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―リエヴルの部屋―
リエヴルさん…、眠る前に、一緒に飲みませんか…?
[他の誰より先にリエヴルの部屋を訪れて扉をノックする。持って来たワインの瓶を示し、椅子のない部屋で2人きり。
昼間のようにまたベッドに腰掛けると、瓶から直接含んだそれをリエヴルに口移しで飲ませた。]
おやすみなさい……。リエヴルさ、ん…――。
[かなり強力な睡眠薬の入ったそれを飲ませてリエヴルをベッドに横たえると、自分も又、彼の傍に蹲る。
レトの血を必要最低限しか摂らなかったせいか、飢えと渇きで目眩がして。
自らも共に飲んだ薬の影響を受けて立つ事は叶わず、頭痛とぐるぐるする意識の中。
その場で先輩達のする事に手を出すことは無く。
ただ、最後の1人が部屋を出て行くまで見守っていた。
兄やソマーリュが自分に気を遣い、満足に摂取出来ずに部屋を出て行く様子を見れば、申し訳ない思いでいっぱいになる。
けれどやはり、その場から離れることは出来ずに。]
[ドールが回収にやって来るまでの僅かな時間。傷口が再生され塞がっても尚、残る血液を舐め取る。
肌に見えている赤を全て残らないように、身を清めるように舐めたのが唯一摂った血だった。*]
…………。
ソマ先輩が絶対にブランで。
カレル先輩が…、偽って言葉…使いたくないけど…。
偽の鑑定師だとしても……、やっぱりブランで…。
[6引く2――で、残り4人。]
俺は…、誰にも入れられない…。
疑えない…。
もう…、誰かを疑いたくない…――。
[投票先など自分以外に考えつかなかった。]
新入り ディークは、新入り ディーク を投票先に選びました。
― 回想・オズワルドの私室―
"兄ちゃんに話しておきたい事があるんだ。"
[リエヴルの部屋で彼を見送った後、イドを飛ばして兄にメッセージを送り。
ここに来て初めて厨房で言葉を交わして以来、兄弟2人きりで話をしたのは随分ひさしぶりな気がした。]
――……ごめんね…、兄ちゃんにとって"特別な人"だったのに……。
[しばらくの沈黙の後、最初に口にしたのはレトに対しての謝罪。]
隠すの嫌だから、今言っておく。
…俺、……好きな人が出来たんだ…。
[今まで言えなかった事。けれど、兄だけには隠しておく事が出来なくて。
あの日、礼拝堂での誓った事を打ち明けた。]
約束したんだ…、傍にいるって…。
だから…、俺…その人が望むなら…、一緒には行けない……。
[どのくらい傍にいられるだろうか――。
望まれる限りということは、いつ手放され。放り出されても、何も文句は言えない。]
でも、その人にも好きな人がいるんだ…。
俺なんかどう頑張って逆立ちしても叶わないような…、そんな人が…。
[「バカみたいだろ」そう付け加えて、笑ってみせたけれど。上手に笑えたか、自信はない。]
――…兄ちゃんさ…、"お前は"帰すって…。あの時、そう言っただろ?
[>>219 書庫での兄の言葉を繰り返す。
あの時、兄の目はどこか暗く遠くを見ているようで、嫌な予感に胸が騒いだ。]
1人で何かするとかさ…、無しだからな?
[そこまで言ってから、もう一度兄の顔を見つめた。
何か答えは返ってきたか、来なかったか。
どちらにしろ静かに席を立つと、大切な人を眠らせる準備のために退室した。]
…もし兄ちゃんが"心臓"を手に入れたら、それは兄ちゃん自身のために使ってくれ…。
――それと、いつか飲めたらいいな。
レト先輩と兄ちゃんと俺で…――。
[レトが許してくれるなんて、そんな奇跡は起こらないだろうけれど。*]
―回想・団欒室 ―
[兄が血を勧めてくれる。が、どうしても頼ってその首に牙を突き立てたい欲求を抑え込んで拒否をした。
カレルが団欒室にやってくるのと、兄に手首を捕まれたのはほとんど同じくらいのタイミングだったろうか。
けれど、自分の名を書いた票は兄がカレルに気を取られている間にイドによって運ばれる。
扉の蹴破られる派手な音が鼓膜の奥に響く。
底抜けに明るいカレルの声が、場違いに響き渡り。逆に途切れそうになる意識を保のに役立っていたかも知れない。誰がルージュか、誰に投票するか、熱く交わされる議論の声を耳だけが拾う中。
霞む視界と意識の中で、やたらと耳に残るのがカレルの声だった。]
[>>114 兄の哄笑がふと、沈んでいく意識の中ではっきりと聞こえて。なるほど、兄がルージュだったのかと。事実だけを漠然と捉えて。
『……リエヴルの所に送ってやる』
この言葉だけが、はっきりと耳に残って。
後はもう――、よく覚えていない。*]
― ??? ―
[中庭には白いクロスがかけられたテーブルと椅子が並べられてる。
目の前には紅茶とスコーンが置かれていて――、ああ…今日はお茶会なんだっけ?
…一体何の? 誰のために?
でも、そんなのどうだっていいや。
ほら――、先輩達もあんなに楽しそうにしてる――。
クレス先輩の隣にはカレル先輩がいて、そのとなりにソマーニュ先輩とフェリ先輩がいて。
カシム先輩とレト先輩は兄ちゃんに紅茶を煎れるもらってて。
ジェフロイ先輩は優雅にティーカップを傾けてて――、俺の隣には誰も座っていなかった。
そうだ、あの人はどこだろう――?
傍にいるって約束した、あの人は――。
あの人は…――ああ、いた。
ギィ先輩の隣に立って、なんだか嬉しそうに話をしてる。狩りにでも行くのかな――?森の方へ歩いていく。
会話は聞こえないけれど、笑顔がとても楽しそうで―――。]
[もう…、行っちゃうんですね…――。
わかっていました、最初から――。
それでも、あなたの笑顔が咲く場所がそこにあるなら――俺は幸せです。
あなたが幸せなら、俺も幸せです……――。
俺は紅茶に口を付ける。
兄ちゃんが煎れてくれた紅茶、赤い紅茶――。
『――……ディーク、ごめん、な……』
申し訳なさそうに謝ってくる兄ちゃんに、俺は首を傾げた。
どうしてそんな顔するんだろう?
――"兄ちゃんは何も悪くない"のに――。*]
―団欒室―
(……――血の味がする)
[気がついたらソファーの上で、最初に目に入ったのは団欒室の床だった。
唇に触れると赤いものが指に付いて。
口内に広がる濃い鉄の味は、紅茶とはまったく違うもので――。
兄が自分に血を飲ませてくれたのだろうと、理解した。
頭痛は相変わらず重く、身体を動かすのも面倒な程にだるい。]
兄ちゃん…、知っていたのかな…。
[礼拝堂でリエヴルと交わした誓いなど、最初から知っていたのかも知れない。テラスから流れ込んでくる風が、微かに頬を撫でて気持ちが良い。団欒室の豪華な椅子やテーブルが全部ダブって見える。
ソファからなんとか立ち上がって、テラスへ向かった。
兄によって飲まされた血のおかげか、眠る前よりは歩けるようになっていて。
他に誰もいない団欒室はとても静かで、眠る前の時とは随分と印象が違って見えた。
布ずれの音と時折、椅子などにぶつかる音が響いたかも知れない。]
俺と兄ちゃん…の、どちらか…。
[イドの報告を受けてうなづくものの、それ以上は何も言わず。]
…可哀相…か…。
[眠っている間の会話をイドが拾ってくれていて、カレルには大嫌いと言われてたり。
ソマーリュやフェリクスから受けた言葉に苦笑が漏れる。]
先輩達…、気にすること、無いのに…――。
俺が単に"バカなだけ"なんだから…。
[前にしか進めないポーン。ただの駒。
ふらつく足で身体はテラスの方へ向かう、前へ前へ――ゆっくりと。]
― 団欒室・テラス ―
[おぼつかない手でカーテンをのけ、ガラス扉を開くと隙間を縫うようにテラスへ出る。
吹き抜ける風が気持ちいい。
震える身体に風を受けて、考えていたのはカレルの事。
大嫌いと言われるほど彼に何をした記憶はなく。
会話と言えば、初めてあった厨房でほんの少し交わしただけだ。]
ああ、でも…――。
その通りかも…。
[>>143 寝ている間に残されたカレルの言葉。
話せば流れるように飛び出す沢山の言葉の中に、ただ1つだけ気になることがあった。
>>19信じたか? 信用されたか? 結局は疑うか?
常に不安げで不満げな言葉の数々。最初に鑑定師と名乗ったときから、そんな感じ。
彼は"味方が欲しかった"のだろうか?
残念ながら鑑定師がどうあるべきか、そう言うものは正直によくわからなくて何も言えなかったけど。]
正義とか悪とか、わかんないけど…。
「どっちも、自分の勝利の為にしか動いて無い」って言葉は、先輩の言う通りだと思う。
ねえ…先輩…"最初から信じる事"をやめたら、"誰も信じてはくれない"んじゃないか――って。
"裏切られる事"を恐れて、"初めから相手の気持ちを裏切ったら"。
誰も手を差し伸べてはくれないんじゃないか――って…、俺は…そう思います――。
[どこにいるのかわからないカレルへ向けて、イドを飛ばす。
ふらり――両手を前に出す形でイドを送り出し、乗り出した身体がテラスの手すりを乗り越える。]
[軽くなる浮遊感]
(ああ、階段を下りるより…この方が早いな…)
[「因果応報」――今まで報いをこの身に受けるなら。
どんな牙も爪も受け入れる覚悟は出来ている。]
誰も悪くない…から…。
(だからどうか、嘆かないで欲しい…)
[重力に引かれて落下した身体は、下にある噴水の彫像に激突し。真っ赤な鮮血と共に水中へと投げ出される。
水を紅く染め。
人形のように不自然に折れ曲がった身体は、意識を取り戻したとき。
果たして施設で目覚めるのか、それとも――*]
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