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[その場を辞すと、わたしはすぐに外へと向かった。
厩に入って、もっとも体力の高い馬を借りる事にする]
これから王城へ向かいます。
[たしかフェリックス王子は王都に帰還されたはず。
まさか、すぐに南方偵察に向かったとは露知らず。わたしは馬を駆ると、王都を目指した。**]
― 王都 ―
[馬を走らせ、ゾネス要塞から王都への道を急ぐ。
アイリ総督からフェリクス王子へ宛てた親書を携えたわたしは、翌日夜には城下町に到着していた。
数日前(まだ転属する前)は、王都の警備軍に所属していたから、勝手知ったる道を辿り、軍の馬屋へと向かう]
……、あら。フェリクス殿下はご不在なの?
[城内で馴染みの士官(かつての同僚)に偶然出会い、フェリクス王子の所在を尋ねれば、街の治安偵察に出向いてまだ戻らないのだという]
諸外国の偵察から戻られたばかりなのに、随分と仕事熱心ね。
お身体を壊されないといいけど。
[なんて言いながら、腹の中では”やりにくいな”などと考える。
王子の評価が高いと、他国からの侵略者は、この国の者から見て”悪者”になってしまう。
出来れば悪政の限りを尽くし、救世主としてわが主を迎えられればいいのに]
…なんて、難しいかしらね。
[沈黙の間に考えていたことは、同僚には伝わっていない。
何が難しいの?と聞かれて”何でもないよ”、と明るく返す]
殿下がお戻りになるまでお待ち申し上げたいところだけど、一日ほぼ通しで馬を走らせてきたら、さすがに疲れたわ。
食事もしたいし、少し休んでからまた来るわね。
[同僚に宿泊先を伝えて、王子が戻られたらすぐに知らせてほしいと頼む。
そのあとで、今度は同僚から問われた。顔面に拵えた青あざについて見咎めたらしい]
……やっぱり、目立つかしら。
ふふ、お察しの通りよ。例の異動先で、さっそく洗礼を受けたの。
この顔で殿下の御前には出られないわね…。
[まずは傷の手当を最優先するとして、わたしは僅かな間だけ王都に留まる事にした。*]
― 城下町の宿 ―
[一度宿に引き上げて、顔の傷の手当をした。
頬に出来た青あざを隠すように布で覆っただけだが、そのままにしておくよりはマシだろうか。
まとめていた髪も下ろせば、さらに目立たなくする事は出来るだろうか]
……着替えた方がいいかしらね。
[ずっと着用したままの衣服は、少し匂うかもしれない。
宿で湯を使い身体を清めると、簡素で清潔な衣服に着替えた。
後で王子の前に出る時はまた軍服を着用しないといけないが、目立つ汚れだけ落として干せば、食事の間に乾くだろうか]
― 酒場 ―
[宿を出ると、わたしは食事のために酒場へ向かった。
食堂はまもなく店じまいをする時間だ。遅くまで人がにぎわう店に行けば、新たに何らかの情報が手に入るかもしれない]
…ちょっと、食べづらいけどね…。
[顔に貼った湿布が邪魔をして、口を開けるのも困難だが痛みはほとんどない。
雑多に賑わう店内の卓を抜け、カウンターの席に着く]
…あら、あれは何かしら?
[背後を振り返って人だかりができてる方を見れば、ちょうど拍手が沸き上がって、楽し気な歌と曲が聞こえてきたところだ]
へぇ、今夜は吟遊詩人が来てるのね。
[カウンターの中の店員と短く会話を交わして把握する。
流しの吟遊詩人による歌の披露は、この街の娯楽としては珍しい光景ではない。
かつての故郷の有様とは、それだけで随分と異なる]
[わたしは吟遊詩人の歌に耳を傾けながら、運ばれてきた食事に手を付け始めた。
任務を果たす前だから、酒は控えて代わりに果物のジュースをもらう]
…素敵な歌ね。
[そして、この国はなんて平和なんだ、と思いをかみしめる。
あの国境の崖を超えたら、そこには一日の食事すらままならない子どもがいくらでもいるというのに]
……。
[わたしは頭の中に沸いた思いを打ち消すと、目の前の食事に意識を向ける事にした。
ただし、そこまで思い詰めているわけではなく。
誰か声を掛けてくる者がいれば、顔を上げて応じるくらいはできるだろう。*]
/*
とりあえず忘れちゃわないうちに自動更新する設定に変えたザマス
ディルドレからもらったアイスおいちい(もぐもぐ)
/*
プロローグでわたしが縁故プアーなのはいつものこと…()
ねむい。もうねる。
アイスのお礼と親書を届ける。あした、やる。
― 酒場にて ―
[わたしが食事を終える頃を見計らって、目の前に小さなボウルが差し出された。
中にはカットされた、…おそらく果物だ。真っ黄色でみずみずしく輝いているように見える]
…これは?
[頼んだ覚えのない品に、器から顔を上げ店員を見る。すると、あちらに居る方からの差し入れだと、わたしの背後を指した。>>272
振り返った先に見たのは、先ほど見たのと同じ人だかり。その輪の中心に居る人物、───今まさに歌を披露している吟遊詩人からだという]
どうしてかしら?
[首を傾げると、下ろした髪が揺れ頬にかかる。もしや、顔の湿布を見られたのか、それに同情を寄せたのか。
どうやら羽振り良く上機嫌だったようなので、幸せのお裾分けという処かもしれない]
むしろ、わたしの方がチップを出さないといけない処なのにね。
[聞こえてくる陽気な調べに、思わず口元がほころぶ。タダで楽曲を聞いたあげくに、奢られてしまった。今更彼女にチップを渡すのも、デザートの対価を支払ってるようで野暮なのかもしれない。
わたしは吟遊詩人の気まぐれであろう好意に、甘える事にした]
…おいしい…。
[口にした果物は冷やされていたのか、ひんやりとして薫り高い。噛むとみずみずしい甘さが口の中に広がって、自然と表情が緩んでしまう。
あまり馴染みのない味だったから、何の果実かと尋ねたら、南国で採れるものなのだそうだ。
この国の南方は国境の小競り合いがあるらしく、平和な国土であっても多少は荒れていると聞いている。>>354
それでも、こうした物資は、国から出ずとも手に入るのだ。
これこそまさに豊かさの象徴で、憧れてやまない市井の幸せ、というものなのだろう]
[手に入れたい。
何がなんでも。
この国の王が次期後継者を定めるのであれば、それを排除して玉座にあの方をお迎えする。
手段は択ばない。
この手を罪に染める必要があるならやるし、願いが叶うなら死んでもいい。この国が手に入るのであれば、…───わたしはなんだって、やるわ。*]
[わたしがデザートを食べていると、不意に背後から声がかかる。>>314
思わずギクリとして胸を一つ、大きく鳴らしてから振り返ると、そこには見知った顔が居た]
……あ、あなたは…。
[疚しい考え>>378を悟られたのかと思って焦ったけど、そうではなさそうだ。
王宮の警護団に所属していた時に、何度か顔を合わせて言葉を交わしたことがある。
彼はなんといっても、共に連れている鷹が目印だ。
問われた内容に、目を大きく瞬いてから、ようやく緊張を解いて笑顔を浮かべる]
戻って来たのではなく、お使いよ。
王宮の方への書を預かって来たの。さっき尋ねた時はお留守だったから、後でもう一度行くわ。
[そして、やはり問われたのは顔の湿布のこと。わたしの表情は苦笑に塗り替わる]
赴任早々失敗したの。
総督の怒りを買って、この様よ。厳しいところと聞いてたけど…───まあまあ、ね。
[この頃のわたしは、彼の素性についておそらく何も知らない。
彼もおそらく、わたしがこの国に居る理由や今の任務に就いている目的も知らないだろう。
この先、…───近い将来に語り合う時期が来るだろうか]
というわけで、あまりゆっくりしていられないの。
お使いが済んだら役目は終わり。明日の朝には出立してゾネスに戻るわ。
あなたの相棒は元気かしら?
あぁ、…今は夜だから、おうちで寝てるのかな?また、機会があったら見せてね。
次にこちらへ来るのが、いつになるか分からないけど。
[彼が目の前で鷹を扱っている様子を見た事がある。
その時の光景を思い返しながら、わたしは軽く人差し指を立てて提案した。
そして、器に残るデザートの最後のかけらを口へ放り込むと、慌ただしく席を立つ]
ごめんなさい、そろそろ行かなくちゃ。
それじゃ、また、…───おやすみなさい。
[カウンターの中に居る店員を呼び、食事の代金を支払う。
鷹使いの彼を振り返って手を振り、まだ歌い続けている吟遊詩人の方を見やってから、わたしは酒場を後にした。*]
/*
実は村建て文章を作らないといけないの!
大体ひな形は出来てるけどね。
なんかもう、もう少し推敲したい
ちなみにデザートはPPAP(ただしペンはない)
― 再び王宮へ ―
[顔なじみとの再会を喜ぶ間も惜しんで、わたしはすぐに宿へ戻る。
部屋に干した軍服を触って確かめ、何とか着用に耐えられることがわかると、わたしはすぐに着替えた。
乾ききってない服が直接肌に触れた時は、少しゾクリと背筋が震えたけど、気にしている場合じゃない。
長い髪を再び束ね、姿見の前で確認する。やはり頬の湿布が目立つが、軍人なら傷の一つや二つは日常茶飯事だ。顔なじみでなければ気にも留めないだろう。
わたしは身支度を整えると、再び王宮へと向かった]
― 王宮にて ―
[フェリクス王子を訪ねれば、今度はお目通りが叶うだろうか。
親書なのだから、できれば人伝ではなく、直接手渡したい。
誰かに所在を訪ねようと王宮内を彷徨っていると、不意にどこかで鈍い音がした]
……何の音?
[けれど、音のした場所は視界にはないのか、わたしが居る位置からは確認できない。
止めた足を再び動かそうとした時に、不意に背後から声が掛かった>>360]
柱がしゃべった?
[違う。夜間で暗い廊下でよく分からなかった。よく見れば、その柱の陰にうずくまる人が居る。わたしはそちらへ近づき、腰を屈めて様子を伺う。
どうやら先ほどの物音は、この人物が柱に衝突した音だったのかしら、なんて思いを巡らせながら]
…失礼しました。軍人は怪我の一つや二つ、日常茶飯事なゆえ。
自分基準で捉えておりました。
……大丈夫ですか?
[手を差し伸べて、彼女が身を起こすのを手伝おうとする。
改めて少女のような様相を確かめ、はて、どなただったかしら、と思い返そうとすると、彼女の口から先に自分の名前が出た]
はい、いかにもわたしはドロシー・ブライアンですが。
失礼ですが、どこかでお会いしましたでしょうか。
[王宮を出入りする宮廷画家の名は、聞けば思い出すかもしれない。が、尉官とはいえ、一介の軍人にすぎぬ自分とは、あまり接する機会が無かったから、すぐに名前と顔は一致しなかった。*]
……申し訳ありません。
柱がしゃべったように見えたのです。
[無礼を重ねて詫びつつ、差し出された手を取って引く。>>400
自分を知っているらしい理由については、不意を突かれて思わず赤面した]
そのようなこと、……こ、光栄です。
[軍功ではなく、髪の事で称賛されてしまった。素直に喜んでいいのかどうか。ここがゾネス要塞だったら、気合が足りぬと再び洗礼を受けたかもしれないが、幸いここは王宮内だ。
慣れぬ称賛に戸惑っていると、相手の名を聞く]
ああ、ロロンド様…存じております。
宮廷画家、でしたね。
[ここでようやく、元から知っている名前と目の前の人物がつながる。
城の中庭の東屋で、作品を描く画家がいるという話を思い出した。
畏まらないでと言われても難しい。宮廷画家といえば、王室が招き入れた客ではないか。たとえ似たような年頃の女性だとしても、軍人としての精神を根から叩き込まれてきた自分としては、やれと言われてすぐに砕けた物言いが出来るものでもない]
失礼、……お怪我は、大丈夫ですか?
[少し身を屈めて、額の辺りを見ようとする。
出血はないだろうか。貼れていたら手当をしたいが、生憎自分が頬に貼ってる湿布しかない。まさか、これを剥がして施すわけにもいかないだろう]
[…などと考えていると、ここへ来た目的について尋ねられる]
……そうだ、
実はわが主より、フェリクス殿下への親書を預かってきたのです。
殿下にお会いしたいのですが、いずこにいらっしゃるかご存知ですか?
[などと尋ねた時だろうか。新たな人物がここに現れる。>>404
その方こそまさしく、自分がたずねようとしていた人物だった。*]
― 王宮の廊下 ―
はっ、フェリクス殿下!
[振り返ってその姿を確認すると、わたしはその場に慌てて跪いた。
問われた内容には、傍らにいるローレルが先に答えてくれた。>>410
顔の怪我について問われると、わたしは顔を上げて被りをゆるく、一つ振る]
これは、武闘訓練の際に誤って拵えた傷です。
ご心配には及びません。
[毅然と伝えると、改めて名乗った]
わたしは白狼騎士団の尉官、ドロシー・ブライアンです。
このたびはフェリクス殿下宛に、アイリ・フォールデン総督からの親書を預かってまいりました。
どうぞ、お受け取りください。
[そう言って、預かった恭しく差し出す。
ここは廊下だが、この際許していただこう。*]
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