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傭兵 クロイツは、平原の民 エディ を投票先に選びました。
[視線が交わる。
そこから男は自身の何を読み取ったのだろうか。
きっと伝わっていると思った。
仰ぐ旗は違っていても、同じように主君に魅せられて。
その為に命を賭けて戦う。
生まれ育った国も、年齢も、選びとったものも、何もかも違う男と。
それだけが唯一、理解しあえることなのだ]
[名を呼ばれる。
何事かという風に、チャールズの言葉に耳を傾ける]
フォスター殿の主と、会見……。
[それを繰り返して呟く。
叛乱軍の首魁、と口にしなかったのは、目の前の相手に対する敬意だ。
ほんの僅かの間、戦い、言葉を交わしただけではあるが、彼の堂々たる威厳と清廉潔白であろうと推測される人柄は、叛乱軍と呼ぶには似つかわしくないように思えた]
俺のことは気にするな。
所詮、ただの傭兵だ。
正規兵が相手にする身分じゃないし、傭兵連中に報酬を出す雇い主でもない。
だからお前らの向かう先は、あそこだ!
[チャールズの身体から手を離すと、右手に持つ剣先を南に向けて。
手出し無用との言葉を傭兵の流儀で重ねて告げて、チャールズとは反対に一兵でも多くオクタヴィアスの元へ送り出そうとの願いも込めて]
[チャールズの手が緩み、いかがかと問われると僅かに表情を緩め]
望むところです。
[これほどの武人と手を合わせる機会など、早々あるものではない。
武人としても、一刻でも長く彼をこの場に繋ぎ止めるためにも。
断る理由がなにもなかった]
[一歩、二歩、間合いを図るように後へと下がり、剣の間合いへと下がると]
はあああっ。
[気合の掛け声とともに再び踏み出し、左の首筋を目掛けて横合いから振り下ろす//]
[攻撃をすんでの差で避けたチャールズの身体が、下に沈む。
剣を防ごうとしていた槍の軌跡は――。
考えるより動くほうが早く、右足を下げ、それを軸にして左足も下げる。
が、先ほどの猛攻で受けた矢傷が悲鳴をあげ反応が遅れた。
間に合わない、鋭い穂先は左の腿を抉り血が流れだす。
そのままよろけるように、1、2歩下がる。
それでも膝はまだつかずに、剣を構え直す。
同じ手は二度は使えない。
じりと踏み込んで、次に狙うのは腹だ。
直前で手首を交わし切っ先を翻し、右横から水平に薙いだ**]
[薙ぎ払う刃。しかし、それはチャールズの槍によって受け止められた。
何故――これが技量の差なのか、それとも経験の差なのか。
彼のように一つ一つの技が熟練の域にまで達していれば、この刃は彼の胴へと届いたのだろうか。
腕に覚えはあった。決して遅れをとるものではないと思っていた。
それでもまだ届かない領域に彼はいるのだろうか。
ここで負けるわけにはいかないのに――]
[弾かれた剣をなおもチャールズの身体に突き刺そうと、己の限界を超えるように振るう。
だが、それは届くことはなく。
老将の全身全霊を掛けた突きは胸元に深々と突き刺さり、穿たれた傷から、血が溢れだす。
全身の力が抜けて剣を取り落とし、身体は槍を支えにぐらりと倒れこんだ。
息はまだあるものの、致命傷だった。
顔色は急速に生気を失ってゆく――]
[一度顔をあげて、視線を南に向ける。
開かれた門を。
その先にひろがるキュベレイ平原を見るつもりで――。
その前に目が合ってしまった。
もう二度と顔を合わせるはずのなかったオクタヴィアスと。
何か伝えようにも、声が出せない。
あそこまで歩いて行く力ももうない。
だから伝えられるのは視線だけだ]
[思いは通じたのか、オクタヴィアスの号令が掛かると、それを合図に止まっていた時間が再び動き出した。
命令を下して、オクタヴィアスは今度こそ南へと遠ざかってゆく。
交わした約束の全てはもう守れはしないけれど、少なくとも彼を同胞の元へ返すことが出来た。
それだけで、自身の死にも意味があると思える]
[それからガートルードにも感謝を。
よく難しい任務を引き受けて成功させてくれたと思う。
これから先もオクタヴィアスを助けてくれれば、と未だ彼女の運命を知らない身はそう願った。
拠点では必ずダーフィトが待っているはずだ。
もちろん、話に聞いていたオクタヴィアスの幼なじみのクレステッドという青年も。
それだけではない。
オクタヴィアスの為に忠誠を誓う、大勢のまだ見ぬ仲間たちもいる。
後はすべて彼らに託して、ゆっくりと目を閉じる]
/*
チャールズさんの描写入るとすごい強そうな人に見えるよね。
褒めスキル足りないのか……。
褒めスキル以外も全体的に足りてないとかは禁句だ。
[男の言葉は尚も続く。
その言葉に嘘偽りを疑う余地はなにひとつなかった。
彼なら言葉通り、しかとオクタヴィアスの行末を見届けてくれる。
それだけの信頼感は、剣を、言葉を交えたことで芽生えていた。
自身と彼と、同じ行動を見ても思うことは異なるはず。
だが、それでよいと思う。
自分とは違う彼がオクタヴィアスを見守ることで、またひとつオクタヴィアスが大きくなれると確信していた。
チャールズの誓いを、確かに胸に刻む。
言葉を返すことは出来なかった。
その代わり、誓いを受け取ったという風に、最後の力を振り絞り右手を差し出す]
― 回想・7年前 ―
[軍を辞めたとオクタヴィアスに告げたあの日。
ひょっとして煙たがれるのではと思っていた。
周りが口を揃えていうように自らの堅苦しさは多少なりとも自覚はしていたし、オクタヴィアスは実のところそれに辟易しているのではないか。
そんな不安は確かにあったのだが。
気恥ずかしさに目を逸らしてしまったがゆえの勘違いだったのだろう。
彼の表情の移り変わりさえ見ていれば、杞憂であったことはすぐにわかるはずだった]
[反応が気になりちらりと視線を元に戻す。
そこにあったのはオクタヴィアスの満面の笑み。
そして]
うわっ。
[嬉しそうに思いっきり抱きつかれた。
あまりの予想外の行動に、呆然として固まってしまう。
と同時に、オクタヴィアスの歳相応の姿に、顔が綻んでしまってもいて。
右手をそっと頭の上に差し出すと、ぐりぐりと頭を撫で回した]
[そういえば最後にもうひとつ]
[もう一度――オクタヴィアスのフルートが聴きたかった。
彼の奏でる、ふんわりとあたたかく優しい音色が、大好きだった**]
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ダーフィト宛にもなにかもうひとつ捏造したりしたかったし、タヴィアにももうちょいなにかしたほうが良かったかもだけど、なにかこうネタを思いつかなかった……(よくある)
それ言い出したらガートルードの追悼もう少しなんとかならなかったかなだし、クレスとかコリドラスとかツェーザルにも掛ける言葉……ってなる。
/*
いいつつ、実はクレステッドの名前知ってるとか、フルートを聞いたことがあるとかこっそり過去が捏造されてはいるんだよね。
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