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[ 私の啜り泣く声がメイン・サロンに響き始めてから少しして
だんだんと涙が引いてきた私の頭を主人が撫でる。>>35
心から私の事を想ってくれているんだとわかるその表情は
私が鍵を壊した"こころ"の奥底から
忘れていた表情を呼び覚ます。 ]
[
ロー様にした質問はもう聞かなくていい。
何か事情がる事くらい私にもわかる。
いつか話してくださる時がくるかもしれない。
……そうであればいいと願う。
だから今はこのままで。
主人が"彼"でも"彼女"でも私は
────優しくて温かい"この方"を
護ると決めたんだ。
]*
──── メイン・サロン ────
[ 私の手が主人の背中に触れた瞬間、
主人を驚かせてしまった事がわかった。>>72
やはり触れない方が良かったか。
一瞬の間に後悔の念が生まれる。
けれど。
その後すぐに私を抱きしめる腕に力が入って
きっと主人は
────笑った、のだと思う。
顔は見えなくても雰囲気でわかる。
生じた後悔は瞬く間に消えていった。
その代わり、確かに嬉しさを感じていた。
静かに目を閉じ
この幸せを噛み締めて。 ]
[ つい最近自分が見とれた"ハナ"のようだと言われれば
"照れ"てしまうもので。>>73
少し頬を赤らめながら主人を見る。 ]
そっ…そんな事は…!
……この表情を引き出して下さったのはご主人様です。
全部…ご主人様のお陰なのですよ…?
[ いつしか主人が"時々でもいいから、笑って"と言った時>>3:231
私はそれを"命令"として受け取った。
けれどその時、主人は"望み"という言葉を使った。
考える事を放棄していた私にはその違いがわからなくて。
…いや、わかろうとしなかったんだ。
でも今なら違いがはっきりわかる。
あの時主人が何を思ってそう言ったのかがわかる。 ]
……ふふ。くすぐったいです…
[ 頬を撫でられればそう言ってはみるものの>>74
決して嫌そうな表情は浮かべない。
むしろ嬉しそうに笑っていただろう。
そうして主人の瞳を見ればその奥に何か
強い想いが灯っているように思えた。>>75
それが何なのかはわからなかったけれど。 ]
[ 主人に呼び方の事を言われれば、>>76
それにピクリと反応して"あっ"と声を上げる。 ]
カレルさま……
…はい…っ!カレル様…!
[ 名簿話を見て知ってはいたけれど
主人の口から出たのは初めてだった。
だから今まで頑なに"ご主人様"とお呼びしていたのである。
ちゃんとお名前を伺ってからお呼びしようと
そう"こころ"に決めていたから。
ようやく教えていただけた、とその余韻に浸って数秒。
カレル様はどんな顔をしていただろうか。
急に思い出したようにカレル様へと向直れば ]
先程、ソマリ様とツェーザル様が
"じんろう"である可能性が高いと言いました。
それには理由があるのです。
[ 少し長い語りの始まり。 ]
…セルウィン様を見つけたのは私でした。
血の臭いがして、それを辿って行ったんです。
その時セルウィン様の血は乾いていませんでした。
その後すぐに第1エリアでロー様にお会いして
カサンドラ様とマーティン様もいると
教えていただきました。
……つまり、第1エリアにいた方々には
セルウィン様を襲うのはほぼ不可能なのです。
だから、怪しいのは第1エリアで姿を見ていない
ソマリ様とツェーザル様だと思いました。
……クレメンス様は"じんろう"ではないと
私は信じているので怪しくありません…!
[ 長々と語る私の言葉を主人は聞いてくれただろうか。
最後の方は完全に私の意識の問題で
根拠なんてあったもんじゃない。
けれど信じているからと、伝わればいいのだが。
そして最後にふと──── ]
……そういえば、ソマリ様は何方に行かれたのでしょう…
[ 特に質問をしようと思ったわけではないのだが
ポロリと溢れた疑問。
その彼が向かった先で、血を流す者がいるとは知らずに。 ]*
[ それから少ししての事だっただろうか。
メイン・サロンにロー様が戻ってきた。>>86
そこにはクレメンス様の姿もある。>>94 ]
ロー様…!クレメンス様…!!
お帰りなさいませ!
[ とてて、と2人に駆け寄ってぺこりと頭を下げた。
"お帰りなさい"と言ったのはロー様がお戻りになったからだが、
少々不思議に思われてしまうだろうか。
何故、と問われてもきょとんとするだろうが。
クレメンス様に会うのは久し振りな気がする。
………なんだかお怪我が増えているような。 ]
……クレメンス様…そのお怪我、如何されたのですか…?
[ 心配そうにクレメンス様を見つめ、
暗に"何があったのか"と伺ってみた。
────金色の裏に隠れた闇には気づかぬまま。 ]**
──── メイン・サロン ────
[ 自分が笑えたのはご主人様のお陰だ、と言う私に
それは私が本来持っていたものだと言う主人。>>119
私はそれにえへへ、と笑う。
ねぇ、ご主人様。
ご主人様の"望み"が、私を変えてくれたんですよ…?
主人がいなければ、私は今頃暗い表情を貼り付けたままだったろうから。
今この瞬間が、とても"嬉しい"んだ。 ]
[ 私の考えを伝えると、主人とロー様も
その2人が怪しいと考えていたらしい。>>120 ]
ソマリ様がセルウィン様と………
そう、だったのですか……
[ ふと、この場にいない3人────
クレメンス様とロー様とカサンドラ様の顔が頭を過る。
3人は無事だろうか。
ソマリ様の行方はカレル様も知らないようだ。
少しの沈黙。
きっと主人と私で考えていることは同じだ。
────そんな時、ロー様とクレメンス様が戻ってきたのだった。 ]
[ 2人にお帰りなさいと駆け寄れば
ロー様は"ただいま"と返してくれた。>>137
その瞳に宿る闇には気づけぬまま。
クレメンス様に様を付けてしまった事に気づくのは
クレメンス様本人からのご指摘で。>>121
はっと息を飲んで"やってしまった"という顔をする。 ]
すっすみません……!つい……
以後気を付けます……!!
[ すぐに頭を下げる。…地面には座らずに。
クレメンス様が居ないところでは"様"を付けていたから
その流れで完全に油断していた。
…どうやら少し気が緩んでいるらしい。
それからクレメンス様の怪我を見つければ
カレル様もクレメンス様を心配して。>>132
カレル様が感じていた冷たい感覚は知る由もなく。>>122 ]
ツェーザル様と………ころ…っ………?!
[ 告げられた事実に驚いて目を見開いた。
殺し合い。
瞬時に、それは一歩間違えれば
クレメンス様が亡くなっていたのではないかと理解する。 ]
しに、がみ……
[ クレメンス様が教えてくれた、"じんろう"以外の危険なもの。
それが、ツェーザル様だった。
詳しい説明も聞いて、全部理解したかはさておき重要な事はわかった。
カレル様が私の思いを全部言ってくれる。>>135
ロー様もそれを後押しするように。>>137
私は2人の言葉に"そうですよ!"と言いたげな顔でこくこく頷いた。
クレメンス様の真っ青な寝顔が思い出される。
あの時も、何かあった事は間違いない。
……あの表情は、もう見たくないんだ。
ツェーザル様がNルームに運ばれた。
彼は"じんろう"ではなかった。
そこから推測される事は一つ。>>135
────私もカレル様と同意見だ。 ]
[ それから少しの間、3人のやり取りを聞いていた。>>138
"また会えて嬉しいよ"という言葉にも違和感は覚えず>>139
むしろロー様もクレメンス様もご無事で何よりだと思った。
そして、ロー様がカレル様と私に向かって話し始める。>>140 ]
────?
[ 何が言いたいのか、わからなかった。
わかりたくなかった。
だから不思議そうな顔をしてロー様を見る。 ]
[ 湧き上がった疑問に知らん顔をして
黙ったまま、話を聞いているのだ。
ただ真っ直ぐにロー様を見つめて──── ]*
奇妙な乗客 ヴィクトリアは、管理部 ソマリ を投票先に選びました。
──── メイン・サロン ────
[ じろりとクレメンス様を見ていたけれど、
"お詫びに"と言われれば"えっ"小さく声を上げる。>>155
こいてんし。
死神と同じように、"じんろう"以外の危険なもの。
まさか、マーティン様だったなんて。
ちょこれえとをくれた時の彼の顔が浮かんで
────崩れた。
クレメンス様がここで嘘をつく理由もないし
何より信じているから
どうしてわかるのかと疑問に思う事はない。
そうしてクレメンス様がバーラウンジへ向かうのを
主人とともに見送った。>>156,>>160 ]
[ 不思議そうに見上げた私に薄く笑うロー様。>>166
"誰だと言いたいの?"と問うカレル様は>>164
なんだかもう答えを知っているように思えた。
"じんろう"は1人ではない…?
だとするなら、他に"誰"が?
考え始めると同時に、ロー様が答えを出した。>>167 ]
[ 時が止まった。
彼の言っていることがわからない。
わかりたくない。
嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだいやだ
聞きたくない。
聞きたくない!!
何故こんな質問をするか?>>169
わかんないよ。
耳を塞ぎたい。
叫びたい。
でも、体が動かない。
また息が、苦しくなる。 ]
[ カレル様の方を見ればその視線が何かを言っている。>>198
わかる。
きっとカレル様は私を心配して、今は動かないでと言っている。
それに僅かに頷けば2人の話に耳を傾けた。
ぱちぱち、と乾いた音が響いた。>>189
意識がそちらに向けられる。
誰だかわからない人の声が聞こえる。
嫌だ、いやだ、どうして貴方が。
どうしてそんな顔をするの。
怖い。知らない。知らないよ、こんな人。
けれどその鋭い爪がカレル様へ向けば、
もう何も、考えない。
その腕めがけて飛びつこうとする。 ]
やめて……ッ!!
[ さて、間に合っただろうか。 ]*
────?
[ 貴族と奴隷の契約の文化がなんだと言うのだろう>>190 ]
[ "彼"がカレル様に近づく ]
[ カレル様を護れるのなら私は死んでも構わない>>191 ]
[ 私はじっと2人を見つめる ]
[ 何を話しているのだろう ]
[ 手が振り上げられる ]
[ ────っ! ]
[ 私の飛びつきはどうやら間に合ったようで
鋭い爪は空を切る。>>210
ホッとしたのも束の間。
彼の言葉が私に突き刺さる。 ]
………っ、…私は、決めました…
カレル様をお護りすると…!
ならばカレル様に向けられた"刃"を防ぐのは
当たり前のことではありませんか?!
[ ロー様が"守って"と言った言葉の意味が
私の護ると違うなんて、気付けるわけがない。
"先に死んでみるかい"と言われれば
その言葉に一瞬ひるんでしまう。
だから、私へと向かう"刃"を避けることなんてできなくて。 ]
────────ッ!!
[ 声にならない悲鳴と共に噴き出す鮮血。
立っていられなくてたまらず床に倒れ伏す。
燃えるような痛みに視界はだんだんとぼやけて
けれど、最後に力を振り絞れば ]
カレル様、お逃げくださいッ!
[ そう叫んで。
彼がカレル様の方へ向かおうとするなら
その足を掴もうと試みただろう。
そうでなくても、焦点の定まらない瞳で彼を睨みつけて。
そのまま意識は闇に呑まれていった──── ]*
────────────────────
ここはヴィクトリアの部屋。
シルバー・メリー号客室の一つ。
物音一つ、時計の音一つしない
しんと静まり返ったこの部屋に
ヴィクトリアの私物などない。
────…いや、一つだけあった。
テーブルの中央に置かれた紙コップ。
その中に入れられた、一輪の薔薇の花。
既に元気をなくしているその花は
花びらがたった一枚付いているだけだ。
先に本体から離れた花びらは茶色く変色し
コップの周りに散らばっている。
" "
最後の花びらがはらりと落ちた。
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