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おれたちは軍人だ。
――――だが、個の人間でもある。
[それは軍の同僚としても、軍の上官としても、
似合いの言葉とはとても言えなかったけれど。
酒席という飾りに紛れさせて、綴る声を止めない。]
……、戦場で迷う時間は無いぞ。
[悠長な物想いが招くものは、
“死”という一文字の――恐らくたったひとつだけ。]
[グラスの底に残っていた度数の高い蒸留酒を、少し乱暴にあおった。
喉の奥まで熱が下っていくのを感じながら、空になった厚い硝子の底をテーブルに置く。
…とん。と強い音がした。]
………。ウルズ、
[そうして潮に焼けた顔に、ほろ苦い笑みを滲ませる。]
祖国を喪うのは、…―――― 辛いものだぞ。
[家族も、友も、思い出も。
喪われて形変わって、…新たな異なるものが生まれてゆく。]
おまえが、すべてを覚悟しているならばいい。
…。おれもこれ以上は言わん。
ただ、
おまえの友である
ロー・シェン・リーミン個人として、
[同じように潮に焼けた肌をした相手の顔を静かに見据え]
おまえ自身が選ぶ航路が、
…――――――自由であれと、願う。
[それは、軍に属する身では難しいことかもしれないけれど。
今だけは立場を脇に置いて、夜と酒の香りに想いを溶かした**]
―海峡南方海域:第三艦隊 水雷母艦―
[鳥が水面の魚を嘴で浚うように。
水雷母艦のすぐ上空を掠める軌道で、急速接近した複葉機が弧を描いて離れてゆく>>494。
ミリアム少尉のライフルは静かなままだ>>534。あの動きを追うのは難しい。
甲板からの距離では、操縦士の髪の色くらいしか認識出来なかった。他に知れたのは、その腕の確かさ位といったところか。
前方の巡洋艦から聞こえた砲撃も、今は止んでいる。]
様子見はあちらも同じ、か。
[そこから想像出来るのは、相手も主力に欠くのであろうということ。]
先に増援が来るのは、さてどちらか…。
[海域は静かな緊張感を孕んで、相対する艦隊を見守っていた**]
―海峡南方海域:第三艦隊 水雷母艦―
[睨み合いは幾許か。
……その拮抗を破ったのは、第四艦隊の方角から、ひとつ、ふたつと空へ飛び立つ複葉機の一群だった。その数、10。]
…来たか。
昼寝の時間は終わりだな。
[上空を眇めたロー・シェンは、
腹の底に満たした息を使って、鋭い大声で命を下す。]
目標、敵巡洋艦。
水雷挺7隻は、右舷より弧を描き前進。
側面から追い立てろ。
[上手くいけばアイグル少佐率いる巡洋艦との挟撃も狙えるか。
まあ、そう簡単には行かせてくれないだろうが…と独りごちる思考の向こうで、
『
はき。とした真っ直ぐな部下たちの声が返ってきた**]
―第三艦隊 水雷艇―
[母艦から放たれるように発進した帝国水雷艇7隻に、
ウルケル巡洋艦の副砲から降り注ぐ焔>>624が襲い掛かる。
最初の砲弾は先頭を往く水雷艇のすぐ右に着弾した。至近弾だった。
酔っ払ったかのように船首が左右に震える。
続いて、二撃、三撃…
連続する着弾の水しぶきで
水面が沸騰したかのようになっている海上を、]
『うろたえるな、進め!』
[鼓舞を飛ばす壮年の艦長のもと、被弾を減らすためにジグザグと航行の角度を違えながら距離を詰めてゆく。]
[1隻が、甲板に穴を空けられ―――大きく後退した。
他は、帆柱や側面に砲弾が掠ったりしたものの、
まだ推進する力を失ってはいない。
装填している水雷は、各艇1発。
大事な一撃を叩き込むために…――
砲撃を続ける副砲を掻い潜るための一瞬の機を窺う。]
/*
母艦だとあれだ、
水雷艇はNPCになってしまうから、ぬーん、であるよな…。
乗り込む訳にいかんしなあ。
攻撃力うううう、
ってなる。巡洋艦がうらやましい(
特別改良品にしていいかなあ。せめて主砲一門だけ……。
―第三艦隊 水雷艇―
[アイグル少佐の乗船する巡洋艦から、援護の主砲が放たれた。
回避行動>>679により敵の副砲が一瞬止む。]
『取舵!』
[その隙を突くように、一隻の水雷艇が大きく舵を切る。
舳先から伸ばした水雷を掲げ、敵巡洋艦の船尾目掛けて突撃した。
他の艇も続こうとしたものの――再開した副砲の砲撃に阻まれる。
甲板では舌打ちの音が響いた。]
―第三艦隊 水雷母艦アストラ―
…。なかなかに、手堅い運用をする。
[拮抗する戦局に、ロー・シェンは燈黄色の瞳を細める。]
少佐はよくやっている
水雷艇の乗組員たちも、
[だが、と続く反語が胸中に落ちる。]
――なるほど。巡洋艦の機動力を最大限に生かしているな。
[小回りを武器>>680に右へ左へと立ち回り、こちらに艦を捕らえさせない。
その割りに砲撃の狙いは正確さを保っている…というおまけ付きだ。
指揮する兵の力量の高さが窺えた。流石はウルケルの軍人だった。]
[上空のエンジン音が増した。
敵側の後続の複葉機のお出ましのようだ>>680。
空中戦は引き続き第四艦隊に任せている。
あちらとて、まだ地力を残している――遠目に後続の複葉機が飛び上がるのが見えた。
前方、青い空を舞台にした戦場では
敵味方の複葉機が入り乱れて旋回と掃射を繰り返す。
特に鮮やかな軌跡を描いているのが、敵味方それぞれに1機ずつ。
このような場でなければ、あるいは魅入ってしまう程の操縦技術だ。]
……、?
[絶え間なく動いていた其の二機が、ほんの一拍だけ止まった>>703>>705気がした。]
[そして海上でも、動きがあった。
ウルズの乗る巡洋艦が突出し、後続の二隻との距離が空いた。
その隙を縫うように、敵の水雷艇が距離を縮める>>734。
更に追い討つような空からの援護射撃もあって。]
まずいな…。
[各個撃破の危険性を視認すると、ロー・シェンの判断は早かった。]
全速前進!
先程被弾した水雷艇を回収しつつ、援護に回る。
[援護が意味するものの半分は、囮という成分を兼ねる。
ただ――…]
[第三艦隊が有するは、水雷母艦2隻。
うちひとつは
もうひとつは
ロー・シェンが乗船するのは前者の方だ。
かつて――
第三艦隊を率いていた老将ロットケンは、にこやかに言った。
『第三艦隊は、幾つもの民族が集まっておる。
あれじゃよ。一本の矢はポキンじゃが、束ねた矢は堅い。
だからいろんな民のヌシらが乗船する此の艦は、強いんじゃよ』
…、聞いたときは屁理屈だと思ったが。
今思えばあれも、雑多が集まる第三艦隊をまとめる為の、ひとつの手法だったのだろう。]
[だがこの水雷母艦が
一般的な水雷母艦として設計されているダヌラに比べると
アストラの装甲は心持ち厚く、防御に傾けた造りになっていた。
更に、ダヌラは水雷艇12隻を備えるのに対し、
アストラに搭載されているのは9隻と少ない。
空いた分に何を置いているかといえば、
主砲1門と副砲4門という…迎撃のための武器だった。
どちらも巡洋艦レベルの、威力が大きいものではないが、それでも通常の水雷母艦には搭載されていないものである。
なお帝国からの定期便を受け取るための複葉機格納庫も1機分、確保されているが。
あくまで連絡用であり、戦に使われることはまず無い。]
[矢とは引き絞られ、放たれるもの。
必要あらば前にも出るのが、この母艦の特色と言えた。
ちなみに艦の火力が足りない分は人海戦術でカバーである。ミリアム少尉をはじめ、射撃の腕が確かな者は、ちらほら乗船していた。]
/*
すまない、すまない。
母艦だとあまりに何も攻撃手段無さ過ぎてな…。
あとミリアムの射撃生かす為にも、敵に近づいていい理由欲しくて。
駄目だったら、さくっと被弾してしまおう…。
[其の場に残る水雷母艦ダヌラの頭上では、第四艦隊の複葉機が駆けつけ睨みを利かせている。
回り込もうとする敵の船影も無く、そちらは大丈夫だろうと判断する。]
―――― ち、
[やはり母艦は速力に劣る。
仕方のないことだが、…身軽な立場で水雷艇や巡洋艦に乗っていた尉官時代が、ほんの少しだけ懐かしい。
やっと距離が近くなったところで、]
[味方の巡洋艦の左舷前方。
其処が敵水雷艇と交差した瞬間、こちらまで届く爆音が轟いた。
慌てて旋回を試みたのが功を奏したか…被害は抑えられたものの、巡洋艦は左舷の副砲がいくつかやられたようだ。
灰色の煙が薄く昇っている。
視線を転じれば、被弾した巡洋艦の姿がもうひとつ。
勇ましく船体を近づけ、敵艦を味方の水雷艇の方へと押しやっている様>>721が見えた。
そうして――… 今度はこちらの水雷が狙いを巻き込む。]
――――――、
…しぶといな。あれを耐えるか。
[あちらも直撃には至っていないようだ>>737。
痛み分けというところらしい。]
逃さん、
と言いたいところだがな。
[撤退の気配を見せた敵艦を――守るように飛ぶ複葉機に視線を流す。
こちらは巡洋艦のうち2隻が被弾。
1隻は無事だが、それと水雷艇だけで深追いするのは得策ではない。]
こちらも一旦退く。
[信号を打ち上げ、巡洋艦と水雷艇に帰還を命じる。]
敵の増援が来るようならば撃て。
[念のため言い置いてから。
…――距離遠く、船影小さくなってゆく敵巡洋艦を双眸に映した。]
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