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帝国軍大尉 カレル は 特務大佐 シロウ に投票した
― 狭間の世界 ―
[意識が、覚醒する。
霧散し、風に攫われた灰がやがて澱みに吹き溜まるように
寄り集まり、漫然とした知覚を持ち、自我を取り戻し、
自らを存在として認識する。
目を開けば、そこは朧な白に包まれた世界。
或いは、意識が”目を開いた”と錯覚しただけで、
世界を認識してはいないのかもしれない。
上下左右限りなく続く白の中に、ぽつりと浮かんだ感覚。]
こ こ は …
[声帯を震わせることない”声”
目覚めたばかりの意識は茫洋として、記憶は混迷の中にある。
ひとつひとつ、記憶の糸をほぐし、手繰り、巻き取っていけば、
ある時突然、理解が意識を貫いた。]
そう、 か。
死んだんだ。
[言葉として形にすれば、客観的な事実から実感へと変わる。]
…あは は
[零れたのは、涙でも、苦鳴でもない。
無念でも悲しみでも怒りでも後悔でもない。]
あははははははははははっ
[ただ、ただ、笑い声が響き渡る。
いつしか背に当たるのは草の地面に、
頭上に広がるのは蒼い空になっていた。
懐かしい校舎の中庭で、
笑う声が反響しながら上へと昇っていく**]
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