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―宿 ―
[ 村の誰かからアルビンが戻ったことを聞きつけ、今朝になって宿へとやってきた。もし会えたら街のショコラーデを仕入れてきてくれたか聞き出すつもりだ。
朝食に女将の料理と、オットーの配達したパンなど食べながら、宿の息子ゲルトと話している。 ]
ゲルト…あんた、レジーナに留守番任されたんでしょ?
寝てる暇があったら、ほら!暖炉の火をもっと強くしてよ!
寒いったら…! **
[ 非常を報せる鐘(>>15)が高く鳴り響いて、やがてレジーナの宿は村人で溢れた。 ]
[ 世話焼きの年増女たちに促され、タオルを取ってきたり湯を沸かしたり…ゲルトでは気の回らないであろう作業を手伝わされている間に会議ははじまる。 ]
[ カタリナやモーリッツの訃報を聞いては「氷漬け」が文字通りなどと思うはずもなく…
気の毒に思い、悼みもしたが、この天気で外に出ればそりゃ凍死もするでしょうね…と思ったくらいだった。
昔飲んだくれた旅人が凍死したこともあったようななかったような。 ]
[ やがて言葉を挟む必要も間もなく、避難(>>16)との結論が出た。 ]
…何から逃げようっていうんだろ。
この天気じゃ、村から麓に行く前に遭難しちゃうと思うけど。
[ そうぽそっと言ったが、たぶん誰も聞いていなかっただろう。 ]
[ 乗り気はまったくしなかったのだが、ヴァルターに「村長」として避難の手伝いを命じられ、雪崩に遭うことになる。(>>18) ]
[ 避難の際、誰が居て、誰が居なかっただろうか。 ]
[ 助けの必要なものには手を貸しただろう。子連れや独居老人には声もかけた。 ]
[ その時。 ]
[ 狼の、低い低い咆哮にもにた轟きが。 ]
[ 白い煙を上げて。 ]
――――――……っ!!!!
[ それが雪崩だと知覚するよりも早く。 ]
[ 唸る白い悪魔は人を人を人を…! ]
[ 飲み込んだ。 ]**
[ 意識が戻ったとき、すぐにそうだと自分で分からなかった。
頭上も、足元も、周囲ぐるりぜんぶ…真っ白。奥行きのない、底の知れない白。 ]
ナニコレ…
[ 自分の声を耳で聞いて、記憶が蘇る。>>40
慌てて視線を巡らすと、唯一の緑が引っかかった。 ]
(鳥の羽…?)
[ 何故かそんな風に思った「それ」は布の端。手に取ると粉砂糖のように軽い白がはけて帽子が現れる。 ]
[ もう少し離れたところにようやく立ち尽くす帽子の主を見出した。>>56 ]
[ 何と声をかけたものか…やけにのろのろと帽子を手渡しながら]
誰か…人を、…呼んで来た方がいいのかな、これ。
[ やがてニコラスは宿への道を駆け戻るが、パメラはまだしばらく動けないでいた。 ]**
― 雪崩のあとで ―
[ 何故か。走馬灯のように、今はまったく関係のないことが次々に頭を過ぎった。 ]
[ 幼少を過ごした街並み、父の顔、買い与えられた服、樵の家で飼われていた犬、今朝の甘いコーヒー(>>55)。 ]
[ ふと幾年か前のことが思い出された。 ]
[ 「昔の頃のように街で暮らしたいと思わないか?」と少し年上の彼に問われた時はビクリとした。
それは本当にはどういう意味だったのか。
…やんわりと「村から出て行け」と言われたように感じ、とても焦ってしまったのを覚えている。 ]
急に、なに? どういうこと?
[ しかし、アルビンはすぐに話を打ち切ってそそくさと席を立ってしまう。
時折、そんな反応を見せる人たちがいる。決まって視線を反らし、どこかへ行ってしまうのだ。 ]
[ 幼少期を街で過ごしてしまった自分は、村で明らかに浮いていたと思う。
村の子どもの遊びは、他の小さな子よりもずっと下手で。
そのためか、髪を引っ張られたり物を隠されたり、そんなからかいの対象によくなった。 ]
[ 子どもの域を出てからはそんなことはなくなったが、かわりに不思議な距離感が出来た。
アルビンの見せた反応のような。 ]
(きっと、ここに居てはいけないんだ。)
[ なんとなくずっとそう思っている。 ]
― 今朝、まだ何も知らない頃…村の宿にて ―
[ 村の誰かからアルビンが戻ったことを聞きつけ、今朝になって宿へとやってきた。今日の朝食も摂るつもりで。 ]
[ 外套とブーツの雪を払って顔を上げると、寝ぼけ眼のゲルト。それから、驚いたように目を瞬かせているアルビン。 ]
おかえり、アルビン。
…相変わらず眠そうね、ゲルト。
[ ゲルトはレジーナに留守番を頼まれたらしい。なるほど、普段からぼやけた顔が一層ぼやけているのはそういうわけだ。 ]
ちょっとー。食べられるもの、出してよ?
レジーナの作り置きとオットーのパンがある?…なら大丈夫かあ。
ところでね!アルビン、覚えてるよね、約束。
この時期になると、不思議と食べたくなっちゃって。
[ アルビンは商売人だ。もちろん注文は忘れていなかった。 ]
[ 勧められるままカウンターの左隣へ座り、食事が出てくるのを待った。 ]
[ 食事を持ってくるのが早いか、ゲルトは寝ていいか、などと言い出す。>>0 ]
ゲルト…あんた、レジーナに留守番任されたんでしょ?
寝てる暇があったら、ほら!暖炉の火をもっと強くしてよ!
寒いったら…!
[ そんなやり取りを見、笑いながらアルビンの出してきたコーヒーはいつもよりずっと甘かった。>>55 ]
[周囲を見渡すヨアヒムの横顔を見、むっ…とする。
そんな場合ではないとよく分かっているのだが。
彼がそうするのは当たり前のことなのだが。]
(関係ない。関係ない。)
[ 面倒見のいいヨアヒムは嫌いだった。 ]
[ そんな思考の脱線は、行動の遅延を招いて。
見かねたヨアヒムに腕を引っ張られ、その場を後にする。 ]
いいって…
[ 振り払おうとしたその時、先の現場からそう遠くない場所を二度目の雪崩が通り過ぎて行った。 ]*
/* 蛇足な補足
超常現象的不可思議な雪崩(一瞬のうちに周囲を白に染め、視界が戻れば人の姿だけが忽然と刈り取られたように見えた…みたいな)の描写下書き中に、ニコラスの描写>>56で「なんか生存者いるっぽい」感じになったのとニコMEMOの「よろしく!」で動いた方がいいなこれはーってなり、書き換えた結果がこれ。>>57
雪崩でNPC全員行方不明でいけるかな、NPC救助ロールがあってもいけるかなくらいのつもりで。
ニコラスのとこまで歩いてるし話してるのでパメラ埋まってない。>>57
でもヨアヒムの描写だとなんか埋まってる!>>64
でも埋まってないつもりなので「軽く移動中に積もった雪を払ったもらった」感を出してみた。>>104
元々立ってるので、差し出された手>>113に「いい」>>125とお断り。
でもどうも立ってるのに立ち上がる必要があるっぽい>>130ということで、
立ってたけど、呆然としてる間によろけてへたり込み、その拍子に崩れた雪に足許が埋まった感じ?
齟齬のいいわけ〜いいわけ〜 */
/* 今は合流してヨアヒムと会話のありそうなペーターと、アルビンの発言に反応がありそうなヴァルター待ちです。
コアがずれているので後手に動かないと時系列がとっ散らかりますからね。 */
(かちかちかちかち…)
…あれ?
(かちかちかちかち…)
(かちかちかちかちかち…)
[ 早すぎる時刻みの音かと、しばらくは思っていた。 ]
(かちかちかちかち…)
[ 歯の根が合っていないのだと気付く。
寒さと、唸る雪崩の恐怖と、その後の静けさと、今ひとつ気付いた恐ろしい感情のせいで。 ]
(カタリナの死んだこと、もしかして少し、嬉しいんじゃない?)
(そんな、とんでもない!)
(…。)
(……。)
(………でも、何故かほっとしてない?)
[ 震えながら自分の身を抱いた。 ]**
[ そして、自分の声が思ったよりずっと震えているのに気付いた。 ]
[ 体を温めなければ。 ]
[ 先ほどの会議の際に使われて放置されたままのタオルならそこかしこに散乱していたが、それを使う気にはなれず…しょうがない、留守番のゲルトにでも頼もうか…と目線を彷徨わせていると、リーザが布を差し出してきた。(>>221) ]
…。
[ 誰かが雪崩のことを聞いて来たような気がしたが、ヨアヒムが説明するのに任せ(>>211)、水気を拭っていると、オットーはティーカップを差し出してくれた。受け取りつつ、うなづいた。(>>213) ]
(…朝のコーヒーほど、おいしくないなあ…)>>55
[ ひとくちすすって、ぼんやりとそんなことを思った。 ]
[ ただちょっと誰かと居たかったから提案してみただけなのだが、思いのほかすんなり乗り気なクララの返事で、ほっとしたりして。>>285 ]
でも、あ 洗いっこはちょっと…うーん…でもー
[ まあそれもいいかなあ、口に出しかけてクララの目線の先に気付く。 ]
[ ペーターが、何故か明後日の方向を向いている。心なしか、不自然に背筋まで伸びているように見える。(>>284) ]
…。
[ そこへタイミングよくヨアヒムがペーターに声をかけた(>>286)。 ]
えらいねーヨアヒムとオットーの手伝いをするんだ?
ついでに是非ゲルトが宿仕事サボらないよう、ちゃーんと見張っててねー。
[ …とダブルの釘をさしを忘れなかった。 ]
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