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— 湯殿 —
──リエヴル
[名を呼ばうのは…なんだった?
梟はかまわない。
男の唇が投げる戒めに]
私達は、争事は苦手でね…
貴方の魂にも一門にも、無粋はせぬが
[氏族をもたない梟は憧憬に潤む瞳を細めた>>6:+126]
………この宴は一夜の幻と 心得よ
[湯面が波立った。
膝をとられバランスを崩しながら立て直すこともせず、
一方で伸ばした腕はリエヴルの首に巻き付く。
対流が吸い寄せる体は、薄布を撓め密着せて]
あらがうか?
私達に手をかけ、 この身を
[重なる肌の熱が疼きを報せる。
首を傾げ、白くなだらかな肩口を露に微笑った。
鎌首を擡げる蛇へ己の危うきを 晒し触れさせる]
— 地下迷宮 —
[羽音一つを先触れに、梟は舞い降りる]
タクマ
貴方のゲームは終わった。おめでとうと言うべきか
餞別に何か求めるか?
私達は罰を定めない
罪を真に罪と知るのは己自身のみ
ただ私達は赦しを伝えるだけ
[歪む唇>>+26を眺める紅は愉しげに柳眉を上げ]
刃物か
[手を伸ばす。
その先にガーネットを彫り出したような紅のクリスナイフを喚び、熊の手元へふわと舞わせた]
なるほど、聞いた。
そのこころざし歌う声もまたうつくしい
[ゆったりと瞬いて、自らの口許へ曲げた指をあてがう。
考えるような間は、彼の求めた罰>>+36を見届けるため]
…
[噴き出した血へ微笑んで、掛かったそれを舐めた]
私達は罪を定めず
私達は罰を定めず
だが、許しを定めるのは私達。
私達であって貴方ではないよ、タクマ
貴方を許せない貴方は、私達にひれ伏すべきだ
[倒れた男は
死して死を望む、生ける屍。
その体に覆い被さって、刃の貫いた喉へ舌を寄せる。溢れる慚愧を啜る]
良い味だ
複雑で深い、だが、…
貴方は何故、誓いを破った?
その沈黙を破らせ、
あけぼのの言葉を聞かせたのは誰だ
忘れていたとして、思い出させてやるのが親切なのかな
[小さく笑んで、唇を舐めた]
……
[まだ声を聞く気はあるらしい。
血泡を舐めとり、傷口をこじ開けて深く吸う。
死を死とする下り坂]
では、守りたいと思った友はどうなった?
おまえが守れなかったと断じる友が、何の為にそうしたか
今どうしているのか
知らぬのならば、教えてやるのが親切なのかな
やれやれ、私達の選んだ宴で死ぬ吸血鬼が出ては…
私達も終わりか
是非もないことだよ
[笑って、服の裾を掴む指>>+68を剥がした。
更に奥へ、引き出すように牙を埋めればいつしかナイフの傷よりも深く]
あの子犬ちゃんは貴方を守る気で、
愚かにも望まぬままで道を歩んでいるのだよ
最後に見た時は…さて…心臓を私達に差し出したのだったか
それでは貴方に殺されるようなものだよね、タクマ
貴方が誓いを破った相手も
いずれそうなるのかな
今、貴方を追ってここへ向かっているのだけど…
あれは怖い魔獣だからね。
貴方が死んだと知れば暴れだすかもしれない、そうなれば次は千年では済まない刑を受けるだろう
[ズタズタに赤を晒す首をまだ抉り啜りながら、
愉しそうに言葉を滴らせた*]
― 湯殿 ―
[紅の帳のうちで、
猛禽の眼差しは、ずっと見ていた。
その耀変する虹彩を。虹の暈天を彩る、彼の知らなかった欲の色を。
楔穿つを許し、
身引き裂くを許し、
稀なりし血得るを許す。
血の交わりこそ至上の悦び。
満ちた浴槽は紅に染め変えられる。
いつか猛禽の嘴は、欲しいものへ伸びる。
その光彩、その虹彩。…その忠が欲しかった。
リエヴルの右の眼球に接吻けて、深く牙を立てた*]
— 地下迷宮 —
[最期の痙攣を始める喉>>+94へ深く食らいついて、
ゆったりと瞬く紅の瞳は立ち尽くす影>>+86へ流し目を送る]
静かにしていなさい
これがひれ伏すまではね
[セルウィンの耳元に囁きを零して、
消え去る間際の魂の慄きを楽しんだ]
[消えなんとする心、滾る魔物の自我。
心の動きは味の揺らぎ、
口中に掬い上げる血味が翻転する]
…おや、
[跳ね上がった腕が両腕を掴む>>+96
赤く染まった梟の唇が淫靡に笑むのと、尖鋭な牙が襲いかかるのが同時]
死ぬのはやめるかい?
自ら定めた罪を負って、永遠を歩くの?
消えてしまえば最早何も感じずに済むろうに。
貴方の血親も喜ぼう、養親の血槍がこのまま無為に消えてくれれば
[牙は梟の肌を破って微かな痛み、悦びを生む。
初撃を深めるのは許さず、紅の翼が羽撃いた]
[咎人の胸に刻まれた茨の紋様を呼ぶ。
即座に発動する呪いを助けに、紅は身を浮かせ]
……
[掴む腕から逃れた梟は、届かぬ上空に浮上して首を傾ぐ。
傷から喪った血は僅か、
ひとつ瞬けば痕も残らない]
…
[茨の檻に捉えられた男の首、
嘴が彫った肉の華も、巻き戻すように消えた。
クリスナイフで突き刺した深手だけを残し*羽音を立てる*]
子犬ちゃん。
先程捧げてくれたものは、どうやら私達を満足させられなかった
今度は言いつけ通り、うまくやるのだね
— 湯殿 —
[肉体を征服される悦楽。
血が流れ、循環のウロボロスは牙を介して熱く甘い血を啜る。
同族喰らいは己を世界とを繋ぐあえかな舫い、満ち足りることない欲のまま戦士の躯を貪り、絡み合った]
……ああ…
[胸に迫る情動に浸る瞳が、
滑り入る銀の雫>>+92に笑んだ]
まだ…まだ甘さが足りぬよう
望むままもっと深く甘く、引き出して
私達にも甘い光彩を見させてくださるか…?
[とろめく紅の湯を足先が割る。
湯の底に揺蕩う金の瞳へ、赤い舌へ、爪先を伸ばした]
『それとも、蛇の
彼を抱くよりも私達に抱かれたい?』
[戯れ言を滴らせる泡沫は水底に沈む*]
どうにも
私達は甘やかしが過ぎていけない
[茨の檻を去らせた後。ほとんど嘆息のように呟いて、
梟は装飾の梢に一度羽を休めた]
…我がことながら、いつかこれが身を滅ぼすようだよ
[ほぅ、と低く鳴いて、
若き青銀の君>>+128へ首傾げ、翼を少し広げてみせた]
御機嫌よう、狼の
少し熟れてきたようだね
[身を傾け、隣ある大鴉の胸へ幾度か頭を擦り付けて、
紅の翼を広げる]
……これも私達の有り様、だけど
翼もがれたいと思いもする
[遠くある熊と仔狼には視線もくれず、羽音を残して消えた*]
― ダンスホール ―
[黒に紅さす燕尾服。
演者の手をとり、舞踏場の中央へ>>53]
恐れることはない。
音楽が聞こえるね?
力を抜いて、委ねることだよ
[尻込みするを意に介さず
腕を組み腰を引き寄せ、妙なる弦の四重奏に乗って滑らかに踏を刻む。
蒼天に舞う踊手達と、華やかな遊興の楽。
幻影の宴はしばらく続いた]
…
[話し出すテノールの詩の響き。
遮ることはせず微笑を湛えて、水中を泳ぐような優美なターンを踏んだ]
[仮説>>59を聞き終えても梟の唇には穏やかな笑みが宿る。
ダンスは終わり、
夢の残滓のように最後の和音がホールに残響した。
見せぬ思考の水底。
猛禽の瞳は紅く艶めく]
………
[膝をつき身を捧げる、かつては神の隷だったこともある者。
けれどその心も魂も今は神ではないただひとつの存在へ向いている>>65]
おられるよ
[問に淡と返し、
触れた首筋へ口付けを。どこまでも優しく慈しむかのように。
やがて脱力して傾く体を抱き上げ、額へ唇を寄せた]
私達は、貴方の を羨むのだよ アルビン
[ソファに横たえた胸の上、大粒のガーネットを賜う。
紅を封じ込めた煌石は
提げられた乱鴉侯の紋章へ触れると、
清冽な果汁秘めて満ちる 紅柘榴の実へ変じた**]
— 湯殿 —
[肌の上を蛇鱗が滑る触に、背を撓らせた。
それすら縫い縛るように巻き付く抱擁、絞め出される息が笑みを刷く。
立ち上がる腰へ下肢を絡め、蛇の背を愛撫する。
紅翼のかいなを畳み諸共に抱いた]
遊びに容赦など必要か
これは一夜の夢なれば…
私達は貴方を平らげる夢をみたいのだよ
[矯む目へ舌這わせて色を盗み、
爪をリエヴルの後頭部へ添えて首元へ誘った。
牙立てよ
たいらげよ
その切先で穿ち、白銀の牙に穿たれて、 より深く甘く]
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