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―夕飯時の大広間―
―――いただきます!
[満面の笑み、静かながらも止まらない箸。
この弁当をスマホに収めておきたい気持ちはあったが、
流石にそれは行儀が悪いかと、記憶の中に留めることに。]
美味いなぁ、やっぱりこっちとあっちじゃ味付けは
違うんだなー、あっさりしてる。
[煮炊きものは好きな方だから、里芋も筑前煮も美味しく頂く。
両隣の男子が残そうものなら、いらないなら勿体無いから
頂戴と言っては平らげる場面もあった。]
お前ら知らないの?もったいないおばけ。出るぞ。
だからいらないなら頂戴。
[肉だけはちゃっかり食べて野菜は手付かずの男子が
多いので、定番のゴーストの名を出して笑いを誘っては
愉快な時間を過ごして行った。]
―夕飯終えて―
ごちそうさまでした。
[太ってしまえ、という呪いの言葉を背に受けて
大広間を後にする篤史。]
まーまー、40歳くらいになったら嫌でも腹が出るだろーから
そん時まで待てって。
それで…なんか賑やかだけど、何やってんの。
[廊下の方で女子が何やら勝負だとか何だとか。
そんな話を、やはり後を追う男子から聞いて騒ぎの元へと
ひょいひょい近付いてみる訳で。]
ほー、勝負。いいねぇ、熱いねえ。しかも罰ゲーム付きたぁ
やるじゃんね?俺も勝負吹っ掛けてみよっかなー。
[相手は、パッと浮かんだ友の顔。]
/*
少しは他の人とも語らいたいところだけれど、
ちゃちゃっと二人でお出掛けした方がいいかな。
ポーカー勝負を仕掛けて二人揃って4番が夢です。
あ、いけね。
出掛ける約束してんじゃんか、俺。
[女子の居る所へと向かおうとしていたが、約束を思い出して
くるりとUターンを決めた。
後を追う男子に手を振って、がんばれよーと一言残し
急いで天倉との待ち合わせ場所に向かうべく、早歩き。
廊下は走ってはいけません。]
―ロビー―
えぇーっと…天倉、天倉と。
[具体的にロビーの何処で待ち合わせるかを連絡するのを
忘れていた為、しばらくは首を右へ左へと動かしていた。
手には、しっかりとクラスの男子から借りたトランプ――。]
あ、居た。
天倉!
[その姿は多くの生徒の中であっても程無く見つける事が出来て、
>>581早歩きのまま近付いて行く。
篤史の服装は制服の上着とお出掛け用肩掛けカバンと、
昼間と何ら変わりない姿だった。]
え?やるよ?
その罰ゲームがあるから燃えるんじゃないか。
さっき俺んとこのクラスの女子も勝負してたって聞いたぜ?
[どこか適当なテーブルと見渡すと、少し奥まった所に
カウンターがあったので其方を指差して]
勝負だ、天倉!
[出掛けるのはその後からね、と付け加えて。
まず最初に謝るはずが何処へやら、ポーカー勝負を
挑む流れになった。
乗り気でない>>601>>602天倉の様子など構いもしない。
罰ゲームへ持ち込む事が出来れば、彼の普段と違う一面が
見られると思えば、やるしかない。]
じゃ、勝負持ちかけた俺からが良いな。
役出来ますように〜〜〜…ルール良く分からないけど。
[何か不安を誘うような事を言いながら、良く切った
カードから5枚を引いてみる。]
ほい。
[カウンターの上に並べられる…]
……お互いワンペアか。
なんというか、残念なような。
お前が女子の風呂場の前で全てを曝け出して叫ぶシーンとか
拝みたかったんだけどなー。
ナー。
[一応は罰ゲーム回避となった以上、これ以上の勝負の
必要性は篤史側には無い。
ただし、天倉が続けようと言うのであれば続けるつもりはある。]
―ロビー―
面白いからに決まってんじゃんか。
何しろー?普段あんまりハメ外す事ってしないだろ?
たまには違う部分を見せるのも良いって話だよ。
女子の風呂場の前で叫んだら、お前人気者になれるぞ。
[大体は男子のヒーローとなり、女子の敵になるだろうが。
そんな光景を思い描いては意地悪く笑ってみせて、
カードを片付け始める。]
続きやんないのは残念だけど、何?そんなに歩くのか。
何処行くにしても早い目に戻れるようにしようぜ、
消灯時間過ぎたりしたら先生から大目玉だし。
[天倉の後に付いて、さて何処へ行くのかと訊ねながら。]
ん…?
未谷さんと丑ヶ谷さん、もしかして罰ゲームでも当たったか。
[同じクラスの二人が先に外へ向かうのを首を動かして追う。
>>629>>632名前に似たようなものが見える所や、何かと
二人で居る気がする所から、篤史のめでたい頭は
普段から仲が良いと勝手に思っていたりする。]
……あの子達くらいになると、お互いの色々って
よく解ってるんだろーなー。
[そんな勝手な思い込みから、羨ましそうな小さな呟きひとつ。]
俺、天倉の事あんまり知らないんだよな。
[クラスも違うし、委員会活動でも同じ担当になる事も無く。
互いに時折会って話はすれども、彼という存在の深い部分までは
知るに至っていない。
羨ましそうな呟きは、ぽつりと天倉の傍で零れて
勝手に胸の内にじわりと染みを残す。]
…それはお互い様だろ。
[思わず聞こえた呟きに、一瞬歩みが止まりかけ。
顔は前を向いたまま、囁き返す]
俺は女史のヒーローなんかより……
お前のヒーローになりたいよ――。
[さらに小さく呟いたのは、紛れもない本音。*]
そっか、女子だからか。
[天倉はその一言で片付けてしまったようだが、>>646
篤史はどうも納得がいかないようで、浮かぬ顔。
だからと言ってそれ以上追求する訳にも行かずで、
教師に断りを入れて外へ向かう姿をただ追うのみ。]
俺も一緒に行って来ます、夜間拝観なんて滅多に
行けるものじゃありませんからね!
[篤史が歴史関係に目が無い事を知る教師は、身を乗り出し
過ぎないようにとひとつ注意を飛ばして二人を見送る。]
あれ。俺の事知らないの。
歴史好きなトコとか、全部お前の前で見せてるのに。
[む。
口がへの字に曲がる。
きっとその程度は知っていて当たり前だと思われているの
だろうが、そのままの意味として捉えてしまって
途端に機嫌を損ねてしまう。]
だったら天倉、何か知りたいことある?
[しかし、立ち直りも早い。知らない事があるのなら
教えてやろう、とコートの袖を小さく引いた。]
――――――…?
[誰のヒーローになりたい、と言ったのだろう。
もう一度、言ってもらえないだろうか?しかし小声である
以上、もしや誰か特別な想いを寄せる人が居るのでは。]
そっか。
[そこまでに考えが至ると、急に例えようも無い程に
寂しくなって、掴んでいた袖から指が離れた。*]
[手はぶらりぶらり、宙を凪ぐ。
掴むものも無いままに、天倉の後ろをただ付いて行く。]
いいなー。
[何に対する言葉なのか、それすら明確にしないまま
夜の空に投げ掛ける。
天倉なら解るだろうか、解らない方が幸せかも知れないが。**]
歴史が好きな事も。
甘い物が好きな事も、知ってるよ。
……あ、いや…そういう事じゃなくて…。
[なんだか不服そうに、口をへの字に曲げてしまった聖前に、無様な程うろたえる。]
そう言うは、全部女史から聞いて知ってたし。
……そう言う事じゃなくて…。
[すぐに立ち直ってくれたようだが、こちらは相手を不機嫌にしてしまった事が何気にショック大きい。]
[『何か知りたいことある?』
そんな言葉に狼狽し。まずは昼間のことを謝罪するべきか。
それとも、先に彼の思い人を聞いてしまおうかと、ぐるぐる思考を巡らせる。]
な、……あ…。
[せっかく聖前が近づいて、自分のコートの裾に触れていたというのに。
彼は己の呟きを聞いた途端、離れていってしまった。]
/*
皇くんの土佐弁が効いた…似合うなあ。
後、蛍火さんどんだけ同好会掛け持ちしてるんwwww
ウチ(民族学研究同行会)にもくるかい!
―ホテルからの道程>>669―
[後を付いて行くだけではあるものの、大体今どの辺りを
歩いているかは把握している。
そもそも、態々夜間拝観に連れ出すという事は
自身の好きな歴史的建造物のある所へと連れて行こうと
しているのだろうとは、篤史自身薄らと察していたからだ。]
へぇ…灯篭が灯ったら、凄く綺麗だろうなー。
[浮いたり沈んだり、感情が不安定な動きを見せている。
石畳を見下ろし、時に天倉の頭を見上げ。
その中でただ思う事は]
それじゃ、また春に来なきゃな。
[…それだけ。「誰かと」とも「一人で」とも言わないで、
天倉の中途半端な言葉に合わせるかのような、曖昧な希望を。]
―高台寺―
[拝観料は俺が俺が、というやりとりがあったかはさて置き。
何故か天倉が二人分支払ったので、>>702後で何か奢って
やろうと篤史は誓っていた。]
うわー……。
[感想は無い。言葉に如何現せば良いのかが分からなくて、
ただ視線を四方八方に巡らせるしか出来ずに居た。
長い長い時を超えた建立物を、現代の光が照らす。
何気ない事だろうが、何処か不思議だと思いながら
感嘆の声を上げては歩く。]
へ?
[その最中、すっかり忘れ去っていた一件の話を
天倉の方から切り出して、思わず間の抜けた声を上げた。
そうだ、自分の方こそ謝らなければ。]
いや、別に何も言われてないけど。
あー、そういや…あの時、車内販売が通ってたんだって?
俺気付かないで居たもんだから。
避ける為に引っ張ってくれたんだろ、あれ。
[そうだ、折角だし土産のお守りも渡そう。
ポケットの中に入れたままにしている葵双葉のお守りの袋に
そっと触れる。]
バランス崩したのは俺の不注意だし、それより
助けてもらっておいて何も言わなかったのは申し訳なくてさ。
ごめん、重かったんじゃねー?
[ちらほらと緑から紅へと変わりつつある紅葉を見上げ、
最後に天倉の顔を見る。
彼の言葉尻が小さく小さく、何かを告げている。
しかし周囲の声にかき消されて聞こえなかったから
一旦は聞き流す事にした。]
うぇっ!?これ!?
ちょっと待って、これあれじゃないの、あの金平糖専門店の!
うわーーーー!お前そっち行ったの!?いーなーーー!
んで、これも俺にくれんの?
[五月蝿い。
話の腰をへし折って、天倉の差し出した土産物>>704に
歓喜の声を上げに上げるその姿は、まるで子供だ。]
へへへ、何味かなー。
このうさぎは、えーっと岡崎神社か。
でもなんでそっちなんだ?岡崎神社って、ご祭神が子沢山だから
子授け・安産・縁結びのご神徳があるってとこじゃん。
あ…お前、ちゃんと
自分のお守り買ったかー?
[そこで思い至るのは、縁結び。
そちらが目的であったかと思い、問う声は僅かに上擦った。]
えー…まあ、そりゃ今も友達だし。
つーか何、そんな改まってよう。
[木々を抜ける夜風は、少し冷たくて心地良い。
火照る頬を冷やすには最適か。
何故だか友だと改まって告げられると>>707首を傾げたくなるが、
それが何から来るものなのかが明確な形として現れず、
結局はポケットからの土産物で誤魔化すこととなる。]
ま、いいや。
俺からも土産。下鴨神社の紋の「双葉葵」を象ったお守り。
良いご縁がありますよーに、ってな。
言っとくけど、異性の縁ばかりじゃねーぞ?
仕事や、友人関係とか、そういう縁もひっくるめての縁結びな?
[妙にそこだけは強調して、傍目から見れば若草色のハートが
二つ寄り添ったストラップのようなお守りを差し出した。]
―――…いい縁にめぐり合えるといいな。
[告げる言葉は最早それだけ。
伝えたいものはまた、明日にでも。そう思いながら
灯りに照らされる境内を二人で歩いて行く。*]
―ホテルへ帰る道すがら―
……俺は…、
[他の参拝客も多く。
結局、高台寺では本当に言いたいことを言えず。
再び石畳の道を辿ってホテルへと戻る。]
――俺、お前の事
[狭く折れ曲がった石壁小路を歩きながら、声を落として。]
好きだから――。
[彼に告げる。
それきり、もうホテルまでは何も語らず。
俯き、黙ったまま。**]
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