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― 2年とちょっと前:村長邸の一室 ―
…。
……。
………はい?
[ 間の抜けた声がでた。 ]
[ それはあと一月で16歳になろうというある日のこと。
食事の席で唐突に切り出された。 ]
『16歳になるのだから、もう頃合だろう。そろそろ結婚を考えなさい。なに、相手は家柄のしっかりしたのを何人か見繕ってある。』
『そうね、寂しくなるけれどきっと綺麗な花嫁姿が見れるわ!ひ孫の顔も早くみたいしね。』
―――え?
[ 言葉の意味が頭に染み込むのに時間がかかっている間に話はすすむ。 ]
『私、遠いところにお嫁に行って欲しくないの。だからできればここか近隣の村にしなさいね。』
『ああ、それもそうだな。とりあえずゲルトはどうだ?年も近いし。資産家で村の名士の家柄だ。一人息子なのも都合がいい。
実はゲルトの父親にはもう話しを通してあって―…』
ちょ ちょっと 待って!
待ってください、おじい様、おばあ様!!!
結婚なんて早いです!それにゲルトって…
(ゲルトってあのゲルト?あの昼行灯のゲルト?あの楽天家の?あの能天気者の?)
[ 子どもの頃はさんざんにパメラをからかった者の一人で、今も会えば軽口くらいは叩く。
嫌いではない。かと言って好きではない。いや、好きは好きな方かもしれないが恋愛感情では絶対無い! ]
[ それが今日になって急に結婚して子どもを産めとは! ]
『あなたには両親がいないし、私たちは年寄りだもの。早く結婚しておくにこしたことはないのよ、ねえ?』
『そうだ。愛情などは添うてから育めばいい。』
そ それよりも、わたしよりも! そう、伯父サマは!?
伯父サマが結婚されてません!順番的に言っても!
『あれにはあれで薦めているんだがね…』
[ それまで黙って食事を薦めていたヴァルターがここで初めて顔を上げ、「おいおいこっちを巻き込むんじゃねーよ」とでも言いたげに一瞥をくれた。 ]
― 教会:尖塔の上 ―
[ なんだか終わり(>>+9)が近いような気がして、ここにきてしまった。 ]
[ ここからは村がかなり遠くまで眺めることができる。
宿屋もパン屋も花屋も図書館も牧場も農場も学校も村長邸もゲルト邸も。遥か遠く、樵小屋も。 ]
[ 果たしてこの景色が見たかったのだろうか、自分は? ]
…。
…これもちょっとだけ、ちがう。ちょっとたのしいけど。
[ 遠く、緑の旅人と連れ立った少女がどこかへ歩いているのが見えた。(>>5:+45 >>+4) ]
[ 追いかけてみようかな…と思ったとき、片脚の男が歩いてくる。よく見ると、教会までの道程に、紅い点がぱらぱらと雪に跡を残していた。それを辿るように。(>>11) ]**
[ 十字架に腰掛けて脚をぷらぷら。 ]
♪ さあ 眠りなさい…
♪ 安心して 不安は忘れて
♪ 君が眠ればいとおしい
♪ 瞳を閉じている間 ずっと守ってあげるから
♪ 眠る子の そのなんと可愛いことか…
[ 子守唄を歌いながら、自分で欠伸をひとつ。 ]
ふわぁ… **
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