565 【SF＆BBS風人狼騒動RP村】Sleeping Silver Sheep ④ ～ 銀色羊は＂狼月の村”の夢を見るか ～
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ならず者 ディーター
人の顔見て失礼なやつだな。ン？
［そう言いながら、お兄さんに何持ってるのか見せてみなさい、と言わんばかりにニコラスの手元を覗き込めば、見るからに上等な酒が。
それこそ、特別な日──二十歳の誕生日とか──に出されるような値が張る代物だ。
さて、ディーターは逡巡する。
これは一本だけだろうか。自分を見て飛び上がるということは、見つかりたくはなかった、と予想できるだろう。──では、一本だけだろうか？］
ニコライ、ソレは一本だけか？
［そう聞いてみる。
もし、一本だけだ、と言われたらそれはもう残念そうな顔で諦めただろうが、もしもう一本ぐらい無事そうなものがあったら、その時はやりぃ！と言わんばかりに一本かっぱらっていっただろう。*］
ならず者 ディーター
［ジムゾンが村に帰ってきたとき、「え、お化け？」と口の端から飲んでいたものを溢しながら思わず言ってしまった。>>1036
いやマジで、遠方からの訃報って信用ならんわ、と思った瞬間だった。
マジで幽霊だったってオチはつかないよな？
「おっさん」と呼ばれる度に「お前もそんな変わんねえだろ」と突っ返していたのは仲が良い証拠、ということで一つ。
そりゃもう、ジムゾンは悪ガキだった、と言えよう。
というか、たぶん幼少期の自分達をお互いに入れ替えたら、今の自分達になるんだろうな、とすら思う。
そりゃ少年なので悪さもするし、一緒に悪さもしたことがあったろうが。
今は──そうだな。
ディーターがロクでもない人間なら、ジムゾンは神父にしてはフランクな人、だろうか。ディーター目線、ね。］
ならず者 ディーター
［ジムゾンに聞かれたことに答えようとして、すっ飛んできた親父さんにジムゾンが耳を引っ張って連れて行かれたこともある。
それを見ながら、悪いことはするもんじゃねえなあ、と思ったり思わなかったりしたものだ。
───突如。
すぱーん！！！と戸が開かれて、完全に気を抜いていたディーターは驚いて身を跳ねさせ、ザバッと湯を波立たせた。］
おい、ジムゾンお前──いや、服ぐらい脱いでこ…あ？
［ずかずかと歩み寄ってくるジムゾンに、ディーターは姿勢を直しながらそう言うが、「ヨアヒムと同じ括り」と言われて>>1040、クイっと片眉がつり上がった。］
ならず者 ディーター
ちょっと待て、思い出すから静かにしろ。
あー………図書館奥の保管庫……
右奥から三列目の棚の上から二段目、
左から五番目の棚に入ってる羊皮紙三巻に書いてあったはずだ。
オレが口頭説明するより、そっちの方が早い。
［そう伝えたら、ジムゾンは湯場をさっさと後にしただろうか。>>1040
忙しそうに出て行く背中に、「おい、転ぶなよ」とひと声かけて見送った。*］
ならず者 ディーター
─ 村内・レジーナの宿 温泉 ─
［まさか、「寝ているのでは」と思われて慌てられたことは知らない。
前科が多量にあるのでそう思われるのも仕方がないのだが、もしニコラスに「寝てたかと思った」と言われていたら、「なんでだよ」と返していたことだろう。］
そういや、天気よかったな。
このまま悪天にならずに済みゃあいいんだが。
［ディーターの手が口元を触る。それから、一瞬「あ」という顔をして、何事もなかったかのように手を下ろした。煙草を吸おうとして、いや今ないわ、となった、というのはバレなかったと信じたい。］
ならず者 ディーター
［一瞬、え？と言いたげな反応を見せたニコラスが、自身の荷物を再び漁ったのを見て「お、一本じゃないのか」と、しめた！とでも言わんばかりの顔をして、その様子を見守る。
なるほど、ちょっと天候が悪かったから、瓶の確認をしていたらしい。
まあ、瓶って割れるときはすぐ割れるよな。わかる。
二本目の酒瓶が出てきて、安堵するニコライの横からぬっと手を伸ばして、今しがた無事が確認された酒瓶を掴む。］
じゃ、こっちはオレにってことで♪
［そう言って、無遠慮にニコライから高い酒を一本かっぱらった、というわけだ。
ニコライはお小言がないので好き──というわけではないが、彼のことは「たまに帰ってくる家族」ぐらいに認識している。だから無遠慮なのか、と？その通りだ。］
ならず者 ディーター
［さて、彼が来た>>1051のはいつだっただろうか。
ジムゾンが来る前か後かはさておき。
ちらりと見上げた先にあった目と目が合ったから、会釈を返す。
どうやら、この時期にやってきたお客さんらしい。
湯に浸かると共に、深い息を吐く男に、頭の中であー、わかるわかる。などと考える。
先ほどちらりと見た身体は、なんというかギクシャクしているように見えた。
全体的に痩せてはいるのだが、脚腰にはしっかり筋肉がついているように見えた。
んー、飯食ってんのかな、なんて少しずれたことを考えただろう。
男は少し離れた場所に座ったから、今はもう煙に巻かれてその身体はほとんど見えないだろうし、そもそもディーターには見る気がなかったので、彼のその他身体の詳しい特徴>>1054については、気がつかなかった。］
ならず者 ディーター
さて…のぼせそうだし出るか。
日が暮れる前に、お前サンたちも遅れずに来いよ。
［ざばり、と腰を上げて一足先に湯から上がると、振り返ってそう言う。
きっと一時だけのお客さんもいるため、一応と儀式の場所を明確に伝えて、湯場から出て行く。
脱衣所で身体を拭って、服を来たら酒瓶とチーズ──は、布に来るんで懐にしまっておく。ガチャガチャと酒瓶がぶつかる音を鳴らしながら、男湯を後にした。*］
ならず者 ディーター
─ 少し前・レジーナの宿 温泉 ─
［突然名前を呼ばれて、ディーターは肩をびくりと振るわせた。
湯の水面に波紋が広がる。ニコライの方を見ながら、今日はやけに呼びつけられるなあ、と思った。
あと大きな声を出さないで。浴場だけじゃなくて、オレの頭に響くから。
なんていうのは、心の中で考えていることなので、相手に届くことはないだろう。］
な、なんだ…
おい、近ェよ！オレとキスでもする気か、お前！？
［ずずい、と近づくニコラス>>1109に気圧されて、仰け反りながら少し顔を背けて言う。
何やら鬼気迫る様子のニコライが口にした言葉に、ディーターは首を傾げた。］
ならず者 ディーター
ゲルト？
いやまあ、それはいいけどよ…なんだお前、
ちょっと変だぞ……
［何やら、並々ならぬ理由がありそうだ。
「今僕が口にできるのはそれだけ」なんて。
大げさだなあ、なんて笑い飛ばせそうにない空気をニコライが背負っていて、今はそうしてはならないだろうことだけはわかった。*］
ならず者 ディーター
─ 村内・→月狼山へ向かう途中 ─
［レジーナの宿から今日初めて出ると、飲み掛けの酒瓶に残っていた酒を一気に呷って、空になった瓶をゴミ箱に放り込んだ。
思ったより残っていた酒が多くて、急速にアルコールが身体に回るのを感じながら、新しい酒瓶を開けると、無遠慮に口に流し込んだ。
儀式に向かう最中、誰かに会うことはあっただろうか。
もし、会うことがあったなら、儀式前だというのにいつもと変わらず酒臭い男に、顔を顰める者もいたかもしれない。］
ならず者 ディーター
［少なくとも、男はゲルトに出会った。>>1100
ニコラスに言われていたこと>>1109もあって、姿を確認するとすぐに寄って行った。］
よう、ゲルト。
［そう言って話しかけたら、きっと彼はこの呑んだくれにも予言を教えてくれただろう。
ディーターは歩きながらゲルトの話を聞いて、少しの時間、顎髭を撫でながら黙った。］
ならず者 ディーター
ン〜……
まあ、儀式が終わればわかるんじゃね？
［しばしの沈黙のあと、ディーターが発したのはそういう、些か無責任な言葉だった。
ゲルトの言葉に、本当に？と言いたげな顔はしていただろうが、口に出すことはなかっただろう。
なるほど、ニコラスそういうことか、という顔をしていただろうと思う。］
まあ、大丈夫だろ。気にしすぎんなよ。
［そう言って、パンパン、と軽くゲルトの背中を叩いて、特に呼び止められることがなければ、酒瓶を傾けながらゲルトを追い越して歩いて行っただろう。*］
ならず者 ディーター
─ 村内/記録・フリーデルと ─
［ディーターがのぼせて倒れる場所はまちまちだ。
談話室で、辛うじてズボンまで履いて倒れていることもあるし、湯船にそのまま沈みかかっていることもあるし、なんとか湯からは出て、そのまま力尽きていることもあるし、脱衣所で動けなくなっていることもある。
そもそもの問題として、酔っぱらいの「いや、もう酒抜けた！」は信用してはならない。ガバガバの判定だから。
まあ、とにかく。
おかげでフリーデルの世話になったのも一度や二度ではない。>>1019］
ならず者 ディーター
［のぼせからある程度復活して、起き上がったディーターが酒瓶を探し始めたことを嗜められたこともあったかもしれないし、］
大丈夫だから。飲めば二日酔いとか全部治るから。
［と傾けた酒瓶を取り上げられたこともあったかもしれない。
ペパーミントVS迎え酒はその時に勃発したのではなかっただろうか。］
酒のせいじゃねえよ、出るタイミング間違えただけだ。
［呻き声を間に挟みながら言ったディーターに、フリーデルは穏やかな顔を返してはくれなかったと思うけれど、さてどうだったか。］
ならず者 ディーター
［お酒と煙草はほどほどに、と言われて、>>1020はいはいわかったよ、と手を振る。
絶対にわかっていない。それはそう。行動にガンガン出ている。
平常、ここまで言って聞かない人間がいたら、大抵の人間は愛想が尽きてほったらかし、なんていうのが普通だと思うのだけれど。
どうも、そうでもないらしい。
彼女の小言は(意外と、彼女に限った話ではないのだが)変わらず鼓膜をちくちく突いてくる。──し、変わらず看病したり、世話を焼いてくれたりする。］
ならず者 ディーター
［ディーターの場合、怪我を隠しているわけではないので(できれば、理由は知られたくないが)、いつだってその存在を確認することができる。
尤も、こういうとき>>1021にしか、まじまじと見る機会はないかもしれないが。
もし、彼女が好奇心に負けて頬をつついたりしたことがあったなら。
呻き声と一緒に、少し眉根にシワを寄せただろう。
それから、］
よせ……病人だぞ……
［と烏滸がましくも言っただろう。
病人！？まあ、酒に溺れるのは病気ですけどね、確かに。］
ならず者 ディーター
［過去、やっと酒が抜けた、と思いながら図書館で作業をしていたときだった。
保管庫の本を探していたらしいフリーデルに尋ねられたことがあった。］
あー…それなら右奥の本棚の三段目中央あたりにあると思うぞ。
その辺に関連したモンが固まってるから。
あと、それ読むなら隣の本棚の下から五段目、
右から二番目の本も一緒に読むとわかりやすい。
内容自体は違うから、本棚が違うんだよな。
［ペンを置いて一通り答えたら。
再びペンを手にとって作業に戻る。
だから、フリーデルがクララに話していた>>1022ことも知らない。
もし聞こえていたら、「おいおい、侵害だなァ？」なんて片眉を上げて言って、そのあと笑ったのだろうけれど。
その時の印象は、きっと酒を飲んで酔っている時とは違っただろうと思うけれど、フリーデルがどう感じたかは彼女だけが知る、ということで。*］
ならず者 ディーター
─ 村内・満月は天頂に ─
［ディーターが祭壇に着く頃には、ついさっき開けた酒瓶の中身は十分の一ほどになっていた。
月狼山を見上げると、皓々と輝く満月の光で目が眩むような気がした。
視線を下ろす。祀られている大きな金色の楕円形の岩は、1000年で摩耗した表面に、双頭の狼のような獣の紋様が曖昧に残っている。それも、極端に近づいてよくよく見なければ認識するのは難しい。
──金狼様は、月から──……
酒瓶に残っていた酒を一気に煽ると、儀式の間は傍に寄せて置いておくことにする。帰る時には思い出せるだろうか。──誰か、言ってやった方がいいかもしれない。］
ならず者 ディーター
［手に持っていた未開封の酒瓶を、供物として捧げる。］
───。
［頭に叩き込まれた儀式の手順に倣って、岩の周囲を囲む輪の中に混ざる。
隣の人間と手を繋ぎ、金狼様を讃える唄を何度も詠唱する。
朦朧と。意識が。
内側から何か抜き取られるような、強い虚脱感。］
ならず者 ディーター
［数十年──或いは、数百年に一度だけ。
金狼様がご満足なさって、岩が鳴く。それが──今。
身体の内から打ち震えるような感覚が押し寄せてくる。
それが勢いよく自分から飛び出していって、全身に纏わりつくような感覚に陥る。
奇妙な咆哮めいた音色を、月光と共に全身に浴びる。
視界と脳が痺れたように滲み、眩ゆい金色に思考が溶けていく。］
ならず者 ディーター
［成長すると、理想と現実の乖離に苦しみ始める。
最初に感じたのは8歳のとき。棒切れ一本で野犬に向かっていったオレを、大人が口々に頭上から叱った。
そりゃ、わかる。わかるとも。だけど、当時は困惑が浮かぶばかりだった。
次に感じたのは、15歳のとき。
「そろそろ仕事覚えろよ」と言った親父の言葉で、浮ついた夢から現実に引き戻された。
最後に。20歳になる頃には、ほとほと諦めがついていた。
夢見がちな少年であったと言えよう。実に可哀想な話ではあるが。
棒切れを握りしめた少年を、自分の中から閉め出した。］
ならず者 ディーター
［それでも、頭の中で反芻してしまう。何度も。何度も。
あんなに熱心に覚えた伝承が、今では脳に焦げ付いたようだ。
貧しい暮らしをしていた村人が──金狼様は『セイラ』という──額には金色の──そうして、聖人セイラ様は神託の啓示を──］
ならず者 ディーター
［自分の頭は黙ってはくれやしないのだ。
口を塞ぐこともできない。そうするには寝るか──ともすれば。］
［どうしてお酒を飲むの？
さて、どうしてだったかな──？］
ならず者 ディーター
───ゲルト！
［酩酊状態のようにふらふらと揺れているかと思えば、いい終わらぬうちのその身体が大きく傾いた>>1212>>1213。
驚いてゲルトに駆け寄ろうとして、足元がもつれた。
酒が入った状態では、まともに走れるわけなどない。転びかかって地面に手をついた視界の端で、ジムゾンがゲルトを助ける>>1233のが見えて、大きく息を吐いた。］
ならず者 ディーター
［ジムゾンがゲルトを運ぶ手伝いを誰にともなく願う>>1234が、完全に酒が入っていて、慌てていたとはいえ、先ほど転倒しかかった足元では、逆にゲルトを怪我させてしまいかねない。
だから、その手伝いはオットー>>1247に任せて、自分はランタン(と空の酒瓶)を持って、「足元気をつけろよ」と言いながら道の先を照らす。
もし、ランタンの火が消えてしまったりしている人がいたら、ディーターがライターでつけてやっただろう。*］
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