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……
[冷蔵庫の食事を取り出して、温めるものがあるならば温めなおしてからテーブルに置く。
そのまま優莉と共に食事をするのなら台所に戻っただろう。
一人食事をするのであれば、対面に座ってその様子を眺めもしていただろうが]
食べたら片付けがありますから。
[問われれば淡々とそう答えるだけだ。
彼女自ら片付けようとしても『後輩の仕事です』と頑として聞くことはなかっただろう。
……昴には様々な感情を抱いている。
好意も嫌悪も憧憬も羨望も思慕も軽蔑も──も
それらの相反する感情の波は、彼女に対する女の距離感にも顕れる。
だからだろう。少なくとも『一人で食事は寂しかろう』などという変な気遣いや、『寝るまでは一人にさせたくない』という心配心をそのまま見せられる程には素直な接し方はできなかった。
結局普段の仏頂面で、ただ食事を眺めているだけだった。]*
─ 朝 ─
[朝は昨日程早くというわけにもいかず、普通に目が覚めた。
日助に驚かれた体力とはいえ無限というわけでもない。
疲労は幾分残ってもいる。]
……
[起き上がって窓際から差し込む朝日をぼんやりと眺めてから部屋を見渡す。
昨朝にあった直の荷物がいつの間にか消えて、部屋の隅に不自然な空間を作っている>>527。
荷物がなかったのは寝る前の段階で気がついていたが、食堂でのジルとの様子を見た後ならば、不安は無論あったが“そういうこと”なのだろうと思うに留めた。
なかなか帰ってこなかった昴の件も然り、自身が気安く立ち入っていい話でもない。
そのどこか淋しげな隙間を暫し凝視し、再び空を見上げ……
小さくため息]
……先輩のほうこそ、あんまり寝てないんじゃないですか?
[カマかけだったが、ぐっすりというわけではなかっただろう。
ぶっきらぼうに言葉を返し、少し尖った口調になってしまったことを内心恥じて顔を見ることはできなかった]
……昨晩は遅くまで遊ばれていかれていたし、夜中も遊んでいたんじゃないかって思っただけです。
睡眠をよく取られたならなによ…
[言い終わらないうちに頭を撫でられれば、眉を微かに顰め…小さくため息]
私は大丈夫。これくらいで疲れていたらテニスできませんから。そんなやわな鍛え方はしてません。
[チラリと昴を見上げて、先ほどの自らの対応を詫びるように微かに頭を下げて]
お気遣いくださってありがとう。
でも、そのお気遣いは他の方へ…優莉先輩心配させちゃだめですよ。
[消え入る声で呟いた]
遊べるうちに…そうですね…
同じ日がずっと巡るわけじゃないですから、遊べる時には無理して遊ぶ考え嫌いじゃないで……ぅ
[項に伝わる感触に裏返りそうになる声を慌てて押し殺して]
……こういうときの先輩は…嫌いです。
[呟く声だったが、怒気やら困惑やらいろいろ混ざってかすれるような声色になった]
……誰にでもそういうこと言って。
思わせぶりなことして、期待させて幻想抱かせて……でも何もない。幻想は幻想…勝手に理想だけを魅せて…
いつだってそう。
……そういうところが大嫌い。
[離れて行く気配を背中で感じて、その気配が消えてから吐き出すように呟いた。
思い起こすはかの日のテニスコート。
惜敗の悔しさなど吹き飛ばす程の圧倒的な輝き。
県下で敵なしと漲らせた自信という名の慢心を粉々に砕き、空に舞い上がった眩い星屑。
出待ちして目を輝かせながら『次は負けません』と告げて別れて幾年月。
── 次は来るのだろうか? 噛み締めた唇は微かに血の味がした]*
……遅くなりました。
[生粋の生真面目な性格だ。今朝方昴に休めと勧められても、そうそう休むようなタマではない。
結局めいいっぱいバイトに精を出してから急ぎ足で戻ることとなる。
少し息を切って宿に戻った女は、透の姿を見かければ駆け寄った。]
おまたせしていましたか?
やだな。すごくはないよ。
私以外にも通しで働いてた人だっているし。
少しだけすごいくらいにしておいて。
[苦笑混じりに日助へ微笑んでから]
昨晩姿見なかったけど、しんどかったん?
ちゃんと休めたならいいけど、無理は禁物よ。
お子さんの遊び相手になってくれていたんですか?
お疲れ様です。
[見かけによらず面倒見が良いことはわかっていたので、店番は驚くこともなかったし、子どもの相手もしてあげることに違和感は別になかった。
くすりと笑えば、続く言葉に苦笑の色が混ざる]
女だろうが男だろうが待たせていい道理はないと思いますけど?
けれど…そうですね。次からは転ばないよう余裕を持って急いでゆっくり来ることにします。
ありがとうございます。
女子はあんまり釣りとか興味ないんですかね?
……ないかぁ…
私は別に後悔とかないです よ?
こういう機会とか滅多にありませんし、自分からこうしようああしようとかするタイプじゃないですから。
だから、行動力のある透先輩には感謝しています、
ん…精一杯楽しみましょう?
釣りはよく知らないので教えて下さいね。
[不安や寂しさや緊張で少し表情は強ばっていたかもしれない。
けれど努めて透に笑ってみせる]
私もそういうのはあまり…ギクシャクより平穏無事にいって欲しいですね。
何か…? とは。私も詳しくは知りませんので、むしろこちらからもなにかあれば聞かせて欲しいところですが……
って、そういう風にしてもらって喜ぶ年頃でもありません。
[思いは変わらない。誰だってこんな微妙な空気で夏の海など過ごしたくはないだろう。
何か力になれればと思う気持ちだってきっと……
彼の手荒な気遣いをさらりと躱すように手でそっと払って、それでも邪険そうというよりは少し嬉しそうに笑いもしたか]
[スマホを眺めながらホッとしたように安堵のため息がこぼれた]
東久世先輩たち来てくださるそうです。
え?涼香?
そうね…体調があまり良くないみたいで部屋にいたけれど…
森下君もやっぱり心配よね?
堤防釣りはありますけど、船釣りはないです。
よろしくおねがいします。ティーチャー。
[冗談めかして透に頭を下げながら、昴と優莉の姿を目に止めれば、心なしか嬉しそうにもしていただろう]
やっぱりそういうものなんですね。
[小さい船は相当に揺れるし酔うというのは話に聞いていた。
受け取った酔い止めを躊躇なく飲み込んで、それからこの中で一番身体の弱そうな日助を心配そうに眺める。
優莉も心配ではあったが、あちらには昴もいるし…そもそも自身未経験なところでそこまで余裕があるわけじゃない]
ヒラメ? そういうのが釣れるんですか? 船釣りだと。
本当…結構揺れるんですね。
[走りだした船で手近にあったものにしがみつきながら、おっかなびっくり海を眺めてみたり]
本当…真っ黒。吸い込まれそうな怖さってありますね。
[先の昴の言葉を今更ながら思い知る]
不吉なこと言わないでください。
私が先輩倒すまでは死んでもらっても困りますし、死ぬ気もありません。
転覆したらちゃんと泳いで帰ってきてくださいね。
[イワシを睨みつけながら、淡々と言い放つ。
人に頼る前に自分でやってみるのが信条だ、
餌づけは誰に頼ることもなく自分でやってみた。]
この頭に…こら暴れたらあかん! 余計痛いやろ?
[餌付の出来栄えは88点(自評価)]
……別に怖くありません。
今の先輩の顔のほうがよっぽど
[頭を撫でてきた昴をジト目で眺め>>813、出来上がった餌づけには満足そうにウンウンと頷いた]
お褒めに預かり光栄です。
[我ながらうまくできたと思っていたところに褒められれば>>831、気分も良い。嬉しそうにしながら透の手本をじぃっと見つめていく。]
……え?
[次に尋ねられた問いに、一瞬あっとした表情を浮かべてしまうが、流石にもう隠す気にもなれず]
関西ですよ。先輩もこちらの方ではないように思いましたが?
そんな風に?
どういう風にでしょう?
今も昔も私が見る先輩は変わりませんよ?
[しれっと曰いながらも、手慣れた様子で餌をつける様子には口が半開きにもなったか]
この完璧人間め…これだから…
[感情に任せて力を込めて仕掛けを放り込む]
別に疲れません。もう慣れましたから。
関西でだって普通に敬語くらい使いますよ?
[九州と言われればああなるほど…確かにイントネーションはこちらとも関西とも違う。東北の方の訛りもない。]
九州と言われたら、昨日の話とかなんとなく得心がいきました。ふぅん…先輩の生まれの方では漁も盛んなのですね。
随分お詳しいですし、港縁なのかしら?
え? ああ…方言は…別に恥ずかしいわけではないのですが、こちらでは目立ってしまいますから。
それに……いえ、なんでもありません。
[『可愛い』と言われれば、握った竿が不規則に揺れてしまう。
心許さぬままに自身を晒せるまでには勇敢でもなく…そうやって壁を作ってしまってることも自分でよくわかってはいたけれど]
先輩こそ、地の方が親しみある思いますよ?
ええ響や思います。
[竿の先を凝視しながら小声で繋げた言葉は、生まれ育った言葉で紡いだ]
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