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>>62
……思ったより、騒がしいご到着のようだな。
折角掃除をさせておいたというのに、自ら骨片と埃に満ちた空間を作り直すとは。
[扉の向こうから聞こえる音に、冷ややかな笑みを向ける。]
あぁ、そんな所で遠慮せずとも入ってくるといいさ。
全員、餌として招かれた…ある意味客人といえなくもないのだからな。
[>>71
風により開かれた大広間。
部屋全体が濃密な瘴気に覆われたその奥に、漆黒の大剣を持ち、骨の狼を4体従えているバルタザールの姿があった。]
これはこれは。
小さく可憐な料理人が現れたものだな。
――風使いの女。
[邪悪な笑みと共に大剣を持つ片手を上げ、仰ぐように振り下ろす。
剣の周囲を瘴気が渦巻き、凝縮させた死の呪いが魔風となって、扉口のドロシーたちに向かい吹きつけた。]
>>76
我々とて、時の流れで変容はしている。
仔犬なら、「時が経てば育つ」のは道理ではないか。
―――通常の時の流れを持たず、かといって魔族でもない。
お前は、どういう存在なのだろうな?
風使いの調理人。
世界に味をつける調味料とでもいうのだろうか。はは。
>>77
一つでは足りなかったか?
―――――なら、おまけだ。喰らうといい。
[大剣を両手で握りなおし、更に二振り。
瘴気の魔風は部屋の中心で渦を巻き、風の盾の正面にぶつかり吹き荒れる。]
[>>78 手に持つ剣の柄に嵌められた宝石が昏く輝く。
漆黒の刃が盾のように広がり、刀身を叩きつけるように振り下ろして自分に向かう風の刃を弾き飛ばした。
もう一方の風の刃は骨狼の一体を真正面から捕らえ、切り刻む。
骨狼は刻まれたまま風に巻かれ回転し、やがて割れた磁器の様に崩れ落ちた。]
>>82
――お前が、お前の世界の住人を守ろうとするのと同様に……
俺も、俺の世界を守れれば、それでいい。
[剣を降ろし、視線を伏せる。]
それが、この世界の住人を破滅させることになったとしても…
俺は、自分自身で守るに足ると決めたものに殉ずるだろう。
そういう意味では、餌であるお前達と俺の考え方に大きな差異はないのかもしれない。
互いに、異なっていた。
そういうことだ!
[宙に舞う小柄な姿に向かい、男の身の丈程もあろうかという大剣を叩きつけるように振り下ろす。]
[剣を構えた男には、手元に当たる風の動きなど些細な微風にしか思わなかった。
藍色の石の表面に微かに皹が入る。
……まだ気づかない。]
>>91
…健気なものだな。
命を投げ打ってまで、背後の仲間を庇おうとするか。
お前の命が尽きれば、その盾とて消えうせるというのにな。
―――愚かだ。
[片腕を無くしても尚、盾を作ろうとしている少女を冷ややかに眺めながら、その喉元に血濡れの剣をつきつける。]
……………。
まともに、風の刃も作れなくなっているな。
止めを刺さずとも、長くはなさそうか。
ならば、後に残るのは……
[自分の送った呪いは、確実に目の前の少女を蝕んでいる。
これ以上は手を出す必要は無しと判断し、ドロシーの背後のヴェルナーとタチアナに視線を向ける。]
>>92
――何を言っている。
風の賢者といえども、今際の際には正常な判断能力も無くしてしまうものだな。
そんなに言うなら、止めを刺してやっても…
[背後の骨狼が、何も攻撃を受けていないのにガラリと崩れた。]
―――――!?
[風の力は、剣の宝石に集中していたために生身の体で圧を感じることはなかった。]
[「人」として長く在りすぎた男は、自らの依り代を、人同様に、人の体として認識していた為に、それが致命的な行動だと、自覚ができていなかった。]
[それ故に、ドロシーの意図に気づくのが遅れた。]
……何だ……
これ…… は…………力……が…………
[漸く異変に気づき、手元の藍石を見る。
その表面には無数の皹。
石の変化と共に操る瘴気の流れが不規則になる。
…時に止まり、時に異様な出力で流れ…]
[その瞬間、広間の内部を暴風が吹き荒れる。]
[行き場を失った瘴気が溢れ、弾け……]
[残されたのは、宝石を失った一振りの大剣のみ………]
[その瞬間、広間の内部を暴風が吹き荒れる。]
[行き場を失った瘴気が溢れ、弾け……]
[その場に残されたのは、宝石を失った一振りの大剣………]
[下の階へと続く隠し通路。
バルタザールの人としての体は、ほぼ無傷で生きていた。
ただ、掌に握りこんだ藍石は中心から二つに砕け、藍骸星としての本体は終焉を迎えようとしている。
移動する肉体は、瀕死の重傷を負ったかのように酷く…重い。]
[途中まで降りたところで、力尽きたように座り込む。
握り締めた藍石は、無数の皹で表面が白くにごり既に崩壊寸前だった。]
長く……人でありすぎた所為…だな。
……本体が……こんな石だと……
すっかり…忘れ…いたぞ……。
セルウィン……すまない……
「これ」がもう…保たない………
きて…くれないか…?
――たぶん……な………
見ての……通り…だ……
[自嘲するように笑むと、ボロボロになった藍色の石を掌に載せたまま差し出す。]
だから……底に…沈む前に………
俺の力は、お前が使え……
――あの大喰らいになど……くれてやるものか………
>>*12
俺が……失敗したら……忘れない、だろ?……
昔から…先走って大きな失敗をするのは……俺の役目のような……ものだからな…
>>*13
………それは……有難い……な。
[掌の石がひとかけら剥がれ落ちる。
荒い呼吸の中、死を迎える直前とは思えない晴れやかな笑顔が浮かんだ。]
>>109
[男の身体が、蒼い炎に呑み込まれる。
本体は藍石だが、痛覚は遮断されていない。
肉体は生きながら焼かれていくのと同様の痛みを伝えてきたが、その表情はとても晴れやかなもので…
それもやがて、蒼の中へと消えていった。*]
>>*16
もし、再びこの在ることができるのならば…
その時も、また……お前の部下として在りたい。
―――達者でな。
[藍骸星の本体も…人の器を持つバルタザールの身体も…
全てが、蒼の炎に灼かれ、そして蒼へと還っていく。
そうして男の意識は途切れ……後には、静寂が残るのみ*]
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