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― スラム街・結界外 ―
……そろそろ、一段落つきそうではある、が。
さて、問題は、ここからどうするか。
[結界の中の動きを辿り、小さく呟く。
戦いが終わったなら、結界を解いて捕らわれた者たちを開放する。
それはそれで、構わないのだが]
事の元凶は討った、後は自由にすればいい、で。
……納得されるならばいいのだが。
[『女神』が求めるものは、既に得られた。
故に、自分たちがこれ以上干渉する必要はない。
つまり後は引くのみ──なのだが。
過去に似たような事態が発生した際には、納得できなかった者たちとやり合う結果になる事も多かった]
「……相も変わらず、苦労性だな、騎士殿は」
[今後に思いめぐらせている所に、不意に、声が響く。
とはいえ、配下の者は必要最低限を残して帰還させたはず、と。
振り返った先に揺らめくのは──深い蒼色]
……おや。
貴殿が、我らが領域にお越しになるとは珍しい。
何事か、ございましたか、『蒼神』殿。
[問いに、不意に現れた人物は緩く肩を竦める。
右の手首に幾重にも巻かれた糸が、揺れた]
「なに、知った気配を拾ったんで、覗きに来ただけだ。
……『女神』の領域で力を振るう心算はないから、心配はいらん」
……そうしてください。
レディは、あなたが絡むと無茶ばかり仰いますので。
[だから大人しくしていてくれ、と。
短く告げたきり、騎士は結界へと意識を向ける。
それに、わかったわかった、と応じると、風を纏う人物もまた、結界へと意識を向けた。**]
― スラム街・結界外 ―
……概ね、落ち着いたか。
[結界内から伝わる気配が落ち着いた、と。
そう判じた騎士は小さく息を吐く。
視線を落とすのは、手にした宝珠]
「……開くのか?」
[離れた建物の壁に寄りかかっていた蒼が問うのに、ええ、と短い同意を返した後。
じぃ、ともの言いたげな視線をそちらに向けた]
「……大丈夫だ、手は出さん。
先にも言ったが、俺は知った顔……弟子の気配を感じたんで、様子を見に来ただけだ」
[その視線に苦笑しつつ、蒼はさらりとこう返す。
騎士は幾度目か、深い息を吐いた後、手にした宝珠を投げ上げ、そして]
……はっ!
[短い気合と共に、抜き放った剣でそれを叩き切る。
珠はパンっ、と甲高い音を立てて砕け散り、光の粒子を周囲に散らした。
それに応じるように、結界が揺れる。
直後、ぴしり、という音と共に空間に亀裂が走った。
亀裂は瞬く間に広がり、一瞬の空白の後、ぱぁん!と音を立てて砕け散る]
……さて。
『世界』のいとし子たちは、どう動くか。
[小さく呟き、剣を収める。
いとし子、という呼び方に蒼が眉を顰めるのには、気づかぬふりで。**]
/*
というわけで、時系列曖昧で結界解放。
どんなタイミングで反応するかは、ご自由にどうぞ、ですよ。
― スラム街 ―
[近づいてくる小さな気配。
それに気付いたのは、ほぼ同時だった]
……あれは……。
[小さき獣。
一見しただけでは、特に違和は感じる事はないが]
ただの獣……では。
ないようだが。
[低く零れた騎士の呟きに、蒼がちらりとそちらを見る。
僅かな空白を経て、微か、その口の端が上がった]
「……アレは、放っておいた方がいいぞ」
……何故。
「実害は恐らくない。
……大方、辺りの様子を探りに来たんだろ」
随分と、はっきり仰せられますね。
「ああ……ちょいとばかり、覚えがあるんでね。
ま、ほっとくのが吉だと思うぜ?
アレを潰したくらいで『支配者』の機嫌を損ねる事にはならんだろうが……一応な」
…………ああ。
『虚』の卿の関係でしたか。
[はあ、と大きなため息が落ちる。
騎士の表情には、厄介なのが、と言わんばかりの表情が浮かんでいた]
[ため息をつく騎士の様子に、蒼はく、と楽し気な笑みを落とす。
対して向けられるジト目を気にした様子もなく、蒼は小さな獣から空へと視線を向けた]
「……やれやれ。
相変わらず、動き回ってる、って事か。
……元気なもんだ」
[小さな呟きは風に紛れて消える。
蒼にとっては全ての始まりとなった場で相対したもの。
思う所は色々とあるが、それを表に出す事はなく。
蒼が意識をむけるのは、己が血と技を受け継ぐ若狼の方。**]
― スラム街 ―
[小さな獣から意識逸らした騎士は、改めて周囲を見回す]
……このまま、何事もなく帰るなら、私も手間取らずに済むのだが……。
そうは、行かぬか。
[こちらへ向けて駆ける気配がある。
やれ、面倒な、と思いつつ騎士はそちらに視線を向けた]
……手荒な事は、したくないのだがな。
レディの望む『流れ』、その契機となり得る存在……ある意味、稀有ではあるのだし。
[声音はどこかぼやくようではあるが。
瞳に浮かぶ色は、鋭いもの。*]
/*
一先ず、こちらもお出迎えの準備までに。
明日は例によって戻りが遅いですからねぇ。
できる所はやっておかないと。
[駆けてくる二つの影。
一方はこちらではなく、蒼を見て動きを止めた。>>48]
……そちらが、『弟子』というわけですか。
[独り言めいて呟いた後、騎士が見やるのはもう一方──黒虎の方]
……『聖都市』が護り手、女神騎士団。
その近衛が長にして、『女神』の永劫の守護騎士フィオン・ゲンドゥル。
[誰何の声>>49に返す名乗りは淡々としたもの。
声に宿る警戒の響きは意に介した様子もない]
……君たちがここに来たのは、彼の愚かなる組織の者を求めての事と思うが。
『獣神』は『女神』に仇なす最たるもの、故に、騎士団の名において討伐した。
……君たちを縛するものは既にない。
在るべき日々に戻りたまえ。
[正確にこちらの場所を探し当ててきたのは、先の小さき獣の手引きか、などと思いつつ。
騎士は至極淡々と、伝えるべき言葉を口にする。*]
/*
時間有限ですからねー、というわけで、さくさくと応答。
まあ、こちらも本気でやり合う気は皆無なのですが。
[こちらの名乗りに返る声音は不機嫌そのもの。>>52
殺気も薄れる様子はなく、この反応に騎士はやれやれ、と大きく息を吐いた]
……君が気に入ろうと気にいるまいと、私の関与する所ではないのだが。
[この手合いは言っても聞かぬもの。
それとわかっているから、騎士は剣を抜き放ち]
……っせい!
[大気震わす咆哮の後、放たれる熱波と焔。
対し、騎士は手にした剣を横一文字に薙ぎ払う。
刃によって焔を断ち切り、熱波は左手で掴んだマントを払う事で可能な限り振り払い]
……君たちを害する事は、『女神』の意に反するが。
どうしても引かぬ、というならば、我が『竜殺剣』の切れ味、身を持って味わってみるか?
[払った剣、その切っ先を突きつけつつ。
宣する声に、揺らぎはない。*]
……生憎、我らの在り方の要不要は、我らが定める。
君の干渉を受けるいわれはない。
……君が、我らの干渉を受けるいわれがないのと同じくな。
[睨むような瞳を見返すのは冷静な──冷徹ともいえる瞳]
縄張りを主張するのは結構。
だが、そういうのであれば、彼の者どもが動くより先に排除してもらいたいものだな。
それがなせぬというなら、君の主張はただの遠吠えにすぎぬよ。
[獣の理屈は伝われど、それを受け入れる所以は騎士にはない。
とはいえ、ここで殺し合いをする事は本意ではなく。
緋く煌めく剣は鞘へと収められる]
……何れにしろ、私の務めは果たされている。
これ以上、ここにいる必然はないのでな……引かせてもらう。
[これ以上ここにいると違う厄介が持ち上がる、とは口にはせず。
騎士が見やるのは、やり取りを見守る蒼の方]
それでは、私はこれにて失礼いたします、『蒼』の君。
……あなたであれば、誤りなどはあり得ぬとは思いますが。
くれぐれも、ご自重の程、お願いいたします。
[告げる言葉は、やや棘を孕むもの。
それに対して向けられる苦笑いを受け止めた後、略式の礼をした騎士はくるり、踵を返して歩き出す。*]
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