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ここを抜かれてしまえば終わりだと誰もがわかっていた。
私たちは、人間の最後の砦を守る壁だと、皆が思っていた。
人々を守れるのならば、この命を投げ出しても惜しくない、と思っていたけれども、あの御方を見ていると少し違うなと思えてきた。
人々を守り、私自身も生きて帰る。
それが明日に繋げるということなんじゃないかと。
─── 渓谷に落ちていたメモ
人は生まれながらに善を目指すのか。
魔物は生まれつき、悪の性質を持つのか。
この問いに答えを出せるものは、まだいないはずだ。
人の中にも善人と悪人がいるように、魔物の中にも善いものと悪しきものがいるかもしれない。
同様に、清らかなものとされている生物にも悪に染まるものがいるかもしれない。
決めるのは周囲の環境と、本人がどの生き方を選択したかによるはずだ。
選択の結果、為したことには善悪はあるだろう。
けれども、その選択自体を非難する気には、私はなれない。
─── 『聖魔の狭間に』 著者不詳
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