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[花の香りと、魔酒の香気と。
何よりもあの青い天使を
こうして組み敷いているという事実に
どうしようもなく酔いしれていた]
ん、いいこと。
と言ってもわからないか。
[元々、天使に性別はない。
男女の営みを知識として知っていたとしても
それを自分自身が経験するなどとは
夢にも思わなかっただろう]
[露になった、彼女の胸元へ掌を這わせる。
吐息に合わせて微かに震える控えめな双丘を
ぐるり円を描くように撫で上げ。
その頂に小さく存在を主張する、
薄桃色の先端をそっと指の腹で摘んでみせる。
彼女の、今の性を象徴するそれ。
彼女はもう天使ではない、
神の所有物ではないのだと、
彼女を貶めているのだという
その背徳感と征服感に陶然と目を細めた]
怯えることはないさ。
[薄桃色の先端を愛撫するように擦りながら、
できるだけ優しく声をかける。
二度、三度と、此方も呼吸を整えて
先端から胸のつけねにかけてゆっくりと魔力を注ぎ込む。
しばらくそうしていれば
やがて触れた場所からじんわりとした熱が
胸のあたりから感じられるようになるだろう。
その頃には痛みもだいぶ薄まっているはずだ]
ほら、もう痛くないだろう?
[胸元から一度手を離せば、
彼女の頭を、そっと
幼子を慈しむようにして撫でる。
まぁ、ある意味彼女は“女”としては
生まれたばかりの赤ん坊みたいなものか。
今、オレが彼女に教えなければならないこと。
彼女は──セレスタイトは
もはや天使ではないということ。
そして、彼女が“女”であるということ。
それを理解させるためには……その身体に、
直接教えるのがやはり一番良い]
……ん、少し邪魔だな。
[しばらくして、頭を撫でていた手を離すと
ぱちん、と小さく指を鳴らす。
途端、彼女の下肢を覆っていた衣服が忽ちのうちに霧散する]
恥じることはないさ。
セレスの身体はとても綺麗なのだから。
[一糸纏わぬ、その白い裸体に指を這わせる。
ふと、彼女の青い髪に飾られた花を一瞥すると
這わせた指とは反対の手でそれを摘んで。
その花弁に軽く口づけたあと、
彼女の喉元ヘと宛てがった。
しゅるり、衣擦れの音と共に
首のあたりに拘束感が感じられたかもしれない]
[見てみるか?
と首を傾げてみせれば、
天井を仰ぎ見てから呪を唱えて、
天蓋の中、頭上に鏡を出現させる。
──……一糸纏わぬ白い裸体に、
首に花飾りのついた黒いチョーカーを巻いた青い天使が、
天井の鏡には映っていたことだろう。
とても綺麗だ、と
鏡に映る天使と同じ青い髪の耳許に
そう甘く囁いて。
その頬にそっと一つ、キスを落とした]*
――いい……こと…?
[ 組み敷かれた姿勢のまま見上げれば
相手の身体は実際より、遥かに大きく感じる。
堕天する前の彼と、戯れ合うなどして
もし今と同じ体制となったとしても
このような威圧感を感じはしなかっただろう。
受肉により体格差が出来たのも、もちろんある
けれど、原因はそれだけではない。
男女の差、そして何より―――]
心まで
堕ちてしまったのですね……
[ ぽつり、呟いた言葉は
衣擦れの音に掻き消され]
[ やわやわと触れられるたび
刺すような痛みの中に
なにか痺れにも似た擽ったさを感じる。
食いしばったままの唇から洩れる息が
次第に荒くなっていくのを
気のせいだと決めつけていたけれど]
や、 ひゃ…ァッ!
[ 頂きを摘まれ、身体が弓なりになる。
全体に触れられていた時とは違う
針のように鋭い刺激。
針で刺されたなら、痛みを感じただろう
けれど、彼の指先からもたらされるのは
痛みよりも、もっと甘く恐ろしい何か]
……なぜ、痛みをなくすの?
服従を求めるならば
痛みを与える方が容易でしょう……?
[ 手を離され、自由になった胸元
痺れるような感触も、痛みも
徐々に消えていこうとしているのに
触れられていた場所が、奇妙に熱い。
節の長い指に髪を撫でられたなら
それ自体、憐れまれているようで
痛い方がまだよかったと
弱々しく言い返してはみたけれど]
[ ―――パチンと指の鳴る音がしたならば
脆弱な抵抗も、瞬く間にかき消され]
恥ずかしがって……なん、か
[ 精一杯の虚勢。
性を持つ前ならば、裸身を見られたとして
それは、神から授かったものなのだから
恥じ入ったりなどしなかっただろう。
けれど、女となった今
他でもない彼の視線に晒されることが
何よりも耐え難く思えて]
―――……?
[ 肌を弄る指の感触に
さざ波のように肩が震える。
何をされるのだろうかと
怯えを孕んだ瞳で彼の動作を見つめていれば]
[ 耳元で髪が揺れる感触と共に
一瞬、花の香りを強く感じた。
花飾りが外されたのだと気がつけば
そんな場合ではないというのに
褥の中、きょとんと首を傾げ]
[ 衣擦れの音と共に、首元にうまれた拘束感。
恐る恐る首筋に手をやれば
そこにあるのは柔らかなリボンのようなもの
拘束感はあるけれど
不快とではないそれに、瞬きを繰り返し]
―――ええ……。
[ 己の体を見ることに抵抗はあった。
それでも、首に巻かれた物を確かめたくて
問う声に、小さく頷き]
[ 天井から吊るされた鏡に映し出されたのは
無防備な裸身を曝け出した自分の姿。
記憶にあるものより細い手足は
力を加えれば容易く折れてしまいそうだと
自分のことなのに、思うほど。
髪よりも少し濃い色をした茂みの上
へこんだ腹部と、薄桃色をした頂きを持つ双丘
そして、その上に天鵞絨でできた黒のチョーカー
頬へ口づける相手の姿を鏡ごしに見つめて]
……この花は、好き。です
[ 特別というものなのかはわからない
けれど、天使として最後に訪れたあの村で
祭壇に飾られていた花だから。
戻れなくなってもなお咲いていてくれる
三色菫の花弁を指先でそっと撫でた*]
…どう、なんだろうな。
[──心まで堕ちてしまった。
彼女のそんな言葉に苦い笑みを浮かべた。
自分では、よくわからない。
天界にいた頃のことも
あのひとや、他の仲間たちと過ごした日々も
忘れたことはない。
変わってしまった、というよりも
天界では経験することのないものを見たり聞いたりして
成長した、という方が自分の中ではしっくりくる]
……心も姿かたちが変わっても
それでも、変わらないものもあるさ。
[それは、あんたにとっては受け入れ難いことかもしれないけど。
口の中でそう、呟いてから]
痛みを与えれば、
その分セレスはオレに反発するだろう?
憎んだり恨んだりできるだろう?
肉の身体を持つ者というのは
痛みや空腹、不快感に抵抗することはできても、
その反対にある快楽に抗うことは難しい。
[まぁ、難しい理屈はともかくとして。
──…「彼女を守ってほしい」
「幸せになってほしい」
それは、堕ちる前のあのひとが、
かつてオレに望んだこと。
だから、痛みや苦しみで彼女を服従させるより
溺れるほどに甘やかして、そうして自分のものにしたい。
それが……かつて彼女を愛していた、
あのひとの望みを叶えることにもなる。
実際はどうあれ、今の自分はそう考えている]
[天使としての名を奪い、衣服を奪い。
鏡を通して女と化した身体を
彼女自身に見せつける。
そういうつもりで仕組んだ行為に
彼女は殊の外、意外な様子を見せた]
……へぇ。
[好き、と確かに彼女は口にした。
先程の「花が好き」と言う言葉とは
少しばかりニュアンスの異なるその言葉]
それは良かった。
セレスに好きだといってもらえて
この花も嬉しいだろうよ。
[これから、もっと色々なものを見て聞いて、
そうして神の使徒としての愛ではなく、
彼女自身が“好き”なものも増えてくるのだろうか。
その日を思うと、なんだか堪らなく愛おしく思えて
その頬にもう一度、口づける]
[鏡越しに彼女の裸体を見つめながら
控えめな双丘とその頂を撫で上げ
鳩尾から下腹部にかけてのなだらかな曲線に
掌を滑らせる。
掌が触れた場所から順に
内側から温かな熱を帯びていくことに
果たして彼女は気づいたかどうか。
やがて、下腹部の柔らかな茂みより
少し上のあたりに掌を置くと]
此処に、何があるかわかるか?
子宮という、人の女が子を宿し
育てるための器官だ。
とはいっても天使が子を成すことはない。
専ら、快楽を享受するための器官、
ということになるな。
[やわやわと、擦るようにして下腹部を撫でる。
そのたびに内側からぽかぽかとした
ぬるま湯に浸っているかのような熱が彼女の身体を侵してゆく。
しばらくして下腹部を撫でていたその手を離すと
ちょうど子宮の真上のあたりに
薔薇の花の蕾を模したような紋章が描かれているだろう]
この花は、セレスの快楽を元に育っていく。
セレスが女として感じるたび、
それを糧として少しずつ花を咲かせてゆく。
それだけじゃない。
その蕾が花開けばその分だけ
花を宿した身体が感じる快楽も
増大していくという仕組みさ。
[要は淫紋の一種である。
試しに、と胸の先端にある薄桃色の蕾に触れて。
そのまま二つの蕾をきゅぅと摘んで刺激を与えてみせた]**
[ 魔族は敵。憎むべきもの
捕らわれた今でも、その思いは消えてはいない
むしろ強まったと言った方が正しいけれど。
天の光の中にいた頃の彼のこと
射干玉色のその翼を最初に見つけたとき
夜闇の色は生き物を眠らせ、休める色だと
そう思った記憶は今も変えられなくて
いっそ、心底から憎んでしまえたなら
刺し殺したいと願えたなら楽なのに
そう思いはするけれど
痛みすら与えるつもりがないという
おそらく本心からであろうその言葉に
瞳が揺らぐのを感じれば、ただ静かに瞳を伏せ]
[ 完全なる裸身ではなく
ただ一つチョーカーだけを纏った姿。
女としての身体を、見せようとした彼の思惑も
この姿にどの様な意味があるのかも、わからない
けれど、咲き誇る花を消さないでくれたこと
それが堕ちる前の彼のことを
思い起こさせるものでもあったから]
―――……
[ 組み敷かれている現状を思えば
ありがとうなんて言えない。言えやしない
それでも、頬に触れる唇を受け入れることにして]
[ 掌が素肌を這う感触に、ぎゅっと瞼を閉じる。
一人分だけの闇
曝け出す光より、覆い隠す闇を選びとれば
双丘から頂へ、そして鳩尾から下腹部へ
下へ下へと順繰りに、輪郭を撫でる感触に
知らず、小さく息が洩れていく。
指が離れても感じる暖かさ
その暖かさに安堵感を抱きそうになり
それではいけない、と痛いほどに己の手を握る]
―――かいらく、を
享受する、ため の?
[ 子を孕むことがないのならば
なぜそのようなものがあるのだろう
いっそのこと、穢れた瞬間に身体ごと
塵となるようにできていればよかったのに。
教鞭を取るものが生徒に教えるような
説明じみた物言いに
反抗心より先に疑問が生まれたけれど]
[ 下へ下へと流れていく手の動き。
輪郭を確かめるようなその動きが
一箇所に落ち着けば、瞑っていた瞼を開き]
それ……は?
[ 下腹部の辺り。
ちょうど、『子宮』という器官がある位置に
先ほどまでなかった模様があるのを見つけ
溢れるほどに目を見開く。
薔薇の蕾にも似た形の、赤い模様。
一見すると飾りのようなそれは
けれど、ただの飾りではなく]
そんなもの……いらない
消して、ください
[ 快楽を識れば識るほどに花開くという
おぞましい特性に瞠目する。
これ以上、穢れたくないと
彼の腕から逃げ出そうとして]
[ 薄桃色の頂きを摘まれ
声にならない悲鳴を上げる。
刻まれた紋章のせいか
それとも先程からの肌への刺激のせいか
痺れるような感覚は、今までよりも格段に大きくて]
――ッ、やァ……っ!
[ 逃れようと身をよじれば捩るほど
下腹部に疼くような感覚が生まれる。
やめて欲しい。と、唇を動かして
ぎゅっと脚を閉ざせば
体の奥の方から生暖かい何かが
滲み出るような感触がした**]
……。
セレスはこの建物の外がどうなっているかわかるか?
[此処が魔界であるということは先程説明したか。
数瞬の間が空いた後、唐突に話題を転換した]
この建物の中と周囲とは魔王の結界によって
天使たちは護られている。
逆に、一歩外に出ればそこから先は魔物たちの領域だ。
魔界の魔物がどんなものか、
セレスはまだ見たことがないから知らないだろう?
あれはなかなかに恐ろしいものだぞ。
俊敏で獰猛で、ただの天使なんてひとたまりもない。
[苦い笑みを浮かべながら
滔々と昔話を口にするように言葉を紡ぐ]
[──今思い出せば、それはあまりにも無謀だった。
策も何もなく、ただ身一つで天界を後にしてからすぐ、
魔界を彷徨っていた魔物の群れに襲われた。
権天使たちのように戦いに慣れているわけでもない、
ただ地上と天界とのあいだを行き来するだけの天使が
魔物たちに抵抗できるわけもなく。
必死で逃げた。
片翼を千切られながら、血を流しながら。
自分の身体が変わりつつあることにすら
気づかないまま、ただただ死ぬ物狂いで。
それでも、魔物たちは逃げる此方を追いかけてきた。
奴らにとって、あのときの自分は
これ以上ない極上の獲物だったのだろう。
──…オレはただ、あのひとを探しにきたのに、
それすら果たせずにこんなところで死んでしまうのか。
血を失い、熱を孕んで朦朧とする意識の中で、
そんなことを思った。
あのとき感じた恐怖と嫌悪は忘れてはいない。
そして、彼女には同じ想いを味あわせたくはないな、とも。
快楽と幸福と、気持ちのよい何かを
ただ心地良いものだけを、彼女には与えてあげたいから]
……リエヴル、親父殿が助けてくれなかったら
こうしてセレスに再び会うこともなかったろうな。
[彼女にとって此度の再会が
良いものであったかどうかは別にして]
この命は一度、魔族に拾われたものだ。
だからというわけではないが…魔族の中にも
話のわかる奴はいる。
今、ここにいる奴らがそうかと言われると、
……まぁ、なんともいえないが。
[少なくとも、先程から聞こえてくる会話は、
彼女に聞かせるにはまだ色々と早い]
[裸身にまとったチョーカー。
そこに飾られた一輪の花に、彼女は『思い入れ』を
抱いているように見える。
その『思い入れ』の中身を察するまでには至らなかったが。
魔術によって加護を与えた、三色菫の花飾り。
彼女の首に飾られている限りは、
どれほど激しく動いても乱暴に扱われても、
その可憐な花びらを散らすことなく
甘い香りを放ち続けるだろう]
……。
[一輪の花の中に集う三色。
それは遠い昔、自分たちがまだ変わらずにいられた頃を
なんとなく思い出させるもので。
……彼女が、同じ事を考えているとは思わぬまま
その柔らかな頬に口づけた]
ああ、そうとも。
子を産み育てる喜びと共に
神が、人間の女たちに与えた恩恵だ。
[絹のような肌触りの彼女の身体を
執拗に撫で上げながら、
頑なに瞳を閉じたその耳朶に甘く囁きかける。
この快楽は神が与えたもうたもの。
穢され、肉の身体を得た天使たちにさえ、
神はこうして、快楽という名の慈悲を
与えてくれているのだと。
ぽかぽかとぬるま湯に浸ったような温もりと
瞳を閉ざしたことでより鋭敏になった聴覚。
首元から漂う甘い花の香り。
そして、下腹部につけられた薔薇の印。
少しずつ、しかし着実に
彼女の魂を絡めとるための準備は進んでいた]
[自らの身体に刻まれた快楽の花。
嫌がるように腕の中から逃げ出そうとする
彼女の華奢な身体を抱きすくめて]
逃げられると、思ってるのか?
[体格差は一目瞭然。
薄桃色の頂を摘みあげれば、
声にならない悲鳴がその小さな唇から毀れる。
薔薇の効果も手伝って
先程よりも強く感じられるであろう快感に
身を捩じらせる様が、なんとも愛らしくて仕方ない。
懸命に脚を閉ざそうとするのを
強引に割り開けば、そのまま下肢のあいだに
身体を入り込ませて。
そのまま、青い茂みへと手を伸ばす。
花の香りとも違う甘い匂い。
女の匂いのする茂みに掌を押し当てて。
その奥にある女の入り口に指先を差し込めば
くちゅり、とくぐもった水音が響いた]
これが何か、わかるか?
[水音を響かせながら指先を動かして
彼女の女の器官の、その入り口をなぞりあげる。
そうしてひとしきり愛撫したところで
その頂点にある真珠のような秘芯を探り当てれば
そのまま強くそこを摺りあげた]*
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