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平気
[無事を問う声には短く。
数多の植物の魔物の攻勢を掻い潜って幾刻。
暗い色の太陽が広々と照らす平原に至る頃には
お互い、細かい擦り傷切り傷を拵えている事だろう。]
― →黒い太陽の平原 ―
……なら、いいんですけど。
[返る言葉に、短く返す。
道中増える傷については、今はそれどころではないから、と耐え、せめて駆ける邪魔にならぬように、とそれだけを心がけ。
樹の領域を抜け、たどり着いた先の光景に、一つ、二つと瞬いた]
[流石に、抱えた荷物ともども無傷で済むほど甘くなかった。
森からの追撃がなくなった事を知ると、
狼はぽとりと腕から人間を下ろす]
妙な場所に出たな
[手の甲の切り傷をぺろりと舌で拭う]
[荷運び状態から解放されると、はあ、と大きく息を吐く。
改めて周囲を見回すと、不可解な光景が目に入った]
……そう、ですね。
でも、見える範囲に害意あるものの姿はありませんし。
術を展開するには、悪くない場所、と言えるかもしれません。
[少しでも、と着衣の乱れを正しつつ、改めて魔力を書物へと集中する。
助け手の対価は、勿論、忘れてはいない]
ええと、狼さん。
探査の術には、色々なものがあるんですけれど。
今回は捜す相手が、ぼくの全く知らない第三者であるため、成功率は、あなたによる部分が大きいんです。
[その辺りの理論は説明しても届かないだろうな、と思うので、最初から端折る事にした。
魔法論を語るのは大好きだが、今回はさすがにその余裕もない]
……まあ、わかり易く言いますと。
あなたが、相手を見つけたい、とどれだけ強く思っているか、で、得られる手がかりの量が決まるんです。
[言いながら、手についた傷を一瞥し。
そこから滲む血を数滴、地面に落とした。
そこへ向けて幾つかの言霊を投げ込み、呪文を成立させる。
淡い緑の光が舞い散り、大地に現れるのは、淡い紫の水鏡のようなもの]
探す人、求める人の事を思いながら、その水鏡に触れてください。
念が強ければ、今いる場所や状況が映し出されるはずです。
[全く知らぬ相手を探すのに、自分基点の術は不向き。
この術はこの術で相手の意志力に委ねる部分が大きく、故に確実性には欠けるのだが、それは言っても始まらない]
[術の説明が始まった途端に『?』と言う顔をしていたら
最後に解りやすい結論がもたらされた]
そうか
[神妙に頷いて、術を展開する人間の横に座り込んで
じいいいっとその様子を穴が空くほど凝視している]
……!
[地面に現れた水鏡に驚いて、ぱ、と後退る。
そして、術の説明を改めて聞いてから、鏡面に手を伸ばした]
[淡紫の水鏡が、たちまち色を変える。
ミルクを流したように柔らかな白に覆われた]
…………
[眉を寄せて目を凝らすが、白い色はゆらゆらと
水のように揺れてばかりだ。]
[なんというか、『?』が浮かんで見えそうな様子に、あ、やっぱり端折ってよかった、などと思いつつ、水鏡に対する様子を見つめる]
…………??
[水鏡に映るものを見る気はなかったけれど。
何となく様子が気になって視線を向けた先にあったのは、揺れる白一色]
……霧?
[今いる場所とは対照的なミルク色が連想させたもの。
それは、無意識、言葉となって零れ落ちた]
中が見えない
[苛立たしげに呟いた。ぱたり、尻尾が地を叩く。
人間の無意識が溢した単語を聞いているのかいないのか。]
……どけ!
[それは単なる命令だった、魔術的な手順は一切踏まない。
だが、勢い込んで睨んだ水鏡から、さっと白色が引いて
あろうことか、沼地に引きずられる赤衣の姿を映す]
[苛立たしげな呟きに、返す言葉はなかった。
この術は、触れる者の意志力に応じて効果が変わるもの、こちらとしては何も言えずにいたのだが]
……わ。
[発せられた短い命令は、水鏡に映る映像に干渉して]
……あ、あれ?
危なくないですか、あれ……?
[新たに映し出された赤の異変に、ほんの少し、上擦った声が上がった]
でも、これ……場所、どこなんでしょう……。
[ものの、場所の特定に至るほどの知識はないから。
こんな呟きが口をついて出るのだが]
だいたい分かった
[およその方角なら、これで特定できる。
そう思った矢先から、再び鏡は霧に覆われた]
森から匂いを追ってたら間に合わなかった
[そうして術を行使させた人間を見遣る。
血を滲ませる手。
手を伸ばした]
そう、ですか……それなら、良かった。
[彼があの赤衣を追う理由などは知らない。
だから、見出せる可能性を示唆されると、本気でほっとして息を吐いた]
……それじゃ、急いでそちらへ行ってくださ……って、どうしました?
[こちらを見やる様子に、緩く首を傾ぐ。
大掛かりな魔法は得意とするものの、治癒系のそれはほとんど使えないため、手当は落ち着いてからやるつもりでいた。
だから、傷は血の滲むままにしておいたのだけれど。
手を伸ばされる所以は掴めず、ただ、その動きを見やるだけだった]
おまえ助けてよかった
[当然ながら、この狼が傷に対して行う処置は限られる。
さっき実行して見せたばかりなのに思い至らないのは、
やはりこの人間が接触に慣れないからだろう。
何の遠慮もなく傷口に舌を這わせた。]
やっぱり甘いな
[感想も添えた。]
― →霧の沼地 ―
[弾かれたように疾駆する姿は、最初の数歩で
完全な四足の獣に成り変わった。
背後はもう、顧みる様子はない*]
あ、いえ……。
こちらこそ、ちゃんとお返しできたなら何よりで……。
[狼の傷への対処法。
少し考えれば浮かびそうなのに、見事にそれは抜けていた。
知識先行型故の不慣れさに加え、今は気が緩んでいた、というのも大きいのだが。
ともあれ、傷に触れる感触に、数度瞬いた後]
……ひぅっ……。
[悲鳴を上げなかったのは、ぎりぎりの自制心のなせる業。
甘い、という感想に、返す余裕もない。
ちなみに、血が甘い、という評価をもらうのは、初めてではないのだが、まあ、それはそれとして]
― 灼熱の闘技場 ―
[不幸にも、目的地に直接至る経(パス)はない。
だだっ広い平原を駆け抜けて、流石に少し息を切らした。
割合、人型に近い魔物が多く集まるこの場所は
俗っぽい欲望の熱気に満ちている]
……
[微かな唸りを溢すも、目線は未だ遠い行く先を探す]
[ふと。]
……クゥ?
[犬じゃない、と己を正しく示した人間に首を傾げた。
ここに人間がいるのは、恐らくは見世物の材として
闘技場に連れてこられた武人の類を思わせるし、
実際二人は立ち姿に芯が通って無駄がないのだが]
(あの人間の匂いがするな)
[特徴的な甘さを持った、人間の残り香。
今にも薄れ消えそうなのは、両者の接触が
あまり深くなかったせいか。]
(こっちの人間からはしないな)
[同様に、犬呼ばわりした方も匂いを確認して。
因みに猫呼ばわりまで行ったらそろそろ噛みついてた。]
(つまり、こっちがあいつの知り合いで、こっちは違う)
[うむうむ、と一匹合点した。]
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