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12人目、ウルケル海軍中尉 シロウ が参加しました。
ウルケル海軍中尉 シロウは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
-海上-
[死者には黒。
緊急治療者には赤。
治療者には黄。
治療に急を要さない相手には、緑。
自分の右手首に結んだ緑を見つつ、男はその向こうの海を見る。]
――シコンが落ちたってマジか。
はぁ、領主が投降、ねぇ。
[シコン港に停泊中だった艦船が攻撃を受け、沈んだの連絡には顔を顰める。]
あそこの領主って若い姉ちゃんだったか。
とんでもねぇ事してくれるなぁ。
[何人の命を手土産にしてんだか、と。]
[リオレ島近郊に待機中の巡洋艦。
小回りの効く船の方が好きだった。
もっとも好きなのは、肉弾戦ではあるけれど。]
――おい。
出撃指示はまだねぇのか?
シコン落ちたって情報来てんだ、そろそろだろ?
俺たちの海で相手さんに好き放題させる趣味はねぇぞ。
[誰かから飛んできた、苦笑混じりの、「落ち着け、先生」にはさらに不機嫌そうに顔を歪める。]
先生はやめろ。
何度も言うが、軍医としては船に上がってねぇぞ。
[海に視線を再度。
視線は、シコン港の方へ。
まもなく、出撃指示が下されるだろう。
それを待つ事にした。]
――……。
[帝国へ寝返る奴、いなきゃいいがねぇ、と、胸中で付け足した。]**
-回想/いつかの傭兵部隊にて-
俺が軍医やってねぇ理由?
軍医ってあれだろ、非戦闘要員で戦えねぇから。
――あ?
ヤブ医者だからだろう、って?
殴るぞ。
[新兵歓迎の宴の席。殴るぞ、の声と共に、軽口を叩いた同僚の椅子を蹴飛ばす。賑やかな笑い声が返って来る。
新兵の質問攻めを横目に、だらだらと。
酒を楽しむ。]
あと――そうだな。
軍医登録しちまうと、階級、どうしても上になるしなぁ。
小回り効かんの苦手だわ、俺。
一番楽なのは、これだしな。
[剣を構える真似をして示す。]
偉くなりたい奴や、そういう位置が向いてる奴は、大勢いるだろ。
そういうのはそういう奴に任せる主義。
まぁ、お前らが負傷したら面倒、“診て”やるよ。
[やっぱり知っている顔が死ぬのは、嫌だしなぁ。
その言葉は煽った酒と共に飲み込む。]
[父の死の際。まだ二十歳を越えたばかりだった男は、その右手首に赤い紐を結ぼうとした。
治療優先順位を示すもの。
父の教え。
恐怖と混乱の中、それでも、それを忠実に守ろうと。
「馬鹿者」と、父の明瞭な声。
顔を上げた男に、父は続ける。
「もう助からん。黒でいい」。
それだけ喋れるなら助かると、手首の赤い紐に視線を落とし、再度、父の顔を見上げ――その顔に既に生気が喪われている事に気付いた。]
[非戦闘要員なんて言われても、死ぬ時は死ぬんだ。
戦う力が無い事の、なんて弱さだ。
そして、助けられない事の無力さ。
戦う力、救う力を磨くしかない。
幸い、男には機会があった。傭兵の一員として、常に戦場へと身を置ける。
出世には興味はなかった。
望むのは、自分自身の力を磨ける場所。それだけだったから。]**
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