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― 回想・一ヵ月前 ―
[わたしが白狼騎士団に志願したのは、ゾネス要塞の内情探りのためだった。
いずれは難攻不落と呼ばれた要塞を掌握し、北からの侵略を可能とするのが目的だった。
しかし、わたしが赴任して直後に、あろうことか
ちょうどその頃、この国では国王が次期王位継承者を一ヵ月後に指名すると発表があったばかりだった]
一体何のつもりかしらね。
王子サマが自分の国を売ろうだなんて。
[密偵仲間からその話を最初に聞いた時は、冗談かと思った]
もしかして、次の王様に選ばれないことが分かって、ヤケになってるのかしらね?
[だとしたら、あまりに稚拙な理由だ。
実際に聞けば、もっと深い事情があるかもしれないが、個人的な恨みつらみに国の民を巻き込んでいいはずがない。
しかし、こうした君主が過去の歴史上に存在するのも事実。
同情を向けるべき先は、この国の民だ]
[果たして、わたしの任務はゾネス要塞の内情探りに加えて、手に入れた図面の真偽を確認することだった。嘘の情報を掴まされていないか、裏を取れという意味だ。
元々の図面があれば、内情探りもたやすい。一ヵ月も滞在すれば、図面の情報は偽りなしという結果が出た]
国防を売り渡す王子サマ。
ただし、見返りを求めるわけではなく、ただ純粋に自国の壊滅を望んでいるよう。
……怖いわね。
[この国を侵略して手中に収めるのが目的だ。
しかし、人々が豊かに暮らすこの国が欲しいと思ったけれど、この国の焦土化は望んでいない。
破滅王子と、わたしたちが目指す方向は明らかに異なっていた。*]
アイリ様とラバル卿の縁談は、いいご縁だと思ったんだけどね。
[近くに来たリーゼロッテを手招きで呼び寄せ、女の噂話を始める。
二人の事情を知らないようだから、わたしが後輩に教えてあげるの]
でもあんな調子よ。
何の気遣いか知らないけど、ラバル卿は一定の距離を置き続けて、押しが足りないというか踏み込めないっていうか。
……あなた行って、慰めてさしあげなさいよ。
[わたしじゃ差し支えがあるから、と後輩の背中を押してアイリの方へと促した。*]
……だめ、か…。
[後輩を差し向けてみたものの、まったく相手をしてもらえない様子を見て、わたしもがっくりと肩を落とした]
うん、お疲れ。
……言われた通り、しばらく一人にしておこうか。
[戻ってきた後輩の肩をたたいて労った。>>+24
生まれた時からお嬢様で、挫折の経験は少なそうだから、ダメージ回復には時間かかりそうだな、なんて思いつつ。*]
黒王子サマ、……一体いつから狂気に取りつかれちゃったのかしらね…。
[王の間のやり取りを見て、この国の行く末を案じた。
わたしは北の人間だけど、この国で10年間暮らしてきたせいか、それなりに愛着はあったから。北を見限ったわけではないけれど、この国に生まれて暮らしていれば、少なくとも幼い頃から修羅の道は通らなかっただろうな、とは思う]
失意の果てに、死に場所を探しているような……そんな感じがするわ…。
……そんなの、謝らなくていいよ。
[振り返って後輩の謝罪に>>+26首を振ると、再び眼下に広がる王の間の光景へ目を戻す。お互いの立場が違う者同士が諍い合う。それが戦争だから]
わたしは、この国の者じゃないの。
ラメールに侵出するために、内部から工作する諜報員として……10年前に北から送り込まれてきたの。
[噂の一つが事実だったと聞いて、彼女は驚くだろうか。*]
……可愛い、だって。
年下のくせに、……。
[>>+29手放しでほめられると照れくさい。生意気だよ、とじろりと睨みつけてすぐに目を逸らす。リーゼロッテは小柄でピンク色でフワフワで、人懐っこいから年齢問わず、周囲からの人気者だった]
…あなた見てると思い出すの。
昔飼ってた犬、だけど……。
[犬呼ばわりされて、気分を害するだろうか。わたしにしてみれば、最大限の誉め言葉なんだけどね。*]
[犬に例えられて、やっぱり複雑な心情のようだ。>>+32
真っ直ぐで真っ白で。彼女の軍人としての活躍を見てみたかったよ本当はね。
でも、最期に隣国の大物スパイを討伐したのだから、戦功は称えられてるかもよ、なんて]
…わたしが犬って言ったから、動物に例える流れ?
[ふふ、と肩を竦めて笑い、首を傾げる]
猫なんて、言われたことないなぁ。
肉食っぽいとか、気まぐれとか、……そんな感じ?
[一ヵ月ほど前はこんな会話が日常的に交わされたっけ。
どこか懐かしい思いを抱きながら、可愛い後輩と他愛のない話題に花を咲かせる。*]
猫って勇敢なの?
面白いね。
[言葉を受けてコロコロと笑う。
隠密ぽい辺りが猫らしいのか、君主に絶対逆らえない辺りは、むしろ犬なんじゃないかと思いつつ]
…良かった、笑えて。
死んじゃったけどね。
やり残した事を考えると、後悔ばっかりだけど…。
でも死んじゃったし、もうやり直しできないから。
悩んでも解決しないし、だったらもう笑うしかないじゃん…ね
[後輩とのこうした掛け合いは、失意に打ちひしがれたアイリ様にも届くだろうか]
[まだ地上の行く末が気になるから、魂はここに留まっているけれど。
やがて、本当に思い残すことがなくなったら、魂は暁天に召されるのかもしれない。*]
/*
ソマリ、吟遊詩人になっちゃえばいいのに。
鷹匠で吟遊詩人、……なんだそれ、スペック高ェ!!(かっこいい)
シャーって…そこ?
ふふ、目の付け所が面白いね。
[繰り返される謝罪には、もう一度ゆるく首を振って。>>+41]
あなたこそ、わたしの方が先に剣を抜いて切りつけたというのに、恨まずにこうして普通に接してるのはすごいと思うよ、……本当に。
[こうして普通に語り合えるのはきっと、生前そこまで彼女を憎んでいたわけではないから。ただ、一方である可能性をも危惧したから、わたしは剣を抜いた。
それは、彼女が亡きチェンバレン中佐の孫娘だから。
中佐の功績は、白狼騎士団にも十分知れ渡っている。
あの時人を呼んで、わたしたちが対峙している場面を見られたら。
わたしに反感を抱く騎士は、彼女側に付いたかもしれない。
身内の経歴、家柄に申し分ない彼女を、新しい総督の座に推挙しようと動きがあったら面倒だと思ったから。
だから、人を呼ばずに、自分ひとりで処理しようとした。
詰めが甘かったのは、…───覚悟が足りなかったから。
それがわたしが犯した最後のミス。]
[そうして語らっていると、別の誰かの気配を感じた。>>+43
振り返るとそこには、先日お目にかかったばかりのフィオン長官で]
なぜ、わたしがここに……それは、死んだからです。
フィオン長官、あなたが亡くなったと聞いた時は、驚きました…。
[穏やかで落ち着いた雰囲気は、生前と同じで何だかホッとする。
入れてくれた紅茶が美味しかった、なんて思い出しつつ。**]
[この国で10年過ごして、その暮らしにどんなに愛着を持ったとしても、わたしはこの国の民にはなれなかった。
心の底には、常に使命がつきまとう。
いずれ主が王座につけば、わたしは晴れてこの国の民になれる。
その思い一つで、わたしは今までやってきた。
そう、……わたしはただ、
ラバル卿。
わたしは以前、卿にお会いしたことがございますが、名のり上げるのは初めてですね。
わたしはドロシー・ブライアンと申します。
白狼館でアイリ様とのご婚約の折り、わたしは背後に控えておりました。>>1:191
[彼がこちらに気付いたようなので、わたしはそちらに向けて一礼する。
王の間で起きた偽文書騒ぎ。>>1:32
その場に彼も居たが、どうやらわたしが騒ぎの発端を起こした事には気づいていないようだった。なので、そちらには触れないでおく]
失礼ですが、以前胸のポケットに何か入れておいででしたか?
[彼がわたしの目の前を通りかかった際、胸ポケットが一瞬動いたのにわたしは気づいていた。危険物だと感じたら、その場で声をかけて足止めしていたが、そのまま通してしまった。
あれは何だったのだろう?
当時を思い出して、わたしは尋ねた。*]
/*
この村もいよいよクライマックスだねぇ…
特に、白王子と画家は縁が深いから、どんな結末を迎えるか楽しみであるよ
そして、終章を迎えるための村建て文章がさっぱり思いつかなくて、今から既にあせってる…やばい
/*
>軍人であり、フォールデンの控えならば位も高くないだろうと気に留めてはいなかった
徹底した選民意識www面白いwww
[高貴の方でも、例えばフェリクス王子のように、軍の中に置いては身分、家柄分け隔てなく接し、功績を挙げた者に地位を与えるタイプも居れば、初めから地位家柄に沿って分別して考える、いわば選民意識が当たり前のように備わったタイプもいる。
ラバル卿は後者のようだけど、彼から発せられる言葉からだけでは、その見極めはつかない。
胸ポケットの中身について尋ねれば、謎かけのような答えが返ってくる。>>54]
[ポケットに収まる大きさとは、随分と小さいこと。
お守りみたいなものかしら。もしかしたら、生き物かもしれないけど]
あなたを守ってくれる、大事な
[なんて話を合わせたけど、まだ要領を得ない。
どこか掴みどころがなくて、変わった人だと思う。アイリ様と破談になったのは、性格か趣向の不一致があったからだろうか?なんて邪推をした。もちろん、声には出さないけど。
彼がどこかへ向かうとすれば、わたしはその背を呼び止めなかっただろう。>>+50]
[その後で、わたしも鐘の音を聞いた。
王宮の鐘楼へ目を向けると、そこには見た事のある人物が居て>>70]
…───あれは、時を告げる鐘。
[鐘の元々の役割もそうだが、わたしは言葉に違う意味を込めていた]
南からも来るわよ…。
北は、……間に合わないかもしれないわ…。
[リーゼロッテの隣に立って呟くと、わたしは耐えるように目を閉じた。*]
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