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— 地下ホール —
[鼓動一拍の差異、
だがそれがどれほど深く高いものか]
…ふ、
[良いものを見せてもらった。
霧が薄れて行くを見守って、声なき聲で賛辞を送る]
[そのまま、ゆったりと瞬いて翼を揃え、
梟は猛禽の眼差しを横たえられた男へと注いでいた*]
— 地下ホール —
…
[緩慢に瞬いた紅の瞳は、立ち上がる男>>+24を追って動く]
……は
[翼を小さく畳み、頭を下へ向けた。
音のない急降下。
獲物に鉤爪を立てるでもなく、やさしく床へ着地して。
さやかに羽音を滴らせ、笑みを浮かぶ]
参れ…
[囁きは空間を開き、廊下に白い湯霧を立ち上らせる。
繋ぐのは紅榴気に入りの浴室>>1:+13へ]
— 湯殿 —
[薔薇と香油の薫漂う浴室。
カウチにしなだれて寛ぐ梟の姿は、深く立ち籠めた湯霧の紗の向こう。
ガーネットのグラスで血酒を舐めながら、
衣類を脱ぐ男を鑑賞している。
常に浴槽に満たされているのは、香油を含めた薬湯処方だった。
とろり 絹の手触りは体を温め、肌を柔らめて、蕾を綻ばせる繚乱の湯]
…
[おっとりと瞬いて、
気に入りの湯殿の利用者が増えることへの歓迎を、声にせず囁いた**]
高祖たる贄殿へ無礼を吐くのはこの口か?
[仔狼の背後に降りた梟の腕が、
一瞬でその首へ巻き付くとギリギリ締め上げた>>+47]
……子犬の天衣無縫を可愛いと大目に見るのも、
限度があるのだよ、セルウィン
美しいではないか
[抱き締め合う二人の少女>>+44
その瞬間を切り抜いて、永久を留める額におさめてしまいたい]
…羨ましいほど
[顔の色が変わるほど絞めた仔狼の首を、緩めて見下ろす]
醜くきゃんきゃん吠えて汚すのではない
鴉殿は貴方を放免すると仰られたか?
— 地下迷宮 —
おや…
いつ、私達は貴方に名乗ったのだろう
[仔狼が紅榴候の名を口にすると>>+51目尻に険が宿る。
首を締めるまま片手を下ろして、セルウィンの胸へ爪立てた]
貴方は、問いに答えるという礼儀すら知らず、相手を知ろうともしない
踏み躙られたくないのなら、まともに扱いたくなるような知能を見せるのだね、哀れな子犬ちゃん
三度は問わないよ
乱鴉の大公は、貴方を放免すると仰られたのか?
[壁に生んだ紅い額縁、
そこへ降る月光の幻影>>+56>>+66へ視線を向けた]
…ああ
[薄く開いた唇から舌が覗き、消える。
玄室に重なる月影ふたつ。
額の中で絵画は揺らめき、音無く沈む。
梟は古老の牙触れた指に、体に 揺り起こされる官能の記憶へ薄く淡く愁い笑んだ*]
— 湯殿 —
見ているだけのつもりだったのだけど…
[白絽侯が戦いと疼きの熱を灯した血。
蛇殿の告げたようになるか>>+5彼が耐えぬくか、見届けようと]
……しかし、
少し酔ってしまったのだから 仕方ないことだね
[溜息を滴らせてカウチから身を起こす。
鳴らした羽音は湯霧に吸い込まれて優しく響いた]
御機嫌よう、暈天の光彩よ
[薄い湯衣を肩へかけただけの寛いだ姿、
湯へ浸した爪先は水面に同心円の波紋を作る]
先程は佳きものを見せてもらい、嬉しい
私達とも踊ってもらいたいものだ
[濡れた指を伸ばす。
研ぎ澄まされた静なる切先と、刀身に揺らめく炎をもちあわせた稀代の妖剣。
その頬を掠め、耳朶へ触れた]
私達の与えるかぎろいが どのようにその身を耀変させるのか…
*抱かせて見せてくれまいか?*
そう、セルウィン
忘れているのなら、思い出させてあげるのが親切だと思ったけれど
きちんと言えるのだね
[惚けた瞳>>+71
闇色の触手は内側から彼を侵し苛んでいるのだろう]
もうひとつ、
「相手に芯から喜んでもらわねばならない。」とも仰っていたように思うのだけれど
それで?貴方は私達を喜ばせられるあてがあるのかい?
[熱い体から腕を離し、見てと頼まれるまま視線を這わせて優しく笑む]
先程、私達は人を踏みにじり楽しむことしか出来ない、と聞いたばかりだけど
それはつまり、踏んでくださいと懇願しているの?
[頬染めて、苛まれる身を晒す仔狼>>+78へ、
指を口許へあてがって僅か首を傾げた]
困ったな
頑張る、と言うものを…出来もせぬくせにと撥ね付けては、可能性の芽を摘んでしまう
貴方も成長しているようだし、試してあげようか
[笑んで、這う体の肩後へ踵を乗せた。
重みをかけて文字通り躙る]
だけど…
大公は「芯から喜んでいる」私達をご存知だからね?
貴方が彼の方から合格点を頂ける保証はないが、いいな
[天井を仰いで、闇へ唇を緩めた。
薄く容良い唇の間から、「何枚目か」の舌先を覗かせる。
青薔薇の花弁はなくとも、隠さぬ愉悦と戯事の証]
私達がその気になるまで、
誘ってごらん? その若く瑞々しい体で
[梟が瞬くと、
仔狼にまとわりつく闇色の触手に紅が混じる。
毒めく斑に変じたそれの頭部が、裂けるようにあぎとを開いた。
無数の牙を伸ばした触手がのたうち、
散々に弄んだ姿態を更に犯すべく、次々と肌を破り内腑を穿つ。
溢れ出る体液を啜って脈打ち育ちながら*]
— 湯殿 —
[毒蜜に綻び艶めきながら、
戸惑う面差し>>+83は寡欲な性状を示して清い]
さて、ひとの咲かせた果実を横から手折るは…
これもまた戯れか
[不承知ならば止めてくださるだろう]
私達…ああ、「私」のことだよ
私達は紅榴候──
すまないが舌癖だ、気にしてくれるな
[触れた耳朶をくすぐり、緩慢と顔をその潤色へ近付ける]
…支配 はしない。私達はね
貴方は若くとも、既に己が選ぶ道に立ちてある者
[幽か上下する喉仏へ濡れた指は伝い、そこを浅く圧した>>+85]
貴方はこれが済んだら、
コウのクランへ帰るつもりなのかい?
[現実へ引き戻すような内容を言いながら、その声音は天鵞絨の湯霧を含んで香油の薫のごとく、深く]
なれば……ただ、魅せて欲しい
貴方のまだ知らぬ貴方の光彩を
[湯面に立つ爪先が沈み、脛を水揺が隠し、
男の肩へ軽い体重を寄せるよう、膝が水底へつけば、
梟の腿で水面がとろりと揺らいだ]
[吸血触手が仔狼から盗んだ血は、
そのまま梟の口許へ捧げられる]
うん
熱はまあ良い。だがスパイスが足りないのかな
[新酒の味わいに首傾けて、難しいものだと呟いた。
赤々と染まる青>>+92へ微笑んで、垂れた首を足先で上げさせる]
もっとかい?
スパイス…苦手なことだよ、困った
[引っくり返した仔狼の腹の上へしゃがみ、
胸へ爪を突き立てる。
皮下を抉り、胸郭を割ってその奥へ。常は肋骨の砦に守られた体の芯を暴く。
快楽に狂乱する心臓を直に掌で包み、握った]
これは温かいね
好い
[紅柘榴へじわり爪を立て、激しく拍動する動きへ愉しげに笑む]
[幾度果てたか数えてあげようというほど、親切心はなく>>+111
触手に喰い破られ血を奪われて喜び喘ぐ幼い吸血鬼に、
ただ慈愛を込めて]
いくがいい
彼の岸を覗き見て、戻っておいで
[その赤く開いた胸へ口を寄せ、爪で裂いた紅柘榴へ
さらに深く牙を埋めた───]
— 地下迷宮 —
[襤褸布のような青い狼から離れ、梟は翼を開く。
覚めない眠りへ逝かせぬように与えたのは、指先から唇へ垂らした一滴の糧]
さて…鴉殿はどう判じるのだろうね
[触手は、紅色を失い元の闇の形で狼にまとわりついていた**]
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