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― バルコニー ―
よう。
[背後からの掛け声と共に屋根から飛び降りざま突き出したのは通常使用されるものよりごつめのスティレット。
それは城主の背後から心臓を一突きする位置を正確に狙ったもの。]
志願兵 オズワルドは、神子 アデル を投票先に選びました。
[茨の障壁に小さく舌打ちし、素早くスティレットを引き抜くと左手に抜いたのはマインゴーシュ。
楯状になっているその鍔部分で振るわれた茨の鞭を絡めとると、そのまま力任せに引いた。]
大事な客ゥ?
[城主の言葉に眉を寄せた。]
俺たち以外に?
[城主の様子を伺いながら、空いた右手で左腰にさげられた剣を引き抜いた。
刀身が白く冷たく光る。
そのままピンと張った状態の茨を断ち切ろうとするだろうか。]
ひと?
へぇ、あんたら人間招待したりすんの?
[…吸血鬼のババアとかじゃなくて?と続けながら男は右手の剣を閃かせた。
軽い音をたて、茨がバルコニーの床へと落ちた。]
[バルコニーにリエヴルが登ってくる姿をみとめると、僅かに目を配らせ。
騎士同士の戦いはなかなかに白熱しているらしい。]
…?
[こちらを知っていそうな素振りをする城主の様子に、眉間に皺を作った。]
“お前か私のどちらかが、すぐさま城主を追う”
“残った方が速攻で怪物を倒し、後を追う”
[一瞬でそれだけの判断を下した。
腐れ縁のソマリほど以心伝心とは行かないだろうが、説明する時間が惜しかった。
故に意を汲めと、乱暴に目線で伝える。]
[腕に伝わる衝撃。
肉に刺さり骨を抉る硬い感覚。
唇がいびつに歪んだのはしかし、一瞬の事で城主に致命傷を与えられなかったと悟るとすぐさま距離を取る。]
おーおー。
悪趣味なモン置いていきやがる。
[目の前に立ちふさがり棘の牙を剥く‟番犬‟に舌打ちしながらバルコニーを去るその背中に視線を投げていた。]
―――…
[強い声で名を呼ばれ、顔は動かさぬままに目を動かす。
その強い目線に込められた意味は、同じ武人であれば通ずるところ。]
悪い。
[ここは任せた、と剣を振るい絡みつこうとする茨を強引に切り払い、すぐさま城主を追う。]
― 城内 ―
[薄暗い城内。
点々と落ちる血の跡を追う。
城内は薄暗く、視覚ではところどころ跡を追う事は難しく、薬物により研ぎ澄まされた嗅覚でその主を探す。
そうしているうちに、この城の主と共に行動する彼の標的の姿を捉えることはできただろうか。]
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