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— 地下迷宮 —
仔猫ちゃん
[目覚めた黒猫の傍ら、鳥の姿の梟はほぅ、と低く鳴く]
貴方の為の時間は少ないと言ったのだけれどね
…聞こえていなかったようだ
[笑う声は、いつかの吐息混じり>>2+22>>2+23]
餞別はやらないが、
貴方は宴には参加した。選ばれる力はあった、そういうことだね
どう、とは?
貴方は宴の趣旨を知っているだろうに
[問う声>>+9に眉を上げてみせる]
夜を生きるに相応しいと示した者へ、餞別を
[諳んじる声は深く笑み、
恐れにか跳ねた体へ羽先を触れさせた]
だが、貴方が此処に降りて来たからと言って
独立そのものを妨げるものではないよ
……しかし、こうあまり不出来では、
白絽侯の恥となるのだからね…困ったことだ
— 玄室 —
トゥルーディ
[哀惜を湛える贄の表情を見上げ、
呼ぶ者がそも少ない名をその唇が紡げば>>3:+46、誰も呼ぶものがなくなった愛称へ言い直す]
……ああ
[朧に実体と非実体を行き来する幽かな、けれど有りて在る者。
小指に触れた牙が皮膚を破れば、深く甘美な酩酊に喉を鳴らした]
[眉を寄せるのは放埒に打ち寄せる情欲を、飲み込んで。
温度を取り戻した頬と紅に染まる唇
笑む形に綻んだ唇は、もう一度訂正する>>+5]
トゥルーディ。
貴方はもっと私達に、打ち解けても良い
[300年は言い続けている。
それよりも前から時間をかけて少しずつ、遥かに霞む蜃気楼のようなこの古老を口説いて口説いて、詰めて来た距離。
時ならば、倦むほどにあった。
馴れた猛禽は満たされる喪失と官能に濡れ、紗の帳へ重なる影を描く*]
— 地下迷宮 —
私達は、説教など嫌いなのだよ?
[子を持たぬ身、紅榴はそも教育に情熱を持たない]
けれどそうだね…
尋ねようか
[黒猫の姿を、出口のない薄闇の空間へ引き込んで、
梟は人型を得てその前へ腰掛ける。
優美に膝を組んだ]
何故、今しがたなにもせず眠っていた?
私達に吸われてお疲れだったのかな
眠る貴方も愛らしく、襲いたいほどだったのだけどね?
[くつと黒猫へ笑う声は機嫌の良さを滲ませる。
説教はまったく向いていない]
体力のないようでは貴方の道を歩くうえで、困るだろう
宴の終わるまでまだ間はある…克服しようか
城にこれからも留まりたいならば、私達は頷くのみだけれどね
[出て行きたいのだろう?と尋ねる声に有無を言わせぬ強さはない
選択させることを楽しむ風情]
これからだなどと、つれないことを言ってくれる
[黒猫の血親の顔を思い出し、微かに笑った。
温厚で気の長い方だ。故にこの仔猫を育てるのに向いていなかったのかもしれない]
私達が、特訓を、手伝ってあげよう?
ここでならば死なせはしないよ
[今後、人の姿を保てない程に損耗する機会はそうそうないし、
その場合にはそのまま滅せられるような危険があろうと]
[今度は否やを言わせず、黒猫の顎へ指を掛けた]
— 茨の間 —
[仔猫の首筋へ牙を埋め、血の精を抜く。
短期間で味わいは変わり、より複雑さと苦みを増した蜜]
…また悦くなったようだ
[同族の血を喰って深くなった味を舌上に転がし、
そのまま また獣化するまで]
さあ、眠っている暇はない
起きて、闘え
[薄い暗闇に無数の気配。
太い茨が地から天から伸びて黒猫を囲んだ。
棘の少なく、流血させるよりも打擲や締め付けに秀でた触手めく植物のひとつを、梟は軽く撫でた]
これらのどれかの体内に、薔薇水の小瓶が3つ
この機会だ、薔薇にも慣れるがいいよ
[翼を空撃ちして、その場から飛び立つ**]
3つ得たたら呼びなさい
それか、もう無理だと諦めたなら。
元老の誰を呼んでもいいが……たぶん、私達が一番優しいね
— 茨の間 —
私達を呼んでくれるのかい?
可愛いね
[羽音を前触れに、梟が降り立った。
緩く曲げた指の背を口許へ宛てがい、考えるように首を傾げる]
二時間はかかるだろうと思っていたのだけど、
およそ半分か
貴方は己が思うよりも遥かに出来る子だよ、それを知り引き出す努力をすれば、…もっと速くなる
おいで
[腕を広げて招いた]
ご褒美に、次は貴方の望むようにシてあげよう
すぐ済むのが好き?気持ちいいのが好き?──痛いのが好き?
本当に…可愛いことだ
少し素直過ぎるくらいだよ
[ほぅ、と息を吐いて笑む。
声に気付いて振り返る黒猫の腰を引き寄せて腕の中へおさめた]
…貴方は私達だけを見ておいで
あの子犬ちゃんは──
[猛禽の瞳を隠れた仔狼へ向け、黒猫の瞼へ接吻を落とす]
『私達』の食事を、悪いものだと思い込まされているのだよ
糧を得るうつくしさを体が拒むのは 哀れなことだと思うだろう?
見せてあげよう
[瞼に触れた唇は鼻梁を下り、
這い蹲って床を舐めた唇を啄んで艶めく音を立てた]
…貴方のからだからは今、
薔薇の薫がしている。感じるか?
[愉悦に撓む唇、
覗かせた梟自身の牙がそこへ窪みを作り、薄い皮を破って小さな血珠を浮かべた]
悦いのが好きならば、体と、心を開くのだよ
寛いで 委ねれば良い
[血を滲ませた唇を再び黒猫へ重ね、深く口付ける*]
— 茨の間 —
何でも否定から入って目を背けるのは良くない癖だ
貴方はもう少し、
…落ち着きと言うものを学べば更に魅力的になるのだよ、セルウィン
[倒れ込んだ仔狼>>+69の上から淡い声が囁いた。
闇色の触手に拘束され這い回られる様に溜息──感嘆の、を漏らす]
スパイスか。それに…熱も
…見てご覧、仔猫の嬉しそうな顔
貴方は自ら望んで吸血鬼になった。その選択を悔いて呪うままでは、どこにも進めないよ
[髪を掴んで顔を引き上げる。
視界に、梟と猫が映るように]
[仔狼の前。
紅の腕は手首を掴み、腰を引き抱いて、
しなやかに背を反らした黒猫の首へ顔を埋めていた。
晒された白に紅の灯が射し、喉の尖りに舌を這わせる。
そこへ伝う赤の鮮烈も見える距離]
……私達とて、「悪者」を演るのはずっと簡単なのだけどね
貴方は──
[やれやれ、と仔狼の上で囁いていた声は消える]
落ち着きのなさは根が深い。愛らしくて好きだよ、セルウィン
…子犬ちゃんの折檻は鴉殿がしてくれるのかな?
私達は罰を定めるのは苦手でね
[梟の足元から闇色が昇った。
乱鴉の大公が喚んだと同じ触手の形になって、黒猫の身に絡み付く。
肌の柔い箇所を擦りぬらぬらと蠢く仕草は、
仔狼の身を苛んだ責めと全く同じ動きを体現した]
観客は去ってしまったらしい
声を、我慢せずともよいよクロイツ
[斑に赤く染まった黒猫の胸へ新たに牙を立てた*]
— 粘滑の間 —
さあ、目を覚ましていなさい
[人の姿を保てなくなって弛緩した猫を床へ置く]
どうやらその姿の時がもっとも動きの悪かったようだね
[最初の小瓶を得るまでに掛かった時間>>+46を示して、
黒猫の前足へ口付けた。鋭い爪に、灼熱を宿す]
助けを貸してあげよう
起きて
糧血の腐る前に得られたなら、呼びなさい
[広い空間一面に満ちる薄い紅色のスライムの中央で、深く囚われ溶かされながら恍惚に狂う人間の雌が透け見えていた。
古城に放たれていたもの達より腐食性だけは低い毒の粘滑**]
— 地下ホール —
[梟の翼は、しじまの静翔。
太い柱が支える闇の天に舞い降りて、下を眺めている>>+71]
佳いね
蛇殿も、楽しむ才が豊かなのだろう
彼を選んだのは誠に幸いだった
[舞を見ているよう。
頬杖をついて、爪先を揺らす観戦*]
— 粘滑の間 —
…済んだら休んでいい、とは許していない
[降らせる声は厳しい。
降り立った梟は倒れ込んだ黒猫を踏み越えて、人間の雌の傍らへ。頬を包み、頭を膝へ乗せた]
時間ぴったりだったねクロイツ
ひょっとして10分で、と申し付けたらそうなったのかな?
[粘液で張り付いた人間の前髪を指でわけ、額を撫でる。
蕩けた喘ぎと共に焦点のあわない双眸が開けば、優しく微笑んだ]
最期の瞬間は正気でいたい?
そうだろうね、
[あやすように人間に甘く囁いて、その額をもう一度撫でる。
途端、人間の体が跳ねた。
絹を裂くような長く高い悲鳴が溢れ出る。
見開いた双眸に灯るたしかな正気と、恐怖。
命の尽きゆくひととき、綺羅星のような魂の煌めきを指で掬い、笑んだ]
仔猫ちゃん、これは食べても良いよ
[今ここで人の血を吸えば彼の身に起こるだろうことは、想像がつくのだろうが]
それから次へいこう
[人間の雌の双眸が宿す、知性ある命の煌めき。
絶望に塗り込められてなお美しいそのあたたかさが
淡く薄く、消えて行くのを慈しみの眼差しで見つめた]
— 地下迷宮・央 —
ほんとうに従順なこと
だいぶ…熟れて来ているようだしね
[時折堪えるように息を飲みながらついて来る黒猫>>+97へ微笑む。
猫の前へ拓けるのは、小さな広場のような空間。
中央の噴水の縁へ腰を下ろし、梟は優美に脚を組んだ]
体力がついてきたかな?クロイツ
次はあるいは、簡単過ぎるかも知れないが…
『私達』の血を、集めておいで
[愉悦含み、唇が綻ぶ]
手段は問わない、私達が許す
糧が足りぬならば他の脱落者から吸っても良い
……聖餐の巫女姫殿は頼めば首肯されるだろうから除外しよう
貴方の師である白絽侯、
私達…
それに乱鴉の大公
これら三者から血を、それぞれふたくち以上
首尾よく得られたなら、
私達から個人的に祝福をあげよう
期限はこの宴の終わるまで……だけど、長期戦だからと休んでいては、間に合わないかもしれないね
[さあ始めよ、と発して
組んだ脚の上に頬杖をついた*]
おや、佳いね
[始めよと告げて黒猫がすぐこの場を出て行くなら、従順過ぎるのも難だと思っていたところ]
ひとくちというのは、このくらいかな?
[左の掌を仔猫へ広げてみせた。
ついと横へ朱線が走り、自然に紅が珠を作る]
三者のうちならば私達が一番与し易い、かね
それで、貴方に血を分ける見返りはなんだと言うのかな?
[くつくつと嗤って掌を握り込んだ]
いいね、よし───と言いたいところだけど
[嬉しそうに笑みを滴らせ、背に紅の翼を開いた。
噴水の水霧を受けて羽毛が艶めく]
私達が貴方を気に入りだからといって、あまり甘やかしが過ぎては──
宴の興が冷めてしまうだろう?クロイツ
次はもっと魅力的な見返りを提示するのだね
もちろん、無理やり奪ってくれても構わぬよ
[紅の羽毛が乱れ舞って、梟の姿はわずか薄くなる]
いつか、いつか
[愉しげに笑う声も薄くなる**]
時は倦むほどに長く
また流星のように短い
悠長にしていては間に合わぬ、さあ…遊びに行っておいで
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