントの唇は、音を立てずに弧を描いた]
いや。敵は魔物──…炎扱う魔物だったな。
なるほど、そちらには天使が出たのか。
[問い直すことをせずに、ハンスの言>>~33に判断する。
続いたのはベリアンの声、これにシェットラントは我知らず笑みを深めた。慰労がくすぐったくも、…嬉しい]
お前を呼び損ねてしまったな。
剣が使えたから問題ない、…………。助かった。
[それでも、後半を付け加えたのはこれまでとは明らかに違う。
あのまま飛び出しても、この結果は得られなかったに違いない。
それを認め、ことを成したベリアンの判断に感謝を置いた]
万全の備えで来るだろうな。
あれは魔神を喚べる力を持つ者だろう。
……偽りの神も必死になるだろうからな…。
[ベリアンの言葉を肯定し、自らの分析を付け加えながら気になっていたことを思い出したという風に語尾が落ちた。
彼はどうしただろう、あの青年は。
赤の神殿でも出会えなかった。
顔を見に行こうと思ううちに、行きそびれたが]
ショルガハという男は、そちらにいないか?
[念のため、聞き知った名を彼らへ投げた。
暴れていると大騒ぎしていた青年こそが彼とは知る由もなく]
[もうひとつ、こちらは穏やかな声が応じる>>~36
穏やかで無駄のない、冷静な声だと思った。
人の心を落ち着けるような、…人を纏めることの出来る声だ]
そうだろうな。
その結晶が今は…──俺の手に、みっつ。
[この状況を終わらせるための鍵との言葉を首肯する。
赤と緑の結晶を思えば、僅か息をつきたい心地にはなる。
こんなちっぽけなものに踊らされていたのだ、自分たちは。
情けないような気持ちと、誇り傷つけられた静かな怒りと]
猛獣?……そうだな。
使役するのは主に魔物のようだが。
[妙な言い回しをすると一応の訂正を入れておく。
さすがに、彼の住んでいた世界はシェットラントの想像を超えていた。
己の世界が、彼の想像を超えていたのと恐らく同じく。
未だ世界の隔たりは大きく、完全なる理解にも程遠い。
けれど互いに手を取り合える、その言葉と心はここにあるから]
…───魔法の備えに不安はあるまい。
こちらには、そこのベリアン・サルークと魔女がいる。
俺も魔力を回復すれば、
いかな強大なる魔術師とはいえ容易に事を運ばせはしない。
とはいえ、向こうは偽りの神の力添えを得るだろう。
召喚は軍勢の規模になることも、恐らくは間違いがない。
あれはもう、俺の知るだけの相手ではない。
”説得”は骨が折れそうだな。
[説得と書いて力ずくと読む。
そんな響きを言外に篭め、肩を竦める調子で言葉を切った]
─ 少し前 ─
[魔女から手渡されたのは、
自らの裡にあったとは対照的な緑の結晶>>412
深い悲しみを──どこか涙を想起させるそれを受け取る]
…少しだけ、貴女の目に似ています。
[翠の眸の魔女に視線を向け、少しだけ眉を下げて]
分かりました。では俺が預かります。
まだ、使い方も分かりませんが。
[考える表情で石に視線を落としたのも束の間。
嬉しそうな声>>415に、その表情が崩れた]
きっと、
[魔女の表情を視線の端に留めて思う。
色々なことがあった。今はもう変えられない悲劇も。でも]
あいつも、向こうで貴女を待っています。
[別れた時の彼の表情を思う>>171
頼むと、その心を聞いたと思った。大丈夫だろう。
もう、あの男も過去と罪に縛られているだけの男ではない]
会ってやってください。そうすれば…
[会って、話して、それから───。
ひょっとしたら。
その先に自分たちがこの場に集った意味があるかも知れない。そう思った]
― 黄砂の村 ―
[一番最初に出会ったのは、ハンスだった。
滑るように空を駆けやって来た彼>>392に、目を見開く。
声と同じように、明るく屈託のない青年だ。
真っ先にガートルードに頭を下げる様子を、傍らに見る]
いや、問題ない。
[その彼の視線が此方に向けば、シェットラントは首を横に振った。
手を取ったのはエスコートのつもりだったから、意識にのぼることもなく]
それより休める場所があるなら、案内してくれ。
ここに居る者の顔も見ておきたい。
[気遣いには残念なほど無残に、あっさり応じた]
来るなら好都合だな。
皆か。………ああ。頼りにしている。
[戦いの予感には恐れる色もなく。
一言付け加えると、ちょうど良いと言って*笑った*]
[とはいえ、望めば欲するものは近くある。
やがて休息を手に入れれば、
衣服は改められ体力気力共に充実をするだろう。
妖魔の軍勢は迫りつつ*ある*]
そうか、ありがとう。
彼は俺と同じ陣営に───同じ偽りの神に囚われていた男だ。
会ったことはないが、気に掛かっていた。助かる。
[やはり、シェットラントの対応はごく簡単だ。
別段、彼とのやり取りも…恐らく随分凹ませたことも口にする必要はないだろう。
ただ、気に掛かっていたと明かす。
その思いは、神より開放されてより余計に強くなっている。
似ているからだと思えば、音もなく苦笑が落ちる。
どこか似ていると思う──あの
殴れと?
[彼の名前の訂正はベリアンに任せ、問い返した。
なるほどと思う。
彼と会えば、自分も同じことをしていたかも知れなかった。
ただし、若干の不安要素がある。それは]
────、ベリアン。
[この男だ。
身体の傷は癒えたはず、しかし人を殴るということは──…]
……………………。
[案の定、術式などと言っている。
やれやれと苦笑して、肩を竦めた。
止める気もなければ、止めるべきものでもなかろうが]
お前、怪我をするなよ。
二度目の治癒はない…面倒だ。
[怪我をさせるなではなく、逆を言う。
そうして素っ気無い言葉を付け加えると、小さく*笑った*]
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